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こんにちは、横浜で15年以上犬の保育園の先生を行っているなおちゃん先生と申します。
今回も世界一周の船旅にお付き合いいただきありがとうございます。
今回は最終回になります。
前回は8月9日出港より100日目、最後の帰港地、ロシアのペトロパブロフスクカムチャツキ後編をお届けいたしました。
今回は8月10日から13日、出港101日目の会場から104日目の東京・晴海ふ頭での下船までをお届けいたします。
昨年9月に始まった私の104日間世界一周の船旅も、ついに今回がラストになります。
出港より101日目、8月10日、最終帰港地のロシアを離れてから4日間の船旅で私たちは日本に帰る。
あと3日後にはこの船での生活も終わりなのだと考えると、まだ遠い先のことのようで実感が湧いてこない。
今日はサイサイサイというお祭りが船内で丸一日行われる。
これは今まで船内で行われてきた自主活動や企画、サークルの発表会だ。
なんと40近くの企画の発表会があったようだ。
私は3つの企画発表に参加するため、朝からリハーサルや打ち合わせやらで各所各部屋を駆け回っていた。
船内の至る所もなんとなくザワザワしていて落ち着かない。
合間を縫って仲良さんたちに住所の交換をしてもらうためにノートを持って走り回った。
今ならスマホで一瞬で終わる作業なんだろうな。
昼食を終えて14時からサイサイサイがスタート。
なんと私はメンバーのみんなと同じお揃いのピンクのチュチュ、バレリーナが着けるスカートのようなものを着て、
髪を2つに束ねてピンクのリボンを着け、ピンクのTシャツを着て踊ったらしい。
恐ろしくて想像ができない。
最後はゴスペルチームの大合唱とともにその場にいた全員で天使にラブソングをの主題歌、
オーハッピーデイを熱唱した。
中、高、大と学生時代、仲間と一緒に何かに一生懸命取り組むというような部活動などをほとんど行ってこなかった私。
遅れてきた青春をここで取り戻したかのようだった。
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夕食後は37階スクルーズの締めとして、スライドショーで今までの各気候地の軌跡が上映された。
ここもあそこもとみんなで口々にその地の思い出を語り合う。
ほんの少し前の話なのに、もう遥か昔の出来事のように懐かしさを感じる。
8月11日、出航102日目。
春見不当まであと2日。
残すところあと2日。
そろそろ暖かくなってきただろうと、Tシャツにパーカーの姿で6時の大極限に目覚めていった。
寒い。
今朝の定時の線内放送によると外気温は8度。
昨日は9度だったので寒くなってる?
え?もうすぐ日本に着くんじゃないの?と疑いたくなる。
残り2日という実感もなかなか湧かないまま、いつもの線内スケジュールをこなす。
線内で1日を過ごすときには大体決まったスケジュールのサークルや企画に顔を出していた私。
大極限から始まり、授業術や足もみ、ヨガ、英会話など。
まるでスタイフのライブのようですね。
今までと違うのは、なんとなくみんな元気がないこと。
なんとなくあと2日でこの日常が終わってしまうということ。
それをあえて直視しないようにみんなが空元気で過ごしているようなそんな感じを受けた。
それは自分も含めて。
この日はオフィシャルイベントとしては最後のフォーマルディナーと船長によるフェアフェルトパーティーがあった。
それ以外になんと、この船旅で出会った男女2人の公開結婚式が取り行われることとなった。
私はこの新郎新婦ともによく知っていたので、当然出席することにした。
15時30分、デッキに集まってみんなで結婚式の承認になることになった。
この日は寒くて小雨が降り、風もあってとてもいい1日、結婚式に良い日取りとは言えなそうだったが、
結婚式の小雨は幸せが降り込むという意味もあり、必ずしも悪い意味ではないようだ。
花嫁さんが登場するとみんなから一斉に拍手喝采が飛び、そこだけ太陽が照らしたかのように明るい空間となった。
すべて手作りの結婚式はもちろんドレスも乗船客の手作り、ミシンもないから有志のデザイナー、
ファッション関係者、手縫いが得意な方々が集まり、寄付を募って各寄港地で材料を買って準備してきたのだそうだ。
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当時の私は結婚願望も結婚相手もいなかったから実感としては何もわからなかったが、
人生の先輩夫婦が2人の花向けに贈ったという夫婦十佳状をはじめ、胸が熱くなる瞬間がたくさんあった。
この後はお色直しで2人は和装へ、花嫁さんが講師を務めていた日部を自ら披露していた。
こちらも見事だった。
船のパティシエと日本でパティシエとして活躍中のKさんが協力してデザイン、デコレートした手作りのウェディングケーキが運ばれて、ケーキカットの後、みんなでおいしくいただいた。
