はい、こんにちは。オランダに日本のものを紹介する MONO JAPAN ポッドキャストのオランダ初物語、パーソナリティのチュージョエミコとジョンスンです。
この番組は、MONO JAPAN ディレクターのチュージョエミコと新米スタッフのスニが、欧州市場における日本のデザインプロダクト、モノや日本のものづくりの可能性などを伺い、さまざまに語っていく番組で、私たちが住んでいるオランダからお届けいたします。
さて、チュージョさん、先日、ジャパンマルクトが開催されましたよね。すっごい天気が良かった日だったんですけれども、いかがでしたか?
ジャパンマルクトは、ライデンという日本にゆかりの街で行われている野外のマーケットなんですけど、コロナで3年以上、4年間も延期されていて、すごく人気のあるイベントなんですけど、やっと開催され、ものすごい人気で、
私たちのブースにも本当にたくさんのお客さんが来ていただきまして、売り上げも上々で、うはうはでした。
よかったです。お疲れ様でした。ありがとうございます。
そうですよね。今日はそんな本日なんですけれども、ずっとですね、モノジャパンに非常にゆかりの深い方にお越しいただいております。アートディレクター、グラフィックデザイナーの武田雅也さんです。こんにちは。
こんにちは。厳密に日本なんで、こんばんは。
そうですよね。こんばんは。よろしくお願いいたします。
モノジャパンのビジュアル面で非常にご活躍されていらっしゃる雅也さんなんですが、ちょっと私、本当知らないことばかりですので、今日はぜひね、いろいろなご自身のことですとか、それから裏話なんかをお伺いしたくてお越しいただいております。
ありがとうございます。早速ですけれども雅也さん、自己紹介をお願いできますか。
グラフィックデザイナーの武田雅也です。今は日本の神奈川県の葉山でフリーランスとして仕事をしています。
日本に今住んでるんですけど、以前オランダに住んでいた時期もあって、そこの縁でモノジャパンの仕事を一緒にやっている感じです。よろしくお願いします。
ありがとうございます。数年前のモノジャパンのかっこいいパンフレット、ちょっと緑色っぽいやつとか、からし色っぽいやつに、ちょっと黒っぽい器であったり、日本のものが写ってるやつを作られたんですよね。
ちょっと待ってください、すにさん。全部です。雅也くんは全部作ってるんで、からし色っぽいとか、グリーンとかっぽいとかじゃなくて全部です。
でもあれ印象に残っていただいている。
じゃあ去年のやつも雅也さんが作られたやつなんですね。
もちろん前回写真はフォトグラファーの方が撮って、その場合はイラストレーターだったり、
ディレクションっていうことですね。どういう映画が必要かっていうことを考えて方向性を決めていくっていうような作業になります。
でもそもそも、言っていいですか、そもそも雅也くんがモノジャパンのロゴを考えてくれてて、
モノジャパンのロゴ、私たちロゴいっぱい持ってるんですけど、そのロゴは全て雅也くんの手によるものですし、
毎年キーカラーとかも全て雅也くんに決めていただいて、
そうですよね、アートディレクターですからね、やっぱりそういうビジュアル面全般に関してのダイレクションをされているってことですもんね。
やっぱりもうオランダ着いた日から、もうとにかくドタバタだけど、なんかもうすごい楽しくて、刺激的なことばっかりで、もうこれは帰りたくないなって思っちゃって、そこからじゃあビザを取るのはどうしたらいいんだろうみたいなことをいろいろ調べてて、結局そのまま住むことになって、
そうですね、3ヶ月のつもりが、結局3年ぐらい住んでたんですけど、3ヶ月のつもりが3年になっちゃったっていう。
すごい。
でもなんか思いを返すと、日本にいた頃からオランダのデザインって、なんか不思議で面白いなとはずっと思ってたんですよね。
特に僕はグラフィックだから、プロダクトとかではなくて、グラフィックのデザイナーのことをちょっといろいろ見てたりしてて、
ケッシェルスクラマーとか、なんかすごい独創的なことを、なんか当たり前のようにやってるけど、どうなってんだろうみたいなのはずっと気になってて、
まあ多分そういうのも、自分の中で少しあったんだろうなっていう気がします。
なるほどですね、ありがとうございます。
いやいや、面白いですね。本当にでもなんか、ドラマみたいですね。偶然にもね、その方が東京にいらして、
意気投合されて、じゃあおいでよなんて言っていただけて、すごい。
じゃあその時ゼロ歳だったお子様は3歳までオランダにいらしたってことですね。
そうなんです。
そうか。変えられて、変えるっていうことになったのは、それはまた何でだったんですか。
ちょっとまあ子どもの話にも通じるんですが、オランダって4歳から学校行くじゃないですか。
で、学校をいろいろ見てたんですよ、家の近所の。
本当にいろんなところがあって、面白いなと思ってて、やっぱり行くところで全部やってることが違うし、
子どもたちが何よりすごい楽しそうでいいなって思うのと同時に、
これでも一旦ここのオランダの学校に入っちゃったら、
いざ日本の小学校とか中学校とかに戻ってくる時、すっごいつらいだろうなと思って、
これは今決断しないといけないなっていうところで、
だったらちょっとそこまで僕がオランダにずっといれるかどうかわかんないから、
このタイミングかなっていうので入りました。
親心ですね。でもおっしゃってることはすごくよくわかりますね。
やっぱりいいですよね、オランダの学校。僕が入りたいぐらい。
そっか、なるほどですね。
今とかってオランダって日本のご夫婦、若いご夫婦とかが、
子どもをオランダの教育を受けさせたいって言って引っ越してくるっていう流れがすごい増えてるので、
結構逆の流れですけど、やっぱりそうなると日本の言葉とか、
日本の歴史とかいろんなことを学ぶ時間もやっぱり少しになるから、
すごい大きな決断ですよね。
そうですね。結構ずっと悩んでたし、やっぱりちょっとハートブレイクじゃないけど、
そういう悲しい気持ちにはなりましたね。
でもね、まさやくんが初めて引っ越してきたあたりの時って、
AMSで噂が流れたんですよ。なんかすごいグラフィックの有名な人が引っ越してきたとかって。
すごい。
そう、私も噂に聞いてて、カルシマデザイナーみたいなすごい噂が流れましたよ。
そうなんだ。
すごいですね。
で、その後も時々はオランダにはいらっしゃってるんですか?
