緊急報告と近況
みみもとスケッチの番外編というか、前回の終わりで、次のテーマの話とかもちょっとしたりしてたんですけど、
時間が空いたりもしたので、慣らしというか、雑談をいろいろしてから、また次のテーマ考えていこうかなという感じで、今日は録音しています。
お願いします。
はい、お願いします。
で、ちょっと一回あれですかね、緊急報告というか、お互いの軽くしてから本題に入りたいなと思うんですけど、
今、北海道から藤野さんをつないでもらってて、こっちのね、るきさんと僕は長野で、って感じなので、
どちらも非処置ですね。
そうですね。まあ、そこそこ涼しいと思うんですけど、最近何かあったっけ?
夏バテをしていました。
なんか、特にすごく変わったイベントとかはないね。
そうですね。
夏バテ似合う2人ですよね。
似合う?
夏バテしてそう。
似合ってるな。
いや、もう全然、僕も夏バテしてるんですけど。
あ、そうですか。
北海道はどんぐらいになるんですか、基本は。
今日なんかは結構暖かくて、今何度ぐらいだろう?でも、30度までいかないぐらいの時があるのかな。
北海道でも。でもまあ、夜はその代わりに18度ぐらいまで下がりますね。
すごい下がりますね。
そうそう。
そうか。
なので、寒暖の差が結構ある感じですね。
こっちはまだ結構下がっても20度いくかいかないかみたいなぐらいで、やっぱちょっとこっちの方が暖かいんだね。
そうなんですね。
いや、本当なんかこう結構住むところを点々としてますけど、やっぱり土地によって全然違うなと思ってて。
僕は6月から7月にかけて大阪で展示があったんですけど。
それで最後のクロージングカーのイベントに出るために大阪一瞬行ってきたんですよね。
そしたらもう本当に関西空港降りた瞬間にUターンして帰りたくなりました。
早い。
暑すぎて。
いやー、深夜。
ありますよね。特に飛行機だから激しいですよね、その差がね。
そうなんですよ。
確かに。
新千歳から阪空に降り立った瞬間になんだこれってなって。
39度とか。
上が。
大阪は暑いですよね。
大阪暑かったな。
街だし、わりと南の方ですしね。
そうそう。
で、関西の友人何人か会ってきて、楽しかったですけどね。
近況、近況、まあそんなところかな。
ご多分に漏れず夏バテしてます。
まああれですね、長野いいなと思うのは、やっぱなんかもうたまらんってなったら結構高原とか行ったりとかね、1時間ぐらい車で行けちゃうから、わりと気軽にすずみに行けるみたいな。
気軽に高原ってすごいな。
庭だなって思って。
庭。
うちの庭だって思って。
なんかそういうね、いわゆる田舎に暮らすことの良さって、やっぱ結構そういうところにありますよね。
そうですよね。
北海道でもそういう行き先はありますか?
いや、ありますあります。
本当にもう家のすぐ近所に、ポロトコっていう写真前送った水泳があって。
あ、そうなんだ。
すずみもいいですよね。
すずみめっちゃいいっすよ。
水泳のソバスみたいんですよ。
滋賀県出身だしね。
確かに、琵琶湖が恋しくなったりね。
水泳ってやっぱなんかいいっすよね。
いいですよね。
なんかそう、友人が神奈川からこないだ遊びに来てくれた時は、地元のお店さんがね、やってる白老牛バーガーっていうハンバーガー買って。
めっちゃ美味しそう。
で、それを持って湖のほとりで木陰で食べるっていうのをやりました。
最高ですね。
もうなんかもう、それだけでもうその日一日のもうなんか、満足度というかね、違いますからね。
素敵。
なんか今聞いただけで映像が浮かびましたもんね。
いやでも本当、二人がね、暮らしてるところもいいとこそうだなぁ。
そうですね。またいつかぜひ案内で。
それこそ高原とか、いいですよね。
高原、いや高原連れてってほしいっすもんね。
すごい気持ちいいんで。
ね、いいですよね。