最後はまたまた大熱唱のオーハッピーデイで締めくくり、冷たい雨とは裏腹に、散烈したすべての人々のハートを温かく照らして結婚式は終了した。
17時30分からは最後のフォーマルディナー。
この船旅の間には何度かドレスコードフォーマルのフォーマルディナーが催された。
このために私は薄いピンクのワンピースを買って乗船していたのだ。
後にこのドレスは友人たちの結婚式になんとなく登場してくれた。
いつものフォーマルディナーはフルコースではあれど内容的にはうーんというものが多かったのだが、今回は嬉しいだいごさん。
今までのすべての船内ディナーの中でもとびきりの料理だった。
カナダ産スモークサーモンから始まり、パンプキンポタージュ、牛フィレ肉の蒸し焼き、シャンパンのソルベ、カリブ海産ロブスターのテルミドールグラタン。
ロブスターといっても2,3切れだと思っていたら半分にカットされたロブスターが丸ごとグラタンにされていて中身はぎっしりブリブリ。
これはおいしかった。さすがラストフォーマル。
そしてこの日のデザートは料理長が腕によりをかけたベイクドアラスカ。
なんじゃそりゃと思っていたらレストランの照明が消え入場局とともに登場した巨大なアイスクリームケーキだった。
ケーキの上にはクリームにアルコール入りの砂糖がかけられているためそこに火をともして真っ赤な火とともに入場してきたのだ。
登場シーンはびっくりしたけれど中身は普通のアイスクリームケーキでした。
8月12日出港103日目。船内生活最後の1日。
朝起きて大極形のためにデッキにあがると太陽のまぶしさとともにむっとした暑さに包まれた。
これはもう日本の夏の空気だ。
1日にして大気は太陽の強さはこんなに変わるものだから船旅は面白い。
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午前中は残っている船内サークルに参加。
さすがに下船の1日前ともなると実習企画も終了しているものが多く、
いつもの場所にいつもの人たちがいないことで改めて旅の終わりを感じさせた。
当たり前のことだが下船するには荷造りが必要だ。
狭いロッカーぱんぱんに何なら自分のベッドの至るところに旅の思い出の品が積み上がり、
荷物は明らかに持ってきた時よりも増えている。
さて、これをどうやってトランク1つにまとめるべきか。
試行錯誤をしながら片付けをした。
同じ部屋の友達も同じ状況でみんなでワーワー言いながら荷造りを行う。
こんな風に3人がまた同じ部屋に寝泊りするということなど二度と来ないんだろう。
明日にはもうそれぞれの生活に帰っていくんだ。
午後になると下船説明会が開かれた。
今まで何度気候地前の下船説明会に参加したことだろう。
リビアでは散々脅かされパナマ下船前は真夜中で眠かったっけ。
もう両替や通貨や時差や言語に悩むことはないんだ。
そんなことすらももう遠い出来事のことのように感じる。
私たちの下船は8月13日、出港104日目。
ロシアから南下するため東京・晴海不動で関東組を降ろした後、
船は神戸越え、そこで関西組が下船し、本島の解散になる。
関東組は一日早く乗船し、一日早く下船するのだ。
下船説明会では関税の取り方や申告が必要なもの、
パスポートの返却案内や部屋ごとの下船時刻の案内があった。
その後、クルーたちやボランティアスタッフ、
この船の責任者であるピースボートスタッフからの挨拶が続いた。
聞いているうちにいよいよ明日でこの夢の始まりだ。
いよいよ明日でこの夢のような時間もいよいよ終わりなんだという気持ちが胸に迫ってきた。
最後は自主、制作映画、37回ピースボートフレンドシップが上映された。
スウェズン画を中心にたくさんの人たちにインタビューをしたものを編集した映画だった。
それを見ながら涙が頬を伝うのを止められなかった。
8月13日、出港104日目、帰港。
すべての自主企画が終わった後も、大極圏が始まる6時頃になると自然と目が覚めてしまう。
船内放送でTさんの落ち着いた声、
ハルミフ島への入港は午前8時頃です、とのアナウンスを聞いてしっかり目が覚めた。
前夜はほとんど寝られなかった。
私のいる下から2番目の階、そこには若者たちが乗客ばかりだった。
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一つの部屋で自分のベッドで最後の夜を過ごすなんて若者たちにはできなかったんだろう。
多くの人が廊下でごろ寝をしたり、ギターや楽器を片手にデッキで一晩中歌っていたり、
のむきゅうしながら旅のあれこれについて、そして今後の人生について友達と語り合っていた。
私もこの数日間、多くの人たちと話した。
年齢は問わず、たくさんの人たちとのご縁ができた。
私はリラッドツアーに多く乗ったので、年上の乗船客の方々とも仲良くなった。
人生の先輩たちの言葉には重みがある。
自分の将来を未だ決めかねていた私は、先輩たちにいろいろな助言やアドバイスをいただいた。
その中でも多くの方が、あなたはどうなりたいのか、どんな人生を送りたいのか、何が好きなのか、
自分の人生をあきらめずにチャレンジしてみたらどう?
