みかんの栽培と選定の課題
この放送は、農業の常識を超越する、メタグリをキーワードに活動する、メタグリ研究所がお届けする、Metagri Voicesです。
みなさんこんにちは。月曜担当の富山みかんです。
Farmers Voices🍊みかん、第71回目の放送になります。よろしくお願いします。
ちょっと困ったことにですね、選定が終わっていません。
当初の計画では3月の中旬には終わる予定だったんですけれど、
このペースだと4月超えますね。どうしようかな。
この選定の時期もですね、諸説ありまして、従来だと冬と言いますか、
12月に収穫が終わって、1、2、3月ぐらいに選定しましょうっていうような流れがあります。
農研機構が出している、みかんが安定的に収穫、こうすれば収穫できますよというマニュアルの中では、
第2次政略化が終わった頃ですね、6月下旬に選定しましょうというふうに書いてあったりします。
それぞれ理屈はあるんですけれど、僕はやっぱり従来のやり方が理にかなっているかなと思って、
それは選定をするとサイトカイニンという植物ホルモンが活性化されるんですよね。
このサイトカイニンというのは、活性化すると枝葉が成長したり、あと花が分化、花芽がつくようになるので、
この休眠が終わって新しい芽が出る前に選定をするのが一番いいんじゃないかなと思って、
4月には芽が動き出すので、それまでは選定を終わらせたいなと思っていたんですけれど、
今年は縦穴を掘ってそこにソラタンを入れていたので、それにすごい時間をかけてしまって、
あと選定もですね、今年も片側丸坊主選定をやっているので、すごいたくさん枝を切っているので時間が非常にかかる。
切った枝もそのまま畑に置いていくわけにはいかないので、処分しないといけないので、
それを掛け集めて持ち運びできるように縛ったりしていたりすると時間がかかって、ちょっと遅れています。
最近はですね、日も長くなってきたので、仕事が終わってから1時間ぐらいは選定できるので、
ここからちょっとペースを上げて、4月までには終わらせるように頑張っていきたいなと思っています。
今世紀末の産地の変化
それでは今回のテーマに入りたいと思います。
今回のテーマは、「今世紀末にはみかんの産地が全滅?」というテーマでお送りしたいと思います。
ニュース部屋でも共有させてもらったのですが、農研機構が温州みかん・アボカド的地移動予測マップというものを作成しました。
これは、この先温暖化が進んでいくと温州みかんが栽培できなくなりますよと。
温州みかんが栽培できなくなる代わりに、その温州みかんの産地がアボカドの栽培の手口になるのではないかということで、
温州みかんからアボカドに生産を切り替えろというような話。切り替えろはちょっと言い過ぎですけどね。
そういったようなものになっています。
PDFをダウンロードしたので、始めにというところを読み上げますね。
果樹は気候への依存性が極めて高いため、温暖化の進行は果樹の栽培的地を移動させる可能性があります。
実際に温州みかん産地では日焼けや浮き川などの高温障害が増えつつあります。
また、採植してから30年程度は同じ木で栽培後を継続する必要があるために、産地ごとに将来の気候変化に合わせた長期的な生産計画を検討すべき時期に来ています。
一方、被害対策だけでなく気候変動がもたらす機会を浮かすことも重要です。
現在、亜熱帯果樹の栽培的地は、南西諸島や伊豆小笠原諸島などの島が中心ですが、今後、温州などに大きく広がる可能性があります。
亜熱帯果樹のうち、最も輸入量が多いアボカドは、日本で一定量が生産され、99.9%を輸入に依存している現状から脱却が期待されています。
そこで農研機構は、現在、今世紀始め1990年から2009年、今世紀半ば2040年から2059年、今世紀末2080年から2099年における温州みかんとアボカドの栽培であったアボカドの適地移動を予測し、詳細なマップを開発しました。
本マップでは、生産者の栽培計画や自治体による地域気候変動適応計画の検討・策定に活用できます。
ということです。 30年後を見据えてアボカドを生産しろってことですよね。
あ、そういえばですね、ピスタチオンさんと野上人さんのセミナーの懇親会で、富士の方が、富士じゃなかったら清水か、清水の方が来ていまして、その方が言う、あれ?富士だったかな?
富士市でアボカドを栽培する計画ができているらしくて、やっぱり静岡県内でもアボカドを生産しようとしているみたいですね。ちょっとまだこの辺では全然聞かないですけど。
またですね、現在の三地がみかんの栽培するのにちょっと難しい気候になったからといって、アボカドに簡単に栽培を変更できるかというと、そんな単純な話でもないですし、
これから逆にそのみかんに適した地域、今までは栽培が難しかったけど適した気候になる地域がみかんの産地になれるかというとまたそうでもないんですよね。
一農家さんだけではなく地域全体で取り組まないといけないことなので、今のみかんの産地というのは地域全体で取り組んでいるところなので、そんな簡単な話ではないです。
もしかしたらAIが発達して何かしらそういったことをクリアできちゃう可能性もあるかもしれませんけど。この世紀末だったらあり得ますね。
もちろん僕もみかんに人生懸けているので、みかんやめてアボカドを生産しようとは全く思っていないですし、もちろん温暖化というのは100%起こり得るものだと思って対策をしているので、今のところならなんとか対応できています。
これからもいろいろ情報を仕入れて気候変動対策をやっていくつもりなので、農研機構がこんなことを言っていても自分のやり方は変えないつもりです。
今回は以上になります。
今日もメタグリボーシリーズを最後までお聞きいただきありがとうございました。あなたと一緒に新しい農業の世界を創造する旅を続けていけることに感謝しています。
次回もお楽しみに。みんなみかん食べてね。牛乳飲んでね。バイバーイ。