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#67最先端のその先に
2026-10-12 13:07

#67最先端のその先に

人間の技能とは何か?最先端の機械の登場で技能は必要なくなるのか?考察してみました。

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サマリー

岐阜県の工業高校教員であるすみが、技能継承についてものづくり大学の武雄先生と話し、技能の本質は試行錯誤にあるのではないかと考えます。金属3Dプリンターや5軸加工機の現場では、最先端の機械だけでなく、歪みを仕上げる職人の勘や人間の手が重要だと知りました。ものづくりワールドでは、設計・加工・電気・設備など異分野の情報共有を支えるCADに注目し、専門分野をつなぐ必要性を感じています。工業高校の教育でも、安全を守りながら生徒が失敗と改善を経験できる課題研究を設計し、教員自身も試行錯誤し続けることが必要だと述べています。

技能の本質と試行錯誤
こんにちは。岐阜県の工業高校で教員をしているすみです。 この番組未来をつなぐものづくりでは、日本の製造業を支える企業の技術や、そこで働く人たちの思い、そして工業高校の教育の魅力をお届けしていきます。
だいぶ朝晩涼しくなってきて、秋っていう感じがしますよね。 今週は、高校では運動会が行われるという特別な1週間なんですけども、1年早いですね。
去年はですね、リレーで走ろうと思っていましたけれども、結局前日の天候が雨で、グラウンドコンディションが悪いので、ちょっと危ないということで止めました。
案の定、つるつる滑ってせいと転んでましたからね。走らなくて正解だったなっていうふうに思ってるんですけども、今年も水曜日が雨で木曜日本番なんですよね。
そうなると去年と同じように、またちょっと走るのは厳しいかなっていうふうに思ってますけどね。 体調の方はまあまあ去年よりも走り込んでると思ってますので、走れるとは思うんですけどね。
まああとは天候次第かなというふうに思ってます。 先週はですね、技能継承とは何かということをものづくり大学の武雄先生と話したり、大阪まで行って金属3Dプリンター、もしくは五軸加工機というものを見に行ってきたり、
そしてものづくりワールドというものづくりの展示会があるんですけども、またそこも大阪まで足を運んで見に行ってきました。
それぞれ別々の観点かなと思いきや、やっぱり何かつながるものがあったんで、それをちょっと今日は話したいなというふうに思います。
まずものづくり大学の武雄先生とのウェブでの話なんですけどね。 技能継承とは何かということで私もちょっといろいろ考えるところがありまして、
同じようなことを研究されている方見えないかなということで探していたら、ものづくり大学というところの武雄先生が実際に工作機械を使った技能継承について研究されているという文献を見つけましたので、
早速節付けながらいきなりアポを取って、そしてウェブミーティングという形で話を伺うことができました。
私は今熟練技能者が持っている技能をどのように次の世代に伝えるのか、そしてなるべく短い期間で身につけるにはどうしたらいいのか、それを実習で何とかできないかなというふうに思っています。
例えば熟練校の手の動きをカメラで撮って、そしてセンサーを使って体の動きを数値化してみるとか、
もしくは加工中の力や振動、工具の動きなどを数値化してみるとか、そういったことをやっていくと感覚というものが数値化されて、
技能として身につけなければならないものがはっきりするんじゃないかなと思ってたんですけども、しかし数値化すればそれはもうロボットで置き換えられるわけで、
果たしてそれは人間の技能と言っていいのかっていうところもあるんですよね。
なのでそういったことも踏まえて、熟練技能者の何を測定すればいいのかということを滝尾先生と話をしたり、
もしくはそもそも技能ってなんだっていう話をさせていただいたんですよね。
その中で一つ言葉にできたことは、技能の本質っていうのは試行錯誤することにあるのではないかということなんです。
そして工業高校で教えている汎用旋盤や汎用フライス盤、今では工場にはほとんどないですが、
そういった自分の手で動かす機械、あれは一体何のためにあるのかっていうことを考えたときに、
それは上手くなるためのコツをあれで身につけてるんじゃないかっていう話にも行き着いたんです。
要は汎用機械というのは試行錯誤するための機械なんてことに置き換えられるんじゃないかなっていうことなんです。
それについてはなるほどっていうふうに思いましたね。
果たしてそれがどのような試行錯誤もしくは技能を身につけるコツにつながるのかというのは、
ここまではなかなか言語化できない、つまりは暗黙値と呼ばれるところなんでしょうけども、
なんかちょっとこうヒントをもらったなっていうふうに思いました。
最先端機械と職人の勘
そして次にですね、金属3Dプリンターや5軸加工機を実際に見るということで、
それを販売している商社に大阪まで見に行ってきました。
実際の大きさ、動きなんてことを実際の目で確認するっていうことは非常に重要だと思ってますので、
それが確認できたのは大変良かったです。
ただそれ以外にもいろんな話聞けたのが良かったですね。
例えばその商社はいろんな工作機械をいろんな会社に入れていると、
ただ最先端の機械を入れればそれでいいのかと言ったらそうではないという話です。
もしそうだったら新しい機械を入れれる会社が生き残れますよね。
そしてその暁にはその機械を入れた会社同士が同じものができるので、
最後は価格競争になってしまう。
だけど実際はそうではないと。最後の2割ぐらいは人間の手、感、そういったものが関係しているから、
いくら良いものを入れても最後の最後は人間ですよねっていう話をされていました。
むしろそこを強みにできる会社は最先端の機械を入れても伸びるし、
そこを強みにできない会社は価格競争に陥っていくという話をされていましたね。
なるほどなあと思いました。
実際大阪の町工場では汎用機械をどんどん入れている会社もあるみたいです。
