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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には子育てネタや、留学時代や旅行の思い出などのお話もお届けしています。
より具体的な犬に対しての配信はメンバーシップ、文章はノートにまとめてお伝えしています。
先日、3月11日には、東日本大震災、ペットホテルオーナーの思い出ということで、
12年前の震災当時の思い出話をさせていただきました。
たくさんの皆さんに聞いていただいてありがとうございました。
その中で最後の方に、私が少し自分の状況が落ち着いてから、仙台の方に被災ペットのボランティアに行ったということをお伝えしていました。
コメントの方で、その時の話も聞きたいとおっしゃっていただいておりましたので、
今回から2回に分けて、被災ペットのボランティアに赴いた時のお話、
また赴くことになった経緯のお話などをしていきたいと思っています。
なお、去年の3月11日、2021年の3月11日付近にもこれらに関するお話をしておりますので、
よろしければそちらも聞いてみてくださいね。
内容が重複する部分もありますがご了承ください。
今回は前編ということで、私が被災ペットボランティアに赴くことになった経緯と、
その前に行政や公的な立場では被災時のペット支援がどうなっているのかをさらっとお話ししていこうと思います。
私は2011年8月、宮城県仙台市にある被災ペットの収容ボランティア施設に行きました。
当時、だんだんと震災の被害が拡大、長期化していく中で、被災ペットも問題になりました。
昨年、おととしの配信でも繰り返しお話ししているように、災害時には人命が言うまでもなく優先です。
支援物資や公的・民間組織支援ももちろん人が優先。
当時はペットの防災という言葉も広く一般に浸透しているものではなかったと感じていました。
そんな中、津波や原発事故を生き延びたペットたちでも飼い主さんと一緒に元のように暮らすということが困難になり、
飼い主さんが出放したり放置したまま夜喧嘩したり、行方不明、死亡となったケースも多々ありました。
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ペットがいるから避難所にはいけないという度胸老人の方などもいらしたり、
ペットを連れて避難をしたものの避難所に入れず右往左往したり、相当の混乱があったように把握しています。
災害時にペットをどうするのかということに、一般の飼い主さんにも、そして行政としてもフォーカスを当てざるを得ないような大きな出来事でもあったといいます。
そうしたことも踏まえて、環境省では自治体が地域の状況に応じた独自の災害対策マニュアルや動物救護の体制を検討する際の参考となるように、
また、飼い主さんの責任によるペットとの同行避難を基本に置いた災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを平成25年6月に制定し自治体に配布しました。
それが、災害時のペット対策の組織化・強化につながり、今では環境省が定める人とペットの災害対策ガイドラインとして配布されています。
こちらは、創設から本編を含め176ページという結構な情報量になっています。
基本的には、平常時・災害時にペットの対応をどう組織化するかを地方自治体に向けてまとめたガイドラインですが、一般の飼い主さんが読まれることも想定内に入っています。
災害時のペット対策がどう変遷を遂げてきたのか、災害が実際的に起きた地域ではどのように対策をして今はどのようになっているのか、
平常時と緊急時では、国や地方自治体の行政担当はどのようなペットの支援をどういった体系で行う手筈になっているのかを知ることができる大変有益な資料になっています。
専門職のみならず、一般の飼い主様に向けても平常時または災害時にこういう時にはここに相談する、ここで支援を受けられる、被災ペットの対応についてはここでこのように決められていく、
こういう方法があるということを知ることができる資料になっています。
概要欄にURLを記載しておきますので、目次から気になる部分だけでもぜひご覧になられると良いのではと思います。
国・地方自治体が災害時のペット対策について本腰を入れて組織をしてきたのは東日本大震災の後からでしたが、
それ以前には何もこうした組織がなかったのかというとそういうわけではありません。
阪神・淡路大震災を皮切りに、緊急・災害時のペットの支援のための組織は都度組織されてきました。
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そしてその頃から変わっていない指針は、ペットの避難は同行避難が基本です。
こちらは同伴避難とは別のものです。支援についてはあくまでも次助となります。
