#029|円山応挙|空間革命|大回顧展|江戸東京博物館|大乗寺|障壁画|アストルップ|創造する庭|日本初|回顧展|ムンク|北斎|夏至の祭火|東京ステーションギャラリー|ターナー展|崇高|ロスコ|エリアソン|テート美術館|国立西洋美術館|現代美術|展覧会
2026-11-05 21:03

#029|円山応挙|空間革命|大回顧展|江戸東京博物館|大乗寺|障壁画|アストルップ|創造する庭|日本初|回顧展|ムンク|北斎|夏至の祭火|東京ステーションギャラリー|ターナー展|崇高|ロスコ|エリアソン|テート美術館|国立西洋美術館|現代美術|展覧会

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毎朝のアートニュース MeeFM #029


テーマは「教科書の隣にいる名手たち」。まず、国立西洋美術館で開催中の「テート美術館 ターナー展」(油彩・水彩など80点超。「崇高」という感覚を、ロスコやオラファー・エリアソンら現代美術との対話で読み直す試み)。続いて、東京ステーションギャラリーで11月21日に開幕する「ニコライ・アストルップ 創造する庭」(ムンクの陰に隠れて100年、自国ノルウェーでは国民的画家だった人物の日本初回顧展。庭づくりと木版画、北斎からの影響、《夏至の祭火》、2021年のクラーク美術館での再評価)。最後に、江戸東京博物館で11月28日に開幕する円山応挙の大回顧展「リアルの先へ 空間革命」(「応挙寺」大乗寺の障壁画、視点と光の計算で部屋そのものを没入空間に変えた到達点は、まるで「18世紀のVR」)をめぐります。


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♪今日の1曲:チル


🎙 パーソナリティ:Yui × Kenta(+ノア)


■参照サイト

・美術展ナビ・特別展「円山応挙 リアルの先へ 空間革命」江戸東京博物館で11月28日から https://artexhibition.jp/topics/news/20261002-AEJ3011985/

・NHKプロモーション・特別展「円山応挙 リアルの先へ 空間革命」 https://nhk-groupmall.jp/blogs/read/topics_nps44

・euphoric-arts・円山応挙 リアルの先へ 空間革命 東京都江戸東京博物館 https://euphoric-arts.com/exhibition/maruyama-okyo-edo-tokyo-museum-2026/

・SPICE/dメニューニュース・円山応挙が手掛けた大乗寺障壁画が東京へ https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/spice/entertainment/spice-349472

・朝日新聞・円山応挙の描いた「虎図」はどこか不自然 https://www.asahi.com/articles/ASQ2K3R8RQ2GPLZB008.html?iref=pc_photo_gallery_breadcrumb

・The History of Art・円山応挙|写生から屏風、寺院の空間へ https://www.thehistoryofart.org/ja/maruyama-okyo/

・Wikipedia・円山応挙 http://ja.wikipedia.org/wiki/円山応挙

・NEWSjp・ノルウェーの自然描くニコライ・アストルップの展覧会が東京駅で https://news.jp/i/1488397790252073327

・美術展ナビ・東京ステーションギャラリー2027年展覧会スケジュール(アストルップ展の概要を含む) https://artexhibition.jp/topics/news/20261015-AEJ3019272/

・ちばスタイル・ニコライ・アストルップ展2026 https://chiba-style.com/event/20877/

・YuReL・日本初回顧展|ノルウェーの"庭の画家"アストルップ、木版画に北斎の影 https://yurel.jp/?p=6985

・みんなのアート・ニコライ・アストルップ 創造する庭 https://minnanoart.com/exhibitions/c5vwfxcyhsr

・産経ニュース・「アストルップ展」11月21日から東京ステーションギャラリーで開催 https://www.sankei.com/article/20261015-P43PRTWBBZDU5NEGCHMUKSB5VI/?outputType=theme_event

・Bvlgari Hotels・Nikolai Astrup: Poet of the Fjords(英語) https://www.bulgarihotels.com/en_US/tokyo/whats-on/article/tokyo/in-the-city/nikolai-astrup--poet-of-the-fjords

・Clark Art Institute・Nikolai Astrup: Visions of Norway(英語) https://www.clarkart.edu/exhibition/detail/nikolai-astrup

