工作機械検定の概要
どうも、しぶちょーです。ものづくりの視点は、産業機械の現役エンジニアである私、しぶちょーが、ものづくりに関するトピックを独自の視点で解説する番組です。
あなたは、検定ってお好きでしょうか?世の中にはですね、いろいろな検定や資格試験があるんですね。
資格マニア、検定マニアっていう人がいるほどですね、称号っていうのはやっぱね魅力的なもんですわ。
閣議は私も検定結構好きで、毎年一つ以上は何か受けてます。今年もね、AIに関する資格、いい資格なんていうのを受けましたしね。
今日は、そんないろいろある資格の中でも、とびっきりマニアックな資格をご紹介いたします。
その名もですね、工作機械検定です。聞いたことありますか?聞いたことないでしょ?
これはですね、毎年この時期になると、私は紹介してるんですけども、今年もねこの時期がやってまいりましたよ。
誰でも受けれる、工作機械を知るための検定です。ぜひとも受験しましょう。
今日はそんなマニアックな検定を紹介していきますよ。それでは早速いきましょう。
まず前提として、工作機械とは何ぞや?というところから話しますけども、
まあ私のこのものづくりの視点を聞いてくださっているリスナーさんであれば、耳たこだとは思うんですけども、
初めて聞く人もいるかもしれませんから、そこを説明していきますね。何度聞いてもいいですから。
工作機械とは、産業機械の一種です。自動車とか飛行機とかとは違って、表舞台に出てくることのない工場の中で働いている機械です。
その工作機械というものが具体的に何をしているかというとですね、金属を削っております。
専用の工具で金属をバリバリと削って部品を作っていると。そういう機械が工作機械なんですね。
皆さんもDIYとかでさ、ドリルとかで穴とか開けたことあるでしょ。まあ穴だけじゃないんだけどもさ、あんな感じで材料を削って
ありとあらゆる部品を作り出します。これが工作機械の仕事です。この工作機械っていうのが別名ですね。
マザーマシンと呼ばれています。これは世の中に存在するすべての機械がこの工作機械から生み出されているからなんですね。
母なる機械、マザーマシンと呼ばれているわけです。どんなに複雑な部品であっても、部品じゃなかった、どんなに複雑な機械であっても、
小さな部品の組み合わせですからね。そんな機械の元となる部品を作っているのが工作機械。
ゆえに機械のお母さん、マザーマシンなんですね。 私も本業で工作機械に携わっています。こういう工作機械を設計したりとか、
その中に導入するAIのシステムを作るみたいな、そういうところを今成り合いとしています。元々は機械のメカ部分の設計をやってましたけど、
今はAI関連のシステム系のことをやっております。というのがここまで何度も何度も何度も話してきている工作機械の紹介を兼ねた
私の自己紹介の定型文なんですけども、もう私はこの話を言い過ぎてですね、寝ごそでも言えそうなぐらい言ってますけど、今日紹介したいのはその工作機械ではなくて、
その工作機械を知るための検定の話です。 この工作機械に関する知識を試すための検定がこの世にはあるんですよ。
なんてマニアックな検定ですかね。ただマニアックとは言ってもですね、専門家が知識を試すような検定ではなくて、実はこれですね、
皆さんのための検定なんですよ。私のような工作機械の専門家ではなくて、 工作機械を知らない人向けの検定なんです。
じゃあこの工作機械検定は一体どんな検定なのかというのを説明していきます。 工作機械検定の概要に関しては
検定の受験方法と難易度
公式ホームページに書きの記載があります。 工作機械検定、MT検定は一般社団法人日本工作機械協業会が主催する検定試験で、
工作機械をはじめ製造業に従事する方だけではなく、幅広く一般の方々に工作機械とはどんな機械なのか知っていただき、
工作機械業界の認知度の向上を目指し実施するものですということで、みんなに工作機械を知ってくださいという意味で検定やってるんですね。
私はちょっとこのアプローチでずれてるんじゃないかなと思ってるんですけど、 実際自分たちが知らないようなものに対して検定受けますかっていう話じゃないですか。
なかなか受けないですよね。 その工作機械、よくわかんねぇな。
じゃあ検定受けるかってならなくないですか。 だからなんかいきなり工作機械検定で工作機械知ってくださいってアプローチはね、なかなか尖ってるなとは思ってますけども、
製造業ってそういうとこありますから真面目にアピールしてるわけですね。 だからこれはね、工作機械の技術力とか知識向上を目的とするものではなくて、
工作機械の認知向上を目的とした検定と、つまり工作機械を知らない人向けに作られた工作機械の検定なんですよ。
知らない人向けに検定作るなんて本当に思うんですけどね。 だから結構気軽に受けるわけ。
受験自体はウェブからサクッと受験できて、特にお金もかかりません。 この番組の概要欄にリンク貼っておきますけど、そこからリンク飛べます。
サクッと受験することができますから。 検定の難易度は1級、2級、3級の3つから選べます。
3級は本当に皆さん向けというか、 工作機械知らない人向けの簡単な問題で1年中受験できます。
