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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には、子育てメタや留学時代や旅行の思い出などのお話もお届けいたします。
さて、前回はイギリス夏のイベント【田舎暮らしの祭典】【The Game Fair】の話をしました。
私にはもう一つの思い出のイギリス夏のイベントがあります。
それは、犬と飼い主さんのための究極のホリデー、ドッグ・ホリデーです。
このドッグ・ホリデーは、私の師匠、イギリス人ドッグ・トレーナーのフィリッパが主催している夏限定のイベントで、夏の間、農場が経営する民宿施設を貸し切り、5組から10組ぐらいのオーナーさんたちと、そのワンちゃんたちと1週間、そこで一緒に滞在します。
その間、何をするのかというと、まず朝ごはんを食べてから、午前中はお庭で簡単なしつけやトレーニングのクラスをしたり、アジリティやフライボールといったドッグスポーツを楽しんだり、少し離れたリンゴ園やベリー畑をウォーキングしたり、
お昼を食べてからは、車で川や少し離れた丘、森へ行ったり、1日がかりのイベントの日もあります。私が大好きだったのは、1日かけて国庭公園のマルバンフィルスを歩くことでした。
マルバンはウォーリックシャーとウースターシャーにまたがるイギリス特有の山と丘の中間のような丘陵地帯です。なだらかな斜面が続き、イギリスらしい緑のパッチワークのような牧草地帯と小麦畑のコントラスト。
中央無人に移動しながら草をはむ様々な種類の羊たち、その間をフットパスの標識を見ながら犬たちと何時間もお散歩をするんです。フットパスはイギリス全土を走るウォーキング、ハイキング用の道です。
イギリス人はお散歩が大好き、ウォーキングが大好きで、このフットパス専用の地図もたくさん売り出されています。面白いのがこのフットパス、国庭公園の中や自然林の中、時には人の家の敷地の中を容赦なく通ります。
本当かよって感じです。見渡す限りの緑の中を犬たちと一緒にただ歩く。それだけで本当に満たされるんですね。犬たちは飼い主さんの責任でリードを外したり付けたり、それは自由です。
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最初は興奮気味だったり、萎縮していた参加者のワンちゃんたちも1時間も一緒に歩くと、犬本来の輝きを取り戻し、生き生きとして歩きます。
地上の犬たちには基本的にはノーリード、オフリードですね。時々笛などで読み戻しをしたり、少し車が通るような場所はリードを付けて歩いたり。
終点は大体田舎のパブで、遅めのパブランチを犬たちも一緒にガーデンでとります。一観光客として来たら絶対に入れなかったであろう地元の老舗パブも入れたのは貴重な経験ですね。
イギリスにおいしいものはないと前回もお話をしましたが、私はこのドックホリデーの滞在先であったウェルトンコートのママさんが作る食事が大好きでした。
特にイギリスで夏季限定に食べられるサマープディングというスイーツを初めて食べた時には衝撃的でした。
薄切りにしたスポンジや食パンといろいろな種類のベリー類を重ねて作ります。これに生クリームやアイスクリームを添えて食べるのですが、農園で採れたフレッシュなベリーたちの絶妙な甘酸っぱさとクリームの甘さの加減が私は大好きでした。
他にも広大な森の中の遊歩道を犬たちと一緒にサイクリングをする日、川や湖へ行って一緒に水浴びを楽しむ日などいろいろなイベントがありました。
こうやって犬と人とが一緒に自然の中で目いっぱい遊ぶこと、そこから犬との絆がより深まること、そして不思議なことに一緒に3日や5日を過ごすと、いつの間にか最初に会った参加していたワンちゃんの問題行動が消えているということも多いのです。
それはきっと日常から解き放たれ、犬も人もリラックスをするから。
私の師匠は常々、Tired dog is good dog。疲れた犬はいい犬だと言っていました。
犬たちも些細なことが気にならないくらい心身を思いっきり使って心地よく疲れていることで問題行動が自然と減っていること。
また、私は師匠という心強い犬のプロがいることで飼い主さんがよりリラックスしているからなんだなぁと気がつきました。
同じ犬の問題行動に取り組むのなら厳しい辛い訓練よりも楽しい方がいいじゃないですか。私は今もそう思っています。
ドッグホリデーではまた毎週違った参加者とワンちゃんたちとの出会いがありました。
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毎週続けていらっしゃる方もいて私も自然と皆さんと仲良くなることができ、
ホリデー後も遊びにいらっしゃいと私だけ呼ばれてお家に伺ったりバーベキューに参加したりすることもありました。
今、私は自分の犬の保育園で時々南某草お泊まり保育園を行っています。
これはワンちゃんだけを南某草の海辺の施設に一泊で連れて行く企画で、実は師匠のドッグホリデーからインスパイアされたものなんです。
日常を離れ、自然の中で思いっきり五感を使って遊ぶこと、動くこと。
それは犬たちにとって何よりもリフレッシュでありトレーニングです。
実際本当に楽しそうに過ごしてくれるので、見ているこちらが元気になります。
今はコロナで飼い主さんと一緒に行うイベントというのは難しいのですが、
いつかこのドッグホリデーを日本で飼い主さんとワンちゃんたちと一緒に行うのが私の夢の一つなんです。
また私には密かな夢があります。
日本には愛犬を長期ステイの時に預けたいなと思うような施設があまりないのですが、
そういう施設が自分でできたらいいなと思っています。
飼い主さんがワンちゃんを預けてお出かけする時に罪悪感を抱かないほど、
ワンちゃんが自ら行きたい、楽しいと思えるような場所。
ホテルだけでもいいし、保育園やトレーニングの場としても、
そして新たなワンちゃんとの楽しみを見つけられる場としてでも利用できるような、
少し郊外の広々した場所で閉じ込めっぱなしにするのではなくて、
十分な広さと犬の行動、修正パターンを考えられた設備、
心身ともに最新のケアができるサービス展開をできたらなあというのが私の夢なんです。
まあ今はまだ子育てが忙しいですし、具体的には何一つ気にならないように
夢は大きく人に語った方がいいというのでお話ししてみました。
また何か決まった時には皆さんにお声掛けできればなと思います。
最後まで聞いていただいてありがとうございました。また次回もよろしくお願いいたします。