・KODE Bergen・Nikolai Astrup(英語) https://www.kodebergen.no/en/whats-happening/exhibitions/nikolai-astrup-V

・artdaily・Clark Art Institute introduces Nikolai Astrup(英語) https://artdaily.com/news/137922/Clark-Art-Institute-introduces-Nikolai-Astrup-to-audiences-in-first-ever-U-S--museum-exhibition

・The Eclectic Light Company・Nikolai Astrup: Dark Sunlight(英語) http://eclecticlight.co/2017/03/09/nikolai-astrup-dark-sunlight-3-1911-19/

・いろはめぐり/dメニューニュース・テート美術館 ターナー展、国立西洋美術館で開幕 https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/irohameguri/region/irohameguri-37454

・note・鑑賞メモ「テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話」 https://note.com/vast_abelia2067/n/nea0286d183aa

・BUSINESS INSIDER JAPAN/Yahoo!ニュース・国立西洋美術館でいよいよ開催「テート美術館 ターナー展」の見どころは? https://news.yahoo.co.jp/articles/cdbd6177624b34a9bfebad8d2ca4f740ccba4e18

・euphoric-arts・「テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話」国立西洋美術館 https://euphoric-arts.com/exhibition/turner-tate-nmwa-2026/


RVCモデル:あみたろの声素材工房(https://amitaro.net/)

