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2020-01-01 11:55

#27 憂国 〜名作小説から愛を考える〜


名作小説から「愛」について考える全3回。第三回のテーマは、"所属への愛"。
自分の所属にアイデンティティが依存する、現代にはびこる"愛”にまつわる病についてお話しました。

▽番組概要
・MC:りょかち https://twitter.com/ryokachii
・配信スケジュール:週3回(月・水・金)配信(朝更新)
・配信プラットフォーム:himalaya、Apple Podcast、Spotify他
※himalayaで1週間先行配信
https://jp.himalaya.com/mybestbooks

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そういうふうに、何かに所属していることとか、自分が憧れているもの、愛する気持ちって、
実は自分をあげるために存在しているんじゃないかなっていうのを思ったりします。
さらに身近な例に持っていくと、自分が尊敬できる人と付き合いたいみたいなのって、
女子が大体99%くらい言うセリフだと思うんですけれども、尊敬している人と付き合いたい気持ちって、
その人と付き合っている私を愛したいなんじゃないかなっていう。
こんにちは、よかちです。
今日もマイ・ベスト・ブックスでは、ゲストのストーリーとともに一冊の本を紹介します。
今回の一冊は、憂国。日本を代表する作家、三島由紀夫の短編小説です。
ゲストは外資系企業でマーケターとして働かれた後、現在は恋愛やキャリアについて執筆されているライターのトイアンナさん。
彼女をお迎えしてお届けする3回は、名作小説を題材に、様々な愛について読み解いていく回になっています。
第3回は、国への愛がテーマ。国を愛するが故に行動を起こした主人公の話を元に、所属への依存についてお話しします。
今回もネタバレが含まれますので、お聞きになる方は気をつけてくださいね。
まずは物語のあらすじからご紹介します。
マイベストブックス
場面は226事件。
自分の友人たちが226事件で決起をしてしまいます。
要はお国に逆らうわけです。
これが天皇陛下の命令によって、撃てと主人公は命令されてしまいます。
主人公は軍人なので、天皇から命令が来たらもちろん聞かねばなりません。
ところが、友人を殺すことはできない。
でも天皇に逆らうこともできない。
主人公はもちろん国を愛しています。天皇陛下に対しても忠誠を誓っています。
でも友人も裏切れない。葛藤したせいに切腹して死のうと考えます。
妻に対して、私は今から死にますというところが冒頭で始まります。
奥様、英子さんは、だったら私は共に死にますと言い出します。
ここから自分がいかに切腹をするかという話を濃厚に、
切腹の様子もめっちゃ細かく書いていくという短編小説が
入国です。
今回も名作小説は新たな視点で読んでいきます。
私は今回のエピソードが一番、自分が陥りやすいかもと感じました。
今回は国への愛を描いた小説から、現代人が陥りやすい
所属への依存をお話ししていきます。
一方で、現代に通じる非常に面白い観点もあって、
今って実はネット右翼と呼ばれる人たち、
あるいは単純に保守派右翼と呼ばれる人が
結構SNSでも増えてきていて、
今回トランプ、バイデン、大統領の戦いにあっても
トランプを陰謀に巻き込まれた被害者側として
フォローする方が多かったりしますよね。
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そういう愛と、自分を愛する気持ち、
三島由紀はもう完全に自分の愛、自己愛と
国への愛というのが混ざり合って、
国を愛している俺かっけーになっているのを
映像で確認できるんですけれども、
それってどれぐらい現代においても重なっているのかな
というところが面白い観点になるかなと思って
今回ピックアップしています。
トイアンナさんが友国と所属への依存について
考え始めたのは、ネットで起きている現象について
知った時だと言います。
私が一番気になる景気になったのは、
ネット右翼の方の高齢化が進んでいるという文章を
読んだ時でした。最初は単純に昔からネット右翼の人が
そのまま純グリーンとしとって高齢化しただけなのかな
と思っていたんですけれども、そうではなくて
会社を引退してからネットでネット右翼の世界に触れて
感化されるという段階の世代が意外と多いらしい。
そうなった時に、これは私の意見ではなくて
一般的に分析されていることなんですけれども、
自分はすごいって会社で役職に就いている人が
多かった世代によって言われるわけじゃないですか。
それが失われる、家で普通の人になる
って言った時に、自分がすごいっていう自己肯定感が
欲しいとなると、自分が所属している国は
実はすごい国なんだ。その上で、だから自分は
所属している国民として誇りある自己興味なんだ
っていう自己愛と国の愛をリンクさせているんじゃないか
っていう分析があったんですね。
三島由紀夫自身も結構自分に本当は自信がなかった
っていうふうに文学者の中では分析されていて、
だから金取りに困ったりとか、自分が見せられるもの
で何か自分を肯定しようとしたっていうのは
分析で元々言われているんですね。
ってなった時に、かなりにとっては素晴らしい日本の国の国民である
っていうところが結構大きいアイデンティティだったんじゃないか
とは言われています。
それって愛国心の中の一つとして
全部じゃないけどあり得るんじゃないかなと思うんですね。
国を愛することで自分を誇らしく思おうとするのは
特別な人たちだけではありません。
そして自分の自信の拠り所にしたいアイデンティティも
国だけではありません。
皆さんもきっと心当たりがあるのではないでしょうか。
