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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読書ソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「本を語る。IT全史。3回目。高価な通信と秘密通信の話。」というものです。
IT全史という本を読んでいくシリーズです。
前回から少し時間が経ってしまいました。
前回は電気を使った通信の始まりの、電線を使った電信と海底ケーブル網が結構昔から広がっていた話をしました。
次に無線での通信の話をしようと思っていたのですが、その前に通信内容に対するニーズの話をしようと思います。
海底ケーブルと電信を使って、地球規模での通信を素早くできるようになったわけですが、
送る技術とその内容の表現の進化は、二人三脚のように進んでいきました。
日本が明治に入った頃に、既にロンドンから長崎までの海底ケーブルによる通信ができるようになっていたわけですが、
このような通信網を整備するのは莫大なお金がかかったというのは想像できますよね。
だから通信料もなかなか高価だったわけです。
僕が小学校の低学年の頃までは、電話がない家がまだ結構あって、急ぎの連絡のために電報というものが使われていました。
電話局に行って、送り先とメッセージを紙に書いて送信を申し込むのです。
すると、それを電信的な方法で送り先の近くの電話局に送ってくれて、その電話局の電報係が受信したメッセージを送り先まで届けてくれる仕組みです。
料金は1文字何円という設定でした。
今ならLINEで送るような短文を何百円もかけて送るわけです。
それほど高価なものですから、送るメッセージはできるだけ文字数を節約したいわけです。
初期の電信網からそういうニーズが出てくるわけで、そのためにメッセージを不調みたいなもので表すようになったりします。
今でもできるだけ早くという意味でASAPと言ったりしますよね。
これはAs Soon As Possibleを短縮したものですけど、そういう短いフレーズを取り決めておいて、それらを組み合わせて文章を表すのです。
これには副次的な効果もありました。
仲間うちの不調には情報を隠すために使うものもありますよね。
3番に行ってきますと言ったらトイレに行くという意味みたいなものです。
これはごく初歩の暗号化ですよね。
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電信が使えるようになった当初は莫大なお金をかけた通信なのですから、その内容を秘密にしたいというニーズがあったわけです。
特に当時は送受信するのに通信士の手を介するわけで、そこから情報が漏れる疎れが常にあったというわけですね。
まずは不調的な単語を組み合わせて情報を送るようにしたのです。
今僕たちが使っているインターネットでもこの考え方はあまり変わりません。
人の手を介することはなくなりましたが、盗聴の恐れは相変わらずあるので、手元のパソコンやスマホで情報を符号化したり暗号化したりして通信相手に送っているのですね。
電報は1文字いくらで送っていたという話をしましたが、それは今の携帯網でのパケット代、いわゆるギガと同じ考え方です。
技術の進歩で初期とは比べ物にならない量の情報をやり取りできるようになりましたが、そこにある基本的な考え方はあまり変わっていないのです。
IT全史のような本で昔のことを知る意味は、そういう基本に立ち返って今の技術のことを知ることができることです。
これまでITがどんな進化を遂げてきたかを知ることで、デジタル化みたいなことの本質的な意義を考えることができるし、未来はどうなるのかを想像できるようになります。
面白いと思いませんか?
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今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。