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2026-11-05 13:48

520_学校は「機能を足しすぎて」壊れている

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私が教員になった頃の学校は、4月の時間割もゆるやかで、生徒とじっくり話す余裕がありました。今は校務分掌の膨張、次々に降ってくる教育課題、入試の多様化、情報の量とスピードの増加で、体感3倍の忙しさ。それなのに人は増えず、教員不足は深刻です。国際的に見ても少ない教育予算をどう増やすのか。AIは本当に時短になったのか。足し算ばかりの学校に必要な「断捨離」まで考えます。

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#ポッドキャスト #教員不足 #教育予算 #教員の働き方 #学校現場

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サマリー

学校に求められる機能が増え続け、教員の仕事が以前の2〜3倍に膨らんでいるという実感を語る。ICTやAI、探究学習、教育課題、入試の多様化、情報処理の増加によって校務と進路指導の負担が増した一方、教員数は増えていない。産休・育休の代替要員不足も慢性的な教員不足につながっている。OECDデータとして、日本の教育支出の対GDP比2.8%に対し加盟国平均は4.1%だと紹介し、予算と人員の拡充を求める。新しい機能を足すだけでなく、学校が生徒と向き合う時間を取り戻すために何をやめるかを考える必要があると結論づける。

昔の学校にあった余裕
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。 この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、520回、学校は機能を足しすぎて壊れている、というタイトルでお届けしたいと思います。
今日は忙しすぎる教育現場の実態について、思うところをポツポツとお話ししていきます。
以前、いろいろ配信したんですけれども、改めてまたじっくり話してみたいと思うようになりました。
今の学校には、ありとあらゆる機能が求められ続け、その結果として機能不全を起こしているのではないかと、私は感じています。
そこで今日は、私が教員になった頃と今とで何が違うのかを、一つずつ比べながらお話ししていきます。
それでは今日も、国語教育をゆるっと語っていきましょう。
はい、じゃあまず一言で言うと、私が教員になった頃の学校は、とにかくのんびりしていました。
例えば4月は、入学式やオリエンテーション、課題テストなんかがあって、最初の1週間はほぼ午前中授業の臨時時間割で回していました。
2週目になっても正式な時間割はまだできておらず、引き続き臨時時間割で半頓という状態でしたね。
3週目ぐらいからようやくお試しの時間割で6時間授業が組まれるんですけれども、その合間合間には身体測定とかオリエンテーションとか面談みたいなのも入るので、
時間割が本格的に動き出すっていうのはゴールデンウィーク前後という、そういった感じでした。
もちろん学校によっても違いはあったと思うんですけれども、当時はその学校と学校を比べる手段があんまりなくて、
なんでかというとインターネットもないし、当然ホームページもメールもラインもありませんので、
よその学校の情報が入ってくるっていうのはすごく遅れているというか、ほぼ入ってこないというか、気にしてなかったら全然その学校独自の話しか情報としてないっていう、そういう状態だったと思いますね。
だからその結果、それぞれの学校がその学校の生徒と先生にあった独自の文化で動いていたし、もちろん独自のペースで動いていたと思います。
その学校の文化とかペースが他の学校と比較されるということもなくて、まあそれから今のようになんかちょっとこう小麦の怪しいようなそういった出来事が一瞬に全国に広まるということもありませんでした。
だから4月に花見に行く精神的な余裕もありましたし、生徒一人一人とじっくり話す時間もありました。
放課後誰もいない教室に残っている生徒とポツポツと話をするっていうね、そういう本枠した時間が確かにあったように思います。
校務分掌と教育課題の膨張
次に公務文書についてお話しします。
当時のメインの公務文書は教務部、総務部、生徒指導部、生徒会、進路指導部のだいたい5つぐらいでした。
図書とか視聴画というのはどこかにくっついているとかね、そんな感じだったと思います。
まあだけど今はまずあの情報扱う部門、これがドーンと大きい仕事で入るようになってしまって、
多分情報推進部っていうふうな部ができてしまうか、もう教務部の中に入り込むかだと思うんですけれども、このICT関係に圧倒的に人を裂かなければならなくなりました。
さらに最近はAIも入ってきたので、仕事の中身が本当に膨らんじゃって、本当は一人システムエンジニアに常駐してもいいんじゃないかと思うぐらい仕事が膨らんでしまいました。
実際条件が良ければ、情報支援員さんというのが一人ついている学校があるんじゃないかというふうに思います。
それからもう一つ圧倒的に増えたのが、総合的な探求の時間とか授業改善を担当する教育研究部っていうようなそういう部署、これがごついですね。
総合的な探求の時間は学校の教育環境や生徒の実態に合わせて独自にカリキュラムを組んで、それから外部とも連携しなければならないので非常に負荷の高い仕事だと思います。
それに加えて外部から指定授業を受けて成果発表会を行ったり、それから文部科学省から降りてくる新しいプロジェクト、これを推進したり、それからそういった取り組みをしているんだよっていうことを外部に宣伝した
り、あるいはその取り組みに向けての勉強会を開いたりと大忙しいですね。
