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2023-11-14 14:39

「PayPay」は個性か、無個性か【QRコード決済のネーミング】#13

今回のけんきゅーテーマは「QRコード決済のネーミング」です。

 有象無象の◯◯Payの中で、なぜ後発のPayPayはシェアNo.1になれたのか…キャッシュレス化の進む現代最大の謎に迫ります!! 

 

【けんきゅー関連リンク】 

◯PayPay|日本ネーミング協大賞

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日本ネーミング大賞2020年受賞ネーミング。Zホールディングから「Z Pay」とかにしていたら目も当てられなかったかもしれない。 

 

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サマリー

本日は、QRコード決済と、まあサービスのネーミングについてお話しします。申請しなければならないことがありますが、今日はあるネーミングを紹介したいと思います。すごく安直でつまらない名前だと思ってバカにしていましたが、QRコード決済について話しましょう。また、ペイペイや銀行の地方支店のネーミングなど、ネーミングの重要性にも触れます。

QRコード決済のネーミング
本日は、QRコード決済、まあサービスのネーミング、これを研究テーマにしたいと思います。
えー、ちょっと申請しなきゃいけないことがあるんですが、
私ね、今日紹介するあるネーミングをね、すごく安直だなぁ、つまんねー名前だなぁと思ってバカにしてたやつがあるんですよ。
っていうのがあの、ま、いわゆるね、まるまるペイってやつです。
今回調べただけでもね、3、40個ぐらいなんとかペイが国内であるんですけど、
実はね、このね、まるまるペイのネーミングって結構深くて、
で、なんなら今日はどういう名前だと、その、業界内のシェア率とかを高めることができるのか、みたいな、
ちょっとだけよ、衛生経済チックな話もできるかなーと思うので、
まあその辺も踏まえて、今日はちょっとお楽しみいただけるかなと思います。
ごめんなさい、ちょっと早速例外を言って申し訳ないんだけど、
これから6個、まず紹介するんですけど、
ちょっとその中にペイが入ってないやつ1個だけあったわ。
えーっと、では、列挙しますね。
1つ目、LINEペイ。
2つ目、PAYPAY。
3つ目、Dバライ。
私がね、今例外って言ったやつこれです。Dバライです。ペイが入ってないですね。
と、あとAUペイ、メルペイ。
で、最後が楽天ペイです。
はい、Dバライだけペイがついてませんが、
今紹介している6つは国内の主要なQRコード決済なので、
例外的にこいつが入っています。
表記はまちまちですね。
6つの主要なQRコード決済サービス
Pだけ大文字とか、ペイがカタカナとか、まあいろいろありますが。
では、皆さんに軽くクイズなんですが、
この6つのネーミングの中で、1つだけ異質なものがあります。
異質な名前があります。
さて、それはどれでしょう。
ちなみに、さっきの表記面で言うDバライではありません。
ペイが入ってないからっていう理由のDバライではありません。
ではヒントとして、それぞれのサービスの運営会社、
これをちょっと確認していこうかな。
まずLINE PAYはLINE PAYが提供しています。
株式会社LINE PAYだったかな、ちょっと忘れた。
と、PAYPAYは同じくPAYPAYが提供しています。
DバライはNTTドコモが提供しています。
AUPAYはKDDI、MELPAYはメルカリ、そして楽天PAYは楽天PAYMENT
というところがそれぞれ提供しています。
じゃあもうちょっとだけラストヒントよろしいですか。
各サービスのPAY以外のところに着目してみてください。
LINE PAYでいうところのLINEの部分
PAYPAYはPAY以外の文字列ないですね。
DバライはPAYないんですけど、Dの部分
AUPAYはAUのところ
MELPAYのMEL
そして楽天PAYの楽天というところ
ここに着目してみてください。
もうほぼ答えですね。
というわけで、異質なネーミングというものの答えは
PAYPAYというのが私の想定外です。
PAYPAYだけ、そのサービスを提供している会社の名前
というのが決済名に入っていないというのが異質なんですね。
さっきPAYPAYの提供元は同じくPAYPAYだって言ったんですけど
元々はソフトバンクから始まっているので
ソフトバンクPAYとかでも良かったわけですよ。
なんですけどPAYPAYはLINEやHOOと合体する前から
ずっとPAYPAYで通しているんですね。
これが他のQRコード決済と違うところであり
このネーミングだったからこそ
QRコード決済のシェアトップになれた理由なんですね。
少なくとも私はそう思っています。
LINEPAYの方が先だったんじゃないですか。
