- おかずな感じですね。
- フーライ棒ってどういうやつ?ちょっとイメージが本当わかなくてさ。
- 甘辛…
- タレがかかってるの?
- タレがかかってる。
- まず揚げてあってパリッとしたところにタレがかかってるような感じだね。
- なるほど。
- タレをかけて和えてるのかな。
- うんうん。
- うん。確かにね。ちょっと話それますけどね。
- うん。
- 私もともと刑事だったんですけど、
- ほうほう。
- 刑事とかでね、処刑したりするとですね、中部管区警察学校ってとこ入るんですよ。
- え?中部管区警察学校?
- そうそうそうそう。
- 初めて聞いた。
- あーちょっと手短に言いますけど、
- はい。
- 中部6県のさ、国立から三重県から、静岡は入んないんだけど、
- うん。
- その県の、例えば巡査から巡査部長に承認しましたってなると、
- 愛知県の、どこだっけあれ?小牧?に中部管区警察学校ってのがあってね、
- はい。
- そこに集結すんのよ。
- へえー。
- その1ヶ月2ヶ月そこに集結して、勉強すんの。
- その時にね、だからみんないろんなところから集結するんで、
- ご当地のものはやっぱ持ち寄るんですわ。
- なるほど。
- あと北陸の方なんてほんと人気ですよ。
- なんか酒とかさ、いろいろうまいもんあるじゃない。
- うん。
- で北陸の人がいろいろ持ってきてくれるんで、
- じゃあまあ愛知地元にいてね、何も持ってかんわけいかんし、
- で一番持ってきやすいのがね、やっぱ僕は手羽先だったね。
- あー。
- 持ってって、つまみになるしご飯にもなるから、
- うん。
- 手羽先みんなの分バーン買ってって、
- でお酒とかはね、こう北陸の人たちもたくさん持ってきてくれたりするから、
- うん。
- でこれをつまみと食事に、今日一杯やりましょうみたいなね。
- いいねー。
- 結構人気だったねー。
- 盛り上がりそう。手羽先がバーンって来たら。
- そうねー。
- うん。
- まあだからガクちゃん言うように、手羽先が嫌いですって人はあんまりいないというかね。
- 唐揚げだしね。
- そうだね。
- これもさ、もともとはさ、すごいのはさ、
- うん。
- あの捨ててたり、肥料とか、あとは飼料。
- はい。
- いわゆる動物にやったりとか、するような部分だったんだよね。
- えー、この手羽先?
- そう、手羽先。だからその胸肉とかもも肉とか、急に仕入れが入らなくなって、どうしようって言った時に、
まあ一応手羽先あるんですけどって言って、それを仕入れてやったら、裏メニュー的にヒットして、そこからメインの料理になっていったんだよね。
- そうなんだー。
- そう。
- 全然美味しいのにね。
- そう。でもさ、
- 捨てられてたんだ。
- 食べる部分は少ないのは事実だよね。
- 確かに確かに。
- 他の部位に比べて。
- 骨がいっぱいあるしね。
- 骨がいっぱいある。
- なるほど。
- うん。そこで食べ方があるんですよ、これがまた。
- はいはい、常識ですね。
- 常識ですね。でも名古屋の人以外は知らないよね。
- 知らないよね。
- うん、あの食べ方。
- 知らないのかな?
- 知らない。
- どうやって食べるんだろう?見たい。
- そう、だからこう、もう食べにくそうにさ、骨と骨の間の肉をさ、こう、ちゅっちゅってやりながらさ、食べる人が多いよね。
- あ、なるほど。
- うん。でまあ、本当は一口でこうずるっと向けて、口いっぱいに肉が入ってくるようなあの体感を皆さんしていないんですよ。
- あっちゃー、それはー。
- うん。
- それは大変だね。
- あははは。
- それちょっと嫌になっちゃうよね、その食べるのがめんどくさかったらさ。
- そうそうそう。
- うん。
- だからどんどんどんどん食べたい人にとってはちょっと不向きな食べ物だよね。
- でもその食べ方をマスターしたらどんどんどんどんいけるじゃない?
- そう。
- じゃあ今日、今回はマスターして帰っていただきましょうってことですかね。
- これー、音声だけで伝わるかな?
- これさー、ちょっとなんかテキストに書き起こして説明書書いとこうか。
- あははは。そんなことできるの?
- あのー、ノートの記事とかにさ、書いときますかね。
- そうですね。
- 音で精一杯表現しつつ。
- うん。
- 80点ぐらいは、80%ぐらいは伝えたいよね。
- まずあのL型になっていて、手羽先っていうのは。
- 大きい方と小さい方があるけど、まずそこをボキッと反対側にやると2つに分かれます。
- はい。折りますね、まずバキッとね。
- 折ります。まず折ります。折って2つに分離させます。
- うん。
- で、小さい方を一旦置いておいて、大きい方の折っていない側の根元をグリグリします。
- グリグリ?
- グリグリ。骨の辺りをグリグリします。
- モミモミ?
- モミモミします。
- うんうんうん。
- はい。で、そこに口を全部、骨ごと口の中に入れて、そのモミモミしたところを起点にグッと歯で挟んで。
- 前歯で挟んで。
- はい。やると。
- 骨を引き抜く?
- 引き抜く。そうすると全部一発で肉がついてくると。
- すごいよね。
- うん。あ、やっぱ知ってた?カネリー。
- いや知ってるでしょ、そりゃ。あなた。
- いや、知ってる人少ないよ。名古屋の人でも。
- そんなどうやって食べるのよ、手羽先。
- いやだからもう思い思い食べてるんだよ。
- そりゃダメでしょ。え、でもさ、ヤマちゃんに書いてあるよ?