そうですね。結構ちょくちょく行ってて、最近コロナ禍もあって、
ここ2、3年行けてないんですけど、それまでは1回以上は行ってましたね。
あ、そうなんですね。
そうか。
モノジャパンのイベントの時は、それ以外に子ども連れて行ったりとかしてました。
いいですね。
モノジャパンの時にはできるだけ来ていただいて、まさやくんも一緒になって会場でバタバタして終わっていただいたりとかしてね。
そう、やっぱり会場の雰囲気がすごい僕は好きで、モノジャパンのスタッフみんなで作り上げてるっていうのを感じられるし、
本当にチームワークですよね。
みんなそれぞれが自分のタスクを一生懸命やってて、
その雰囲気をお客さんとか出展者の方もすごい感じてくれて、
一緒になってイベント作ってるっていうのはすごくいい雰囲気なんですよね。
それはもう本当に現場に行かないと感じられないことだなと思ってます。
なんかね、みんながそうやって楽しみながらやってるのが絶対お客さんも感じてるなっていうのはすごいイベントやりながら思ってて、
だから割とそのドライにイベントやってるわけじゃないんで、
その辺ね、ちょっと来場者の方々も感じてもらってるんじゃないかなと思うんで、
まさや君もそういう気持ちで毎年関わってくれてすっごい嬉しいんですよね。
なるほど。
じゃあね、AMSにいらした時にもうすごいカリスマのアウトディレクターが来るっていうことが噂になるぐらいでしたから、
日本でそれまでにもうすでにかなりしっかりお仕事もなさっておられて、
オランダに来られて、実際オランダ人と一緒に仕事をして、また今日本に帰られてるわけなんですけど、
その国による仕事の違いっていうか、なんかそういうのはちょっと興味があるんですけど、
どのような印象なり考えをお持ちになられましたか?
そうですね、仕事に関して言うともうなんか大げさに言うと全てが違うっていうか、
本当にカルチャーショップの連続でいくつかあるんですけど、
一個はやっぱりみんな意見をストレートにはっきり言うっていうところが一番面白い。
面白いっていうかもう日本と全然違うなって思いましたね。
特にデザインを提出するじゃないですか。
提出したら日本だとあまり気に入らなくてもちょっとやんわり言ってくれるんだけど、
オランダの人とかってはっきりI don't like itって言うじゃないですか。
そこに最初すごく傷ついてそんなにダメなのって思ったりもしたんですけど、
よくよく聞いてみると正直に思ったことを言ってるだけなんだなっていうのが分かって、
なかなか最初慣れなかったけど、それが分かってくるにつれて、
なんか話しやすいなと思って逆に言いたいこと、こっちも言いたいことをはっきり言えばいいっていう感覚で、
なんかそこが一番大きな違いかなっていうのと、
あとやっぱり合意っていうか仕事のプロセスの部分をすごく大事にしてるなっていうのを感じて、
やっぱり物を作るときに誰か偉い人がすべて一つのことを決めるんじゃなくて、
そこに関わってる人もそれこそインターンの人から全部ちゃんと自分の意見を言っていって、
みんなのコンセンサスを取った上で物事を進めていくっていうのがすごく重要視されてるっていうような気がして、
なんかそれは面白いなと思いました。
あともう一個は賃金体系が全然違うっていうのが面白くて、
日本だとやっぱりその成果物に対しての報酬っていうのが、
例えば仕事納品するとこのぐらいの報酬ですっていう風になってるけど、
オランダの場合まずすべて時給で計算するから、この仕事に対してかかる時間はこのぐらいです。
僕の時給はこのぐらいだからこのぐらいの報酬になりますっていう、
もちろんそこにはコンセンサスがあるんですけど、
そういう賃金体系って面白いなと思って、
そうするとそこにエクストラの修正とかが発生したときは、
そこにエクストラで何時間かかるからこのぐらいのエクストラのコストがかかりますっていうようなこととかって、
なんかもう目から鱗っていうか、えーっと思ってすごい面白かったです。
そうですよね。確かにその賃金に関しては考え方が逆っていうかね、