あ、こんな機械が工場の中で活躍してるんだなってことをまず知ってもらうというところですごく入り口としていいと思います。
別に事前学習とかいらないです。 2級以上は急にマニアックでさ、
工作機械業界の関係者向けの問題が多くてですね、割と難易度が高いです。 工作機械を専門とする私ですら、1級は正直かなり難しいです。
この番組を聞いている人はほとんど工作機械に詳しい人少ないと思うので、まずは騙されたと思ってですね、お試しで3級を是非とも受けていただくことをお勧めします。
ここで出会ったのも何かの縁でございますから、是非とも工作機械知ってください。
俺は工作機械自信あるぜと、支部長さん舐めないでくださいという方はですね、1級、2級にも是非ともチャレンジしてみるといいと思いますよ。
検定の過去問題
この工作機械検定の歴史結構浅くて、記念すべき第一回はですね、2018年に開催されました。
始まった当初結構びっくりしましたね。なんてマニアックなものをやるんだと。でも一応毎年毎年やってさ、2018年から今年まで続いてきているわけですから、すごくいい取り組みだと思いますね。
今年2025年で第8回目を迎えます。 一応毎年毎年システム更新されていて、
去年と違うのはですね、例年はね、11月から11月初旬から下旬までというか、
だいたい1ヶ月ぐらいの期間しか受験できなかったんですけど、今年はですね、10月から年末まで受験できるようになっています。
なので期間的には結構余裕があるんですね。だけど後回しするとね、忘れちゃうと思うんで、サクッと1級、2級受ける人は受けてみてください。
どうせ試験対策とかできませんから。3級を受ける人はですね、年中受けれますけども、年中受けられるというと絶対受けないんで、
何かの縁でございますから、今日ねサクッと受けていただくことを私はお勧めします。 じゃあこんな工作機械検定、どんな問題出るのかというところですね、過去問からピックアップして紹介したいと思います。
まずはですね、初心者向けの3級の問題ですね。 ちょっと問題文を読み上げますけども、
工作機械は精度の高い機械部品や金属製品を作る機械です。 工作機械は機械のもとを作る機械であるので、一般の機械よりも高い精度のものにしなければなりません。
これにより工作機械は何と呼ばれているでしょうか。 これはね、あのさっき説明したんでわかると思いますけど、選択肢を言いますね。
A、マザーマシン。 B、ファザーマシン。 C、ブラザーマシン。
いろいろありますけど、じゃあ正解はというとですね、もちろんAのマザーマシンですね。 まあこれはさっき言ったからね、わかりますよね。
続いて2問目。こちらですね、いきなり2級の過去問ですね。 2級難しいって言ったけどどのぐらいの問題が出るのかというのを是非とも知ってください。
まあこれはですね、 まあそこそこ難しいかなっていう感じ。知らないとわかんないですね。
まあ当たり前の話ですけど。 工作機械は、
その機械の工作精度以上の製品を生み出すことはできません。 つまり製品この精度は工作機械母の精度を超えることができません。
この原理を何と言うでしょうか。 A、機械工作原理。
B、親子原理。 C、母性原理。
まあこれはですね、知らないとわかんないんですけども。 正解はですね、Cの母性原理です。
工作機械というのはね、その工作機械よりも優れた精度の部品を生み出すことはできないんですね。
親が子を超えることができないというですね、そういう定めを背負っております。 このことを母性原理と言います。
つまり良い工作機械がないと良いものは生み出せないということです。 故に工作機械の品質、良い工作機械を持っているか否かが、その国の製造業の全体のレベルを表すことになるので、
工作機械のレベルっていうのは、その国のものづくりのレベルと言い換えることができるわけですね。 すごいでしょ。まさに工作機械っていうのはものづくりの基盤を支える機械なんですね。
じゃあ最後ですね。かなり難しい問題なんですけど。 一級相当の過去問をね、いきたいと思います。
もうこれ、たぶん話聞いててもなんちゃらほいって感じなんですけど、なるべくわかりやすく解説しますが。
じゃあいきますよ。一級の問題。 同時二軸制御による縁運動規則に生じる証言特記について、その発生するタイミングの特徴として正しいものはどれか。
A 証言特記は証言が切り替わるときに生じ、その誤差は各証言の境界で最大となる。
B 証言特記は必ず証言切り替え後に生じるため、縁運動の向きによってその位置は異なる。
C 証言特記は不安定な摩擦力によって生じるため、その発生するタイミングは正確には予想できない。
激ムズですよね。何を言ってるんだ君はっていう感じだと思うんですけども、一応正解はBです。
A 証言特記は必ず証言切り替え後に生じるため、縁運動の向きによってその位置は異なる。
これ説明すら難しい問題なんですけど、例えば工作機械って四角い溝みたいなものも加工できれば、丸い溝も加工できるんですね。
でも工作機械の駆動っていうのは直線運動しかないんですよ。
工作機械の基礎と動き
