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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、あなたとワンちゃんの10年をより良く変えるおもとに、犬と生きる十数年をもっと本気で楽しみたいあなたに、幅広い分野から犬に関するお話をお届けしています。
大好きな旅の話、子育て話も時々お話しています。
飼い主さんが変われば犬が変わる。犬のことをもっと知って、あなたも犬育てのプロになりませんか?
さて前回は、赤ちゃんの鳴き声に吠える犬に対して、どのように接したらいいのかというお話をしました。
犬と子供の2回目は、私が子供と犬の関係性の中で、一番気をつけた方がいいなぁと思っている時期のお話になります。
私がこの時期は一番気をつけた方がいいと思う時期は、
はいはいから捕まり立ち、よちよち歩きの時期です。
個人差はあると思いますが、赤ちゃんが生後9ヶ月、10ヶ月の頃から1歳半くらいまでは気をつけた方がいいなぁと思う時期。
この時期は、寝ていただけの赤ちゃんが、自分を知り、自力で動き出し、周囲への悪なき探求心を持って世界へ挑戦し始める時期です。
個性にもよりますが、赤ちゃんによっては親御さんも予想しない行動でヒヤヒヤすることもあると思います。
そう、今まで動かなかったものが動き出すという不可解さは犬にとっては異様なものです。
親や周囲の大人にとっては赤ちゃんが動き出すことは喜びの象徴ですが、犬にとっては、
なんだあれは、なんだあの動きは、と日々予測のつかない動きに警戒心を募らせているわけです。
万を持して動き出すと、その動きは大人と全く違っていて、動きの予測がつかないものです。
大人とだけ過ごしてきたワンちゃんにとっては、赤ちゃんの動きというのは、
例えば私たちが水槽の中のタコを見るような不可解さがあるんじゃないでしょうか。
ベビーベッドやサークルの中に入っている犬ならまだましも、
その動きは犬に警戒心を抱かせるものであるということを知っておいていただけるといいなと思っています。
そして赤ちゃんと犬は大人と犬よりも視線が近いです。
体の高さ、犬の体高にもよりますが視界が近いので、犬にとっては目線が合いやすく、結果的に威圧を感じる場合もあります。
もちろん赤ちゃんにとっては、目を合わせることというのは、親愛や興味の仕草なので、
この小さくて動き回るモシャモシャしたものは何だろうとじーっと直視します。
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犬にとって目を直視されるということは、日頃のコミュニケーションがきちんと取れている場合以外は不安や不審感を感じて、
場合によっては、「なんだよ、ガンつけてくんなよ!」と怒られてしまうこともあります。
特にハイハイや釣り映えの時期というのは、大人の人間と動き方が全く違います。
そもそも二足歩行ではありませんし、顔や目が一番前方にあって、その状態で赤ちゃんは犬に近づいていきますよね。
物理的に犬が赤ちゃんを避けようとした時や、何かアクションを起こした時に、顔に一番最初にダメージがいきやすいという時期でもあります。
二足歩行の時期は、私は個人的には一番自分の犬と赤ちゃんの関係を注意していました。
また、力加減に容赦がないということもあります。
この時期の赤ちゃんは好奇心旺盛です。
何でも手に取って、時には口に入れたり、引っ張ったり叩いたり、ぎゅーっと掴んだり。
そして赤ちゃんに接したことのある方ならご経験があると思うんですが、その力というのは意外と強いものなんですよね。
赤ちゃんの力で引っ張ったり触ったり叩いたりしても大したことないだろうと思っていても、細くて小さな小型犬などでは、全力で尻尾や耳を掴まれたり、引っ張られたりする場合には十分痛さを感じると思います。
犬がハイハイから釣りばえ。
捕まり立ちの赤ちゃんに対して警戒心を抱く理由は、これらの
1.動きの予測がつかない
