ハンタウイルス
2026-05-14 14:02

ハンタウイルス

科学環境分野を中心に、テレビ番組のコメンテーターとしてもおなじみの毎日新聞客員論説委員・元村有希子が毎週気になるニュースを分かりやすく解説します。

田畑竜介
Groooooow Up

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サマリー

ハンタウイルス、特にアンデスウイルスによる集団感染がクルーズ船で疑われた事例を取り上げ、その病原性や症状、致死率について解説します。アンデスウイルスは人から人へ感染する特徴があり、他のハンタウイルスと異なり重篤化するリスクが高いことが指摘されています。感染経路は濃厚接触に限られるものの、ネズミからの感染リスクも依然として存在するため、野生動物との接触を避け、適切な知識を持って恐れることの重要性を強調しています。

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ハンタウイルスとは何か?
ハンターウイルスの集団感染が疑われているクルーズ船から乗客が下船し、乗客の隔離措置などが進められましたが、
今日はそのハンターウイルスにZoom Upします。
毎日新聞客員編集委員の本村幸子さんです。
本村さん、おはようございます。
おはようございます。
いやー、にわかに先週からですね、ハンターウイルスっていうものがクローズアップされまして、
一体何なんだ、どんなものなんだっていうね、コロナ禍を思い出した人も多かったと思うんですけど。
ねえ、ダイヤモンドプリンセス号が日本に来て。
クルーズ船感染症っていうとね、そこが思いつきますよね。
なんかどうしても思い出してしまいますね。
ハンターウイルスっていうね、名前そのものも初めて聞いたっていう人が多いんじゃないかなと思います。
はい、そうだと思います。
じゃあちょっと説明しましょうかね。
ハンターウイルスっていうのは2つのタイプに分かれるって言われていて、
1つはユーラシア大陸型、もう1つは南北アメリカ大陸型って2つに分かれる。
2つのグループでよく言われるんだそうです。
今回主役になっているウイルスは南北アメリカ大陸型の中のアンデスウイルスって名付けられているものです。
その中にあるわけですね、いろいろ。
いろんな、もう本当にハンターウイルスって言ってるけど、大きなたくさんのウイルスの種類のグループ名なんですね。
この南北アメリカ大陸型のアンデスウイルスが病原体ということが分かっているので、
要するに今日の主役はアンデスウイルスなんですね。
これはどんな症状を出すかというと、これに感染した人は風邪のような、
例えば咳とか熱とか、あとは下痢とかね、そういう症状が6日ほど続いた後、急激に呼吸器症状に移るんだそうです。
その呼吸器症状っていうのも単なる咳とかじゃなくて、
排水腫、肺に水が溜まる、呼吸が苦しくなる、血液循環に支障が出て他の臓器が機能低下していくっていう、
どんどん全身症状になっていくと。
だから急激に悪くなって重篤な方は亡くなるという経過をたどります。
致死率でいうと40%から50%。
これを2人に1人っていうことですから、相当怖いですね。
怖いですよね、それ聞くと。
そうなんです。
クルーズ船での事例と感染経路
今回例えばクルーズ船の乗客150人ぐらいいるんですけども、乗員乗客で、
そのうち現時点でだいたい2桁感染者が出てるんですね。
10人ぐらい。疑い例も含めて。
この10人ぐらいのうち3人が今亡くなっています。
じゃあその3人と残りの7人が何が違うかっていうと、
3人は症状が出た時に船に乗ってた。
船の中で症状が現れたっていうところが大きいかなと思っています。
つまり、例えばその3人の方は症状が出たことによって、
初めて何かの感染がわかったわけですが、
すぐに下船して、例えば病院に運ばれてないんですよね。
だから最初は熱があるな、熱っぽいなとか、
それぐらいで過ごしていたら急激に悪くなって、
地上に行ったら、例えば病院に搬送されて集中治療室に運ばれていたようなケースが、
それができなくて亡くなっているっていうのは大きいかなと思います。
残りの7人の方は、このアンデスウイルスの関連がわかって、
例えば下船する直前とか、下船した直後とか、
下船して母国に帰る飛行機の中で症状が出て、
そのまま病院に運ばれているんですね。
だから濃厚な治療を受けることによって、
命を流れることも可能な状況にあったっていうところがちょっと大きいかなと思います。
ただ今も10人の中の3人が亡くなっているっていう意味では、
やっぱり決して楽観視できない。
病気ですよね。
このアンデスウイルスのもう一つの特徴としては、
このハンターウイルス全体の中で例外的に、
人から人にうつるっていう特徴があります。
逆に言うと他のハンターウイルスは、
宿主って言われているネズミとか動物から人に1回うつるんですけど、
その人が具合悪くなることで終わるんですよ。
その先に人にうつることがないってことですね。