人生は一度きり、若い時間は二度と戻らないよ、ということを口々に繰り返し私にアドバイスしてくれた。
今となると、20歳の社会に出る前の女子大生に彼らがそういった意味がよくわかる。
私が仲良くさせていただいた皆様は、とてもチャレンジ精神、好奇心旺盛な方が多く、大らかだった。
小生意気な若者とも温かい心と眼差しで交流してくれる素敵な方々ばかりだった。
丘では占い師を25年近くされているという女性の方とお話ししたことは今でも心に残っている。
その方に第一声で私は、あなたは守りがとても強いわね、ちょっとや外のことではダメになることはないから、思い切りいろんなことにチャレンジしなさい、と言われた。
私がこの先していきたいことは何だろう、と考えたとき、一緒にいらっしゃった。
私がこの先していきたいことは何だろう、と考えたとき、一生に一度しかないこの人生。
やはり自分の好きなことにチャレンジしたい。そして好きなことといえばやはり動物のこと。
その中でも特に犬のことをお仕事にしていきたい。
次第にその気持ちは固まっていった。
海は広い。世界は広い。船旅は社会の、そして人生の仕組みだと思う。
船の中には小さな社会がある。人のコミュニティがある。気の合う人も正直合わない人もいる。トラブルやいざこざもあった。
けれど、その小さな世界にとらわれることなく、海に、空に、世界に目を向けてみると、
そこには全く違う人種、生き物、文化、価値観、生態、常識、行動、言語、それらに触れることができる。
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そこには自らの経験だけで、良い悪いのボーダーを引くことすら違和感を覚えるほどだ。
私は日本という小さな船の中のような国に生きている。それは誇るべきことだ。
世界一周をしてみても、日本ほど安全で、欲しいものがすぐに手に入るところはない。
オンベンザと自動販売機と時間に正確な公共交通機関は日本の財産として世界に誇れるものだ。
だけどもっと、もっと世界を見てみたいと思った。
動物、犬というものを相手にするとしたら、人間同士の付き合いどころではない。
生き物として違うんだから、もっともっと広い視野を持ちたいと思った。
船は朝からギラつく東京の太陽の下、静かに晴海埠頭に入港した。
三ヶ月で人の意識はこうも変わるものだ。この船旅に出てよかった。
私の人生の航海はここからが本番だ。大学を卒業し、社会という大きな海に出港する。
出港前は不安や怖さが勝っていたとしても、この世界にはきっと光り輝く喜びと出会い、驚きと時々ちょっとのトラブル、感動と達成感があふれているに違いない。
恐れずに行こう。世界は思っているほど悪いことばかりじゃない。怖がるのは知らないからだ。知ろうとしないからだ。
入港後、船を降りるまでには順番があり、2時間後にやっと私の順番が回ってきた。
ここから旅立つ関東組。船に残る関西組の友達と抱き合って涙を流しながら、再会を誓って握手を交わす。
タラップの先には家族の姿。さあ、ここから私の本当の船旅が始まる。
ただいま日本。ただいま私の国。ただいま私の家族。
私の体が、魂がどこへ行こうとも、ここが私の帰る場所。
さよならあるオリビア。さよなら世界一周。
乗らなければ決して味わうことのなかった数々の経験と思い出たちが私の財産となることを、
若い私を隠しにしながら、ハルミフトをゆっくりと去る私たちの船を見送った。
最後までお聞きいただき、本当にありがとうございました。
昨年9月より配信を始めた104日間世界一周の船旅。
当初は週1回の帰港地の配信でしたが、私の都合などで1週間に1度の配信が遅れてしまうことをたびたびありました。
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結果として1年以上の月日がかかってしまったこともありました。
結果として1年以上の月日がかかってしまったこと、申し訳ございませんでした。
ですが、この船旅を通してまたたくさんの方々とつながれたことは、本当に私の一つの貴重な経験です。