2.視界が近い
3.力加減に容赦がない
に加え、極めつけは
4.ボディーランゲージが通じない
よちよちヨタヨタ目線の高さで正面から迫ってくる赤ちゃんに
ワンちゃんが、「うー、ここは俺の場所だから、それ以上こっち来んなよ!」とうなったとしましょう。
ですが赤ちゃんの方は、寝ている犬がこちらを見てうなっているということが何を意味しているのか、これは最初のうちはわかりません。
あのうろちょろ動く茶色いものが、あそこでじっとしているよ。
何だろう、近づいて確かめてみよう、と持ち前の好奇心を全開にして
犬の顔を見ながらまっすぐ犬に近づいていきます。
犬の方はもしかしたらこの時点で、「こっち来んなよ!」と目を細めたり、顔を背けたり、耳を寝かせたり、
犬死を見せたり、うなったりして、軽く威嚇をしているかもしれません。
ですが悲しいくらい赤ちゃんには経験が少ないですので、犬のそういったボディランゲージが読み取れません。
その結果、ずりばいやハイハイ、つかまり立ちで必死になって犬の近くに到着し、
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ムンズと尻尾をつかんで引っ張り、驚いた犬にガブッと噛まれる、ということは往々にしてあります。
もしくは犬の方は必死で退避場所に避難しているにもかかわらず、
赤ちゃんがその場所に乗り込んできて、安全権を失ったワンちゃんが身を守るための攻撃に転じるということも結構あります。
さらに、この時期の赤ちゃんは言葉の意味が正確にわかっていません。
これは犬と一緒の条件です。
本能と好奇心に忠実な赤ちゃんは、
もうやめなさい、ほらほらしつこくしない、怒られるよ、ワンちゃんがかわいそうでしょ、
というお母さんやお父さん、大人たちの呼びかけを理解して身を引くということは相当難しいと思います。
もしその方法があるなら、私が当時聞きたかったですね。
つまり、加減はわからないので、犬と赤ちゃんが戯れているように見えても、犬だけが一生懸命我慢をしている場合があります。
その我慢が限界に達した時に、噛むという刃に変わる場合があるんです。
この大人の言っている言葉の意味が理解できない、言語によるコミュニケーションができない時期は、
個人差がありますが、2歳頃までは続くんじゃないかなと思います。
そのため、私は赤ちゃんの動き出しから1歳半、そして2歳頃までが一番犬と子どもさんの関係で気をつけていくべき時期だなと思っています。
付け加えると、赤ちゃんに対する犬の威嚇というのは、犬そのものだけに向くわけではなくて、
その犬が所有しているものに対しても発生する場合があります。
例えば、犬が大事にしているベッドやソファーの上、定位置の場所、
おもちゃ、かじるタイプのおやつ、フードボール、小型犬なら飼い主さんの膝の上など、
各有我がやの愛犬見事も、父の膝の上でくつろいでいる時に息子が近寄ってくると、
完全なる威嚇の体勢を見せていました。当時ですね。
さて反対に、犬も小犬で好奇心旺盛、やんちゃな小犬や若い活発な性犬の場合、
よたやつと不規則に動く赤ちゃんは、おもちゃのように見られてしまう場合があります。
大人と違って床に近く、動きの鈍い赤ちゃんがおもちゃになってしまわないように、
こういう場合も飼い主さんをはじめ、周囲の大人たちは気を配る必要があります。
ただ、私の経験上では、やんちゃな犬と赤ちゃんの取り合わせというのは、
飼い主さん自身の方が自主的に気をつける傾向が強いようで、
どちらかというと、おとなしい犬と赤ちゃんの方が飼い主さんが油断しやすいようです。
いかがでしたか?今回は犬と子ども、一番気をつけるべき時期とその理由についてお話しました。
次回は、一番気をつけるべき時期の対処法について、
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実際私が行ったケースも踏まえてお話をしていこうと思います。
最後まで聞いていただき、ありがとうございました。