同行避難というのはペットを連れて逃げる、避難するということです。
同伴避難というのは避難所、避難した先で共にいる、同伴するということです。
これは別、全く別のものと考えてください。
つまり、自分のペットは自分でしか守れない、全責任を飼い主さんが負うということなんですね。
それが基本となります。
そして現在でもペットを連れての避難が基本、推奨となりますが、
ペットと一緒に避難生活が遅れるかどうかというのは、その避難先、地方自治体によって対応が異なります。
多くのところがペットと一緒に避難所まで行けたとしても、
人とペットは別々の場所で避難生活を送るということが多く、
もちろんその場合には囲われた空間で一日を過ごすということが多いです。
ぜひご自身の住まわれている地方自治体では、災害時のペットの避難についてどのようになっているのか、
どの場所であればどのようなペットの避難生活が推奨されているのか、
そういったことも踏まえて災害時の対策を考えておかれるといいのではないかなと思います。
市町村のホームページなどでご確認、または直接お問い合わせをされてみてはいかがでしょうか。
東日本大震災の直後から公的組織も被災動物に対しての動きは迅速にあったんですね。
あまり知られていないことですが、環境省のホームページでは、
当時どのように被災ペット救援に関わる活動がなされていたのかを時系列で公開しています。
興味のある方はこちらもご覧になってみてください。
そちらによりますと、環境省は3月11日19時30分、
財団法人日本動物愛護協会に対して被災地での動物救護に関する情報収集、対応方針等についての連絡を要請した。
これは3月11日、平成23年3月11日19時30分ということなので、
その日のうちに、被災動物の救護に対して日本動物愛顔協会に対して、
どのように今後対策をとるのかを連絡を要請しているということですね。
そして、日本動物愛護協会、日本動物福祉協会、日本愛顔動物協会及び日本獣医師会が、
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緊急災害時動物支援救援本部を立ち上げ、現金の募集を開始したのが3月14日の15時というふうに記載されています。
この緊急災害時動物救援本部は、2013年まで組織化されていました。
こちらは現在は、ペット災害対策推進協会と名称を書いています。
先ほどご紹介したガイドラインによりますと、
一般財団法人ペット災害対策推進協会、略称ペット災対協は、
天災や人災などの不足の緊急災害時に被災したペットの救護や円滑な救護活動の確保と目的として、
日本愛顔動物協会、日本動物福祉協会、日本動物愛護協会、日本獣医師会などを主な構成団体として、
平成8年に設置された緊急災害時動物救援本部の事業と資産を引き継いで設置された公益組織とされています。
こちらは平成26年に法人化されています。
災害時のペットの救護支援のみならず、ペットとの同行避難の普及啓発、災害時の救護ボランティアの育成や研修、
全国各地の災害対策、用紙資材の備蓄基地の整備など、災害発生に備えた平時からの活動を目的としています。
特に災害の発生時には、被災地の自治体や獣医師会、現地の動物救護本部等と連携を取りながら、
被災ペットの救援物資や資金などの提供活動を行うとともに、現地の動物救護本部等が行う被災ペットの救護のため、
義援金募集事務などの対抗などを行っているということでした。
ですが、民間レベルでは、あまりにも被害・損害が大きかった東日本大震災の後、
被災ペットの支援なんてとんでもない、まずは人が先という雰囲気もあったことは事実だと思います。
そんな中で、いろいろなSNSなどを通じて、支援物資やボランティアの送付、募金、寄附金の呼びかけや活動が個人や民間から自然と活発になっていきました。
ただし、それに乗じて、当然詐欺やボランティアと被災者側の間のトラブルなども聞かれていました。
そうしたSNSや同業者、お客様からの情報提供などもあり、私も何とか被災地で家族とはぐれたペットたちのために何かできないかと考えていました。
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当時行っていた犬の幼稚園で飼い主さんや有志の方から支援物資を募りました。
詐欺なども横行していたり、実際私もテレビではなく現場でこの目で見てみたい、力になりたいという気持ちから、
それらを積んで仙台にある被災ペット収容施設まで私の車で実際に届けに行くことにしたのです。
もちろん私だけではなくて、私に被災ペットボランティアを紹介してくれた方を含め、3名のトレーナーと仲間と一緒に行きました。
ということで、次回はこちらの被災ペットボランティアで体験したこと、考えたこと、感じたことなどをお話ししていきたいと思います。
最後まで聞いていただきありがとうございました。