サービス開始が。
PAYPAYは結構後発なんですよ。
2018年スタートなんですよ。
もちろん宮川大輔さんとかを起用した広告戦略とかは
異質なネーミングのPAYPAY
もちろんあると思うんですけど
何よりも名前がフラットっていうことがめっちゃ大事で
これは当事者意識を持つとその理屈がよく分かると思うんですけど
例えばこのPAYPAYの名前がソフトバンクPAYだったとしましょうよ。
一番最初から。
で、NTTドコモのキャリアを使っている人が
ソフトバンクPAYを使おうと思うかっていう話なんですね。
ソフトバンクユーザーじゃないから
ソフトバンクPAYって使えないんだろうなーって思いませんか。
無意識に。
なんか障壁を感じますよね。
そのサービスの名称が頭についていることによって。
多分実質今そうじゃないんじゃないですか。
ちょっとちゃんと調べてないから分かんないけど。
なんかあんまり障壁ない気がするんですよね。
だからサービスの実際の入り口は
そんな関門がなかったとしても
使ってみようっていうハードルがぐんと上がっちゃうんですよね。
それを取り除いたのがPAYPAYなんですよ。
しかもめちゃくちゃ単純にね
このPAYとPAYを繰り返すっていうだけの
めちゃくちゃシンプルな構造で
インパクトあるじゃないですか。
そしてハードルを与えない。
フラットなネーミングになっているっていう点で
PAYPAYはめっちゃすごいんですよ。
実はね。
なんだけど私は長年
PAYPAYってめちゃくちゃダサい名前だと思ってて
冒頭でちょっと言いましたけど
何このただPAYを2回重ねただけって
こんなに脳みそ使ってない名前あるかよって
思ってたんですけど
これは戦略だったんですね。
私はそれに気づいてから本当に猛勢しました。
なんか自分の無知を呪ったというか。
PAYPAY見るたんびに自分を戒めるんですけど。
でもPAYPAYは私も使ってますね。唯一。
はい。でね。
じゃあ他のネーミングって良くないのか悪いのかっていうと
実はそうじゃないんですね。
このLINE PAYとか
ちょっとそっちも補足してみたいと思うんですけど
例えば今LINE PAYの話しましたけど
他にLINEサービスで
例えばLINE漫画
あとLINEバイト
他にもLINEアッドとか
LINEカメラとかいっぱいありますね。
そしてドコモだと
Dが最初に付くDカード
DブックとかDマガジンとか
なんかいろいろあるんですけど
こういうのの名前を
システムネーミングって言います。
このシステムネーミングという名前を提唱されているのが
私がねめっちゃ好きな本のね
ネーミングの極意っていう本を書かれている
ユゲトールさんっていう方
この方がその本の中でも言及されているんですけど
簡単に言うとね
省エネ化。ネーミングを省エネしてるんですね。
LINEとかドコモぐらいでかい会社になっていくと
例えばLINEがやってる漫画を読めるサイトとか
アルバイトの雇用サービスとか
そういうのにいちいち
固有の名称をつけていたら
消費者側としても
いちいちその会社と結びつけて覚えるのって
めちゃくちゃ負担じゃないですか
なんだけどLINEって頭につけておくことで
消費者も覚えやすい
企業側としてもいちいちネーミング考えなくていいから楽
っていうところでめちゃくちゃ優れているんですね
例えばアップル製品もそうですよね
iPodとかiPad、iPhone
あの小文字のiがつくだけで
これはアップル製品なのかっていうのが
私たち何も考えなくてももう分かりますよね
あれもこのネーミングのおかげなんですね
なので確かにペイペイは
ソフトバンクとかいう文字を頭につけなかったことによって
成長したんですけど
だからといってLINEペイとかDバラエとか
メルペイ、ラクテンペイが
劣っているというわけではなくて
目的が違うんですね
ペイペイ、おそらくソフトバンクは
QRコード決済で
その中で抜きんでるにはどうすればいいのか
っていう戦略を組んだ上で
あえてソフトバンクという文字を落として
ペイペイにしたはずなんですね
っていうところで
ペイペイと地方銀行のネーミング
そのシステムネーミングの良さを知りつつも
引き算して
あえてペイペイにしたっていうところが
英談というかさ
すごいチャレンジングだよな
っていうのは思うわけですが
これ結果論ですけど
だから本当にペイペイ馬鹿にしてた
自分が許せない
ていうかこのペイペイの名前が
すごいんだっていうのを知ったのは
さっきのユゲトールさんの本
ネーミングの極意っていう本で知ったので
そこで初めて
こういうシステムネーミングという概念
とかを知って
確かに世の中のネーミングってそういう風になってんな
そういう風になってる会社とか
多いなと思って
ネーミングおもろってなった
ひとつのきっかけになるでかいテーマではあるので
今日紹介してみてるんですが
じゃあここからはね
ネーミンケン恒例ですけど
単に調べてて
私が興奮したネーミングとか
おもろかったなっていうやつを紹介していくターンに
