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2020-12-30 11:00

#26 連舞 〜名作小説から愛を考える〜 ゲスト: トイアンナ


名作小説から「愛」について考える全3回。第二回のテーマは、""親子の愛""。
小説でこそ磨かれる「知性」についてもお伺いしています。

▽番組概要
・MC:りょかち https://twitter.com/ryokachii
・配信スケジュール:週3回(月・水・金)配信(朝更新)
・配信プラットフォーム:himalaya、Apple Podcast、Spotify他
※himalayaで1週間先行配信
https://jp.himalaya.com/mybestbooks

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自らを疑うっていう力、知性を身につけてくれるっていうのは、自分が自己啓発本を書いている反省でもあるんですけど、なかなか自己啓発では差し上げられないメリットなんじゃないかなと思います。
こんにちは、よかちです。今日もマイ・ベスト・ブックスでは、ゲストのストーリーとともに一冊の本を紹介します。今回の一冊は、連舞。名作小説を数々生み出した超ベストセーラー作家、有吉沢子さんが描いた物語です。
ゲストは外資系企業でマーケターとして働かれた後、現在は恋愛やキャリアについて執筆されているライターのトイアンナさん。
彼女をお迎えしてお届けする3回は、名作小説を題材に様々な愛について読み解いていく回になっています。
第2回は母と娘の愛がテーマ、そして現代において小説を読むメリットは知性を得るきっかけになることだと語るトイアンナさんに、知性とは何かについても聞いています。
今回も物語のネタバレが含まれるエピソードなので注意して聞いてくださいね。
そして小説のおうちを知っている人はきっと、このエピソードを聞けば、この小説の新しい読み方が見えてくるはずです。
まずは物語のあらすじからご紹介します。
主人公は舞の家庭に、舞踊ですね。日本舞踊の家庭に生まれています。妹がいて、自分がいます。
ところが、妹が舞踊の天才であるということで、明らかに母親から否定されずに自分は育ってしまいます。
天才かどうかというところが、また悔しいところは技術ではなく体型で決まっていて、日本舞踊に向いている体型というのがあるんですよ。
主人公は明らかにそうじゃなかった。X脚で寸胴じゃない。着物は寸胴じゃないと綺麗に生えないんですけど、寸胴ではない。
ということで、そもそも手足がダメって言われたら絶望的だと思いますが、妹さんの方が天才と言われているところもあって、のびのびと育って、
本当にこの時代にしたらありえないぐらい、これ戦前の話なんで、本当に恋愛を楽しんだりとか、いろいろやっている中で自分はとにかく努力で打つことということで、
血の滲むような努力を重ねて、自分の恋愛も諦めて、そして戦争を迎える。つまりここまで頑張ったのに、自分の満員をする場所というのは大空襲で焼かれてしまうんですね。
戦後が来ます。アメリカ軍が進駐してくるんですけれども、ここで舞踊の道を立ってはいけないということで、
主人公アキコさんは、実は努力の末に党首になれていました。党首になって、体のハンディキャップを超えて、一流の舞を見せて、常連のなじみのお客さんも説得できていました。
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という状態で、ところがなじみのお客さんはみんな死んでしまったと。どうするという時に、中心軍、アメリカ軍の前でヌードになって、それでも舞を見せるという道を選びます。
彼女の体型というのは、実はボンキューポン。これが舞には向いていない体型なんですけれども、非常に理想的な、進駐軍にとっては嬉しいボディラインだったということで、拍手喝采を得る。
自分が最も憎んできた自分の体型によって、戦後に拍手喝采を受け、党首の座も得て生きていく。それでも母親の愛は得られないという、つらい親子愛の取引の物語です。
劇堂の時代を生きる女性を描いたこの作品。戸谷奈さんはこの作品でどんな愛を語ってくださるのでしょうか。
現代に当てはめると、親の言われる通りに学校行って、親の言う通りの希望する大学なり高校なり進んで、親の言う通りにいいところに就職してって頑張ってきて、何なら親の言う通りに結婚したのに愛されない。
っていう苦痛に近いものがあると思ったので、今回選ばせていただいています。
この主人公っていうのは基本的に母親の愛っていう偶像に縋ってしまって、それを得るために死に物狂いでひたすら努力をするわけですね。
それって当時のお家を守るという仕組み作りに対しては非常に良かったと思うんですけれども、果たして現代においてそれって良いって言えるんでしょうか。
とはいえ、この作品をちゃんと読んでみると、じゃあこれはどこやの物語ですねって切って捨てられるほど、母と子の関係っていうのは単純ではないこともわかる。
そして母の言うことを聞いた結果、実は主人公は後継ぎの立場も得ることができ、さらに人気も得て、お金も得て、伴侶も得てという事物は全部を手に入れてもいる。
じゃあ母と娘ってどうしたらいいのかっていう問いが非常に大きいテーマだなと思っています。
親の期待に応えようとする子供、期待に応えさせようとする親、どちらも現代においても変わらずよくある構図です。
期待に応えられずグレる子供、過剰に子供を縛りつける怒吼や、そんな言葉をニュースで聞いたことがある人もいると思います。
