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今日お話ししたいのは、技能実習生に教える人はアイヒマンなのかということなんですね。
これを話そうと思ったきっかけというのは、佐藤豪雄さんがツイッターでアンケートをしていらっしゃいました。
そういう搾取に対して、今手元にないんですけど、アンケート自体はそういう搾取に対して人権を守るということが日本語教師の業務の範囲内なのかどうかということを佐藤豪雄さんがツイートでアンケートを取っていらしていて、
それに対して、そもそも人権を守るべきなのかという搾取に対抗すべきなのかということについても何も考えていない、アイヒマンみたいに何も考えていない人が多いんじゃないかということを僕がツイートしたんですね。
それに対していくつかコメントが、反応があったりしました。
それで今日はこの件について話をしたいと思うんですけど、
最初にアイヒマンという人に関しても、僕も初めて知ったのはいつだったかな、少なくとも成人して結構経ってからアイヒマンという人のことを聞いたんですね。
なので知らない人もいるかもしれないのでちょっと簡単に話しておくと、正式にはアドルフ・アイヒマンという人で、
第二次大戦中のナチスでユダヤ人の虐殺の担当をしていた人です。
これが確か1960年からもう戦後20年とかそのぐらいアルゼンチンとかで隠れていたんですけど、
それがユダヤ当局に見つかって、それで裁判されることになったわけなんですね。
これに対してハンナ・アーレントというユダヤ人の哲学者というか思想家の人が、この裁判を傍聴して驚いたというんですね。
その驚いたのが何でかというと、そんなあんな大量のユダヤ人の虐殺を担当していた人がよっぽどすごい大悪人だろうと思っていたら、
実物を見たらすごい凡人に見えたというんですね。
それでハンナ・アーレントが悪の陳腐さということを使っています。
その他に、悪の凡庸さという言葉で語られることもあります。
本当にゲームに出てくる魔王みたいな悪い奴じゃなくて、
悪人というのは本当にそういう普通の、何も考えないことが悪人なんじゃないか、悪いことなんじゃないかということなんですね。
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このことについてはハンナ・アーレント自身がエルサレムのアイヒマンという本を書いています。
これ、Kindleでも手に入るんですけど、実はこれが4598円もするんですよ。
なんでこんなに高いのと思って、すみません、実は僕まだ読んでないんですけど。
でもアーレント自体の主張とか、それからその当時すごくユダヤ人からもバッシングされたんですよ。
普通の人間で驚いたとか、それを非難していないように見えるわけですね、ユダヤ人から見ると。
それでユダヤ人のコミュニティからもすごくバッシングされたというようなことも映画化とかされています。
このアイヒマンは裁判のときに何を言ったかというと、
要するに自分は命令に従っただけなんだから責任はないと、悪い人ではないんですと、
私はただ単にやれと言われたことをやっただけですよということですね。
あと、逮捕された後に私の罪は従順だったことだと、そういうふうに発言されたということも記録に残っています。
ここで皆さんに聞いてみたいんですけど、
例えばいろんなプロジェクト、これがユダヤ人虐殺みたいな悪のプロジェクトじゃなくても、
いいんですよ、とってもいいプロジェクトなんだけど、
これってうまくいかないんじゃないのとか思っていたんだけど、
口に出さないで従順に従ってしまったことはあるでしょうか。
もちろん、初めからブラック企業みたいなところで悪い、ヤクザとかで悪い仕事っていうのもあるけど、
普通の仕事でもいいんですけど、それでうまくいかないと思っていても従順に従ってしまったこととかありますでしょうか。
それがないというふうに言い切れる人はハートマークでリアクションいただけないかなと思いますが、どうでしょうか。
なかなかこれでそういうことはないというふうに言い切れる人はあまりいないんじゃないかと思います。
僕自身もこれうまくいかないよねってわかっていても、それを言わないで従順に従ってしまうということもあると思います。
この愛秘マンとか、あるいは今回対象にしている技能実習生ですね。
技能実習制度自体は、それで幸せになった人もいる一方で、やっぱり技能実習という制度自体には外国人労働者、実習生だから労働者じゃないのに、
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そういう立場の弱い人を搾取することができる構造があるわけです。
転職もできないし、実習生側の権限と受入れ側の権限が非常に偏りがあるわけですね。
そういう偏りがある以上はどうしても搾取が生まれてしまうという構造にあります。
それが可能であるという構造なわけですね。
なのでこの制度自体には大きな問題があるわけですけど、
今ちょっと僕が皆さんにお伺いしたこととは少し違うかもしれませんが、
