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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
ドッグトレーナー、ペットロス専門士、アニマルコミュニケーターである私が、
人と犬が共に、より幸せになるヒントをテーマに配信しています。
時々、雑談ライブや歌を歌ったりしています。
今回は、寄せられたご質問に対してお答えをしていきます。
うちの犬は、食に対してあまり興味がないんです。
おやつや食べ物を使ったトレーニングは難しいですよね?
というご質問です。
これは、誤解をされていることがよくある事柄だと思いますので、
一般配信にてお話をしていこうと思います。
あなたが犬と暮らしたことがない人であれば、
食欲のない犬なんているんですか?と思うかもしれません。
ところが、そんなワンちゃんは確かに存在するんです。
食欲がないというよりは、食への興味が薄い、
食への執着がない、
人間でいえば食が細いという犬たちは、
二つの種類に分かれます。
一つは、生まれながらに食が細い、
必要最低限の量しか食べないという子たち。
こういう子たちと暮らしている飼い主さんが、
一番苦労することは、
何なら好んで勢いよく食べてくれるのか、
全部食べてくれるのかということです。
えてして、こういう子たちは小型犬が多く、
活動力も少なく、
細身でおとなしい子たちが多いです。
二つ目は、放食が過ぎて、
結果的に好きなものだけ得り好みをして食べるようになった犬たち。
このケースでは、
子犬時代や成長期はガツガツよく食べたんだけれども、
成長とともに食欲が落ち、
好きなものならすぐに食べるけれど、
自分の好みではない食べ物の場合には見向きもしない、
という子たちが多いです。
犬種の特定はありませんが、
やはり小型犬から中型犬ぐらいで、
多くの子が肥満か、または痩せてはいないよね、
という体型の子たち、
つまり贅沢によるわがまま、えり好みで、
食が細くなったという犬たちです。
その他、病気や生まれつきの体質、
その性格によって、
食欲にムラや食が細いという子もいます。
さて、こういう食の細いワンちゃんたちの飼い主さんにとって、
おやつや食べるものを使った犬のしつけやトレーニングというのは、
ハードルが高い場合があります。
うちの子は食に対してあんまり興味がないから、
トレーニングはできないかもしれません、
という不安はしかしながら、
トレーナーにとっては問題になるのでしょうか。
そもそも、犬のトレーニングに、
食欲は絶対に必要なものでしょうか。
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意外かもしれませんが、
食欲がありすぎる、食べるものに貪欲すぎる、
執着しすぎる犬の方が、
トレーニング自体は厄介なことがあります。
それは食欲という本能的スイッチが、
食べるものを認知した瞬間に入ってしまうことで、
犬にアドレナリンが放出され、
興奮とパニックが同時にその犬に起こり、
この食べ物を得るためには、
自分はどうしたらいいのか、
何を今求められているのか、
という人側の意図に犬自身が気がつくことができない、
ということが起きるからです。
また、食べるものに異様な執着を見せる犬たちは、
本能のままこの食べ物を得ようとしてきますので、
時に攻撃的な行動を見せたり、
過剰な防衛心、執着心で飼い主さんを戸惑わせる、
ということがあります。
過去数百犬の犬たちを相手にしてきた中で、
少なからずそういう犬たちがいました。
彼らに対して、
食べるものを得るためには何かを学ばなくてはならない、
人と共に何かをしなくてはならない、
というトレーニングの基礎となる条件付けを教えるためには、
食べ物への執着心が薄い子に比べて、
格段に骨が折れる作業です。
特に幼少期を飢餓状態で過ごしてきた犬たちにとって、
食べるものを得られないかもしれないという恐怖は、
生存本能を脅かすものですので、
激しい行動をトラウマ的に引き出すことすらあるのです。
食欲のない子に対して、
おやつを食べたり、
ご飯を使ったトレーニングが興味がないのか、
というと必ずしもそうではありません。
なぜなら、
犬のトレーニングというのは、
犬と人が共に同じ体験を、
同じ意識を共有する共同作業、
この楽しさを犬自身が知ることで、
報酬である食べ物の欲しさよりも、
トレーニングの時間そのものを犬自身が知ることで、
犬自身のモチベーションになっていくからです。
実際、私の保育園でも、
報酬はいらないぜという子が時々います。
私は犬たちと一緒に、
共通のゴールに向かって行動してくれたときに、
感謝を込めて報酬であるおやつやフードを
犬たちにあげますけれど、
そんなのいらないよ、
一緒にできただけでいいんだという子がいます。
では、その子が
おやつがなければ動かないのかというと、
そういうわけではありません。
多くの方が誤解されることの一つに、
おやつやご飯を使った犬のしつけやトレーニングは、
おやつやご飯がなければ、
犬が言うことを聞かなくなるのではないか、
ということがあります。
ですが、これは間違いなんですね。
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おやつやご飯を使ったトレーニングというのは、
それらをあくまでも報酬として後出しするもので、
あとから付け加えるものですね。
目先にぶら下げて犬を動かすというものではありません。
逆にそれをしてしまうと、
飼い主さんが手におやつを持っているか否かを
判断してから動くか動かないかを決める犬が
出来上がってくるんです。
犬のトレーニングの基礎は、
人と犬との共同作業を通して、
お互いが嬉しさや楽しい体験を共有する
幸せ時間を作るということです。
それが出来ていくと、
犬自身がトレーニング大好きになっていくので、
食欲があるなしに関わらず、
この人と一緒に同じ時間、同じ体験をしたい
ということ自身にモチベーションを感じていくようになります。
そして不思議なことに、
この人と犬の幸せな共同時間の体験を
積み重ねていくことで、
食に貪欲・執着がありすぎる犬も、
食に興味が薄く、食が細い犬も、
食に対しての態度が落ち着いていくんですね。
もし、あなたのワンちゃんが
食欲がありすぎて、または
食に興味がなさすぎて困っている、
トレーニングがうまくいかないという場合には、
ぜひ、専門家にどうやったらうまくいくのか
相談されてみてください。
私でよければ、いつでも
オンラインカズ・ウンセリングでもお話を受けたまりますよ。
ということで、本日は
食欲のある犬・ない犬・トレーニングに
食欲は必要なのかということをお話しいたしました。
最後まで聞いていただきありがとうございました。