1. 舞い降りた天使【朗読版】くらうさ
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『舞い降りた天使』#4➖①朗読版
2026-10-16 25:03

『舞い降りた天使』#4➖①朗読版

家事、子育て、仕事に追われ、自分を見失いかけた主婦・徳永真穂。

夫との関係、娘の不登校、そして職場の年下の同僚・栗原との出会い。

恋と家族の絆を通して、一人の女性が少しずつ自分自身を取り戻していく、大人の女性のための恋愛ヒューマンドラマです。

人生に疲れた一人の女性が、もう一度、自分の人生を生きようとする物語。

彼女を救ってくれた『天使』は、思いもよらない人物だった……


『舞い降りた天使』は、「官能小説コンテスト」ノミネート作品。
(大人のケータイ官能小説運営事務局主催)


本番組では、作品をより多くの方に楽しんでいただけるよう、一部の表現を調整した朗読版をお届けします。

朗読版ではお届けしていないシーンを含む完全版は、携帯官能小説サイトにてお楽しみいただけます。


『無料で読める大人のケータイ携帯官能小説』

https://kanno-novel.jp/viewstory/index/16146/?guid=ON


noteでは、朗読版と同じ一部の表現を調整したものをお読みいただけます。

https://note.com/kurausa/m/m35c235159478


どうぞ最後までお楽しみください。

ぜひ、朗読版と完全版、それぞれの形で『舞い降りた天使』の世界をお楽しみください。


noteでは、朗読版と同じ一部の表現を調整したものをお読みいただけます。

な

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朗読……夏川葉子

イメージング……もりもり

録音・編集……たりお

演出……有馬 優美子

音響制作……Moon Magic


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著作権について

本作品および朗読音源は、著作権法によって保護されています。

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00:08
第四章 朗読 夏川陽子
涙が落ち着いた徳永さんが、俺の入れたハーブティーを飲み始めると、 徳永さんは少しずつ自分の近況を話してくれた。
どうやら、旦那の両親も自分の両親も近くにはいなくて、 桜ちゃんを誰にも預けることなく育ててきたらしい。
身内が近くにいないのは大変だよな。 その上、旦那は仕事が忙しくて、桜ちゃんの面倒は全て徳永さんが一人でやっているらしい。
仕事だって大変そうなのに。 そういえばさ、俺27歳なんだけど、徳永さんって何歳? 俺の姉ちゃんより年下だとは思うんだけど。
35。お姉さんより年上かな。 徳永さんはそう言いながら、また手をぎゅっと握った。
あ、はずれ。姉ちゃんは37。 徳永さんの方が年下だな。 ああ、俺いつの間にか敬語を使えなくなってた。気になる?
姉ちゃんと話している感覚なのか、それとも仕事以外のことでは、 なんとなく俺がリードしているからなのか。
なんだか徳永さんも年上と思えない俺は、いつの間にか敬語を使わなくなってしまっていた。
気にならないからそのままがいいな。その方が話しやすい。
ならよかった。あ、それと、今さらだけど自己紹介するよ。
えっとまずは、転職してここに引っ越してきたのは、姉ちゃんのことが心配になったから。
正確に言うと、姉ちゃんじゃなくて、姉ちゃんの息子のことなんだけど、 老いっ子のことが心配でさ。
それで思い切って近くに越してきたんだ。 それと、あ、恋人はいなくて。
いないの?
いないよ?いそう?
うん、モテそう。
なんで?
えっと、あ、あれだ。俺よーく言われるんだよな。
え、徳永さんはようやく緊張が取れてきたのか、 俺が見たことのないリラックスした表情を見せた。
ハーブティーとか飲んで女子力高いとか、 エグボーがあるから優しそうだとか、男にモテそうとか。
03:06
確かに、そうかも。
あ、もしかしたら男と付き合ってるんじゃないかって思ってなかった?
そこまでは思ってないけど、話しながらこっそりと 徳永さんを観察すると色々気づくことがある。
例えば、徳永さん、仕事中はしっかりしてて すごく頼りになるんだけど、
普段はふんわりしてる人だなーとか、 あんまりお化粧していないんだなーとか、
それから、表情はあどけなくて、 優しさがあふれてる感じだなーとか。
そもそもさ、俺がハーブティーに詳しいのは 姉ちゃんの治療のために勉強したからなんだけど、