しかし、親への愛のために多くを犠牲にして努力した末に、多くを手に入れる主人公の姿を見ていると、
世の中のニュースや記事が親子問題を取り上げる際に、シンプルに切り捨ててしまう答えに疑問を持つことができると思います。
特に現代の恋愛コラムニストなんかをやっていると、普通こういう支配的な母親、特に兄弟を比較する母親って悪役ですよね。
基本的に怒吼やって言われますし、そんな母親を捨ててあなたは自由になっていいのよっていう表現をもちろんします。
私が今相談を受けたらそう言うと思いますけれども、果たしてその方が幸せなんだろうかっていう問いを、自分に向けるいいきっかけになったなと今回感じています。
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そう思った時に、そんな不健全な関係が自分の将来に待ち構えるぐらいだったら、その憎んでる相手から距離を置いた方が幸せなんじゃないのっていうのが、現代で言ってきたことです。
ただ、親に支配されたことで、親を恨んでない場合って本当に親から離れた方がいいのかしらっていうのは、今ちょっと疑問に思っているところですね。
さらにこの作品が様々な大ヒットを作ってきた有吉沢子さんによって書かれていることからも、解釈の多様性について考えさせられると富山さんは語ります。
特に有吉沢子さんっていうのは、そういうテーマの本ばっかり書いてるわけではなくて、戦後の道覧記に逆に自立を選ぶ女性の話もかなり書いてるんですね。
なので、あえて母と一体化する道を選ぶっていう多様性のある結論をここで出してきたっていうことが、実は私たちがこれはどこやですって切って捨てること自体が振り固まった狭い選択肢なんじゃないかっていうことを見せてくれたように感じています。
本を読む時間がないよ。
通勤時間に読めば?
でも電車で本を開くのが面倒。
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はい、本は耳で読みます。
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前回も聞いてくださった方は気づいたかもしれませんが、
トイアンナさんとの対話ではいつも小説について語るとき何かを考えるきっかけになったという話をしています。
トイアンナさんは小説を読むメリットは知性を得るきっかけになることだと話してくださいました。
そしてトイアンナさんが話す知性とは自分への問いなのだと言います。
私の定義する知性は小林蓮さんというエッセイストに死ぬほど影響を受けている信者なんですけれども、
小林蓮が定義するところによると自らを疑う力です。
知性とは自らの意見は絶対正しいと思い込まず、
本当は自分の考えこそ誤っているのではないかと疑う考え方であると。
小説というのは様々な立場の人間が様々な思考の結果、行動を起こしてどういう結末を迎えるかを見せてくれるわけですね。
どれも自分たちの正義が彼らの中にあるので、果たして自分は正しいんだろうか。
このキャラクターは全く感情移入できない、この小説は何なんだと思っているけど、
でもこの場でこういう判断をするってことはあり得るし、この人もこの人の正当性があるよなと思うはずなんですね。
そういう自らを疑う力、知性を身につけてくれるというのは、自分が自己啓発本を書いている反省でもあるんですけど、
なかなか自己啓発では差し上げられないメリットなんじゃないかなと思います。
やっぱり自己啓発本って近道だと思うんですよ。近道ってすごいいいことだと思っていて、
自分が効率的に何かを習得したいと思ったら、近い道があるんだったらそれを教えてよって私なら思いますし、
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そういうのを読みます。でも一方で自分を疑うとか、自分を俯瞰してより多くの意見を知るとか、
自分が言っていることがどのように誤っているのかを見直すとかっていう大きい視点っていうのは、
なかなか近道では手に入らないもので、そういう小説をザッタに読みなさいとか言われても、
そんな時間はないですよっていうことが現状、社会人の普通だと思います。
時間がない月だったら、私たちみたいな結構読む人がこうやってオススメをピックアップできたら、それはとっても嬉しいなと思っています。
世界には多様な名著がたくさんあります。だからこそ誰かのオススメを知ることに価値がある。
マイベストブックスでもたくさんのオススメを届けていきたいですね。
最後に改めてこの本のオススメポイントを聞きました。
この本は大きいテーマがすごいよっていうところもあるんですけれども、
読んでてただひたすら面白い。ネットフリックスのドラマ見てるぐらいの激流のような展開に、
自分が本を押さえて、早く続きが見たい、早く早くってなるタイプの本です。
だから結構普段読書苦手、ドラマとか見る方が好きみたいな人でも絶対楽しめると思います。
超オススメです。ぜひお手に取ってください。
今回は外資系企業でマーケターとして働かれた後、現在は恋愛やキャリアについて執筆されている。
マーケターのトイアンナさんをお迎えして、つれ舞をご紹介しました。
次回はあの名作が登場します。
マイベストブックスはヒマラヤで先行配信をしています。
番組をぜひフォローして最新のエピソードを聞いてくださいね。
お相手は旅立ちでした。
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