今回も、オーストラリアの生徒たちと日本語を共に学んだときの楽しいエピソードをお送りいたします。キーワードは「家」と「いいえ」です。


さらに、このエピソードを通して、外国語を学ぶと言う事は、原理的にどういうことなのかということについても語っています。そして、どうしたらもっと外国語の学習を楽しむことができるかについてもお話しさせていただいています。どうぞお楽しみに。


Once again, we would like to share with you a fun episode from our time studying Japanese together with Australian students. The keywords are "ie" and "iie".


Furthermore, through this episode, I talk about what it means in principle to learn a foreign language. We also talk about how you can enjoy learning a foreign language more. I hope you will enjoy it.

サマリー

オーストラリアの子供たちが、言語を楽しく学ぶ方法について話しました。母国語と外国語の違いを学びながら、発音の区別が難しい間違いを通じて経験を積む必要があるということが紹介されました。

00:06
学び楽しくラジオ
みなさん、こんにちは。Nonaka Tsunehiroです。お元気ですか?
今日もオーストラリアのブリスベンから、日本語教育を通じて体験した楽しいエピソードを、575の俳句形式でお届けします。どうぞお楽しみに!
今回の学び楽しくは、こちらです。
さて、いかがだったでしょうか?
いえといいえの発音の区別
日本語を勉強するオーストラリアの子供たちにとって、「いえ」と、「いいえ」の発音は区別が難しいようです。
先日、家族の単元で、関連の単語の中に、「いえ」があったわけですが、それを教えた後に、生徒たちに、「いえってどういう意味だっけ?」と確認で聞いたところ、「no」と言ってきたのです。
はじめは聞こえなかったのかなと思ったりしたのですが、実際は私の言った、「いえ」を、「いいえ」だと思って、「no」と言ったのでした。
もちろん、「いえ」と、「いいえ」の区別を教えるのですが、それでも一旦覚えてしまった情報は、頭の中で強力なパワーを持っていて、似たような情報も遮断してしまうこともあるようです。
家族の単元で、関連の単語の中に、「家」があったわけですが、その時には、生徒たちに教えた後に、「家はどういう意味だっけ?」と確認で、「いえってどういう意味だっけ?」と聞いて、意味が合わなければならないことになったと考えました。
家学び いいえと混乱生徒たち
家学びいいえと混乱生徒たち
しかしようやくいいえはノーで 家はハウスだと理解しても次のような問題が起きたりします
ある生徒がこんなことを言ってきたのです 私はいいえ家です
私はいいえ家です 初めは何を言っているのかわからなかったのですがどうやら冗談で私には家がありません
ということを言いたかったようなのです つまりその生徒はいいえをノー
家をハウスと覚えたので英語のノーハウスを いいえハウスと訳してしまったようなのです
こうした間違いは母国語と外国語がそもそも異なった言語のスキーマから成り立っていることを示しています
簡単に言ったら母国語と外国語は全く違った仕組みでできているので 母国語のやり方を外国語にそのまま応用してはいけないということですね
しかしこうした言語の仕組みの違いは教師が生徒に一方的に教えて変えられるものではありません
外国語のスキーマは生徒が失敗したり混乱したりしながら自分で作り上げていくしかないのです
以前私はこうした言語の違いは教師がしっかり教えれば子どもは理解して使えるようになるものだと
脳天気に思っていたのですが実際はそうではなくこの学習プロセスは子どもたちが様々な葛藤や混乱や間違いを通じて
新しいスキーマを作り上げていく根気のいるプロセスであるということがわかってきたのです
どうしたら子どもたちがこうしたストレスを伴うプロセスを通過できるかそこに大きな課題があるわけです
特にわからなかったらすぐに諦める傾向のある子どもにとっては外国語の学習は地獄以外の何ものでもありません
しかしようやく家はノーで家はハウスだと理解しても次のような問題が起きたりします
ある生徒がこんなことを言ってきたのです私はいいえ家です私はいいえ家です
初めは何を言ってるのかわからなかったのですがどうやら冗談で私には家がありませんということを言いたかったようなのです
つまりその生徒はいいえをノー家をハウスと覚えたので英語のノーハウスをいいえハウスと訳してしまったようなのです
こうした間違いは母国語と外国語はそもそも異なった言語のスキーマから成り立っていることを示しています
母国語と外国語の違い
簡単に言ったら母国語と外国語は全く違った仕組みでできているので母国語のやり方を外国語にそのまま応用してはいけないということですね
しかしこうした言語の仕組みの違いは教師が生徒に一方的に教えて変えられるものではありません
外国語のスキーマは生徒が失敗したり混乱したりしながら自分で作り上げていくしかないのです
以前私はこうした言語の違いは教師がしっかり教えれば子供は理解して使えるようになるものだと能天気に思っていたのですが
実際はそうではなくこの学習プロセスは子供たちが様々な葛藤や混乱や間違いを通じて新しいスキーマを作り上げていく根気のいるプロセスであるということが分かってきたのです
どうしたら子供たちがこうしたストレスを伴うプロセスを通過できるか
そこに大きな課題があるわけです
特に分からなかったらすぐに諦める傾向のある子供にとっては外国語の学習は地獄以外の何物でもありません
しかし私は希望を失っていません
実は子供たちは日常の学習プロセスです
私たちは日常の学習プロセスであるかどうかを考えることで
結果的に自分の学習プロセスを教えることができるのです
このような学習プロセスは子供たちが色んな混乱や間違いを通じて新しいスキーマを作ることであることができるのです
しかし私は希望を失っていません。実は子どもたちは日常的に自分の中に生じた葛藤や混乱を乗り越えてゴールを達成する営みを行っているからです。それはゲームです。
子どもたちは新しいゲームに触れるたびに失敗したり混乱したり葛藤を体験したりしていますが、子どもたちはそれを乗り越えてゲームを楽しんでいます。
したがって、私は外国語学習の一つの課題の一つは、いかにゲームの考え方を応用して子どもたちが楽しく言語を学ぶ経験を積み重ねることにあると思っています。楽しさは力なのです。
その結果、子どもたちがイエとイイエの違いが分かったときの喜びはひとしようなのです。
いえいえ、区別がついてイエーイかな。
イエーイ!
今回のエピソードはいかがだったでしょうか。
外国語のカッコイイゲームを学習してみたところ、いかにゲームの考え方を応用して子どもたちが楽しく言語を学ぶ経験を積み重ねることにあると思っています。楽しさは力なのです。
いえいえ、区別がついてイエーイかな。
さあ、今回のエピソードはいかがだったでしょうか。
外国語の学習は自分の中に母国語とは違う新しい体系的な仕組みを作らなければならないので、実は骨の折れる根気のいる作業であるわけですが、
だからこそ仲間と共に楽しく学ぶ経験を積み重ねていくことが必要になってくるわけです。
外国語はAIに任せればいいじゃないかということを言う人がいますが、
AIにすべてを任せしまったら、外国語学習の楽しいプロセスや達成の喜びを体験できず、非常に残念だと思います。
皆さんはどのようにお考えになりますか?
それでは今回もお聞きくださいまして、どうもありがとうございました。また次回お会いできることを楽しみにしております。
ありがじゅっぴき、ありがとう。野中恒弘でした。
13:52

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