それだけで女子力高いって言われるのは やっぱりエクボのせいかな。
けど俺、ほんとはロールキャベツだから。
ロールキャベツ?
男じゃなくて女が好きだし、 装飾系に見えてほんとは肉食系ってこと?
そ、そうなの?
というか、そういう人のこと ロールキャベツって言うの?
そう、俺ほんと普通の男なんだぜ。 女の子好きだよ。
例えば、せっかくマニュキュア塗ってきたのに、 恥ずかしそうにグーして隠しちゃう子とかかわいいなーって思うし。
すると、徳永さんはまた手をしっかりと握りしめた。
なんで隠すの?爪、かわいいのに。
あ、いや全然。ちょっと塗ってみただけでそんな。
焦る徳永さんをからかうのは楽しい。
綺麗じゃん。
でもさ、何も塗ってなくても素敵だと思うよ。
そんなことないよ。手が荒れてて恥ずかしい。
そう言いながら、 徳永さんは手を背中に回して隠そうとした。
恥ずかしがることないよ。 頑張って家事やってんだなーって思うし、それが素敵だなーって。
俺は、徳永さんの隠そうとする手を握り、 ツヤツヤした爪じゃなくて、少しカサついた場所を指でなぞった。
栗原君。
徳永さん、頑張ってるよな。 けどさ、無理すんなよな。
私はそんな。みんなはもっと。
それ。それがダメなんだ。
姉ちゃんもそう言って、どんどん自分を苦しめてた。
06:04
みんなはみんな。 徳永さんは徳永さんでいいんじゃない。
みんなも案外いい加減でやってると思うよ。
そう。そう言われても認められないんだよな。
うん。いいよ。今はそれでも。
これから少しずつ肩の力を抜いていけば。
あれ、徳永さん。
顔赤いね。
徳永さんは俺に手を震えられるのが恥ずかしいのか、 黙ったまま少し顔を赤くしていた。
え、あ、やだ。
手とか触られるの久しぶり?
何言ってんだよ俺。
そうかな。
年上なのに、視線外してもっと顔を赤くするとか、ほんと可愛い。
じゃあ、キスとかどうなんだろう。
やってないのかな、旦那と。
してないよな。
そんな仲なら、徳永さんが苦しむはずないし。
じゃあ、レス。
突然そんなことに興味の湧いた俺は、 久しぶりにムラムラするという言葉を心の中でつぶやいていた。
するとその時、徳永さんは、 もういい?って言いながら、
俺の手の中からスルリと手を抜き取った。
あ、ごめん。
ううん、徳永さんは人妻。
そんなことはわかってるし、そもそも妙な気持ちから声をかけたわけでもない。
けどなぜか、徳永さんと関わっていると距離を縮めたくなってしまう俺がいた。
そうだ、徳永さん。
さくらちゃんの話聞かせてよ。
さっちゃんの話?
さっちゃんって呼んでるんだ。
俺もそう呼んでいい?
あ、うん。
いいよ。
俺はそんなことを話しながら、 徳永さんを二人掛けのソファに座らせ、
さりげなく俺も徳永さんの隣に腰をかけた。
俺のソファはコンパクトだから、 一緒に座るのを遠慮してたんだけど。
さっちゃんってどんな子?
あ、えっと…。
俺が隣に座ると、徳永さんは少し目を泳がせながらも、 俺の質問に答えようと話を続けた。
09:06
人見知りなの。あんまり前に出るタイプじゃなくて。
そうなんだ。人見知りっていいよね。
え?
徳永さん、さっちゃんの友達に謝ったことないでしょ。
あ、うん。どちらかっていうと謝られてばかり。
人見知りはさ、よーく人を見てるってことだからすごくいいんだよ。
空気を察する。みんなの行動を見て学ぶ力もある。
そういう子は大人のこともよーく見てる。
でも誰かに人見知りを批判されたことがあるんだろう。
徳永さんは複雑な表情を浮かべた。
KYのほうがいい?
そういうわけじゃ。
人見知りなとこ、端緒だと思ってる?
徳永さんはちょっと唇を噛んだ後で苦笑いを浮かべた。
唇を噛む癖があるみたいだ。
その唇に塗られている唇の色は薄く、ナチュラルな感じが可愛らしい。
端緒だとしても。
それは長緒だよ。端緒は長緒なんだ。
徳永さんは俺を見つめたまま黙っていた。
たぶん考え事をしてて実際は俺を見てはいないんだろう。
でも俺はそのなんとも言えない徳永さんの表情に、そしてその力のない唇に見入ってしまっていた。
そういえば俺、しばらくキスしてないな、なんて思いながら。
もしかして人見知りが長緒だって今まで言われたことなかった?
徳永さんは我に返ったようにハッとした顔でうなずき、またちょっと唇を噛んだ。
心配しなくていいよ。そのうち誰かに褒められる時が来る。
さっちゃんはよく気が付くねって。
そう言われる時が来るよ。絶対。だから大丈夫。
そう言うと、徳永さんの目はみるみる涙で潤み始めた。
ありがとう。私、栗原君にほんと癒されてる。もっと癒されたい。
12:10
え?
もっともっと癒したいと思う。
大丈夫だよと抱きしめて、その涙を拭って唇を重ねたいとさえ思ってるんだ。
徳永さんを見てると、隙間を全部埋めてあげたいと思ってしまうのはなぜなんだろう。
