2020-03-21 13:00

第24回 ストレスが子供の脳に及ぼす影響

ストレスを感じるメカニズムを脳科学の観点から解説し、ストレスと子供の成長の関係についてお話いたします。 
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年間指導時間2000時間のプロ家庭教師☆直希先生が教える、ここだけの勉強メソッド。
今回はですね、ストレスが子供の脳に及ぼす影響についてお話ししようかなと思います。
前回も脳についてお話ししたんですけれどね、今回はもう少し深く話していこうかなと思います。
それではやっていきましょう。ストレスに対処できない時、子供の脳には何が起きているのか。
これまでの生物学の研究では、ストレスを受けると脳下垂体とかね、腹腎から出るホルモンが自律神経系に作用していって、
血圧、そして心拍数を上げて心身に変異値を起こすと言われてきました。
最近の脳科学の研究によると、分かってきたことは、ストレスというのは脳の前頭用の神経回路にもダメージを与えるということです。
人の脳には1000億個以上の神経回路があって、そしてそれぞれの神経細胞が数百から数万ものシナプスという接合部分を持って、
お互いに情報のやり取りをしています。これが神経回路です。
前頭用というのは脳の中でも、おでこの内側の部分に位置しています。
人を含めた霊長類で最も発達している大脳皮質という層にあって、思考とか洞察、意識決定、集中力、創造力などを司っている器官になります。
前頭用が発達していて、その神経回路が正常に機能しているということは、高度な知能があって、社会的な生活ができるということなんですよね。
また、前頭用の神経回路は、計算をする場合にも、情報を一時的に記憶するワーキングメモリーとしての働きも行います。
子どもの生活でいえば、親問題を解いたりとか、質問に答えるということ。
さらに、学習とか研究などの与えられた課題に興味を持っていって、あるいは想像的に目標を作り出し、
それに向かって何をしたらいいのかを推測し、計画を立てて実行していくという学習全般の活動は、前頭用がうまく働けるからこそできる活動なんです。
また、不安とか焦りなどのネガティブな感情とか、原始的な欲望をうまくコントロールするという自精神も、前頭用の働きです。
嫌なことがあったりとか失敗したときも、前頭用がしっかり機能していれば、ひどく悲観的になったりとかパニック状態になることもないですね。
失敗したときにがっかりするのは楽しい反応です。
しかし、ある程度押し込んでもリカバリが早くて、いいところがあったんだからそんなに気にすることはない。
そんなに悪くならないはずだから、もう一度やってみようと前向きな解釈をすることができます。
こうした働きによって前頭用というのは、脳全体の司令塔であって、オーケストラで言うなら、識者的な存在になります。
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試験中、答案用紙が配られた瞬間、頭が真っ白になってきたとか、みんなの前で説明しようと思ったら言うべきことを忘れてしまったという経験はあると思うんです。
これは、いわばストレスで、一時的に前頭用が息苦しくなっているという状態なんですよね。
強いストレスがかかると前頭用の血流が悪くなって、湿気回路のシナプスがうまく機能していないんです。
この機能低下、つまり窒息状態がずっと続いてしまうのが鬱状態というふうに言われています。
ストレスで不安になるメカニズムについてお話していきます。
ではなぜ前頭用が機能していないとパニックになったりとか鬱状態になるのか。
そこに関係しているのが変動体という脳の部分なんです。
変動体は大脳変異型という層にあって、快とか不快とか好き嫌いを判断する脳の部分になるんですけれども、
外からの情報が変動体に入ると、変動体は危険か否かを判断します。
危険なもので判断したとき、起立神経系に働かせて、発汗とか血液を上げるなど、体の変化が現れます。
これが緊張状態なんですけれども、
さらに何かトラブルが起こったときは、不安に怒られて攻撃したりとか、どこかに逃げ込んだりとか、やみくもな行動を出ようとします。
変動体のこの衝動性を理性で抑え込もうとするのが、司令塔である前頭用なんですよね。
同じストレスとか環境に晒されても、人によって恐怖とか不安の感じ方は違いあります。
これは変動体の活動に個人差があるからなんですよね。
変動体の神経回路が過剰に働いてしまうという人は、大きな危険が迫っているわけじゃなくても、必要以上の不安とか焦りが出てきて、日常生活に死を期待してきます。
ストレスが長く続いていて、前頭用の機能低下が続くと、衝動的な脳である変動体の支配が強くなっていきます。
そうすると不安を感じやすくなって、感情のコントロールができなくなります。
どうせまた失敗するに違いないとか、自分には向いてないんだからとか、やらない方がいいよとか、イライラが募って攻撃的になったりとか、自暴自棄になったりするという状態に陥ります。
健康な状態で抑えられるはずない食欲とか、性衝動とかギャンブルとか、薬物への依存が起こるもの、これは前頭用がうまく機能していない状態で起こっているというふうに考えられます。
暴走しやすい変動体のコントロールというのは、左の前頭用にある、DLPFCと言われる場所にあるんですけれども、ちょっと見ややこしいところなんですね。そこのメカニズムがつながっています。
このDLPFCの活動を活性化することができれば、打つ状態を改善する近道になると考えられるわけですね。
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続いて、子どもの前頭用は発達途上でストレスの影響を受けやすいという話をしていきます。