じゃあまあそんなところで、お互い懐かししつつもなんとか乗り切っていくというか、乗り切ってる感じですかね。
美術大学の実態
はい、で、えーっと、まあ今日はね、その、それぞれにテーマを出して、ちょっとずつ雑談をしてみようかなという、そういう息抜き会なんですけど。
えーっと、まあまず自分のテーマから、はい、いこうかなと思っていまして。
なんかね、前回その話の中でも、結構その、なんていうかな、そもそもアーティストっていう存在がちょっと、なんか近寄りがたくなっちゃうという人も多いんだろうな、みたいな話とかもしていたりして。
で、結構そのね、アーティストがどうやってアーティストになってるのかみたいなこととか、なんかその、どうやってなったのかみたいな。
そこら辺が、たぶん普通の人の、なんかこう進学して就職してみたいなルートとは、なんか違う過程でそうなってる人が多いと思うので、まあそこからそもそもよくわかんない人も多いんじゃないかな、みたいな思ったり。
で、なんか最近あのあれですよね、ブルーピリオドって漫画流行っててもね。
で、なんか多分、ああいうその美大の話みたいなのとかが、たぶん新鮮だから流行ってるんだと思うんですよね。
確かに。
こんな世界なんだ、みたいな。
とりあえずこの2人、同じ美大に出ているところなので、美大あるあるとか、なんか美大っぽいなって2人が思うエピソードみたいなのをなんか聞いてみたいなと思う。
いや、美大の実態というか、話せる範囲で、セキュララに。
なんかこう、どこに需要があるかちょっと不明瞭ですけど、まあでもね、いろいろ話しできるかもしれないですね。
たぶん結構新鮮だと思いますよね。行ったことない人も多いだろうし、美大っていう環境にね。
そうですね。
そうですね。僕とるきさんが行ってたその京都の美大は、結構その山奥にありましたよね。
で、いろんないわゆる芸術学部とデザイン学部、あと建築と、あとなんだっけ、人文でしたっけ。
こんな感じの学部が分かれてて、他の大学と一緒のようにですね。
で、その中にさらに何々学部、何々学科っていう、またちょっと細分化されたコースみたいなのがあって、
その中に僕とるきさんがいた油絵の洋画コースがあったんですよね。
で、その他には何があるかというと、日本画であったり、彫刻、立体造形であったり、版画とか、染色とか、映像もあったか、とかっていうのがあって、
で、デザイン学部の中にもそのグラフィックデザインっていうのとか、なんだっけ、デジタルクリエーションコースか、名称がまた変わったかもわかんないですけど、
とか、プロダクトデザインとかっていうのがあって、みたいな感じでしたっけ。
そうですね。あと、漫画コースがあるのが、うちの学校の特色でしたよね。他の美大ではない。
それがデザイン学部の中に入っていたのかなと。
だから、いわゆる美大を目指す中高生っていうのは、その中で自分が学びたいのはどれかなっていうのをまず最初にふんわりと決めて、
その、要は学びたいジャンルの環境に行けるための関門というか突破しないといけない、まず試験みたいなものに向けて準備をするわけですよね。
それが、いわゆるブルーピリオドとかのお話のところ、そこを描いてるんだと思うんですけど、
受験方法とデッサン
大体の場合、そのデザインでも芸術でも、大体デッサンが必要になるっていうのは共通してるのかな。
デッサンと、それから色彩構成って呼ばれるような、なんかお題とかテーマを与えられて、それでかっちょいいポスターみたいなのを描くみたいな。
そうですね。
あれちょっと独特ですよね。あの色彩構成で描く絵ってちょっと独特じゃないですか。
そうですね。とても苦手でした。
僕もすごい苦手だった。
割とデザイン的な志向がいる科目でしたよね。
なんかそれは、例えば定規で分割してそれを色塗り分けてとか。
みたいな。とか、例えば金魚とか紙風船とか、モチーフ与えられて、四角い紙と絵の具というか道具が写されて、その中で与えられた素材で面白いビジュアルだったり、考えさせられる作品を作ってくれみたいな、そういうやつなんですよね。