こういったものがどーっと増えちゃったんで、公務文書だけでも私の頃の1.5倍、下手したら2倍近くは忙しくなっているんじゃないかと思います。ということで本来なら教職員の数も1.5倍ぐらいにしてもらわな
ければならないのですが、もちろんそんなことにはなっていません。
そして一番私がひどいと感じているのは、上から降ってくる文部科学省からの新規な取り組みの多さですね。
小学校では英語教育とか、小中高では総合的な探求の時間がバッと入ってきたし、さらに教科横断的な視点でカリクラムを改善しなさいとか、そういう要求もあるし、それに加えて主権者教育、金融教育、情報リテラシー教
育とか、当然のことながら人権教育とか、男女共同参画の取り組みとか、そういったものが次々に立ち上がって降りてきます。
それに加えて最近では家庭教育が行き届かない生徒が多くて、しつけとか生活習慣の指導までやらなくちゃならなくなって、本当に大変になってきました。
もちろん授業の方法についても、自身の学習とか自己調整学習とか、個別最適な学びとか、共同的な学びとか、リフレクション、指導と評価の一体とかなんとかなんとかということがどんどんどんどん増えてきちゃって、単
に授業をするだけでは済まされないような、そういった仕事内容がごっそりと上乗せで入ってくるようになってきています。
ここまでお話ししてきたんですけど、こうなると私が教員になった頃の2倍から、下手したら3倍近くは忙しくなっているんじゃないかなと思います。
入試と情報化で増える負担
それから、入試のシステムも学力検査だけの時代とは大きく変わってしまいました。ご存知の通り、今は総合型選抜、学校推薦型選抜、公募制推薦、そして一般入試と入試の形が多様化してしまっています。
それに伴って、志望優勝の指導、小論文対策、面接対策、ポートフォリオや活動報告書の作成などなどサポートするべき項目も増えました。その結果進路指導はすごく膨れ上がって、そして時期も長期化してしまって非常に
負荷の高い仕事になっています。
一人一人の生徒に合わせた指導も求められて、先生一人が抱える仕事の量は確実に増えてきています。そしてやっぱりインターネットが入ってきてから、情報化社会がどんどんどんどん進展するようになってから、情報が高
速に回るようになりました。
だから外部から届く文書の数も昔とは比べ物にならないほど増えちゃっています。研究員なんかからもこれを実施して報告しなさいっていう依頼が大量に、しかも締め切りが短めでやってくるようになりました。
つまり情報処理すべき、そういった量が増えただけじゃなくて、スピードまで求められるようになりました。だから文書とか教育の新たな取り組み、入試、そして情報の量とスピード、これらを合わせると、体感としては
私が教員になった頃の3倍は忙しいんじゃないかなと思います。
教員不足と教育予算
はい、それじゃあすごく忙しくなった。3倍は忙しくなったみたいなお話をしてきましたけれども、それにもかかわらず先生は増えていません。現場の先生方悲鳴をあげていて、心を病んだり体を壊したりする先生も少なく
ないと思います。
さらに今はちょうど世代交代の時期で退職する先生に代わって若い先生が入ってきています。だからその若い先生方も採用から5、6年が経っちゃってちょうど産休とか育休に入る時期を迎えてるんですね。
それから今、男性の育児休業取得も推進されているということで、休業に入る先生の数はたくさん増えてきていると思います。育児休業を取れること自体はとても賛成なんですけれども、その代わりを務める人がいない
っていう、そういう構造が慢性的教員不足を生んじゃってると思いますね。
先日知り合いから聞いたところによると、74歳ぐらいの先生が産休代を務めているという、そういう話も耳にしました。それほどまでに現場は追い詰められた状況にあるんだなっていうふうに思いました。
ということで、仕事は体幹で3倍ぐらい増えたのに人が増えていないのであれば、必要なのは教員研修とか教員の力量を上げるとかじゃなくて、教育予算を増やして人を増やすっていうことだと私は思います。
そもそも日本は教育にお金をかけていない国で、OECDのデータでは教育支出の対GDP比っていうのが日本は2.8%なのに対しOECD諸国の平均は4.1%ということで最低クラスの水準なんですよね。
それなのに新しい教育課題がどんどん降ってくるということで、それだったらセットでお金も人も下ろしてほしいっていうのが現場の本音なんじゃないかなと思います。
学校に必要な引き算
こうなってくると学校にもミニマリストとか断捨離っていう発想が求められるんじゃないかなと思います。これまでの学校は新しいことを足していくことばかりでやめるとか引き下げるとか落とすっていうことをほとんど
してきませんでした。
だから本当に大切なのは何を足すかではなくて何をやめるかなのだと思います。私が教員になった頃ののんびりした学校に戻るっていうことは多分できないと思うんですけれども、生徒と向き合う時間を取り戻すために何を
やめるかっていう引き算をこれから考えていかなくちゃならないんじゃないかなと思います。
今日は私が教員になった頃と比べて学校がどれほど忙しくなったのか、そして教員不足を解消するには教育予算を増やすしかないんじゃないかっていう話をしてきました。
まあ機能を足し続けた結果として学校が機能不全を起こしている現在、問われているのは何をやめるかという覚悟と人を増やすためのお金なんじゃないかなと思います。
皆さんの学校では色々な働き方改革をしていると思うんですけれども、どんな働き方改革をされているのかというのはすごく興味があります。
そしてこれからはやっぱり教員を増やしていく。1学期を35人以下にするとか、1クラス22、3人くらいにするとか、そういったことをしないと根本的な解決にはならないんじゃないかなというふうに思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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