皆さん本当にありがとうございました。
そして最後にお知らせをさせてください。
12月1日、木曜日。
時間はちょっとまだ未定なんですが、皆さんがいらっしゃることができるようなお昼の時間帯に、
この104日間世界一周の船旅、締めくくりのお礼ライブをさせていただきたいと思います。
そして11月28日、月曜日に出版予定の私の104日間世界一周の船旅4冊目。
こちらの出版記念ライブも合わせて12月1日木曜日にさせていただきたいと思います。
11月28日当日は残念ながらちょっと時間が取れないかなと思いますので、
収録にて出版のお知らせをさせていただきたいと思っています。
そして皆さまにお願いというか、お願いしたいこと、お願い2回言っちゃいましたけど、お願いしたいことがあります。
この12月1日の船旅終了、配信終了記念ライブですね。
この時に皆さんにぜひ今までの木工地の配信の中でどこが一番印象的だったか、
それを皆さんに聞きたいと思います。
レター、インスタグラムのDM、LINEの公式アカウントなどから、
私はここの国のエピソードが一番印象的でした、というふうに送っていただけたらとってもありがたいです。
もちろん配信をすべて聞き直すという無駄な時間は使わなくて結構なので、
皆さんが聞いていただいた中で一番印象に残っていること、国だけで結構です。
もしこの国のここが印象に残っていますというのがあれば、それもお知らせいただけたらと思うんですが、
まずは国名だけ、木工地名だけ教えていただけたら、
それを集計というかしまして、この国とこの国がエピソードとして人気がありましたよ、
ということを皆さんにお話をさせていただきたいと思います。
またですね、ライブは1時間程度を予定させていただきますが、
21:00
この船旅に関して聞きたいことなどがありましたら、ぜひお知らせをいただきたいと思います。
私に答えられる範囲、覚えている範囲のことであれば、お答えをさせていただこうと思っています。
ということで、104日間世界一周の船旅、改めまして本日が最後の配信となりました。
本当に1年以上という長い長い月日、お付き合いいただいた皆様、
すべて聞いてくださった皆様、少しだけ聞いてくださった皆様、
最近聞き始めてくださった皆様、本当にありがとうございました。
興味を持って聞いてくださる方がいなければ、私はここまで続けてこられなかったと思います。
また、Kindle本にするなんてことは、ついにも思っておりませんでしたから、
この配信、そしてKindle本は皆様が作り上げてくださったものだと思っています。
心より感謝いたします。
私もまた、この旅日記を20年ぶりに読み返して、いろいろと思い出すこと、込み上げる思いがありました。
そのお話は、またライブの時にでもさせていただきたいと思います。
そしてですね、本当にこれで最後になるんですが、
私のプロフィールのところに、ゆるっとワントーク、あ、違うな、なおちゃん先生、
アットマーク、犬と旅、という風に名前が書いてあると思うんですけど、
犬と旅と付けたのは、犬と旅をするわけではなくてですね、
犬の話と旅の話をメインにしているよということなんですね。
旅の話がですね、104日間世界一周の船旅、
今回でね、終了してしまいましたので、さあこれからどうしようということを、
この12月1日のライブでも少しお話をしたいと思っています。
ね、あの、もしかしたらね、まあいないと思うんですけど、
船旅ロスに陥ってくださった、くださるかもしれない皆様、ご安心ください。
私には次の旅配信が控えております。
その辺もね、合わせて発表しちゃおうかなと思っていますよ。
ということでですね、皆様に最後のお願い。
この船旅配信、すべて聞いてくださった方はその中から、
1、2箇所でも構いません。面白かったよ。
ご視聴ありがとうございました。
1、2箇所でも構いません。面白かったよ。ここが良かったよ。
印象に残ってるよ、というエピソードがありましたら教えてくださいね。
レターDM待ってます。
24:00
最後まで聞いてくださって本当に本当にありがとうございました。