人が思考したりとか、周りの人とのコミュニケーションを図り、喜びと悲しみの豊かな感情を持って人間らしく生きるためには、前頭用を含めた前頭連合薬というのがしっかりと動くことが必要です。
前頭用が人間らしい姿勢とか理性に大きく関係があるということがわかったのは、1930年代の後半から行われていた誤った治療法なんだと言われています。
大薬物療法のなかった時代に、重い精神障害で攻撃性の強い患者に対しては、前頭用の一部を切ったりとか、他の脳との連絡を切断するロボトミー手術が効果あるとされていました。
ところが、この手術を行った患者は、知能テストの点数が落ちずに、攻撃性がなくなって穏やかになったんだけれども、知的好奇心とか、他者への興味、共感能力、人間らしい感情というのがなくなっていたんです。
重力や集中力も失われ、何かを選んだり、切断するということができなくなりました。
こうしたことから、前頭用が担っている重要な役割がわかってきました。
また、前頭用というのは、高度な部分だけではなくて、脳の中では最も最近に成ってきた領域です。
人類の起源は200万年前くらいと言われているんですけれども、その頃にいたネアンデルタル人とか、そういった昔の人たちでは、前頭用というのはまだ未発達の状態でした。
一人の人間の成長発達の中でも、前頭用というのは他の部分よりもゆっくりと成熟していきます。
人間の脳というのは、生まれてから3、4年で約8割くらい完成するんですけれども、前頭用が完成するのは20代になってからと言われています。
ですから、10代の脳というのは、前頭用が未完成で、働きがうまくコントロールされていないとされています。
子供は本来、アイデアと好奇心に満ちて、創造性が豊かで、様々な変化に臨機応変に対応できる柔軟性を持っているものだと大人は思っているんですが、
これは前頭用を中心に脳が活性化しているからこそ発揮される特性です。
むしろ子供だからこそ、ちょっとしたストレスから脳機能のコントロールがうまくいかなくなると、不安感で何も手がつかなくなったりとか、衝動的な行動に出たりします。
10代は前頭用が未成熟で、まだ発達を続けている状態が重要な期間なので、ストレスマネジメントの方法を知ることが、その後の人生に役立つのかなと思います。
それではなぜストレスで記憶力が落ちているのか、それについてもお話ししておきます。
記憶の形成に重要な役割を果たしているのが、カイバという脳の細胞になります。
カイバも感情とか記憶をコントロールしている大脳兵A型に位置しているんですけれども、
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扁桃体のすぐ近くにあって、扁桃体が興奮した影響を受けやすくなっています。
このことがストレスで、記憶力が落ちることと深く関係しています。
まずカイバの記憶メカニズムについても説明しておきます。
かつて脳の障害のための手術でカイバを切った人が、
実後にそれまであった医者の名前とか病室の場所、起こった出来事など全く思い出せなくなってしまいました。
そしてその後に起きる出来事を記憶できなくなったんですよね。
このことがきっかけとなって、カイバの研究が行われるようになりました。
カイバはエピソード記憶といって、いつ、どこで何があったのかという記憶の形成に中心的な役割を担っています。
何かを覚えようとして頭を使った時、カイバの神経細胞が活性化して、シナプスが情報のやり取りを行い、神経回路に必要な記憶がファイルされていきます。
しかしカイバの記憶というのは一時ファイル、いわゆる短期記憶なんですよね。
そこから記憶は整理されていって、生きるのに必要と判断されたものは大脳皮質に埋め込まれて長期記憶になるんです。
そこで人間やその他の記憶を持った生き物たちは、カイバが萎縮していくにつれて新しいことが覚えられなくなります。
人とか場所の記憶、最近起こったことは、そういったものを忘れてしまいがちですけども、自転車の乗り方とか服の着方とかね。
昔覚えたことは大脳皮質に遺憾されているので、カイバの神経回路が破壊されても覚えているというわけなんですよね。
それでは最後に全頭用機能を改善することで、記憶力が復活するという話でいきます。
記憶を司るカイバは、全頭用との連携によって脳に入ってきた情報を選んでいきます。
脳への血流が不足して、いわゆる酸欠状態になっていって、全頭用の機能が落ちるとカイバにも影響が及びます。
先ほども話しましたが、カイバというのは大脳変異型で、偏頭体のごく近くに位置しています。
そこで全頭用の機能が落ちていって、偏頭体の興奮を抑え込めなくなるとカイバにも影響します。
そしてストレスホルモンのホルシゾールというのがあるんですけれども、そのホルシゾールが長く脳を刺激するとカイバというのが萎縮されてしまう。
そうなるとカイバが傷ついてしまって、本とか教科書などの同じところを何度読んでもうまく意味を理解できないとか、
考えをうまく言葉にできないとか、そういった記憶とか言語に関する不調が起きてきます。
ただし、うず状態で起こる記憶障害というのは一過性で、病気が改善されば元に戻ります。
脳の働きを決めるのは神経細胞の数ではなくて、個々の神経細胞とそれに栄養を補給するグリア細胞とのつながりなんですよね。
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それが神経回路の数なんです。
この神経回路の数というのは年をとって重なるごとに新たに増え続けることがわかっています。
うず状態が改善されて改めて勉強に集中できる体制を整えれば、またカイバのシナプスを強くしていって記憶力を上げることができます。
今日もどうもありがとうございました。
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