アンデスウイルスだけが人から人にうつるっていう特徴があって、
これはこういうクルーズ船の中に感染した人がいたということが、
ある種運が悪かったというか、大変なことになっているということですね。
安心材料をご提供しておきますが、
例えばインフルエンザとかマシンとか、
それからコロナみたいに人から人へうつるとしても、
感染経路が割と限られているので、
例えば同じ部屋にいただけで感染するかというと感染しません。
例えばカップル同士で日常的にキスをしているとか、
あと具合が悪くなって戻しちゃったものを素手で処理して、
それが自分の口の中に入っちゃったとか、
そういった濃厚接触でうつるっていうことが分かっていますので、
だから今回クルーズ船の中で広がったということが、
どういう経路によるものなのかということは、
これから調べないといけないと思います。
日本へのウイルスの定着リスクと対策
私たちどれくらい怖がればいいかということですよね。
はい、そこですね。
まずこのクルーズ船に乗っていなかった人は、
まずは第一の危機は免れていますね。
そうですね。
まずね、それがクルーズ船に乗っていって降りたお客さんが、
日本に入れる可能性なんかも考えた方がいいと。
小島さん、今一瞬ですね、ちょっと音声が乱れてしまった。
ごめんなさい。
例えばこの乗客が日本にやってきて、
日本にウイルスが入り込むんじゃないか、
どういう心配をした方がいいかということなんですけど、
空港で検疫っていうのがあるので、
そこは直接心配しなくていいかなと思います。
大切なのはですね、もともとこれ宿主がネズミ、
ある種のネズミって言われてるんですけど、
例えばネズミがアンデス地方にいたネズミが、
直接集団で日本に入ってこない限り、
ウイルスが日本に定着するっていう心配はしなくていいと、
いうのが専門家の考え方。
なるほど。
つまりその特定のネズミの中で補給されていくので、
例えばその人から人の移り方が、
それほど空気感染とか広がりがないと考えれば、
例えば日本でもし感染者が来ても、
検疫で症状を訴えて隔離される。
隔離した先で管理されれば、
飛行機の中で人から人に移ってるってことは、
心配しなくていいということですね。
なのでコロナの時を思い出してもらいたいんですけど、
潜伏期間中に日本にやってきた、
あるいは日本に帰ってきた人から移ったっていうこと、
あのパターンはハンターウイルス、
このアンデスウイルスに関しては、
あまり当てはめなくていいということになります。
そうですね。
ただ、絶対安心とも言えないのが、
この感染症のグローバル時代の感染症なんですね。
例えばさっきネズミは乗ってこないでしょって言ったけど、
例えば船の中に潜んでいて、
港湾地域にそのネズミが入り込むっていうリスクはあるわけですよね。
そのネズミの糞を偶然吸い込んだ人が発症するってことも、
ないわけではないんで。
そうですね。
実際に1960年代に海外から船でドブネズミが持ち込まれ、
そのネズミにアンデスウイルスじゃない別のハンターウイルスが潜んでいて、
それでそのネズミ経由で人が発症したっていう例はあるそうです。
なので安心もできないってことですね。
じゃあどうやって防ぐかなんですけれども、
正しく恐れるための知識と情報源
これ全般的に言えることなんですが、
別にアンデスウイルスだけを怖がりましょうってことではなくて、
野生動物にはまずウイルスが強制している、
その動物は平気で元気でも、
人間にとっては悪さをするウイルスがいるっていうことを覚えておくっていうことですね。
だから野生動物と不要な接触をしないこと、
これは気をつける大事なことだと思います。
ネズミってそれでもいろんなことのウイルスの媒介になったりするので、
ネズミが住んでいたような古い家などを掃除するとき、
糞とかが乾いて粉末になって空中を待っているってことがあるので、
マスクをして掃除機をかけるとか、
そういうことは気をつけてやったほうが、
他の病原体に暴露しないという知恵にもつながりますよね。
あとはやっぱり正しく怖がるっていう基本的なことだと思います。
物理学者の寺田寅彦の言葉を思い出しましょう。
物を怖がらなさすぎたり、怖がりすぎたりするのは優しいが、
正当に怖がることはなかなか難しい。
本当そうなんですよね。
知らないからこそ、いろいろな想像だけを働かせて、
必要以上に怖がったり。
それが違った方向に行ってしまう危うさもあるので、
知らないから知っていく。正しく知っていく。
その上で正しく恐れていくという方に持っていきたいですね。
感染症に関しては厚生労働省が適時、いろいろな情報を出しているので、
知りたいという時はまずは厚生労働省などのお役所の情報を読んで、
それからSNSなどに接触するというのも一つの知恵かもしれないですね。
本当そうですね。
ということで、今注目されているハンタウイルスについて、
今日は解説してもらいました。
本村さんありがとうございました。
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