油絵とかもそうなんですけど、大体の美大の傾向みたいなのがあって、そこの大学がこういう絵に合格点を出しやすいみたいな。
やっぱりそれは他の大学と同じように、傾向と対策みたいな。
そうですよね。
なんかムサビっぽいなとかタマビっぽいなみたいな絵があるんですかね。
なるほど。
今思うとちょっと不思議なやつなんですけど。
それで点数つけられて合格なら大学に入学できるというやつなんですけど、結構当事者としては受験って本当に、僕は通ってきてないのであれですけど、
本当にこう大学、いわゆる大学受験で塾に通って勉強をして、5科目とか5教科とかっていうのを点数を高めていくっていうよりは、本当にひたすらデッサンをしてたんで、なんかもう自分の能力そこに全振りしてるわけなんですよね。
だから僕は割とスパルタ長塾に行ったりとか。
そうなんですね。
違うな、記憶があるな。高校の時がすでに僕デッサンの受験だったんですよね。
美術系の高校。
そうそう、そうだそうだ。
なので中学生の頃に画塾に通ってたんですけど、うちの田舎は人数が少なかったんで、中学校に美術部がなくて、美術部ができると他の部活が人数足りなくなって大会に出られなくなるという事情なんですよね。
だから一切のそういう文化系のやつがなかったんですよ。
でもうちの中学も美術部はなかったな、吹奏楽しかなかったな。
絶対どっかの部活に入らないといけないという一応ルールはあったんですけど、5年に5年続けてどこにも入らず、大分市内の画塾に通ってましたね。
画塾っていうのはひたすら書く練習をするだけなの?
そうです。光がすごく入る窓の大きな教室みたいなのがあって、そこにいろんなモチーフが石構造だったりとかワインの瓶とか植物とかレンガとかいわゆる生物が勉強になりそうなものがたくさん並べてあるんですよね。
そこ行くと先生が今日のお題はこれだってテーブルの上にガチャガチャガチャっとその場にあるものを組み合わせてテーブルの上に構成されたものたちを用意してくれて、それを時間をはかってみんなでイーゼル立てて囲んで書くっていうのが一日の流れなんですけど。
で、それ終わった後にこのデッサンを並べてボロクソに言われるわけですよね。
厳しいデッサンの課題
それを繰り返して絵が上手くなるという。
マジボロクソですよね。直されたりするし。
僕の妻も実はそういう美術系で教育大の美術だったんですけど、妻が言ってた愛知のそういう画塾の先生もやっぱりそのエリアでは一番厳しいので有名だったらしくて。
で、なんか画塾って言ってたみたいな話をね、昔家でしたときに厳しかったよみたいな。
私は日本語の罵倒をあの場で全て言われたみたいな。
日本語で思いつく限りの罵倒は全部言われたって言ってて。
マジですか。怖っ。
すごいって思って。怖い。怖いみたいな。
で、どうしてそこまでする必要があったんだろうねみたいなね。
今となってはそのおかげでこう絵が上手くなって美大に行けたっていうのはあるんですけど、
まあなんか本当にスポーツと一緒ですよね。
そうですね。すごいなんか大会系だなって思いましたね。受験のときは。
例えばなんかどんなこと言われました?あるきさん。覚えてる?
その技術的なことで怒られるのは意外と良かったんですけど、
なんか初めのショックは色彩構成を初めてやったときに、
そういうことじゃないんだよねって言われたんですよ。
悪い絵じゃないんだけど、それ求めてるのはそうじゃないって言われて。
出題意図と違うっていうことですね、要するにね。
そうですね。
でもなんて言うんですかね、それってじゃあどうしたらいいのかっていうのがすぐにわかることではなかったし、
まあ私結局ずっとわからなかったんですけど、
あれはなんか一つの挫折だったのかなと思います。
なるほどね。
藤野さんは?
