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2022-03-14 07:31

#134 【本を語る】IT全史(2)明治のはじめに海底ケーブルが長崎に届いた話。

ITの歴史を知ることができる良書として、ぼくの場合はよく「IT全史」を挙げます。

ITの世界がどうして今のようになっているのか、その成立過程を知ることができます。

しばらくこの本の中身をかいつまんで、連想することも合わせて話していこうと思います。

今回は、思ったより古くからの歴史を持つ、有線による「電信」がテーマです。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

「IT全史」
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をご覧ください。

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このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「本を語る。IT全史」の2回目です。
IT全史を語るシリーズの第1回目は、フランスでナポレオンが活躍した頃に発明された腕施通信の話をしました。
今回は電信の話です。電気を使った通信ですね。
電気を使う通信方法には、有線と無線があります。
初期はまだ無線での通信は発明されていないので、有線での通信ということになります。
通信というと、よくわからないけど文字とか文章が遅れたのだろうと考えてしまうでしょうか。
もちろん、文字や文章を送るにはそれなりの仕組みが必要です。
腕施通信が文字や文章を符号化してそれを腕施の形で表現したように、電気を使う場合も電気を使った符号を表現する必要があります。
一番最初に考えられたものは、電気を流すワイヤーに紙を挟んでおいて、離れたところからそのワイヤーに摩擦で起きる電気を流すと紙が動くという仕組みを使ったそうです。
子供の頃、下敷きをこすって髪の毛を持ち上げるなんてことをやったことがあると思います。
あれをワイヤーを使って少し遠くの紙に影響させるわけです。
このワイヤーと紙のセットをアルファベットの文字数だけ作って順に動かしたら、一文字ずつ離れた相手に送ることができます。
これ、実際に実験されたそうです。
次に発見されたのは、電線のそばに方位磁振を置くものです。
電線に電流を流すと、そばにある方位磁振がほんの少し動きます。
フレミングの左手の法則というのが有名ですね。
先ほどの紙の代わりに方位磁振を使うようなイメージですが、この時はもう少し不豪化に工夫がされて、もっと少ない電線の数で文字を表せるようにしてあったそうです。
方位磁振の触れ方は電流の方向によって異なることと、電流が流れていないときは中立の位置になることを利用すると、
一つの電線と方位磁振のセットで3種類の状態を表せるので、それらの組み合わせでアルファベットを表現すると電線の本数が減るわけですね。
あまり実用的な感じではないですが、こんな仕組みでも何らかの信号を送れるので、
当時産業革命で発達した鉄道を持つイギリスで、列車を安全に運行するための信号システムとして活用が始まりました。
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駅と駅の間に一つの列車だけが入るように、駅間で打ち合わせをするために電気で合図を送るのです。
その後にいよいよモールス信号方式がアメリカで開発されます。
トンツーと言われる端点と頂点、その間の空白の組み合わせで文字や段落などを表す方式です。
送る側がキーと言われるスイッチを短く打ったり長く閉じたりすると、受信側にある電磁石につながれたペンが動いて紙に端点と頂点を記録するのです。
モールス信号の開発者は文字の符号化を行う際に、新聞社で使われる活字の量を調べて、
よく使われる文字は点の数を少なく、あまり使われない文字は点の数を多くして、できるだけ効率的に文章を送ることができるようにしたそうです。
受信側は紙に記録するだけではなく、音を出すことで通信士は音を聞いて送られてきた信号を文字に変換するということもできました。
この方法は信号の種類が電流のオン・オフだけなので、通信回路の品質があまり良くなくても情報を伝えられるメリットがあり、後に無線の世界でも使われるようになりました。
このような有線の電信網は1854年のアメリカでは6万キロ以上に渡って引かれていたそうです。
1854年といったら、日本にペリーが黒船でやってきた年です。
ペリーはモールス式電信機を徳川幕府に送ったそうです。
日本が江戸時代だった頃、西洋では今に繋がるような近代的な通信が始まっていたんですね。
そしてイギリスからの海底ケーブルによる電信網は1871年には長崎に達しました。
明治4年のことです。この頃にはロンドンから長崎まで電信による通信ができるようになっていたのですね。
この頃からこの電信設備を使ってロイター通信が国際ニュース配信を始めたようです。
日清戦争の頃には日本政府は月額50ポンドをロイター通信に支払って国際情報を受け取っていたそうです。
今でいうところのサブスクリプション契約ですね。
この海底ケーブルが現在の世界的なインターネットの始まりといってもいいかもしれません。
モールス信号は簡易な設備で通信ができるものですが、一定時間の間に送れる情報量が少ないことから現在は標準的な通信手段としては使われていません。
ただ1990年代までは船などで使われていました。
もちろんこれは無線ということになりますけれども。
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僕は青函連絡船の通信手だった方に実際にモールス信号を打検するところを見せていただいたことがあります。
今でもSOSっていう言葉を使うことがありますよね。
これはモールス符号なのですね。
Sは端点が3つ、Oは頂点が3つなのです。
SOSはモールス符号でトントントンツーツーツートントントンになり、緊急の時に識別しやすい符号を並べたものなのだと思います。
車の盗難防止装置がこのリズムでクラクションを鳴らすことがあるようです。
意外なところで今でも使われているのですね。
今回は電気を使った有線の電信システムのお話をしました。
次回は無線での電信システムの話をしてみようと思います。
読書と編集ではITを特別なものではなく常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
詳しい内容については概要欄のリンクから、または読書と編集と検索して猫がトップページに出てくるホームページをご覧ください。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。
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