それが先ほどの滝尾先生の話ともちょっと通じるところがあるんですけどね。
具体的には金属3Dプリンターでものを作ったとしたら、やはり熱で歪むんですよね。
そしてそれを綺麗に最後仕上げ加工するには一つ一つその歪み方が違うので、
結果的には職人のような勘どころが必要になるということなんですよね。
だから面白いのは最先端の機械を取り入れておしまいじゃないし、
最先端の機械で作ったものを製品にするためにはこれまた職人の技が必要だということなんですよね。
両方がこれ働かないといいものができないということなんですね。
ですから最先端の技術と職人が持っているアナログ的な技能というのは決して対立するものではなくて、
両方組み合わせれるかどうかということがすごく大事なんじゃないかなというふうに思いました。
ものづくりをつなぐ情報共有
そして最後はモノづくりワールドっていう製造業の展示会みたいなものに行ってきました。
大きな会場でたくさんの企業が自分のところの製品をアピールしてみえましたけれども、
私が全体的に見て思ったのは図面に関しての商品が多かったなというふうに思います。
図面というと例えば加工するための図面とかそういったこと思い浮かぶかもわかりませんが、
加工する図面だけではなしにものを作るということになったら電気配線とか例えば設備とか、
いろんな情報がいろんな部門の人たちを通じて作られますけれども、
それを共有できるようなそういったキャドなどがたくさん今回は見受けられましたね。
これまでは設計する人、加工する人、電気を担当する人、設備を管理する人など、
それぞれの専門分野で仕事することが多かったと思いますけれども、
しかしモノづくりってそういう専門的なものだけで完結することはなくて、
これまでは設計する人、加工する人、電気を担当する人、設備を管理する人など、
それぞれの専門分野で仕事をすることが多かったと思います。
しかし本来モノづくりは全てがつながってますよね。
設計者が加工の難しさを理解していれば、もっと作りやすい設計ができるかもしれません。
加工する人が設計者の意図を理解していれば、もっと加工方法を提案できるかもしれません。
また機械と電気の担当者が同じ情報を共有できれば、設備のトラブルにも対応しやすくなります。
つまりこれからは異なる専門分野の人たちと知識を、もしくは情報を共有するということがすごく大事になってくるんだろうなというふうに思いました。
試行錯誤を育てる工業高校教育
では、工業高校では何を学べばいいのかということなんですけれども、
やはり身につけた知識や技能を使って自分で考えて問題を解決するという、
そういったことができる力なのかなというふうに思うんですよね。
でも実際に今行われている実習を見ると、考えてやるというそういう実習ってほとんどないですよね。
それは安全面からも言ってもそうなんですけど、まずは安全に先生の言ったことやろうとしていることを同じようにやる。
これがまずは大事なことなんでそれを中心にやってますが、
ただそれだけではダメなんだろうなということが今回見て思うことでもあります。
ですから課題研究という時間で自分の作りたいものを作っていく中で、
自分の考えをそのものづくりに生かしていくとか考えていくとか、
そういった問題にぶつかったときに今までの知識や技能を使ってみるとか、
そういったことが大事ではないかなというふうに思いましたね。
でもこの課題研究でも振り返ってみると生徒が自分たちでアイデア出して、
何度も試行錯誤しながら問題を解決した、そんな印象的なパートが今まであったかといったら、
今振り返ってみるとなかなかすぐには思い浮かばないんですよね。
これは私自身にとっても少し考えさせられることです。
もちろん生徒たちは一生懸命取り組んでいます。作品も作っています。
そして様々な学びがあると思います。
でも作品を完成させることがいつの間にか目的になっているのかもしれませんよね。
完成させるために教員が先回りしてやってしまう、答えを教えてしまうとか、
失敗しそうなときにその失敗から学ぶ機会を十分に設けられていないとか、
もちろん安全に関わる失敗は経験させるわけにはいきません。
しかし失敗して良い範囲で失敗しながら改善していくということは成長するためには重要なことですよね。
私たち教員の授業のデザインの腕の見せどころなんじゃないかなというふうにも思います。
そんなことを思いながらもう一度どんなような授業がいいのかなということを考えて、
実践していかなければいけないなと思いました。
技術者と教員が考え続けること
今週は私は最先端のものづくり技術を見たり聞いたりそんなことをしました。
高性能な工作機械はこれからもどんどん進化していくと思います。
しかしどんどん進化していっても新たな問題に直面するでしょう。
そのときに試行錯誤してその問題を乗り越えられるかどうかということが
これからの技術者の腕の見せどころなんじゃないかなというふうに思いました。
そのような生徒を工業高校の学びの中で生み出していこうと思ったら
私たち教員も変わっていく必要があるんじゃないかなと思っています。
生徒たちに試行錯誤する力を身につけてほしいのであれば、
まず私たち教員が授業づくりの中で試行錯誤し続けるしかないんじゃないかなというふうに思うんです。
これだという答えはないんです。これは技能と一緒ですよね。
これだという答えがあれば機械に代替えできます。教育もそうですよね。
これだというものがあればそれを同じようにAIがやってくれればいいんです。
そういう問題ではないんですよね。
ですから私たちも考え続ける必要があるんだということを改めて感じました。
自分の身の回りの諸差で、自分の身の回りで大体でやってるけども大外れしないなんていうことって結構ないですか。
もう一度そういったものを洗いざらしに探してみると面白いかもしれないですよ。
未来をつなぐものづくりは毎週月曜日朝7時に配信しています。
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ではまた来週。さようなら。
13:07

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