本谷有希子の小説「あなたにオススメの」の1本目の「推子のデフォルト」は、常にオンラインにつながりコンテンツを消費し続けるのが常識となった世界を描いたディストピアもの。でもそういう未来にはならないと思うという話をしました。
=== 目次 ===
本谷有希子の小説「あなたにオススメの」
若者たちはコンテンツを作る側にも回ってる
もう1本の作品も「コンテンツ」がテーマ
SNSや自撮りに取り憑かれる若者達の話も
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本谷有希子の小説、「あなたにおすすめの」を読みました。
2本の小説が収録されているんですが、
1本目の「惜子のデフォルト」という話が、
ネット依存が進んだ未来を描いた作品ということで興味を持ちました。
「あなたにおすすめの」というタイトルは、
ネットニュースやネット通販で、
あなたにおすすめのコンテンツが自動で選ばれて提供されていく、
そういうところから来てるんですね。
惜子のデフォルトの惜子は人の名前なんですが、
推薦の推に子供の子で惜子なんですね。
これはあなたにおすすめのおすすめ推薦の推ということなんでしょうね。
惜子はその話の中の主人公になっているんですが、
ネット依存が進んだ社会に適応している人として描かれています。
常にオンラインにつながって、常にコンテンツを消費し続けてるんですね。
この世界の中にもスマートフォンというのがあるんですが、
今のスマホの進化形だと思うんですが、なぜか漢字表記になっています。
そしてそのスマホだけじゃなく、
自分の体に機器を埋め込むことで、そこからコンテンツを消費することもできるようになっていて、
耳に機器を埋め込むことで音楽を再生できたり、
鼻に機器を入れて匂いが出てきたり、
口に機器を入れて味がしたりとか、そういう未来なんですね。
ホシコはいくつかの機器も埋め込んでいて、同時に複数のコンテンツを消費し続けてるんですね。
人と喋っている時にも同時にドラマを見ながら音楽も聞いてたりとかするんですね。
ホシコは保育園に通う子供がいるんですが、ネット依存が正常な世の中なので、
子供も小さい時からタブレット端末を使ってコンテンツ漬けにされてる。
おとなしく与えられたコンテンツをただ消費すると。
考えることをしないことが子供らしいと言われてるんですね、この世界では。
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なのでそれに適応できない。
ダダをこねたり、わがままを言ったり、一人で空想の世界に浸ったり、
そういうオンラインに適応できない子供がオフライン依存と言われて、
病院に行って見てもらった方がいいよと言われるんですね。
で、そういうオフライン依存の子供を持つ保育園ママがいて、
その人はそのネット依存イコール正常という世の中自体に疑問を持ってるんですね。
そこでいろいろ子供の未来のことについて悩んだりしてるんですが、
それを推し子は楽しんでいて、その親子を見ることをコンテンツとして楽しんでると。
そういうところから始まる話です。
まあいわゆるディストピアものですよね。
ユートピアの反対でディストピア、そういう世界にならないで欲しいという良くない未来を描いている作品です。
これはもちろん行き過ぎたネット依存とかコンテンツを消費し続けるだけになっちゃうことへの継承だと思うんですが、
今の若者たちを見ている限りそういう未来にはならないんじゃないかなと私は楽観視しています。
今のところ若者たちはSNSなどでコンテンツを作る側に回ってる人も多いので、
私がこうあって欲しいと思うデジタル機器をちゃんとクリエイティブなツールとして使ってる人がそれなりに多いと思うので、
ただ消費するだけの人ばっかりにはならないだろうなと思っています。
コンテンツを作るためにデジタル機器を使いこなすことに抵抗がない自然にできてる人が多いと思いますし、
コンテンツを発信することに対する心理的なハードルも若い人は低い新しい感覚なような気がしています。
デジタル機器を使いこなすことにも宿泊していたり、
SNSに作品を上げるに対してもちゃんと良い作品が完璧な作品ができないと出したくないみたいな感覚の年寄りの世代とは全然違うなと感じています。
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ただ情報発信するかしないかコンテンツを作る側か消費する側かというのは世代で分けてしまうというのは乱暴すぎる気はします。
それぞれの人の特性みたいなものの方が大きいのかもしれません。
コンテンツを発信する側と消費する側の二極化というのは今後どんどん進むのかもしれないですね。
本屋由紀子のその小説の中ではコンテンツをAIが作ってAIがおすすめのものをリコメンドしてそれぞれの人に提供しているような書かれ方をしていたと思います。
ちなみにこの小説の中の世界ではある時からAIをひらがなのAに愛するのIでAIと表記するようになったようで、それで人々がAIに愛着を持つようになったようです。
体に危機を埋め込む手術をするのもAIですし、店の定員もAIなんですね。箱型らしいんですが。そして子供たちは将来AIになりたいとか言ってるんですね。
この本の2本目の小説、マイイベントというタイトルなんですが、これは一見1本目の由紀子のデフォルトとは全然関連性のない話だと思ったんですが、
この小説の主人公が自然災害が来ること自体をイベント的に捉えていて、防災グッズを揃えたりとか食料を備蓄したりすることも楽しんでる感があって、そういうものをこの主人公がコンテンツとして捉えているという面で、
1本目の作品とテーマとしての繋がりがあるということでした。他に元谷由紀子の作品で、SNSや自撮りに取り憑かれる若者たちを描いた本当の旅という作品もあります。
これは静かに、ねぇ静かにという作品に収録されているんですが、この本当の旅という作品だけ試し読みとして電子版が無料で公開されています。私はKindle版で0円でダウンロードしました。
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まだ全部読んでないんですが、いかにもな感じのSNSにいそうな感じの人たちの話で、ツッコミ役のいないニューヨークのコントみたいだなと思いました。この本はまだ途中までしか読んでいません。
作家の元谷由紀子はセブンルールに出てる人ですね。セブンルールでずっと見ていて親近感を勝手に持っていたのでショートヘアですしね。こういう本があると知った時に元谷由紀子の小説読んだことなかったので読んでみたいなと思いました。
なので私みたいな人も他にいっぱいいると思うので、ああやってテレビに出て自分を知ってもらう間口を広げるというのは大事なんだなと。このポッドキャストアシカガ〜♪キャストを広めるためにはどうしたらいいかなとかそういうことも考えたりしました。今回は以上です。
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