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00:00
うわぁ。つまり、部屋を移動する時の視点の変化とか、時間帯による光の変化まで織り込んで作られた没入画とのインスタレーションだったんですね。
あ、なるほど。それは単なる絵画じゃないですね。
へぇ。
現代で言うところのVRヘッドセットを被る体験とか、部屋全体を使ったプロジェクションマッピングを、18世紀のテクノロジーとアナログな手法だけでやってのけたってことか。
M
さぁ、今日もアートの話題をじっくり読み解く時間がやって参りました。
まずは、のおさん、ちょっと面白い話があるんですよね。
はい、えーと、皆さんにちょっと想像してみて欲しいんですけど、最後に美しい山の風景画を見た時のことですね。
おぉ、集景画。
おそらく心が落ち着くとか、癒されるなって感じましたよね。
まぁ、そうですね。綺麗な景色を見たらほっとしますよね。
ですよね。でも実はもし皆さんが数百年前に生きていたとしたら、同じ絵を見てもリラックスなんて絶対できなかったはずなんです。
えぇ、なんでですか?
むしろ、恐怖で足がすくんでいたかもしれないんですよ。
えぇ、目あるすでいい?
大自然の風景を見て美しいと思えるのは、安全な場所にいる現代人の証拠なんですよね。昔の人にとって大自然はただ、恐ろしくて目を背けられないものだったんです。
ほぉ、コントロールできない巨大なものへの恐怖が、いつしか美しさに変わっていったと。
なんか面白いパラダイムシフトですね。
そうなんです。
さて、改めまして、ホストのケンです。
専門家のエミです。
レギュラーのノアです。
今日、私たちが徹底解剖するソースには、時代も場所も全く違う3つの話題が含まれているんですなぁ。
見出しをただ順番になぞるようなことはしません。
全ての話題を貫く、たった1つのテーマをここで発表します。
それは、圧倒的な自然の恐ろしさと身近な自然を育む愛おしさ、そして空間そのものを変えるイリュージョン。
アートは自然と空間にどう向き合ってきたか、です。
壮大ですね。
この1つの太い糸で、今日の話題を縫い合わせて深掘りしていきますよ。
では最初に取り上げるのは、まさに冒頭の恐ろしい自然を描いたイギリスの巨匠の話題ですね。
イギリスの巨匠と言うと?
10月24日から2027年2月21日まで、東京の国立西洋美術館で開催中の
帝都美術館ターナー展 数光の絵画 現代美術との対話という展覧会です。
ターナーですね。
イギリスの帝都美術館が誇る世界最大のコレクションから、油彩や水彩など80点以上が来日しているものすごく注目度の高い展覧会なんです。
イズナーの皆さんも、JMWターナーといえば、18世紀後半から19世紀にかけて活躍した光の画家としてご存知かもしれないですね。
03:00
はい、ハロー。
産業革命で社会が激変していく中で、荒れ狂う海とか大気、さらには蒸気とか埋塩まで移ろうゆく風景をダイナミックに描いたことで知られていますよね。
うー。
あの、もやっとした迫力のある絵ですよね。
でも、ここでちょっと引っかかるのが、展覧会のタイトルにもなっている「崇高」という言葉なんですけど。
崇高ですね。
日常的にはなんか、気高いみたいな意味で使いますけど、アートの世界だとちょっと違うニュアンスなんですか?
そうなんです。そこがこの展覧会を読み解く最大のキーワードでして。
崇高というのは、単なる美しさではないんですよ。違うんですか?
例えばケンさん、断崖絶壁の淵に立って舌を見下ろした時とか。
うわ、想像しただけで怖い。
あるいは、目の前で巨大な竜巻が迫ってくるのを見た時とか。ちっとり逃げますよ。
ですよね。自然って人間に対して残酷で無関心なので、その圧倒的な力に対して強烈な恐怖を感じるわけです。
確かに。
でもその恐怖が限界を超えると、なぜか目が離せなくなって、生き栄の念とか崇高な美へと昇華される。
その心理的なメカニズムが崇高という概念なんです。
なるほど。
安全な星にいるからこそを楽しめるホラー映画の感覚にちょっと近いかもしれないですね。
ああ、わかります。足がすくむと同時に引き付けられるっていうあの感覚がまさにそれです。
でもここで一つ素朴な疑問があるんですけど。
はい、なんでしょう?
今回のターナーデンって19世紀の風景絵画のお誕生日ですよね?
なのになぜオラファー・エリアソンとかマーク・ロス子みたいなバリバリの現代美術の作品を一緒に展示するんですか?
ああ、タイトルに現代美術との対話ってありましたね。
そうそう。正直に言うとこれって美術館側が若者向けを狙った単なる集客のためのギミックなんじゃないのって。
ちょっとオシャレに構えてみちゃうんですよ。
ああ、そう思われるのも無理はないですよね。