します
特に銀行がおもしろくて
個性の出し方をちゃんと工夫されているな
っていう風に感じたネーミング
いくつかあったので紹介したいと思います
まずね
どこの銀行か当ててほしいんですよ
地方銀行ですどれも
ちょっと先に列挙しちゃっていいですか
一つ目
コイペイ
二つ目はオキペイです
そして最後がペイドン
ペイドンです
これペイドンは分かりやすいかな
場所がペイドンは
鹿児島銀行です
いやーこれ秀逸ですね
方言取ってくるってのはめちゃくちゃ賢いと思います
しかもペイドンだけ
ペイが最初に来てますよね
なんとかペイっていうのが割と主流なんですけど
頭にペイを持ってきている
し方言つまりひらがなと
組み合わせているのがおもしろいなっていう
ネーミングそしてコイペイは
広島です広島銀行
でオキペイは
鹿児島銀行でした
コイペイのコイはひらがなになってるんですけど
カープですね
広島カープのコイから来ている
コイペイとオキペイの方は
オキが大文字で
OKI
ローマ字になっていますね
アメリカルーツもあるからあえて
アルファベットを使った表記にしているのかな
とも思ったんですね
でこの三つ何がすごいかっていうとね
基本的に
全部ペイ以外の部分を
一音節か
二音節までに収めていることです
ペイっていうところは
一音節なんですよ
なんですけど例えば
コイペイのコイは一音節
でオキペイのオキ
は二音節でペイ
ドンのドンは一音節
なんですねだから基本的に
一二音節に収まっていて
プラスペイの部分で一音節
足し算されるので
二三音節で必ず収まるように
設計されているんですね
短いと発音しやすいし
ネーミングの重要性
覚えやすい
これはかなりね
数あるネーミング案から絞ったんだろうな
っていうのは推察されます
でただ短けりゃいいのか
っていうとそうでもなくて
もう一個ね
4たす1で五音節なんだけど
由来とあとインパクトを
考えるとこれはこれで
ありだなって思ったネーミングが
可愛いですよホクホクペイです
ホクホクはひらがな
なんですけどこれどこの
地方銀行かわかりますか
二つの銀行が
合体してるんですけど一つは
北海道銀行
そしてもう一つが
北陸銀行っていうのがある
そうなんですねその北海道の
北と北陸の
北でホクホク銀行
これ面白いなぁと思って
ホクペイでもいいのかもしれない
ですけど北海道だけ
って思われたくなかった
っていうのがあるのかなとか
想像しますけどあと
これはマジで私の妄想なんだけどさ
ホクホクって聞くと私一番最初に
ジャガイモが思い浮かんじゃったんですよね
ジャガイモのQR決済
ってなんだよって思ったら
北海道ジャガイモじゃんと思って
それも狙ってた?とかめっちゃ
思ったんですけどどうですかね
いやでもあるんじゃない
あえてひらがなにしてるって
そういうことだと思うんですけどオノマトペ
としても認識できるから
これは結構計算されてる
名前だなって感心しました
はい本日のまとめです
本日のまとめ2つありますね
まずペイペイ
はすごいいや私は
この凄さに気づくのに結構
時間がかかっちゃいましたけど
なんかシンプルなものほど
実はめちゃくちゃ引き算された結果
っていうことがねもう往々にしてあるので
このネーミングのあれでは
本当によくあるので
知らないのに決めつけて
これしょうもなそうだなって
食ってかかるのはね
本当にね罪深いと思いました
懺悔みたいになってますけど
であともう一つ
マジで学びとしてあるのが
ネーミングって
目的が大事なんだなっていうのは
めっちゃ感じました
途中でLINEペイ
とかDバラの話しましたけど
だから何を大事にするか
で名付けのコンセプトって
変わってくる方向性って
絶対変わってくると思うんですよ
覚えやすさを重視するのか
ユーザーのニーズを重視するのか
企業のオリジナリティを
アピールしたいのか
みたいなそのバランスの間で
説中案とかして
最終的にネーミングって
決められるんだろうなーってのは
めっちゃ感じました
どうせ調べるんだったらこの目的とかまで
考察できたら
より奥深いコンテンツになるんじゃないかなって
思いましたので
自分の学びを発表する回でしたね
今日は
今日は懺悔と学びの回
っていうことでしたけど
今回のお話面白かったよーっていう方は
ぜひ皆さん最近QRコード決済で
買ってよかったものとか
コメント書き込んどいてください
それじゃあ今回は以上にします
ありがとうございました
じゃあまた次回
ばいばーい
14:39

コメント

めちゃくちゃ勉強になりました。 Jcoinもフラットな名前なんだけど、流行ってないんですよねー。coinだとpayと比べると決済感が弱いんですかねー。

決済感が弱いというご指摘の通り、coinだと「お金」の意味で止まってしまって「支払う」イメージまでいけないんだと思います。フラットすぎても平凡で埋もれてしまう。難しい!

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