やっぱり単純に私たちがオリンピックとかの競技を見ていて
自分の国の選手が金メダルを取ると嬉しいじゃないですか。
そこにはその人が頑張ったストーリーとかの共感もあるけど
一方で同じ国の人なんだ。
私が所属している国の選手はこんなに立派な行いをしているんだ。
私がそのチームとして誇らしいみたいな気持ちも
それはあるでしょうという話。
だから実はオリンピック選手の素晴らしさと自己愛というのは
結びついているというのはちょっとあると思うんですよ。
そういう気持ちを否定したい意味じゃなくて
そういうふうに何かに所属していることとか
自分が憧れているものを愛する気持ちって
実は自分を挙げるために存在しているんじゃないかな
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というのを思ったりします。
さらに近な、要は身近な例に持っていくと
自分が尊敬できる人と付き合いたいみたいなのって
女子が大体99%くらい言うセリフだと思うんですけれども
尊敬している人と付き合いたい気持ちって
その人と付き合っている私を愛したいなんじゃないかなっていう。
さらにもっと言ってしまうと
Twitterのプロフィールとかに自分のパートナーのプロフィール書いちゃう人とか
たまにいますよね。
そういうのを書きたいっていうのは
そういうパートナーがいるっていう
家庭に所属する自分の自己愛っていうものと
その憧れの対象、尊敬できる対象と
つながっているっていうことが
すごい密接に関わっているからなんでしょうね。
国だけじゃなく、所属している会社や恋人、友達など
自分が持っている様々なアイデンティティによって
自分に対する誇りを保とうとしたこと
皆さんにもありませんか?
いくつか心当たりがありました。
SNSでつながって常にお互いに人生を監視し合う現代では
ついつい自分は肩書屋所属で
武装したくなる気持ちが高まるのかもしれません。
そして、この幽黒という物語は
そんな何かの肩書屋所属に依存することに
警告する物語でもあると戸山さんは話します。
それで幽黒っていうのはその意味ではすごくいい
警告的な、警告ってアラートですね。
的な意味合いを持つ作品で
三島由紀夫もたぶん気づいて書いてると思うんですけど
結局説服しちゃうんですよ。結局この人を綺麗に説服しますけど
友人は救わないですよね。
だから結構無意気に二人の人が死ぬっていう話なんですよ。
こういう自分の憧れの対象と
自分を怖いを上げていくっていうのは
すごく楽に自分を上げられる行為ではあるけれど
結果として自分を死なせてしまう可能性もあるし
これは肉体的な死が幽黒では出てきますけど
精神的に自分が死んじゃうっていうこともあると思うし
何ならパートナーとか他人も巻き込みうる
今回は妻が一緒に説服してますけど
普通の家庭でもっとあるパターン、子供が巻き込まれるとか
あなたも医者になりなさいとかですよね。
そういう結構ね、加害者的な側面を尊敬できる相手と
自分を投影すると持ちうるんだよっていう
警告的な作品だなと感じています。
例えばその勝者、私は三菱商事だとか
仮に思ってたとして
三菱商事が未来英語立派な会社ではないですよね。
ありとあらゆる会社はいずれ亡くなる運命になりますので
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三菱商事がいつか売れなくなる日が来るか
解体されてM&Aされる日が来るかっていう時に
多分一体化して自己怖いを高めている人は
心中しちゃうんですよ。
これは本当に危険な思想だよっていうことを
むしろこの時の三島由京は自覚していて
それを描くっていうスキルがあったんじゃないかなって思います。
その後は自分は一体化して死んじゃうんですけど
ある程度客観視できていたはずの三島由京さんですら
最後は自己愛と国への愛とか
所属への愛と一体化させてしまって
自分を犠牲にしてしまったというところが非常に悲劇的で
なんで俯瞰できているつもりが
実は自分もミイラになっちゃうっていうリスクのあることが
自分が所属しているもの
自分のパートナーの地位とか
自分が尊敬できる相手との付き合いとかには発生しようなんだな
自分死なないようにしようっていうのを
強く思わされる作品ですね。
国と友人の板挟みになり自害する男の物語
自己愛と所属への愛の一体化という
視点を持って読んでみると
全く違う物語に見えてくるかもしれません。
単純に国への愛っていうコンテクストで読んじゃうと
いや全然わからんわみたいな
なんか失腹しててドン引きつつはっていう
それを一回枠を外してみて
私たちもゆうていみたいな
就活するときにイケてる会社入りたいって思ったよね
財務諸法が健全な会社より有名な会社入りたかったよね
みたいな気持ちを
自分を疑う力を取り戻すためのツールとして
ゆうこくが切り込んでくれればなと思います。
名作小説を現代の愛をテーマに読める視点を
トイアンナさんとともにお話ししてまいりました。
これまで全く触れてこなかった作品にも
興味が湧いたのではないでしょうか。
これまでトイアンナさんをはじめとして
マイベストブックスに出ていた方々が語っていたのが
小説は問いの始まりであるということ。
登場人物たちの思考に触れることで
自分の人生を生きていただけでは出会わないような問いに出会い
世界を広げてみることこそ
読書の醍醐味ではないでしょうか。
今回は外資系企業でマーケターとして働かれた後
現在は恋愛やキャリアについて執筆されている
ライターのトイアンナさんをお迎えして
ゆうこくをご紹介しました。
マイベストブックスはひまわりアヤで先行配信をしています。
番組をぜひフォローして最新のエピソードを聞いてくださいね。
お相手はりょかちでした。
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