夕日の丘での出会い
夕焼けひとりきり始まりました。昭和。
二桁生まれのパーソナリティー、ミッキーロンリーがご案内します。昭和レトロ。
今は懐かしい思い出。明日の心配もせず駆け抜けた昭和の時代。温かく優しい昭和の情景。
心を思うままにお話しできればと思っています。
どうぞお付き合いください。今日は、夕焼け物語紅の章。
夕日の紅。人目に映る伝説の場所。約束の地とも言われる。
それは、あるため息の脇に削り取られた中に、崖とも言われるような
小高い丘があった。 そこは
夕方ともなると、夕日が真っ赤に燃えて、その地では
伝説として、当時の少年少女が 飛行機を飛ばしていた。
舞い上がる飛行機。 それは
風に舞いながら、どこまでも、どこまでも。
そしてその地に、今、
二人の少女が巡り合うことになる。 ゆずき、るか。
ほしな、つばさ。 クラスメットだ。
同じ小学校に通いながらも、 まだ
お互いに知っている程度で、 会話もろくにしたことがない。
つばさが。 彼女は
家族の中で
父親と母親の 関係に悩んでいた。とても
あの昔の家族で旅行していた時のような、その
仲の良かった家族は、今はもう、 感じることができない。
会話もなく。 一人部屋でベッドで伏せたり、机で泣いていることも多い。
自分はいつも、
学校の中でも浮いた存在。 目立ちすぎるのだ。そして今、この
約束の地で、自分が一人になりたく、紙飛行機を飛ばしていた。
唯一の、自分が忘れられるような時間だ。 そのつらさから解放される。
そんな、つばさを見つめる少女。
るかが、 そばで見ていた。
彼女は、施設の近くにある、この、
ため息の近くの約束の地とも言われる崖が、 実は近所でもあり、
幼い頃に少年さんに連れられて来られた場所でもあり、 時として訪れることがある。
るかは、 緊張気味に、
つばさに話しかける。 つばさちゃん?
つばさちゃんだよね。 どうしたの?
そんな、
クラスでは、 とても活発な、
元気の姿しか見せない、 つばさの表情を見ているるかは、
驚く。 少し、
泣いていたのだ。 つばさは、振り返り、るかに、
目をこすり、 あっ、
るかちゃん? そうだ、
彼女は、るかをいつも見ていたから、 知っていたのだ。
どうして? ここに、二人は、同時に、
話す。 あっ、お互いに口を押さえて、
どちらからとなく、
友情の成長
微笑む。 あれ?
つばさちゃん、笑っている。 るかは、指さして、微笑む。
るかも、普段おとなしいのだけれども、 その笑った顔は、つばさんにとっても、
新鮮だった。 いつも、
おとなしそうに、している。
懸命に、 教室で勉強している姿しか見れない。
あの子が、そんな思いだった。 飛行機、好きなんだね。
うん。 つばさは、答える。
るかちゃんも、そうなの? そうだよ。
だって、 自分の、
施設から、 お姉さんが、
キャビンアテンダントになった人がいるんだよ。
つばさは、驚く。 そうなの?
素敵。 るかは、自分のことのように、
誇らしげに語る。 つばさは、
ふっと、自分が家族がまだ仲良かった頃に、 北海道に旅行した時のことを思い出した。
そうだ。 あるキャビンアテンダントに、自分が話しかけて、
どうしたら、CAになれますか。 そして、
素敵なお姉さんが、自分と、 避難写真を撮ってくれたこと。
そして、 今もその写真を、
宝物にしていること。 そんなことを、
秘密の話だけれども、るかに話した。 うん、そうなの?
一度、その写真を見せてよ。 つばさも、
うん、お互いに、いつの間にか、 以前からの親友のように、
互いに、肩を並べて、約束の地の崖の上で、 体育座りしている。
つばさは、紙飛行機を、股を折って作っている。
そして、るかも、当然、紙飛行機がしている。 どうして?
そんなに上手いの? お姉さんが、教えてくれたんだ。
またね、 たまーになんだけども、正気の休みの時に、
また戻ってきてくれるかもしれない。 その時にまた、
つばさちゃんに紹介できるといいなぁ。 そんなことを、るかは思うのだった。
るかちゃん、ぜひ会わせて。 そんなことを、
つばさは言う。 いいね。じゃあ、約束よ。
互いの小指を出して。 指切りげんまん。
嘘ついたら、針千本。ノーマス。
二人は、にっと笑って。 互いに微笑むのだった。
話は変わります。 約束の地で、
るかとつばさが、より親密な関係になりつつあります。 そして、互いの共通のキーワードは、
つばさ。 そして、夢に、
CA、キャビンアテンなど、その姿が、 見えるかのようです。
これからのストーリーが楽しみです。 友情、
絆。 その二人は、いかに。
夕焼けひとりきりこのあたりでプレナイのショーを終わります。 お付き合いしていただき誠にありがとうございます。
次回の番組 お楽しみに