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2023-02-19 09:04

#470 【刻】乗務行路表その5/時刻表は読み物だからな(43)

時刻表は読み物だからな!(笑)

第43回です。

昭和の頃の乗務行路表を読んでいきます。手作り感満載な行路表です。

列車を安全に運行するための仕組みである閉塞を、人の手でどのようにやっていたのかをお話しています。

興味がない人にはまったく面白くないと思うので、スキップしちゃってくださいね。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

「#351 【刻】くるくる回っている?/時刻表は読み物だからな(29)
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「令和の時代に必要なの?時刻表の世界/有隣堂しか知らない世界」
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#156 電車の時刻調べるならネットを見ればいいけど、時刻表は読み物だからな!(1)はじまりは有隣堂。
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#044 時刻表を語る
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をご覧ください。

00:06
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「常務航路表その5 時刻表は読み物だからな」の43回目です。
日曜日は時刻表を読んでいます。
この間から、家の本棚から見つけ出した古い常務航路表を読んでいます。
常務航路表というのは、電車の運転士が運転するときに見ている時刻表です。
言葉だけではよくわからない部分があると思いますので、ノートの書き起こしに航路表の写真を載せておきます。
ぜひそちらを参照ください。概要欄にリンクを載せておきます。
前回は昭和の手作り感満載の航路表を読み、列車を安全に走らせる並速の仕組みに研究しました。
それは時刻表の駅名と駅名の間にある記号が示すもので、
前回の名寄駅から南の区間を走る航路表では、そこにアルファベットのTが表示されていて、
これはどうも自動列車並速を表すようだという話をしました。
なんだかいきなり並速の話が出てきた感じがすると思いますが、
それはなぜかというと、この乗務航路表その1からその3までに読んだ航路表には、
全くこのような表示がなく、前回と今回の航路表には表示されているから気がついたわけです。
違いは、航路表の作られた時期です。
その1からその3で読んだ航路表は、平成になってから作られたもので、
並速という観点では自動化・標準化が進んでおり、
航路表にあえて表示する必要がなくなっているんです。
逆に言うと、今回読んでいる航路表は、
自動化とそれ以前を意識して運転する必要がある区間のものなのです。
さて、実際の航路表を見ましょう。
昭和59年8月の名寄機関区814四行です。
列車は、林高935号列車。林地の工事列車です。
ひとまず名寄駅からおといねっぷまでです。
この区間は、アルファベットのTが書かれている区間。
列車自動並速の区間ですね。
運転士は信号に従って運行すれば良いのです。
単線区間なので、列車の行き違いを
知恵分と豊洲水の2つの駅で行うようになっており、
その時刻は赤鉛筆で囲ってあります。
03:00
内路出口7時50分、北方、発前、待合20分、
車両検査係がブレーキ試験を行うよう指示があり、
全区間で車掌乗務省略と書かれています。
名寄駅を8時20分に発車して、
おといねっぷ駅には10時12分に到着します。
さてここからが面白いのです。
おといねっぷからは列車番号が変わり、
リン・コー・9365列車になります。
ここからは駅名と駅名の間にこれまでのTの代わりに
何やら図形が描かれているのです。
おといねっぷとおさじまの間には楕円形、
おさじまと紙地の間は四角形、
紙地と柵の間は円形といった感じです。
図形は他に三角形もあります。
この図形は何でしょう。
これは閉塞のために使われるタブレットというものの形を示しています。
タブレットというのは金属のメダルのようなもので、
真ん中に丸とか四角とかの穴が開いているものです。
このメダルを直径数十センチのワイヤーでできた輪っかが付いた
キャリアーバッグに入れて運転手に渡します。
取扱いはちょっと難しいので省略しますが、
簡単に言うとこのメダルを持っていないと
列車はその先の閉塞区間に入ってはいけないのです。
駅では駅員と運転手の間で
このメダルの受け渡しをしなければなりません。
まあだから自動ではないというわけです。
ということは昔の駅の役割は
お客さんの乗り降りの他に
列車を安全に運行するための閉塞を行うという重要な役割もあって
それを人が行うわけですから
今のように無人駅というわけにはいかなかったのですね。
駅には必ず駅員さんがいて
乗客がいない場所には信号場というものを置いて
閉塞のために人を配置していたわけです。
もちろん配置された人には他にも
線路を守るという役割もあったわけですが
この区間の時刻表にはもう一つ面白いものが書かれています。
上地信号場、小野舟駅、上頃伸駅の運転線路
進入進出の制限速度の欄の間に
丸にアルファベットのSの半個が押されています。
これは多分スプリングポイントのマークだと思います。
ポイントというのは鉄道では線路の切り替え機のことを言います。
06:00
二股に分かれた線路で列車の進路を切り替える装置のことですね。
昔はこれを線路の横で人が切り替えていました。
今はほとんど遠隔操作で機械で切り替えますが
単線のローカル線では通常はポイントが一定方向に開かれていて
逆方向から来た列車は車輪で分岐器を押して通行し
通行した後はスプリングで自動的にいつもの方向に戻るという
ポイントが使われることがあります。
このポイントだと人が操作しなくても
上り下りの列車がそれぞれ決まった線路に入り出ることができるわけです。
一般的に進入時のポイント通過は直線で
進出時は曲線になるため
制限速度には2つの速度が書かれていて
そこは注意して通過するということでマークがあるのではないかと思います。
この列車はおとい熱風を10時20分に発車し
ホロノベに12時11分に到着します。
しかし小野部内で基地街の停車がある以外は
全ての駅を通過しています。
通過するのにどうやってタブレットを受け渡すのでしょうか。
これなかなかすごいんです。
通過する駅のホームの進入側にタブレットキャッチャーというものを置いて
運転手が通過しながらそこにタブレットが入ったキャリアを引っ掛けるのです。
逆にホームの進出側には輪っかを線路側に向けたキャリアをつける柱があり
運転手が腕でキャリアの輪を引っ掛けてタブレットを受け取るのですね。
スピードが速くはないとはいえ熟練の技だなと思います。
今回の航路表からはそんな自動ではない並速で運転していた時代のことを読み取れるのです。
航路表の一番上に赤字で
しっかり指差し、はっきり連絡、なんて赤文字の標語が半個で押されているのも
なかなか味わい深いなと思います。
僕が持っている航路表はこれだけです。
またどこかから宝物が見つからないかな。
読書と編集ではITを特別なものではなく
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。
09:04

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