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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と人の架け橋でありたい私が、犬に関する様々なお話、大好きな旅の話、子供たちの話などをマイペースにお届けしています。
より具体的なトレーニング、しつけ、アニマルコミュニケーション、ペットロスについてはメンバーシップでもお話ししています。
今月より4回連続のオンラインセミナー、犬の保育を本気で考えるを月に1回開催します。
初回は3月25日月曜日の19時45分から21時となっています。こちら絶賛募集中です。
また今週金曜日22日ですね、金曜日の夜20時より、ペットと防災のコラボセミナーをインスタグラムにて行います。
こちらは恒例のトレーニングサロン、シエロのオーナー、あかねさんと一緒にどうしてる?おうちでの防災の備えをテーマにお話しします。
音声が残せるかどうか不明なので、興味のある方はぜひお越しくださいね。
それではですね、今回のテーマお話ししていきたいと思います。
今回と次の回は同じテーマを違う側面からお伝えしていきたいと思います。
先週、私は理解ある旦那育てと犬の吠えを治す、実は同じというお話をしました。
これは意外と反響があってですね、人と犬の共通があるんだということに興味を持っていただいたということで、私にとっては嬉しいことでした。
今回と次回はここを少し掘り下げていこうと思います。
行動分析学の知見から書かれたカレンプライアのうまくやるための強化の原理、飼い猫から配偶者までという著作から単を欲しい、
強化がいかに人を含む動物の行動に強く左右するかということを前回はお話ししました。
まだ聞いていないよという方は概要欄にURLを記載しておきますので、よろしければ聞いてみてください。
前回の人も動物も行動の強化によって相手への態度や行動を形作ることができるということを話しました。
これはですね、ちょっと誤解をされてしまうと一部ではマインドコントロールのような恐ろしいことを想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、
やってみた方はわかると思いますが、理論通りにうまくいくということは実際は難しいんですよね。
私は20年近く犬のトレーニング業界で携わってきていますが、
人間は犬よりも相手の望ましい行動を引き出して強化し定着化させるということについては難しいなぁと感じます。
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きっと同じようなことを感じている方や、なおちゃん先生はそんなこと言っているけど、
旦那に自主的にお米を炊いておいてもらえるなんて無理無理、自分でやった方がはるかに早いしめんどくさくないわという方もたくさんいらっしゃると思います。
ここで犬のトレーニングはうまくいくのに旦那さんの米研ぎトレーニングがうまくいかないという最大の理由を挙げてみたいと思います。
それは感情です。
前回も取り上げた犬のトレーニングで、ご飯の時間に早く飯をよこせと吠える犬に対して、
吠えをやめさせるトレーニングについて強化の理論を使ってご説明しました。
理論上は吠えないことを強化し、吠えにつながる行動は強化しないということです。
犬に関してはこのシンプルな理論が非常によく聞きます。
ですが、同じ強化でも人に対して特定の行動を強化させることがうまくいかないというのは、そこに複雑な感情が入り込んでくるから。
犬に感情がないということではありません。
犬にももちろん感情がありますが、人間の感情はより複雑ですし、
人はその場限りのメリット・デメリット・短絡的な感情や本能的行動だけで動くということは少ないからです。
特に人は自尊心や虚栄心といった複雑な感情のほか、長期的な未来予測などができるために、犬のように単純に行動を強化するということが難しい時があります。
ですが、この人間の複雑な感情を考慮に入れた上で、一流のトレーナーは対人に対して行動強化の結果、成果を発揮することができます。
一流のスポーツトレーナーや音楽教師、コンサルダント、コーチなども、こうした人間の複雑な心の機微や感情の動きなどを心理学的要素、脳科学的要素を組み込んだ上で、
相手に対して行動強化の成果を発揮させるからこそ、高い評価を受けているとも言えるでしょう。
そういう意味で、身近な人間、特に家族に関しては、感情を考慮して相手の行動に集中して強化することは、強化させる側だけではなく強化する側、ここではトレーナー側の人間もかなりの忍耐力や精神力が問われるのです。
実際、犬のトレーニングにおいては、トレーナーはいかに冷静で犬の行動にのみ注目できるかどうかが大切なキーポイントになります。
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私自身は、旦那さんに対してや子供に対しても、ちょっとイラッとしたときにこのトレーナーの手法を使って行動分析をします。
そうすることで、感情に振る舞わされることなく行動にフォーカスができ、どうすればよかったのか、次からどう対処したらいいのかを冷静に考えることができるようになるのです。
ただし、多くの方は、私も含めてなんですけれどもね、自分の家族やパートナーに対して感情をぶつけられたときには感情を返してしまうということが多いのではないでしょうか。
それこそが行動強化の妨げになるものだと私自身は感じています。
前回配信の例で言えば、ご飯を炊くのを忘れたからご飯を炊いておいてほしいと頼んだとき、
そんなものをご飯炊いたことないからできないよと返信を受けた。
そのとき、は?何年も米食ってて炊き方も知らんのか?なんてイラッとした返信をしてしまったら、強化のプロセスは一瞬で終わりです。
その気持ちをぐっとこらえて、丁寧に炊飯器の使い方、お米の炊き方をレクチャーし、動画までつけて最後にできなくてもいいからねと付け加える。
帰宅してお釜をあけたときに、希望通りのお米ができていなかったからといって、はぁもう頼むんじゃなかったとか、はぁ次からは自分でやるからいいよとか、なんでもうちょっとうまくできないのを教えて通りにやったとか、そんなことを言ってしまっても強化のプロセスは終わってしまいます。
強化のプロセスで注目すべきは、今何ができていて、今どこができないのか、どの程度のステップならクリアできる範囲なのか、どういう段階を踏んでどこまでをゴールドするのかをはっきりさせるということです。
そしてここで注意するべきことは、ポジティブな強化をしたいのであれば、褒めることをとにかく探すこと。荒探しは全部無視でこの際OKです。逆にネガティブな強化をしたい場合には、荒探しどころか荒をとことんつつくということで強化ができます。
まあしないですけどね。ただしネガティブな強化は、相手との関係性は良好に保てないこともまた、科学的に実証がされています。
だからこそ、旦那さんのトレーニングも犬のトレーニングも、相手との良好な関係性を築きたいのであれば、褒めること探しをとにかくして、とことん褒めることで相手の行動を強化し定着させていくことが肝心なんです。
まあ、感情があるおかげで、これが難しいんですけどね。
いかがでしたか?今回は、旦那と犬のトレーニングがうまくいかない理由は、ズバリ感情のせいでした。
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次回は、また違う側面から感情と行動のお話をしてみたいと思います。
最後まで聞いていただきありがとうございました。