00:06
こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には、子育てネタや、留学時代や、旅行の思い出などのお話もお届けいたします。
さあ、今日はちょっと切り口を変えた【子育て犬育て】のコーナー、久しぶりにお届けしようと思います。
私自身も思いついてみたものの、うまく着地できるかどうか、ちょっと不安なところがありますが、まずはお話をしてみたいと思います。
性というテーマは、永遠のテーマにも関わらず、なんとなく日本では特に公で話すことがタブーとされているような風潮がありますよね。
今回は、動物の性、人間の性というテーマで、大きな視点から捉えてお話ししてみたいと思っています。
私は、人間というものは動物の一つであると認識していますし、動物園にいる類人猿と私たち、人間は実はDNA上大差がないということも知っています。
実は人間と動物の間で大きな違いがあることの一つとして、人間側から言う性交、つまりセックスという行為の目的があります。
すべての動物たちの本能として、自分のDNAを残すというものがあります。むしろ、そのために生き物はすべて存在していると言っても過言ではありません。
哺乳類であれば、その本能のために交配、交尾とも言われますが、交配を行います。
そのため、その行為は子孫を残すという第一目的に則って、本能に基づき行われる自然のものです。
さらに、数多くの動物には発情期という交配に適した時期を定めていて、その時期以外には基本的には交尾を行うことはありません。
なぜなら、動物たちの交配は遺伝子を残すという目的のためだけに行われるものであり、犬も例外なくその通りです。
ただ、人間はその限りではありません。
人間同士の交配はつまり、子供を作るという目的以外で行われることが多いというのは、動物としてとても不思議な生き物だなと思います。
そのためにおいても、人間において性教育というのはとても大切なことだと思っています。
もし子孫を残すことだけが目的であれば、もし人間にも発情期があるとしたら、ことはもっと単純で、多くの動物たちがそうであるように、
交配という行為に教育を行わなくても、それこそ本能に従って子孫を作る、子孫を残すという行為だけを行うことができるでしょう。
03:10
ただ、どういうわけか、人間はそのような発展をしてきませんでした。
だからこそ、その行為にどんな意味とルール付けを設けるのか、それを発展途上である子どもたちに教えていくということは、発育上必要かなと思っています。
私自身も経験がありましたが、逆に言うと妊活というものはとてもしんどい作業ですし、
生殖機能が衰えたからでも行為だけを続けたいという欲があるということからも、
人間の交配はDNAを残すためだけのものではないということがよくわかります。
我が家の息子は小学3年生。
今年はコロナが始まって初めてのプールの授業があり、それに先立って配られたプリントを見て私は驚きました。
それはプライベートゾーンを尊重しましょうというものでした。
水着ゾーンプラス口と言われるのがプライベートゾーン。
正気やお尻、胸、口といったところへのタッチや外見に関する表現について書かれていて、
さらに空白が抜かれていて、子どもたちが習ったことをそこへ記入するというような形になっていました。
中でも最後が印象的で、気持ちが優しく嬉しくなるタッチは良いタッチ。
気持ちが悲しく気持ちが痛くなるのは悪いタッチという子どもたちにもわかります。
気持ちが悲しく気持ちが痛くなるのは悪いタッチという子どもたちにもわかりやすい表現で書かれていて、
こんなことは私の小学校時代にはなかったなぁと思い返していました。
私はなかなか子どもに全て、性教育という意味で全てを告げることはできていませんが、
どうして男女の体の作りが違うのか、それぞれどんな機能があるのか、
男女が揃わないと子どもが生まれないということ、
男女の性器については赤ちゃんを作るための第一な器官であるため、
むやみに他人や自分の性器を触ったり傷つけたり触らせてはいけないということ、
触りたい場合には必ず相手の同意を得ることを息子に伝えています。
自分の息子が被害者にも加害者にもならず子孫を残すという以外の行為の意味を
大切で愛しいと思った相手にのみ、そして相手も同じ気持ちであれば行ってもよいが、
その結果子どもができるという可能性があることをきちんと伝えるためです。
どこまでわかっているか微妙なところですし、
母親としては息子は異生物ですので、わからないことも多々あります。
我々人間の三大欲求といわれる食欲、性欲、睡眠欲、
他の動物と大きく異なる子孫繁栄に関わらないこの性欲というのは、
個人的には人間が扱うべき三大欲求の中では一番難しいものかもしれないと思っています。
06:05
だからこそきちんとその欲をどのように扱うべきかは、
人間は学んでいかなくてはならない、そして教えていかなければならないだろうなと感じています。
なぜならその行為は時には死によりもつらいトラウマ、恐怖を引き起こすからです。
幸い私にはそういった性的虐待に遭った経験はありませんが、
ただ事前に察知して危ないと思って逃げたことは一度や二度は確かにありました。
今はもう自分の身には起きないとしても、
成熟期をこれから迎える息子や娘に対しては加害者にも被害者にもなってほしくない。
そのためにきちんと知ってほしいという思いがあります。
さてここからは犬に関してです。
犬に関しては全くその通りではありません。
彼らの性欲に関しては必ず子孫を残したいという本能が絡みますので、
交尾そのものももちろん必要最低限のみに抑えられます。
そしてそれは発情期のメスと未虚勢のオスでなければ成立しませんし、