時代が全然違う作品を並べるとクラシックの展覧会を派手に見せるマーケティング戦略に見えがちですか。
でもこれは決して単なる客用さのギミックじゃないんです。
むしろ美術史の悲惨とも言える対応なんですよ。
悲惨ですか?
19世紀の風景画と現代アートがちょっとまだピンときてないんですが。
あの、ターナーが描いた輪郭線を持たない光や大気のモヤモヤした表現を思い浮かべてみてください。
はいはい、モヤモヤした感じ。
彼は単にそこに浮かんでいる船とかそこにある山を記録したかったわけじゃないんです。
そうなんですか。
彼は光がどう反射して空気がどう振動してそれが人間の網膜にどう映るかという人間の知覚の限界そのものをキャンパスに定着させようとしたんですよ。
ああ、なるほど。
物理的な物体としての船を描いたんじゃなくて、光が目に飛び込んでくる現象そのものを描いたってことか。
その通りです。
だからこそ、人間の知覚とか視覚体験そのものを揺さぶる現代のアーティストたちと、ターナーは完全に血筋なんですよね。
へえ、ひどいです。
マーク・ロスコの色彩の海に包まれる体験とか、オラファ・エリアソンが作り出す人工的な光と霧の空間ってありますよね。
06:06
はい、アルラフォ。どっちに言いせる?アルラ。
あれって、ターナーが19世紀にやろうとしていたことと時代を越えて同じ周波数で響き合っているんです。
実際に展覧会に行った方の鑑賞メモにも、すごく象徴的な言葉がありましたよ。
筋肉ってことですか?ターナーの絵の中の…
光に溶ける船を見た後では、現実世界の見え方まで変わってしまうかもしれない。
へえ、現実の見え方だわ。
はい。圧倒的な光の前に全てが霞んでいくメカニズムを体感すると、日常の風景すら違って見えてしまうそうなんです。
光に溶ける船…かは、対象物じゃなくて、見るっていう体験そのものを発掘していたわけですね。
そう言われると、現代アートのインスタレーションを体験するのと全く同じ感覚ですね。
へえ、ターナーは見ている自然のスキルが大きすぎて、人間の知覚そのものを問い直すところまで行っちゃったんですね。
いや、すごい。
そうですね。
ここで、今日の一曲をお楽しみください。今日はチルでお届けします。
ターナーが圧倒的で恐ろしい自然と向き合って、そのスケールに飲み込まれる体験を描いたのに対して、
次は全く違うアプローチで自然と関わった画家の話題に譲りましょうか。
お、金顔がふわえ。
11月21日から翌年1月31日まで、東京ステーションギャラリーで日本初となるニコライアストルップデーが開催されるんです。
ニコライアストルップ。
ちなみに11月20日までは1600円のお得の前売り券が買えるので、行く予定の方は要チェックですよ。
このニコライアストルップ、1880年から1928年まで生きた方なんですが、ノルウェーでは国民的な画家として非常に愛されているんです。
ノルウェーの国民的画家。
でも母国以外では驚くほど知られていなくて、2021年にアメリカのクラーク美術館で初の大規模展が開催されて、ようやく世界的な再評価が始まったばかりなんですよ。
さっきのターナーは自然を人間の手に負えない巨大なものとして描いてましたけど、アストルップはどう自然に向き寄ったんですか?
彼はですね、遠くから自然を観察するんじゃなくて、
09:00
自ら庭を作り、それを描いた画家なんです。
庭を作った。
ノルウェー西部のヨルステル湖畔にあるサンダルストランドっていうのを自費で購入しまして、
家族を養うために旧斜面にテラスを作って、ルバーブとかリンゴの木を植えて、自らの手で環境を切り開いていったんですよ。
ちょっと待ってください。自ら庭を作ってそれを描いたって聞くと、真っ先に思い込むのはモネのジベルニーの庭ですよね。
そうですね。
でも今、家族を養うためにって言いましたよね。
はい、言いました。
モネみたいに自分の理想の美しい絵を描くために計算し尽くした庭を作ったっていう、そういう美学的なアプローチとは違うんですか?
そこなんですよ。そこが私たちがこの展覧会で注目すべき、最も面白い対立点なんです。
ほう。モネの庭が美学的なコントロールの産物だとすれば、アストルップにとっての自然は生活の糧であり、生きるための共犯関係だったんです。
共犯関係。
彼はただ美しい風景を作りたかったわけじゃないんです。
泥臭い労働と厳しいノルウェーの冬を越えて春を迎えるっていう強烈な生命への喜びが根前一体となっていたんですよね。
なるほど。
その結果として、農地開発で姿を潔癖あったリュウキンカっていう地帯に咲く花を保護するなど、地域の植物層を守る初期の環境保護活動、つまりエコロジーの実践者にもなっていったんです。
根接対象じゃなくて土にまみれた共犯関係か。
でもそんな農作業のリアルを描いた絵が
