声の分析の導入
声を武器にするラジオへようこそ。このチャンネルでは、ボイストレーナー歴20年の声マニアの私が、声の分析をしたり、声の質問にお答えしたり、声に役立つ配信なんかをしております。
さて、本日は、いよいよこの方の声の分析です。おとつい、昨日と声の分析のさらなる深掘り回ということでお話しさせていただいておりました。
北村拓美さん、そして林優太さん、綾野剛さん、この3名が主演されている映画がありまして、その映画の舞台挨拶というか、インタビューの声の分析をさせていただいたんですね。
この映画が、愚か者の身分という映画なんですけど、この映画はみんな見ましょうということで、闇バイトをテーマにした映画で、ちょっともう一言でこんな映画ですって言えなくて、これは見ましょう。
その3人がですね、すごいんですよ。この3人揃って、ザ・ベストアクターアワード最優秀俳優賞というのを受賞されたんですよ。
3人揃ってっていうのは本当にすごい、初めてじゃないかっていうふうにおっしゃってたんですけど、それもあって、この3人を一気に声の分析させていただいて、Xの方で発表をしたんですね。
声のカルテ、みなさんの声カルテとそれぞれの声の分析のスクリーンショットを撮って、こんな感じの声なんですっていうのを要約したものをテキストでご紹介させていただいておりました。
それの反応をたくさんいただいてですね、やっぱりみなさんそれぞれ思うところもあったりすると思うんですけど、私が全然言い足りなくて、この分析結果いっぱい結構書きましたよ。
声カルテには結構みっちり書いてるんですけど、でも言い足りないなぁと思って、改めてこの音声で更なる声の分析についてお話しさせていただいているという、そんな感じの本日3人目ラストでございます。
ラストは綾野剛さん。綾野剛さんです。大きい声出ちゃった。綾野剛さんはですね、もう素敵でしょ?
素敵なんですよ。私は初めて綾野剛さんを見たのはドラマーなんですね。結構昔のやつです。その頃からなんだこの人の魅力はと思って、演技ももちろんそうですし、そもそもキャラクター自体もものすごい魅力的なキャラクターでもありましたけど、この人なんかすごいぞっていうのはその頃からずっと追ってたんですね。
かといってすべてすべて追っていたわけではないので、綾野剛さんファンからしたら、あなた全然まだまだ剛さんのこと知らないわって言われちゃうかもしれないんですけど、私は声マニアですので、この声という切り口からちょっと私なりに綾野剛さんの声の説明をさせていただこうかなと思います。
綾野剛さんはですね、結構喋り声低めなんですね。役柄によってはそうではない声も出されたりするんですけど、インタビューの時はかなり低音をメインで喋っていらして、普段はこれぐらいのトーンで喋るんだなというそんな印象でした。思ってたより低かった。音程的にもすごい低いところでなっているんですよね。
綾野剛さんの声をイメージしてもらうとわかるんですけど、低いんだけれどクリアに届く、通る声という感じかな。
低音の方ってやっぱりね、力強い感じがするので荒々しいイメージを持たれる方もいるかもしれないんですけど、実はそうではなくて、繊細な表現がちゃんと声に乗っている、そんな声をされています。
これはですね、綾野剛さんの声を聞いてもらえれば、そうだねっていうのがわかってもらえるんじゃないかなと思うんですけど、低い声ってこもりやすかったりするんですけど、そんなこともなくて。低いだけではなくて、中間音とか高めの響きもなっていたりするので、声のドレミファソとかの音程としての高さは低めなんですけど、
声の要素を見ると、低い音の中にも高い音が鳴っているという、これ何言ってんねんって感じだと思うんですけど、人の声というか自然界にある音って倍音っていうのがあるんですね。倍音っていうのはですね、元々の音、基音、基本の基に音と書いて基音って言うんですけど、基音っていう元の音があって、その上にいくつも音が実は重なっているんです。
1個の音はね、なんかブザー音みたいなすごい機械的な音で、バーっていう音が鳴ってて、このバーの上にバーバーバーバーバーバーバーっていう風に音が鳴ってて、それが一気にファンってなることで、アーっていう声に聞こえるという、そういう風に実は鳴っているんです。