それでもやっぱりそういう問題があるとわかっていても従順に従ってしまうということは皆さんよくあることなんじゃないかと思います。
僕自身もありますもちろんね。
ここからは僕が言いたいことなんですけど、
まず最初に言いたいことは技能実習制度の中にいて、
この大きな問題のある制度の中にいて、
その技能実習生に教えている日本語教師がみんな悪い人なのかというと、
みんな愛媛ののかというと、
僕はそういうふうに言うつもりは全くないです。
制度の中にいても全然問題ないと思います。
むしろその制度の中にいて実際に技能実習生にアクセスできる人じゃないとできない種類の支援というのもあるわけですね。
それが日本語教育を通じてそうした支援ができるんだったらそれはむしろ僕は良いことだと思っています。
でもですね、皆さんの教えている日本語が彼らにとって力になっているか、エンパワーメントになっているかということですね。
それともあるいは支配するための日本語ね、受け入れ先が支配したり削除するための日本語を教えているか、
そういうことはですね、本当にこの制度の中にいる以上はきちんと突き詰めて考える必要があると思います。
じゃあですね、具体的にどういうことを教えればいいかというと、もうこれはかなり明確になっていると思います。
具体的にはですね、例えば僕もですね、ブラック企業と戦うための日本語というね、
そういう、すみません、これは教科書じゃないです。
行動リストですね。
どういう日本語を教えればいいか、どういう行動をすればブラック企業と戦えるか、
そしてそのために必要な日本語とは何かというね、そういうことを教えるための行動リストです。
これはその行動中心アプローチのことを知っている人だったら、ここからですね、キャンドルリストを作って、そして実際の事業を組み立てるということはできると思います。
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だけどですね、一般的な僕も含めてね、こういう勉強を始める前の僕も含めて、
ブラック企業と実際に、本当に僕にとっては幸いなことですけど、あんまりブラック企業みたいなところで働いたことがないんですね。
そういう人にとっては、ブラック企業と戦うためにどんな行動をすればいいかが分からないと思うんですね。
だけど、じゃあどんな行動をすればいいかが分かれば、
まあその行動中心アプローチを知っている人だったら、どんな事業をすればいいかも分かるはずなんですね。
なので、それでその行動リストというのを僕が調べて、いくつか本ね、6冊ぐらいですけど、本を読んで、
そこに出てくる行動というのをリスト化したものです。
それがブラック企業と戦うための日本語の行動リストですね。
これね、確かインド時間の8時59分だから、日本時間の12時29分ぐらい。
そのぐらいにツイッターに投稿されるように予約しています、投稿のね。
はい、なので後で見ていただければと思います。
で、このコンテンツはどういう風になっているかというと、8つ、8個のね、パートに分かれています。
で、そのパートをちょっと今読んで、小立てを読んでみますね。
最初、1番、自分の働いている会社がブラック企業かどうかを判断する。
2番、搾取を防ぐ。
3番、証拠を取っておく。
4番、トラブルに対処する。
5番、正当な権利を行使する。
6番、外部にSOSを発信する。
7番、辞める。
8番、その他という風になっていますね。
こういう結構いろんな幅広い行動が網羅されている行動リストになっています。
はい、でね、これはただの行動リストなので、
そこからそのCan Do Statement、あるいはCDS、Can Do StatementなのでCDSと呼ばれることもありますけど、
それもですね、具体的にこの行動リストからどういう風にCDSを作ればいいかというのも、
僕のブログね、ムラログで公開しています。
一つは、ブラック企業と戦うためのCDSの作り方というものですね。
ここではですね、特定技能のビザで日本のブラック企業に就職してしまった、
モデル文があれば、ごく簡単な言葉で退職届を書くことができるというね、
こういうCDSをさっきの行動リストの中から一つ選んでこういうCDSを作る、
一つのレベルに合わせてね、というのを実際にどういう風にやればいいかということが書いてあります。
あともう一つは、それを実際の事業としてですね、
こういうブログもあります、その次のブログなんですけど、
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行動中心アプローチでA1レベルの退職届の書き方を教えるというね、
こういう実際の事業の内容、何を教えればいいのか、どんな言葉とか、
どんな漢字を教えればいいのかというね、そういうことも実際の例としてブログに書いています。
この二つのブログも予約投稿してますので、もうそろそろTwitterでリンクが共有されるんじゃないかと思います。
ずいぶん前に書いた記事なんですけどね。
なのでですね、こういうことをちゃんと教えていれば、
技能実習の制度の中にいて、技能実習生に日本語を教えていても、
