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2022-09-24 09:51

#322 【史】銅線から光ファイバーへ/IT全史を読む(24)

ITの世界がどうして今のようになっているのか、その成立過程を知ることができます。

しばらくこの本の中身をかいつまんで、連想することも合わせて話していこうと思います。

日頃使っているネット環境が、どんなふうにつながっているかを考えてみたことはありますか?

インターネットが使えるようになるためには、手元からインターネットまでになんらかの通信回線で接続する必要があります。

その回線がどのように進化してきたか概観してみましょう。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

「IT全史」
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#188 【本を語る】IT全史(5)電話の前にファクシミリがあった。
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#181 【本を語る】IT全史(4)無線電信とタイタニック号の悲劇。
https://anchor.fm/82661/episodes/IT-e1hpiak

#170 【本を語る】IT全史(3)高価な通信と秘密通信の話。
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#134 【本を語る】IT全史(2)明治のはじめに海底ケーブルが長崎に届いた話。
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#129 【本を語る】IT全史(1)ナポレオンが活躍していた頃のデジタル。
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をご覧ください。

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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、
動線から光ファイバーへ IT全史を読むの24回目です。
今回は、主にインターネットに使用する回線のスピードの変化に着目して話をしていきます。
具体的な数値を出していますが、数値の正確さにはあまり意味はなく、ざっくり計算しているので、計算ミスがあるかと思います。
大体のイメージが伝われば良いと考えていますので、正確な数値が知りたい方は、ぜひご自分で計算してみてくださいね。
今、スマホのOG LTE接続で通信のスピードを測ったら、
下りが42.5Mbps、上りが3.48Mbps。
有線で繋がっているパソコンで測ったら、上り下り両方とも60Mbpsぐらいでした。
僕が住んでいるところは光回線でも遅い方です。
今はもっと速い回線を家に引っ張っているという方も多いでしょうね。
すごく速いわけではないのですが、YouTubeや映画を見るのに支障はないし、ましてやSNSを見る程度だと全く困りません。
強いて言えば、スマホの回線を使うとスピードよりも通信容量が問題になるくらいです。
それも家でWi-Fi接続する分には気になることはありません。
今の通信環境は実用上はほとんど問題がないすごいレベルです。
BPSというのは1秒間に何ビット遅れるかというものです。
60Mbpsは1秒間に6000万ビット遅れるということです。
今一つピントきませんよね。
さっき撮ったキーちゃんの写真のサイズを見てみましょう。
4.4MBになっています。
注意が必要なのは、データのサイズはバイトで表すことです。
1バイトは8ビットです。
ということはキーちゃんの写真1枚は約3500万ビットです。
1秒間に6000万ビット遅れる回線だと、キーちゃんの写真は0.5秒くらいで遅れるということになります。
実際には通信するときにはデータを縮小したり圧縮したりするのでもっと早いのですが、まあそんなイメージです。
ではテキストデータはどうでしょう。
前回話したマルチメディアという考え方の回の編集前の書き起こしデータをダウンロードしてみたら、7KBありました。
これはビットに変換すると、56000ビットです。
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1秒間に6000万ビット遅れる回線だと、1000分の1秒で遅れてしまいます。
ファイルを圧縮したらもっと早く遅れます。
かなり適当に計算したのでひょっとすると桁が違ったりしているかもしれませんが、大体のイメージが掴めると思います。
この辺りをベースラインにしてインターネットアクセスの通信速度の歴史を見てみましょう。
インターネットの前身のアーパネットの頃、ネットワークは電話回線を使っていました。
電話回線は音声通信を行うものですから、ビットを音に変換して送るのです。
僕が見たことがある装置は、パソコンが出力するビットを音にしてスピーカーを鳴らし、
