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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、パーソナリティーの黒瀬直美です。
このチャンネルでは、中学・高等学校国語教育と働く女性への問題、教育のデジタル化について発信しています。
皆さん、今日は去年の12月に出したKindle本のことについてお話ししたいと思います。
タイトルは、漫画を活用、楽しみながら進化する国語教員のためのアイディアブック。
生徒の意欲、教員の元気を引き出す授業作り、というものです。
堅苦しい本ではなくて、気軽に楽しくと考えて、エンタメ本と銘打っています。
今日はその宣伝をしたいと思います。
私が教員になったばかりの頃は、いわゆる教育困難校と呼ばれる学校に赴任してきました。
そこでは、授業が成立しないという状況を何度も何度も経験したのです。
自分が受けてきた授業をイメージして授業を作っても、大学で学んだ授業構想で臨んでもうまくいかない。
生徒たちは授業中に死後ばかり、立ち歩くばかりで、教科書を開くことすらしない。
そんな状況に私は自信を失い、悩み苦しんでいました。
そして、もう何でもいい、あるもので勝負してやれ、という破れかぶれの気持ちになったのです。
そんな時に、私の心を支え、子供たちの距離を縮めるきっかけになったのが、子供の頃から大好きでよく書いていた漫画でした。
最初は、文豪の作品を漫画にするなんて、授業で漫画を使うなんて、という戸惑いもありました。
でも、今の生徒たちには漫画を通して少しでも作品理解を深めてもらうことが大切なんじゃないだろうか、という思いから、
思い切って漫画を自分で書いて授業に取り入れてみました。
すると、驚くべき変化があったのです。
それまで無気力そうにしていた生徒たちが、漫画を配ると目を輝かせ、興味津々でセリフを書き込んでいくのです。
授業中に活発に健康感するようになり、時には笑い声が上がることもありました。
難しい言葉や表現も、漫画を通して視覚的に理解できるようになり、古典や漢文の世界を身近に感じてくれるようになりました。
例えば、つれづれ草、金曜の二位の修得の授業では、プライドの高い僧常が、自分のあだ名に憤慨する様子をコミカルに描いた漫画を使いました。
生徒たちは、漫画の面白さに引き込まれながら、自然と作品の世界観を理解していきました。
後に、漫画教材を授業に取り入れていたのは、私だけではないことを知りました。
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戦後、荒れた学校で生徒たちと向き合ってきた伝説の国語教師、大村浜先生も、漫画を使って生徒たちの心を掴んでいたのです。
漫画には子どもたちの心を動かす力がある、改めてそう確信しました。
もちろん、漫画はあくまでもツールであり、漫画ありきで授業するのは本末転倒です。
しかし、どうすれば生徒たちに古典や漢文の面白さを伝えられるのか、
どうすれば少しでも難解な文章を理解しようという気持ちになるのか、と悩んでいる先生方にとって、漫画は授業を活性化するヒントを与えてくれるはずです。
教育現場は今も厳しい状況が続いています。
しかし、どんな状況でも子どもたちの可能性を信じ、諦めずに寄り添い続けることが大切だと思っています。
漫画を活用、楽しみながら進化する国語教員のためのアイディアブックには、教育困難校で悪戦苦闘してきた私の経験と、漫画を使った国語の授業のアイディアが詰まっています。
この本が少しでも多くの先生方の支えになり、そして生徒たちが喜ぶきっかけを感じられる授業が日本中に広がっていくことを願っています。
今日は私の本の宣伝でした。それでは皆さん、またお会いしましょう。