それは本当に何にも考えていないアイヒマンではないと明らかに言えると思います。
つまりそのアイヒマンというのは、この技能実習制度の中で言えば、
支配するための日本語を教えていることですよね。
正直な話、企業側から提供される教科書というのは基本的に支配するための日本語ですね。
企業の都合に合わせるだけになっています。
なのでそれをやっているだけでは正直アイヒマンと言われてもしょうがないんじゃないかと思います。
ただね、これね、僕もそういうことを言っていますけど、
僕自身も反省したいことはこれまでもたくさんあります。
例えばですね、2008年に仕事の日本語IT業務編という教科書を出版していますけど、
ここはITエンジニアで、日本に来たITエンジニアの人がですね、
職場でプロジェクトで急に業務量が増えてしまっているんだけど、
そういうちょっとブラックな指示を上司から受けて、
それをちょっとは反対するんだけど結果的に受け入れるという場面が僕の教科書の中にもあります。
この時は正直こんなに状況が悪化するということはあまり考えていなくて、
それでですね、日本に適応させることしか正直考えていなかったです、僕自身がね。
なので、正直な話、僕自身もこれアイヒマンだったんじゃないかと言われたら、
本当にそういうふうに反省しなければいけないところはあると思っています。
今だったらやっぱり同じ場面でもですね、
ちょっと今日は戦略があってどうしても残業できないんですとかですね、
あるいはもう健康管理上ちょっと問題があるのできちんと休みたいと思いますとか、
そういうことを上司に言うような、そういう日本語も教えるべきだったなというふうに思っています。
本当に言ってしまうと、典型的な支配するための日本語を教えていたというね、
そういう反省も僕自身もあります。
なので皆さんが今まで何も考えないでアイヒマン的に支配するための日本語を教えていたとしても、
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それはそれ自体を非難するつもりは僕もないです。
僕もそうだったからね。
だけど、そうじゃないことが可能だし、
しかもまず第一にそうするべきではないということに気がついてほしいということですね。
なので、かつそうではない日本語を教える選択肢があるということも知ってほしいわけです。
そして、そういうことを知った上で、
それでもこういう支配する日本語しか教えていないんだったら、
それは本当にアイヒマンと言われてもしょうがないと思います。
それは私の責任じゃないです。
私はただ支配するための日本語を教えてくださいと言われてそれをやっているだけですというね、
そういうことだったら本当にアイヒマンと同じで何も考えていないと言われてもしょうがないんじゃないかなというふうに思います。
今の僕たちには支配するための日本語じゃない、そうじゃない日本語を教えるという選択肢もあるわけです。
なので、要するにこの技能実習制度というのはもう現代の奴隷制度と言われてますよね。
それをその中にいてもいいんです。
中にいてもいいんだけど、その制度を支える側にいるのか、
それともその目の前のこれから搾取されるかもしれない、
そういう実習生の候補生ですよね、
そういう人たちにそれに抵抗する力を与えるのか、
エンパワーメントに操縦する側につくのかというね、
それを皆さんにやっぱり考えてほしいと思うわけですね。
もう今は支援する方法も今日話したように明確になっているわけです。
なので、そのどちらかを皆さんは選択しなければいけないと思います。
それはその中にいる人は、その制度の中にいる人は、
これはどうしても選択しなければいけないことだと思います。
そんな選択をしなければいけない立場になってしまったというのは、
それはもう実際きついことだと思いますよね。
それでもしかしたら仕事を失ってしまうことになってしまうかもしれません。
だけどそれでもその中にいる以上はやっぱりそういう選択をしなければいけないと僕は思います。
それではですね。
今日もちょっと時間になってしまったのでここまでにしてみたいと思いますが、
ではリスナーの皆さんはこういうね、
自分の従順差について何か振り返ってみる機会になったでしょうか。
僕の話がね。
もしそう思ったという人はハートのリアクションをお願いしたいと思います。
僕自身の反省も込めてちょっと今日は話をしてみました。
それではですね。
本日も村スペに。
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ハートのマークありがとうございます。
本日もですね。
村スペにご参加くださいましてありがとうございました。
ありがとうございます。
今日のですね。
この技能実習生に教える人は愛媛なのかというね。
こういうこのコンテンツにつきまして、
ご質問とかご意見コメントとかありましたら、
ぜひ村スペのハッシュタグ付きでご共有いただければと思います。
皆さんハートありがとうございます。
それでは本日も良い一日をお過ごしください。
今夜の花錦でお会いできれば僕もとても嬉しいです。
そして冒険は続きます。