- 書いてある書いてある。書いてあるけど、あれに従ってやってもうまくできない人が多いんだよ。
- そうなの?でもグリグリは俺知ってなかったかもしんないな。
- あ、で、これが、そのグリグリが大事なのは、実は僕、あの、ヤマちゃんの山本会長と一緒にヤマちゃんに行ったことがあるの。
- ほー、またまたすごいですな。
- で、そのヤマちゃんに直接、従業員もこれは知らないから、一人一人に伝えてるんだって言って教えてくれたのが、根元のところをグリグリする。
- で、そうすると筋繊維が離れるから綺麗にスパンとこう、骨だけになるっていうのを。
- じゃあそこ知ったかぶりしたわさっき。
- そうそうそう。そこはね。
- グリグリはしてないよ?
- そう、グリグリするっていうのが一番大事だっていうふうに山本会長が言っていて。で、
- 山本会長はヤマちゃんっていうの?
- そう。世界のヤマちゃんですっていうのをアルバイトの子がふざけてやってて、それいいねって採用して世界のヤマちゃんっていうニックネームになったの。
- なんじゃそりゃ。
- 何でもかんでも世界のヤマちゃんの山本会長はいいものを取り込むっていう、そういう癖だね。
- あーなんか聞いたことあるよ、それ。第1回放送のテイク3ぐらいでなんか聞いた気がするな、その話。ちょっとこの話聞きたいな。
- うん。
- なんかいろいろとパクるみたいなことを良しとしているっていうのが山本会長だって話?
- そう、山本会長の心情はパクってパクってパクりまくれ。忠実にパクることが大事だっていう。徹底的にパクるっていうことが大事だって言っていて。
- ヤマちゃんは何かのパクりなの?
- そう、風雷棒のパクり。
- まさかのね、こんだけディスってたのに。
- そう、風雷棒で働いて。
- あ、風雷棒で働いて?
- そう、風雷棒で働いてパクって自分でお店を開いた。
- やばいね。
- それも公言してるからね、パクりましたって言って。
- えー、別に悪いことでもなく、なんか喧嘩にもなってない?
- 喧嘩にもなってない。
- へー。
- むしろ、世界のヤマちゃんの方が有名だから。
- あ、そう。
- うん、有名な世界のヤマちゃんが風雷棒をパクったっていう。
- なるほどね。
- 元祖が風雷棒だって言い続けてくれることに感謝してるって言ってた。
- あー、なるほど。
- そういうことで言ってんのか。
- うん。
- だからパクってパクってパクりまくって徹底的にパクることにより本家を超えるんだっていうのが信条なの。
- 主張りですかね。
- 主張りですね。
- はー。
- うん。
- なので、主で。
- パクってってさ、何をパクったのよ。全然違うじゃん。
- 例えば作り方もパクっているんだけど、
- 製法ってこと?
- 製法もそうだけど、
- はい。
- 味が変わっていったでしょ?その塩コショウ。
- うんうん。
- なんかヤマちゃんといえばあのなんかコショウ辛い感じ。
- あーコショウ辛いあの感じ。
- あの感じはまた別のお店からパクってるんです。
- 何それ。
- だからお店の外装とか内装とか、接客の仕方とか、
- うん。
- 運営の仕方とか、料理の出し方とか、料理の、もうありとあらゆるものをいろんなところからパクるっていう。
- へー。
- パクりの集合体で運営しているっていう、そういう会社です。
- いいとこ全部取り入れちゃえみたいな感じ?
- そうそうそう。でもいいところを取り入れるっていうと、エッセンスだけ抜いてやる、やろうとするじゃない?
- うんうん。
- でも山本さんはそうじゃなくて、もう本当に丸パクりすることが大事だって。
- うーん。
- だから例えば、表に感謝っていう盾札が置いてあるんだけど、掲げられたり置いてあったりするんだけど、
それもとある繁盛店が何で繁盛してるんですかって言ったら、感謝する気持ちをそういうふうに表で表してるっていうのを聞いて、
じゃあやりましょうって言って、全店舗にその感謝っていう盾札を置いたとかね。
- あー。
- うん。
- あ、置いてあるんだ今も。
- 今も置いてある。
- へー。
- どの店に行っても感謝って書いてある。
- へー。
- でも意味ないよね。
- うん。
- 意味ないけど、それが大事だっていうことを思ってパクった。
- うん。
- しかも真似するとか、模倣するとか、エッセンスをするとか、なんかそういうこと言わずに、山本さんは本当にパクるっていう言葉を使うからね。
- へー。パクりましたっていうな。
- パクりましたっていう。
- それ何でなんだろうね。
- やはり全てのものはパクりから、まあオリジナルを生むにはやっぱりね、パクりの掛け算じゃない?
- そのさっきの風雷棒みたいにパクり元への敬意を表してんのかな。
- 確かにあなたから学びましたっていう敬意かもしれない。
- なんかもうパクるって言うとなんか悪いことみたいなから、ちょっと自分を下げることによってパクり元を立ててるみたいなことなのかな。
- うーん、そういうのもあるのかもしれないね。
- パクりの流儀だね。
- うん。
- ちょっと今度山本会長に聞いてみたいですな。
- そう、でもご請求されて今は亡き方なんですよ。
- えー。悲しい話じゃん今日の会話。
- そうなの。だから本当に直にその手羽先の食べ方を手ほどきしてもらった数少ない人の一人だと自分は思ってるんですよ。