なかなか倍音全部聞き取れる人間っていうのはなかなかいないんじゃないかなと思うんですけど、でも実はそういう風に声って分解すると、実は1個の音じゃないんですね。たくさんの倍音の重なりで1つの音が作られているという感じです。
で、あいのごうさんはこの低い音から中間音から高い音までフャーってなっていて、なんかそれもあって低い要素があるんだけれど、クリアに聞こえたり、こもらずに聞こえたりするんだなという、そういう感じでしたね。
あとね、しゃべり声自体は低音を司っている胸、胸空というんですけど、胸の空洞が良くなっているんですけどね、あいづち、うんうんそうなんだ、うんうんのこれ、あいづちでめっちゃ良くなるんです。
あいづちの時に良くなるのは鼻のところです。鼻の空洞と書いて鼻空なんですけど、鼻空と胸の胸空とが両方ともブワーとなるあいづちをされていて、うんうんってこう間にね、あいづちを入れてくださってたりするんですけど、このあいづちの声がまた良い。
めちゃくちゃいい響きだし、いい声なんです。声という認識じゃないかもしれないですけど、いやーいいんですよね。
インタビューなんでね、3人一気に答えていて、例えば北村拓実くんがこう回答しているところに対して、綾野郷さんがね、うんうんってこうあいづちで返事をしてたりするんですけど、
その時の波形を見ていても、良くなってらっしゃるから、綾野郷さんのあいづちのところの波形だけめっちゃ強い。
あいづちって、実際はそこまで響きをあまり拾わないことが、まあまあ人によりますけど、ある中で綾野郷さんのあいづちはものすごく良くなってました。
綾野郷さんのあいづちだ!みたいな感じで、私はちょっと一人でムフムフしておりました。
あとね、笑い声。笑い声がね、なんていうのかな、低音ですごい落ち着いた、色気のあるあの感じで喋っているので、どんな笑い声かだとイメージされます?
急にクイズ。あの喋り口で、あの色気で、どんな笑い方するのかなと思ったらね、もう結構豪快にアッハッハッハと笑っていて、この笑い声もまたね、良い響きで笑うんですよ。
基本的に笑う時って多くの方が、あんまり力まずに、いわゆるその実際にその方が本当に鳴らせる音と言ったらいいんですかね。
結構喋る時に喉声になっちゃったり、緊張で控えちゃったりして、あんまり大きい声出せないですっていう方もいらっしゃる中で、笑い声っていうのはお腹からの息がファッとこう自然に外に出てくるので、その人の持っているポテンシャルみたいなものをすごい表してくれるのが笑い声なんですけど、
綾野剛さんの笑い声はね、豪快で爽快で、いやーちょっと笑い声だけでもね、ピックアップして分析したいぐらい、笑い声もめちゃくちゃ良いです。
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で、その爽快で豪快な笑い声なのに喋り出すとまた色気出すっていう、もうこんなにこう振り回されたらもうそらーメロメロなるわっていう、アッハッハッハ
そういう感じです。 いやーね、綾野剛さんずるいわー、あの色気と。
でもちょっと可愛らしさもあったりして、チャーミング? 可愛らしさって言うとちょっとね、違うのかな、チャーミングな感じ?
ほんで、あんだけ低いところも、鼻腔の中間音もなーり、こもってない。
すごいね、すごいわ。 今回ね、3人ともインタビューの時の音声なので、演じている時の声とはまた違います。
演じている時とか歌っている時って、息の使い方とか声の使い方がまた違うので、今回はね、喋り声、インタビューの時の声の分析という形でやらせてもらったんですけど、
またね、いろんな形の声の分析をしたら、また更なる魅力が出てくるんじゃないかな、なんていうふうに思っております。
はい、ということで、3日にわたってお届けしてきました、声の分析のおかわり回でした。
楽しんでいただけましたでしょうか? まだね、まだまだもうちょっとわかりやすく説明できるようにならなきゃなとは思いつつなんですけれど、
でも、分析していてもすごい楽しかったですしね、なんかニヤニヤ、ムフムフしながら分析させていただきました。
次はどの方の声の分析をしようかな、ちょっとね、男性が続いているので、女性の声の分析もしたいな、なんて思っているんですけど、
次はこの方の声の分析して、みたいなのがあったら、ぜひ概要欄に質問フォームがありますので、そこからね、この方の声もいいからぜひ分析して、というオーダーをいただけたら嬉しく思います。
ありがとうございました。