どうしてそんなに世界的に評価されているんですか?
それは彼の作品が単なる農村の記録じゃなくて、魔術的リアリズムで描かれているからなんです。
魔術的リアリズム。
日常の農作業の風景に魔法みたいな要素が入ってくるってことですか?
そうです。
具体的にどんな絵なんですか?
例えば北欧の神話とかトロル、あとは異教の起源を持つゲシサイの焚火なんかが風景に溶け込んでいるんでしょう。
実は彼のお父さんは幻覚なルトア派の牧師でして、異教の風習であるゲシサイの焚火に参加することを固く禁じていたそうなんです。
宗教的な理由で。
だから幼いアストルップは遠くからその焚火を見つめて、炎がうねるように立ち上る要素を
ドラゴンのようだって感じていたんです。
抑圧された記憶が風景に魔術的なレイヤーを重ねたワークですね。
そうなんです。
大人になってから描いたゲシサイの絵にはうねる炎と一緒に踊る人々とか、
当時悪魔の楽器って言われていたハルタンゲルパイオリンを弾く男、
さらには豊穣を象徴する妊婦なんかが描き込まれているんです。
すごい濃密ですね。
日常の農園の風景に見えない精霊とか生命のエネルギーが
ぐにゃぐにゃーっと入り込んでいるような不思議な世界観なんですよ。
なるほど。生活のリアルと北欧特有の土着のファンタジーが同居しているんだ。
それはめちゃくちゃ面白いですね。
さらに彼の異常なまでの執念を感じるのがその制作メカニズムなんです。
12:02
メカニズム?
彼、パリへの留学時代に葛飾北斎なんかの日本の浮世絵に強い影響を受けていました。
それで複雑な多色ずり木版後の手法を確立したんです。
ふむふむ。驚くべきことに、彼は同じ構図の風景をまず油彩画で描いたかと思えば
今度はそれを木版画にして、さらにその版画の平面的で強烈な輪郭線から
インスピレーションを得てまた油彩を描くということを繰り返したんですよ。
え?絵の具と版画を行ったり来たりするんですか?
なんでまたそんな面倒なことを。
木版画って木の板を彫って、日本の浮世絵みたいに手でバレンを使って擦って色を乗せますよね。
えーそうですね。
その物理的な制約が色の面を平坦にして輪郭を際立たせるんです。
なるほど。
その版画特有のフラットな視覚効果を今度は筆を使った油彩画に逆輸入することで
彼独自の魔術的でクッキリとした風景が研ぎ澄まされていったんです。
手で土をいじって匂いを作るのと同じように手で紙を擦って物理的な抵抗を感じながら表現を磨き上げていったわけだ。
そうなんです。いやすごい執着ですね。
そういえば以前の放送でも現代人は手で土を触るような物理的な世界との繋がりを失っているっていうテーマをみんなで振り返って議論しましたよね。
やりましたね。
パストルップみたいに自分の手で環境を作って生活の延長線中で自然と関わることって今の私たちにもすごく響く視点だと思います。
本当にそう思います。
人間には自分が毎日触れ合っている小さな自然を誰かに見せたいとか共有したいっていう根本的な欲求があるんだと思うんですよね。
うんうん。
実はこの番組のチームが作っている言語交換アプリのモシリンでも
そんな日常のリアルを通じたコミュニケーションをすごく大切にしているんですよ。
面白いですね。
いろんな機能がありますけど今日はどの機能につながるお話ですか?
ズバリ写真投稿機能です。
写真投稿コラ。はい。
アストラップが自分が手入れした庭のルバーブとかリンゴの木を描いたように
皆さんも自分が家で育てている蟹用植物とか近所で見つけた小さな自然の写真をモシリンに投稿してみて欲しいんです。
あーいいですね。
そうすると世界中のネイティブスピーカーから
私の国にはない珍しい植物だとか
これ私の国の料理に使うよなんてコメントがついたりして
えーそこから会話が生まれるんだ。
語学の勉強として身構えるより自分の好きな身近な自然をシェアするだけで
そこから自然に言語交換が始まって世界とつながれるんですよ。
自分が育てている小さな庭の風景が異文化交流の入り口になるなんてすごく素敵ですよね。
本当ですね。
さて自然の巨大なスケールに圧倒されたターナー
自分の手で土を耕して自然と共生したアストルックときました。
はい。
でも自然を絵の中に閉じ込めるだけでは飽きたらず
15:01
自然も要素を使って空間そのものを変革してしまった男もいるんですよね。
それが最後のお題ですね。
そうです。11月28日から東京都江戸東京博物館で開催される特別展
丸山王居リアルの先へ空間革命です。
丸山王居?
18世紀の江戸時代中期に活躍した丸山王居の新骨頂ともいえる
兵庫県の大祥寺の障壁画などが東京にやってくるんですよ。
王居といえばあの足のない幽霊を描いた最初の画家とも言われていますよね。
ああ幽霊画の?