いや僕は例えばこうやっぱり生物画のデッサンとかっていうのは、
いわゆるどんなモチーフが来ても上手に描けるようになるために、
こう質感の違うものを組み合わせるんですよね。
例えばザラザラした表面のレンガのすぐ隣につるっとしたガラスの瓶を置いたりとか、
なんかその上にストライプ柄の布をなんか被せてみたりとか、
その布の上からなんかホースを置いたりとかみたいな、
そういうなんか意地悪な感じのモチーフが組まれて、
それをこうちゃんと描き分けられてるかみたいな。
で僕は一生懸命その反射してる光の表情とかを一生懸命拾って描いたつもりだったんだけど、
もうなんか先生がもうボロクソ言うわけですよ、
お前のこれはもう全部汚らしい流木じゃねえかみたいな。
その瓶が瓶らしく見えないということだけなんですけど言ったら、
なんかめちゃくちゃ声を張り上げて怒られたりするんですよね。
だからちょっと本当独特の世界っちゃ世界。
でも僕はなんかちょっと本当にノイローズ気味になりながら描き続けてた中学生の時に、
1回すごい現象を体験したことがあって、
これ単純にこう追い詰められた身体のバグだと思うんですけど、
色が半端じゃなく見えるようになった瞬間があったんですよ。
すごいじゃないですか、開花してる。
もうなんか目をもらったみたいな感じ。
あれはとにかくよく見ろっていうのを1日8時間とか言われ続けて、
水彩画を描く時なんかは、
映り込みの色とか隣り合ったもの同士の色とかを注意深く拾って、
薄く水彩でそれを乗せて重ねて、立体感を出していくみたいな絵を練習するんですけど、
どこに何色があるんだ、黄色はどこにあるんだとか、青色はどこにあるんだみたいなのを目がずっと探してるから、
多分それでちょっとトランス状態に入っちゃって。
僕1回疲れてバーって、自室のベッドに寝転がった瞬間に天井に、
本当に虫がうごめいてるみたいに色がブワーって見えた時があって、
ブワーってなって、それすごい違和感というかすごい気持ち悪くて覚えてるんですけど、
なんかそれまで、僕美術館に行ってその印象派、ルノワールの絵とか見て、
ルノワールって肌にいろんな色を使うんですよね、青とか黄色とかピンクとか、
それ見た時に、いやいやいや、こんな風に見えてるわけねえじゃんと思ってたんですけど、
あの体験してから、多分ルノワールにもこれ見えてたんだろうなみたいなのが、
結構革新に変わった瞬間があって。
で、デッサン描かなくなったらすぐ見えなくなったんですけど、
人間の体がそういう極限に追い込まれると、
なんかそういうスポーツマンがそういうランナー座杯みたいになるような、
そういうのがあるっていうのはなんか感覚的に仕入れたんですよね。
で、やっぱり芸大受験者とか、なんかそういう絵を、
本当になんて半狂乱になって描いてたような人たちと喋ると、
みんな同じような体験して、
ある朝、石膏像がありえないぐらい綺麗に見えたとか、
なんかこう、なんか抜ける瞬間みたいなのがあったよねみたいな。
追い詰められる中での発見
確かに、私あの受験の時にそれ結構急に感度上がりましたね。
それこそ受験日、うちの受かった大学、
一つは落ちたんですけど、もう一つ受験した時に、
その真っ白いベッドを描きなさいっていう、
割と鬼な課題だったんですが。
やだなぁ、もう引くだけでやだもんなぁ。
やですよね。
でもそれこそ、黄色、青、赤みたいな、
緑とかすごくこういろんな色が見えて、
それを描いたら、なんかすごいいいのが描けてしまって、
なんか運も回ってるし、この大学がいいんだろうなって思いました。
すごい。
受験の日にそれが来るってすごいですね。
そうですね。
本番に強かった。
本番に強かった。
もう一個の、もうボロボロでしたけどね、絶対ボロでしたけど。
いやでもやっぱ、追い詰められて絵描くことっていうこと自体が、
一般的にあんまりない経験かもしれないですね。
確かに。
そうですね。
美大あるあるというか、美大受験あるある。
でもフルーピリオドも前半はそういう話ですからね。
そうですね。そこ、たぶんなんかね、デッサンの課題がすごいハードだっていうことは、
なんとなく知ってる人は多いと思うけど、
どういう気持ちで取り組んでるのかみたいなのはね。
みんな病んでますよ。
そうそうそう。