工作機械というのは右左に動くっていう軸と、前後に動くっていうこの2つの軸を持ってます。
他にもいっぱい軸あるんですけど、すごい単純化すると、二軸だと横に動く、前後に動くと、そういう直線運動しかできません。
だけどこの直線運動を右左に動くのと前後に動くのを同時に行うことで、斜めの線引けるんですよね。
なんとなくそれイメージわかりますよね。右左と前後を同時に動かすことで斜めの線が引けますよと。
だからそれを応用すると、この2つの軸をうまくコントロールすると、円も描けるわけですよ。
ただ2つの直線軸を使って円を描く時っていうのは問題があってですね、
うまくコントロールしてもどうしてもガタついてしまうというタイミングが出てきます。
それがこの問題のテーマとなっている証言突起というもので、各証言の切り替えの瞬間にガタつきが出るんですね。
ちょっと言葉では説明しきれんのですけど、まず頭の中で円をイメージしてもらってね。
でその円を中心を通るようにバッテンを引いてもらいますと。
なんとなくわかりました。なんかターゲットマークみたいな頭の中でできたでしょ。
そのターゲットマークのその交点ですよね。各証言。4つさ、円と接している部分があるでしょ。
その部分っていうのは証言が切り替わる瞬間の部分なんですよ。
っていうのは何が起こるかっていうとね、片方の軸で速度の反転が起きるタイミングなんですよ。
この縦、縦、縦って言ったっけ?左右と前後か。左右の軸と前後の軸どっちか。
この円をこの2つの軸で描くときに、この証言の部分に行くとどっちかが必ず速度0になって反転するという動作は生じるタイミングなんですよね。
こういう部分っていうのはね、あまり詳しくは説明しないんですけど機械的なガタツキ、バックラッシュというものの影響をどうしても受けるんですよ。
それによってちょっとね、一瞬動かなかったりとか、一瞬ガタッていう動きが発生してしまうので、
円を描いたつもりでもどうしても突起のようなものが出てくるんですよ。これを証言突起と呼ぶんですね。
めちゃくちゃマニアックでしょ。この言葉自体はね、なかなかこう工作機械とか精密機器を設計してる人じゃないとね、
精密機械の設計と重要性
触れるような用語ではないんですけどもね。皆さんももうこれ以降一生聞かない単語かもしれないんですけど、
一応ね、そういう円を描くときに突起が出ちゃうよということがあるわけですよ。メカ的にね、どうしても。
でもこういう突起をいかに抑えるかなくすかっていうところが非常に重要でして、精密なものっていうのはですね、そういう証言突起を対策して作ってるわけですよ。
こういう技術の上に我々の生活っていうのは成り立ってるんですね。もうこれをね、忘れないでほしいですよ。
めっちゃマニアックな話されたなと思ってるんですけど、実はあなたも証言突起関わってると。関わってないよ、俺は。って人はいないです。関わってます。
断言します。関わってますよ。だからね、そういうものにも支えられているという印象をね、印象というかイメージを持って生活してください。
まあ一級ってね、わけわからんなと思うけど、こういうわけわからんものがいっぱいあるのがね、交差機械検定の一級ですけど、
こんなわけのわからんものに支えられているという実感を得るためにもですね、一級の過去文も是非とも覗いてみてください。
何にもわかんないと思うけど、何にもわかんないと思うけど、こういう概念があるんかというのはね、勉強になるとは思いますよ。
とにかくですね、私が今日言いたいのは、交差機械検定チャレンジしてくださいっていうことよりも、交差機械というあなたの生活を支える機会がありますので、それを是非とも知ってくださいというお話でございました。
というわけで、今回はここまでとさせていただきます。私は、渋町技術研究所という技術ブログも運営しています。
また、Xでも毎日役立つ技術情報の発信を行っておりますので、よろしくお願いします。
またですね、ポッドキャスト、ものづくりのラジオというですね、別番組、兄弟番組みたいなもんですね。
こちらも配信しております。こちらもう3年ぐらいやっている番組ですね。
そしてもう1本、ポッドキャストですね。落ち着きAIラジオというですね、AIに関する番組も配信しておりますので、こちらも是非ともよろしくお願いします。
ものづくりのラジオの方は毎週土曜日週1で配信中。落ち着きAIラジオの方は火曜日金曜日週2で配信中です。
そしてこのものづくりの視点はですね、ボイシーでも配信しておりますし、最近ね、スタンドFMとかポッドキャストの方に移行してきましたということでね、いろんなところでいろんな番組ばらまいているものですけども、
毎日何かしら私の音声配信出てますんでね、聞いていただければなと思います。
またボイシーの方ではプレミアムリスナーも随時募集しております。いつもの配信ではしないような突っ込んだ話はですね、毎週日曜日にしておりますので、
ボイシーでも聞けるし、ノートの方でもね、あの有料会員プランやってますんでそちらでも聞けるようになっております。ぜひともよろしくお願いします。
というわけで今回はここまで。以上しぶちょーでした。ではでは。