回線から聞こえてくる音をマイクで拾ってビットに変換してパソコンに入力する音響カプラという装置です。
これは条件が良いとざっくり1秒間に600ビットほどを送ることができました。
この仕組みでさっき撮ったキーちゃんの写真を送るとしたら、58,000秒かかります。
ざっと16時間ですね。
16時間電話をかけたら今でも結構電話代がかかりますよね。
これが国際通話だったら通信条件はもっと悪いので1日以上かかっても不思議ではありません。
もちろんかかるお金は…考えるのも恐ろしいですよね。
その後に出てきたのは2400BPS出るモデムです。
ざっと4倍の速さになりました。
これで前回の書き起こしを送ったとしたら約23秒かかります。
長いですけど我慢できないこともないレベルになってきました。
モデムは4800BPS、9600BPSという風にスピードアップしていきます。
同じテキストが5秒くらいで送れるようになっていきます。
一般的な電話回線では14400BPSくらいまでスピードアップしました。
これどんな感じかというと、今でも使っているPAXのスピードのイメージですね。
ビット音に変えるというのはあれです。
PAXを送るときにピーヒョロローって音が聞こえることがありますよね。
電話回線の音を使う方法はこの辺りが限界になります。
言うのを忘れていましたが、電話回線は導線が使われていました。
音声はアナログデータとして導線を伝わっていくので、その仕組みを使ってコンピューター同士の通信を行っていたのです。
デジタル情報を音声というアナログ情報に変換して送る限界がPAXくらいということになります。
この次にくるのは導線にデジタル情報をパルスとして送る方法です。
これはかなり効率を上げることができました。
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ISDNという方式ができました。
電話回線上にデジタルデータを載せることで、128kbpsが出せるようになりました。
これはすごいです。
書き起こしのデータは0.4秒くらいで送れます。
キーちゃんの写真を273秒、約4分半くらいで送れるスピードです。
さらにADSLという技術が出てきます。
これは上りと下りのスピードがかなり違い、電話局と家までの距離などの条件でスピードが変わってしまうのですが、下りがざっくり10Mbpsくらい出せました。
ととキーちゃんの写真は数秒で送れるという段階になったわけです。
テキストデータはほとんど送受信を意識しないレベルのスピードですね。
この辺りが銅線を使った通信の限界でした。
ただ、この頃から有線接続はそれまでの重量性から定額性になっていきます。
毎月定額料金を支払えば使い放題というわけです。
やっと月に数千円払えばインターネットが使い放題になる時代がやってきたんですね。
次に出てくるのは光回線。今はこれが主流です。
これは一般家庭用で100Mbpsとか1Gbpsというものが出てきています。
もうこの段階になるとキーちゃんの写真はコンマ何秒で送れるので、これもほとんど意識しないレベルでしょう。
この有線の回線と比べると、携帯の無線通信はずっとスピードが遅いのです。
今でもざっと10倍から100倍遅いと言っていいでしょう。
しかも携帯回線は原則重量性で、まだまだ使い放題にはなっていません。
これまでの進化、なかなかすごいでしょう。
キーちゃんの写真、16時間かかって送れるかどうかというものがコンマ何秒で送れるようになったわけですね。
単純計算で10万倍ぐらい早くなったのです。
この変化は50年ほどで起きました。
接続コストも同じくらい安くなっていると思います。
だから何?って思うかもしれませんが、コストがかかるからデータ圧縮とかデータを分散させて配置するみたいな技術が発達し、さらに利便性が高くなっているわけです。
これは通信とコンピューターの計算能力が融合してできています。
IT、情報技術とはそういうものなのです。
僕たちの手のひらにあるスマホはこんな進化の結晶です。
このように基盤となる技術が発展し、多様な表現ができるようになった結果、その上でやり取りされるコンテンツの中身の重要性に視点が移ってきています。
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少し現実離れしていたITが、現実の世界の問題を反映するようになってきたのです。
次回からはそういう視点の話をしていこうと思います。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
詳しい内容については、概要欄のリンクから、または、読書と編集と検索して猫がトップページに出てくるホームページをご覧ください。
この配信の書き起こしをノートで連載しています。
概要欄にリンクがありますので、フォローいただけると嬉しいです。
今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた!
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