うん。西洋の遠近法を取り入れて日本美術における究極のリアリズムを追求したことで有名ですよね。
でもちょっと待ってくださいよ。空間革命って言葉いくら飲んでも大げさに聞こえませんか?
確かに写実的で立体的な絵を描いたのはわかりますよ。
でも襖とか壁にリアルな松とか鳥を描いただけですよね。
空間そのものをハックしたなんてこれ展覧会のPR用の誇張表現なんじゃないですか?
いやいや私も最初にその言葉を聞いた時はそう思ったんですけど
王居がやったことのメカニズムを知るとこれが決して大げさじゃないってことがわかるんです。
ほんとですか?
王居はパトロンからの依頼で描いた大定寺の障壁があって
単なる部屋を飾るための綺麗な絵ではなかったんですよ。
じゃあなんだったんですか?
彼はその部屋に足を踏み入れた人間の感覚を完全に錯覚させるように
数ミリ単位で計算し尽くして空間をデザインしたんです。
錯覚させる。ただリアルな絵を描くのとは違うってことですか?
全然違います。ちょっと想像してみてください。
計算は大定寺の客間に通されて畳の上に座りますよね?
はい座りました。
王居は畳に座った人間の視線の高さを完全に計算して
パースペクティブつまり遠近法の消費点を設定しているんです。
えー座る高さまで計算して?
そうなんです。さらに恐ろしいのは光の計算なんです。
光の計算?
現実の庭から差し込む自然光が襖の金箔にどう反射するか。
朝の光、昼の光、夕方の光で部屋の明るさがどう変わるかまで
頭の中でシミュレーションしていたんです。
マジですか?
例えば右側の松と左側の松が杖になる構図で描かれているんですけど
杖になる構図ですね?
はい。実際の自然光が金箔に当たって襖反射することで平面だったはずの巣前から
松の木が奥行きを持って三次元に浮かび上がってくるんですよ。
うわぁ、つまり部屋を移動する時の視点の変化とか
時間帯による光の変化まで織り込んで作られた
没入型のインスタレーションだったんですね。
なるほど。それは単なる絵画じゃないですね。
現代で言うところのVRヘッドセットを被る体験とか
部屋全体を使ったプロジェクションマッピングを
18世紀のテクノロジーとアナログな手法だけでやってのけたってことが
噂の…それは間違いなく空間革命ですね。疑ってすみませんでした。
18:01
ターナーとアストルップがキャンバスっていう枠の中で自然と対峙したのに対して
王家は建築空間と絵画、そして実際の自然光を一体化させることで
内と外の境界線を曖昧にしてしまったんですよね。
はぁ…。
自然そのものを計算し尽くされた仮想空間として
部屋の中に出現させて人間を没入させる魔法をかけたんです。
いやぁ…今日は本当に濃密な旅でしたね。
そうですね。
ターナーは嵐とか光っていうコントロール不可能な自然のスケールを描いて
人間の知覚を揺さぶって崇高な恐怖を提示した。
イェイ。
そしてアストルップは泥臭く土を耕して自然との共生を通じて
生活に根差した魔術的な庭を作り上げた。
はい。
さらに丸山王居は視点と光を計算し尽くして
自然をVRのような没入空間として部屋の中に出現させた。
他との繋がりを成したのは
時代も場所も全く違う3つの視点から
人間がどれほど多様な形で自然と格闘して
関係を結んできたかが見えてきました。
本当ですね。
アートの裏側にある画家の執念とか
どうやってその表現にたどり着いたかっていうメカニズムを知ると
作品の見え方が全然違ってきますよね。
確かに。
あ、そういえば
姉妹番組の美術を面白く学ぶ
ME!FM!学芸員の事件簿でも
過去にモネがどうやってあの風景のを描いたのか
歴史の事件と絡めた驚きのエピソードを
取り上げている回があるんです。
ありましたね。
今日の話を楽しんでくださった方は
ぜひそちらも探して聞いてみてくださいね。
はい。
今日紹介した3つの展覧会
近くを発掘されるような恐怖と崇高の空間
泥臭くも愛おしい手作りの庭
そして江戸時代のアナログVR空間
リスナーのあなたなら
どの自然の中に一番飛び込んでみたいですか?
それぞれが掲示する現実世界の見え方が変わってしまう体験
どれも本当に魅力的ですよね。
みなさんがどの展覧会に惹かれたか
あるいは自分は自然の中で
こんな圧倒的な体験をしたこともあるよ
なんていうエピソードがあれば
ぜひSpotifyのコメント欄から
今日の感想を教えてください。
次はこんな格の展覧会を取り上げてほしい
っていうリクエストもお待ちしていますよ。
お待ちしてます。
それでは今日のアートの旅はこの辺で
また次回の配信でお会いしましょう。
ホストのケント
1000万回目を見たレギュラーのノアでした。
21:03

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