厳密な意味では虚勢・否認済みのメス・オスには反応もありません。
ここで面白いのがペットとして飼われている犬たちに
飼い主である人間は人間と同じ性の価値観を当てはめがちということがあるということです。
つまりは擬人化です。
この擬人化は時として性的価値観にも当てはめられます。
例えば虚勢・否認を検討するときに多くあるのが
男性の飼い主さんが反対するということです。
理由を聞いてみると
男として忍びないとか言うんですよ。先生何とか言ってやってください。
という奥さんからのお声は意外とよく聞かれることです。
この件に関しては一生果たされないという性欲を一生抱えて我慢したまま過ごす方が
男性として辛くないですか?とこちらも擬人化して聞くと
意外とあっさり折れてくださったりすることがあって面白いなと思ってしまいます。
メス犬に関しても一回ぐらい出産を経験させてあげたいという飼い主さんは少なくありません。
否認・虚勢をするかしないかは完全にその飼い主さんの自由です。
ですが生まれてくる命においてはその数だけ責任が伴い
これは人も犬も同じです。
そういった意味では虚勢・否認をするかしないかは感情ではなく冷静な判断で決断するべきだと思います。
虚勢・否認の一番のメリットはそれをしなかったときにかかる可能性のある病気にならないということです。
それだけを考えれば飼い主さん的には当然虚勢・否認を進めます。
また日本ではトレーナーさんも虚勢や否認を進める傾向が強いかなと思います。
一般的には虚勢・否認した方が扱いやすい犬になると特にオス犬では思われているようですが
気質の件だけで言えばそのことだけが行動や性格に特別に大きな変化をもたらすとは考えにくいです。
09:07
私のいたイギリスの田舎では虚勢・否認をされている犬は少なかったということからも
私も聞かれたことがありますが問題行動をしなければなりません。
聞かれたことがありますが問題行動のある犬を虚勢したら落ち着きますかという質問は最も難説で
実際のところはマーキング行動が少し減るかなというくらいです。
テストステロンが虚勢によって減ったとしても飼い主さん側が望む行動は教えてあげなければ覚えることはありません。
つまり自然にできるようになったり自然になくなったりすることというのは虚勢をしただけではなかなか難しいことがあるんですね。
犬は私も一度くらい子育てしてみたかったなとか隣の家のイケてる女子とちょめちょめしたかったぜとかは思いません。
映画やアニメではよくメス犬を見てオス犬の目がハートになったりしていますが
実際にメス犬を見てオス犬の理性が飛ぶというのは発情期と呼ばれる特定期間のメス犬の匂いに惹かれてのみです。
まあ気が合う合わないというのは相性として当然ありますけれどね。
俺たち仲がいいから次はちょっと交尾しようかということにはならないわけです。
ですがあまりにも擬人化されデフォルメされた犬のイメージを抱く飼い主さんからは
私の足や腕にしがみついて腰を振るんですよ私が女性だからでしょうかとか
相手が男の子なのにしがみついて腰を振るんですようちの子恥ずかしいですといったお話を打ち上げられることが少なくありません。
犬が何かにしがみついて腰を振る行為イコールマウンティングと呼ばれますが
これは性行を連想させることから性行為のイメージが非常に強いことに驚きます。
中には顔を絡めてすぐにやめさせようとする方もいらっしゃいます。
犬のマウンティング行為については交尾のための性的な目的というのは行為の中で半分しか意味づけを持ちません。
前述したようにオス犬は発情期中のミス犬の匂いがなければ性的欲求は起きません。
厳密な意味では人間のそれとは違い子孫を残したいという欲求と言えますね。
奥さんの足や腕クッションやソファーにしがみついて腰を振ったりオス犬同士が同じようなことをしたとき
それは性的ではない興奮状態またはどうしたらよいのかわからない葛藤ストレス状態を示すものであったり
文字通り相手より自分の方が強く優位にあるということを相手に示す優位性を示すための行動になります。
動物の本能である子孫を残したいという欲求はとても強く通常時のコントロールや自制を振り切る場合もあります。
本能に隙を動かされている時の犬のコントロールに自信のない方は虚勢否認をする方が賢明かなとも言えます。
12:07
オス犬では発情期前後のメス犬を見ると狂ったように吠えたりソワソワしたり引っ張ったり他のオス犬と喧嘩しやすくなったりマーキングが増えたりします。
普段からできていることや指示が聞けなくなったりすることもあります。
メス犬では体調不良、疑忍心、しつこいオス犬からのアプローチ、出血による衛生管理そのあたりが実際的にコントロールしづらい代表格かなと言えます。
人間の子供には性教育が必要ですが犬たちにはそもそも人間と同じ性への倫理観価値観をこだわりもありません。
飼い主さんが犬の性について一番考えなくてならないのは、うちの子が足にしがみついて腰を振る欲求不満だろうかということよりも虚勢否認であるということ。
取るか取らないか、残すか残さないかという決断、それは飼い主さんが犬に行う唯一の性の決断です。
それを含めた性による行動変化は人間の価値観ではなく、動物の行動学として捉えていただきたいなと思っています。
はい、ということで今回は少し難しいテーマについてお話をさせていただきました。
犬の性、そして人間の性は違うということ、こんなこと当たり前だよと思われるかもしれませんが、
意外や意外、この目的意識や倫理観がたまに擬人化されていることがあるなぁと最近私は感じることがありましたので、皆さんにもお話をさせていただきました。
ちょっと難しいお話になったかもしれませんね。最後まで聞いていただきありがとうございました。