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【朗読】灰皿・5
2026-05-03 09:28

【朗読】灰皿・5

【GW特別企画🍀配信者自己満足的朗読配信8days】

🌷5日目🌷

『ちょっとくらい間違えても噛んでも詰まっても、私が楽しいからぶっちぎっちゃう的朗読』配信
*編集の関係でお聴き苦しい点あります、ごめんなさい💦

諸事情(著作権の関係)により、スタエフURL限定公開になります。
配信当日は全公開、翌日からURL限定になります。
聴き逃がしたらURLを問い合わせてね✨

4/29㈬〜5/6㈬の全8回
毎日朝〜配信。

ちょっと奇抜でちょっと笑えて。
でも最後にちょっとだけ
心がじ~んとあたたかくなってくれたらいいな。
そんなお話です。

感想

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00:06
一度だけの訪問だと思っていましたが、 板崎さんはそれからもやってきました。
週に一度、多い時は3度ほど。 一日中部屋で何かを書いているのは退屈なのでしょうか。
それにしても、こんなおばあちゃんのところへやってくるなんて、 彼女にはお友達がいないのかしらと、いらない心配までしてしまいそうでした。
ある日、彼女はまた、羊羹を食べながら、 初めて自分の小説の話をしてくれました。
以前から聞きたかったのですが、ご本人が言い出すまでは、 こちらから聞くのは失礼なような気がしたのです。
私、小説なんて書いたの初めてだったの。 それが、しょうとっちゃうんだもんね。びっくりだわ。
でも、ご立派よ。 よほど才能が終わりだったんだわ。
そんなことないわよ。 だいたい、小女作って辞伝みたいなものを書いちゃうんだって。
それで、大概のこと書き尽くしちゃって、 あとは書けなくなるのよ。
あの人は、どんなものを書いたのだろうかと、ふと思いました。
大抵の人が辞伝的なものを最初に書くのなら、 あの人が最初に書いたのも、そんなふうなことだったのでしょうか。
私は、紛らしの手触りを思い浮かべながら、 彼女が羊羹を食べる様を眺めました。
章を取ったのだって、まぐれよ。 ちょっと過激なことに飢えてたんじゃない?
過激なこと?
そう、文学的なものじゃなくて、 なんていうか、みんながちょっと驚くようなこと。
どんなことをお書きになったの? 知らないの?
ごめんなさい。 ご入居者さんのこと、あれこれ調べるのはおいやかと思って。
変わってる。 私、テレビにだって出てるし有名よ。知ってると思ってた。
ごめんなさい。 なんていう語法なの?
私がうんこを食べるまで。
え?聞こえなかった?
私がうんこを食べるまでよ。
神様、キルスト教なの?
違います。心臓がドキドキと言いました。 顔が耳まで赤くなるのもわかりました。
この人は何を言ってるのかしら。
冗談にしてはぞがすぎるし、失礼だとも思いました。
03:03
あの、本当なの?
本当よ。言ったでしょ。過激なものを求めてたんだって。
板崎さんは羊羹を食べた後、 いつものように指をぺろりとなめました。
ねえ、かまたさん、まだ驚いてるの?
もう大丈夫です。
あの、それってどんなお話?犬のお話?
違うわ。言ったでしょ。
最初は自伝的な話を書くんだって。
私がある人のうんこを食べるようになるまでの話よ。
ある人の?
自分のじゃないのね。犬?
ああ、スカトロって知ってる?
聞いたことあるわ。キューバの…
それはカストロよ。
みんな間違えるのね。スカトロ。
相手のうんこを食べたり、おしっこ飲んだり、 あとは飲ませたり、食べさせたりすること。
また神様?キリスト教じゃないんでしょ?
私は気持ちを落ち着かせようと立ち上がって、 新しい羊羹を切りました。
板崎さんはもう3つ目を平らげていましたし、
第一、私が少しでもその場に座っていられなかったのです。
あなたの今の気持ち、わかるわ。
もう聞きたくないのね。
でも途中でやめちゃったら、 あなた私のことただの変態だと思うでしょ?
もしかしたら家から追い出しちゃうかもしれない。
だから聞いてほしいの。
家から追い出したりなんてしませんよ。
ただちょっと待ってください。
相手の排泄物を食べる?
私はできるだけ自分を見失わないように、 毅然とした態度を貫こうと、
新しい羊羹を持って板崎さんの前に座りました。
もしかしたら彼女は私のことを からかっているのかもしれません。
落ち着いた?
あの、私はいたってノーマルよ。
セックスだって正常位が好きだし、 うんこなんて自分の見るのも嫌。
私はとっさに向こうの部屋を見ました。
扉は閉まっていますが、
どうかあの人が私たちの話を聞いていませんように、 そう思いました。
でもね、好きになった人がそういう性癖だったの。
私、その人のこと大好きだったの。
顔も性格も体も。
06:00
でもある時、その人が私に、
自分のうんこを食べてほしい。 僕も君のを食べるからって、
そんなことを言ってきたの。
あなたならどうする?
私?私に聞いてるの?
あなた以外、誰がいるの?
あのね、かまたさんはその人のこと、 うーんとうーんと好きなの。
心の底から愛しちゃってるの。
その人がうんこ食べてって言ってきたら、どうする?
待って、想像できないわ、そんな。
秋文。
えっ、じゃあ秋文さんがそう言ったら、
やめてください!
自分でも驚くほどの大声でした。
板崎さんはびっくりと体を震わせ、 しばらく私を見ていましたが、
四つ目の洋館をそのままにして立ち上がりました。
ごめんね、それこそ刺激が強すぎたわね。
いいえ、私こそ大声出したりなんかして、ごめんなさいね。
あの、あなたの作品なのに。
いいのよ、慣れてるもの。
あのね、本当に家を追い出さない?
私あの家大好きなの。
追い出さないわ。
ただあの、もしかして家で…
口に出すのもはばかられました。
私たちのあの家で彼女はもし…
そう思うと背筋がゾーッとしました。
大丈夫よ、あの家でそんなことしないわ。
言ったでしょ、私ノーマルなの。
でもあなたの恋人が…
振られたの。
ショーを取ってすぐ。
彼女はそう言うと、くるりときびすを返して玄関に向かいました。
もう来なくなるかもしれない、そう思いました。
でも私は彼女に何も声をかけることができませんでした。
板崎さんはかかとの高いブーツを履いて扉を開け、思い出したように振り返りました。
タバコも家の中じゃ吸ってないわよ。
それから板崎さんはやっぱり私の家にちっとも来なくなりました。
まったく変わった体験でした。
弟やメイにそのことを話そうと思いましたが恥ずかしくてどうしても口にできませんでした。
09:08
ただ彼らの方が板崎さんの載った雑誌や新聞を見つけてきては
変わった人だね、問題を起こさなきゃいいけど、なんて無責任なことを言うのでした。
09:28

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