もし旦那に埋めてもらえないところまでも全部埋めてもいいとしたら、俺たちはどうなってしまうんだろう。
そんなことを思いながら、俺は癒されると言ってくれた徳永さんの頭を優しく引き寄せ、そっと俺の胸の中にしまい込んだ。
そう、また勝手に。
でも、徳永さんの抵抗はなかった。だから俺は、徳永さんの背中に手を回してゆっくりと背中をさすってあげたんだ。
じゃあ教えて。
徳永さんが思うさっちゃんの長所。徳永さんはしばらく考えた後、俺の胸に顔を埋めたまま小さな声で話し始めた。
毎日学校に楽しそうに行くところ。すごいね。
あと、誰とでも仲良くするところ。
誰とでも?
そう、少し障害があるお友達とも普通に仲良くするから、その子の隣の席になることが多いの。
担任の先生にありがとうって言われたことがある。
すごいじゃん。
すごくないの。本人は普通にしてるだけで。
普通にそういうことをするのがすごいんだよ。
徳永さんがいいお母さんだからだな。
相変わらず、いいお母さんというフレーズに徳永さんは拒否感を抱くみたいで、そこで会話が止まってしまった。
徳永さん、そういうのを他の人に話せないだろ?
さっちゃんが褒められたこととか自判まだしとか。
俺にはじゃんじゃん教えてよ。俺聞きたいから。
すると、徳永さんは俺に抱きしめられたまま顔を上げて俺を見つめた。
15:02
いいの?
なんだよそれ。
褒め遣いで、そんな甘えた顔で。
いいよ。面白くないのに。
面白くないって誰が決めたの?
そんなに見つめるなよ。
なあ、徳永さん。俺、今、徳永さんにキスしたい。
俺は興味あるし面白いよ。本当にそう思ってる。
徳永さんはその言葉を聞いてほっとしたのか、ふんわりとした笑顔を見せた。
ありがとう。
じゃあ、そのお礼にキスしてもいい?旦那とキスしてないだろ?
いいよ。徳永さんはしたくない?俺とキス。
やばい。奪いたい。奪いたくてたまらない。
そう思ったその時、徳永さんが俺の胸を軽く押し、熱くなっている俺に優しく拒絶を伝えた。
まるで俺の心が透けて見えたかのように。
そして徳永さんは、
さっちゃんに会いたくなっちゃったな。
と、俺が傷つかないように気を使いながら甘いムードを壊した。
当たり前だ。俺がどうかしてる。
そもそも俺は徳永さんを助けたかっただけ。
徳永さんとさっちゃんが笑顔になって夫婦円満になってくれたらと思っていただけなのに。
何やってんだよ俺。
冷静を取り戻した俺は、徳永さんの背中を撫でていた手をぐっと握りしめ、自分の悪の欲求を握りつぶした。
そして徳永さんに笑顔で伝えたんだ。
じゃあ早くお迎えに行ってあげなくちゃ。
本当はもう少し一緒にいたかったけど。
早くお迎えに行ったら、さっちゃん驚くだろうな。
18:03
やっぱいいお母さんだよな。
そうだ、ここでマニキュア落としてもいい?
うんいいよ。けどもう落としちゃうの?
うん。
もったいない。
うーん、でもいいの。
そこで徳永さんの顔色が少し曇った。
どうした?旦那さんに何か言われる?
ううん、何も。というか、塗ってもパパは気づかないかも。
旦那は気づかないとか。
そんなこと言うなよ。我慢してるのにまた優しくしたくなる。
じゃあなんで落とすの?
徳永さんは少し唇を噛んで、訳を話すかどうか迷ってるみたいだった。
もしかして、電話の先生。
ズボシのようで、徳永さんは黙ってしまった。
今さ、お母さんってマニキュア塗ってたらダメなの?
そ、そうじゃないよ。塗ってるお母さんたくさんいるから。
じゃあ、でも私はダメなお母さんだから。
そんなことしてたらまた何か言われそうで。
え、何それ。
いいのいいの。何でもないの。私が勝手にそう思ってるだけで、何か言われたわけでもなくて。
ごめん、変なこと言って。忘れて。
そう言うと、徳永さんは今までの会話を切り上げ、マニキュアを落とし始めた。
ダメなお母さんなんて誰が決めたんだよ。
うん、私もそう思うし。
ダメだなんて誰が言ったんだよ。
本当にダメな親がどういうもんか知ってんのかよ。
いいお母さんじゃん。ダメなお母さんっていうのは子供を放っておく親のことだよ。
子育てが正解か不正解かなんてことじゃなくて、子供のこと気にかけたり心配する。
そういうことがもういいお母さんなんだって。
あ、ごめん。ちょっと熱くなっちゃった。
ううん。そう言ってもらって嬉しいよ。
ありがとう。でも、自信がないの。失敗ばっかりしてる。
21:03
そっか。俺はそれを失敗だとは思わないけどな。
優しいね。
本当のことを言ってるだけ。さ、準備できたなら言ってあげなよ。さっちゃん驚かせないと。
うん。それから徳永さんは俺とまた会う約束をして帰っていった。
昼休みに会うのは俺の部屋で、何か話したいときはいつでも。けど、昼休み以外に会うのはさっちゃんの七言の時間くらいだろうな。
俺はもっと二人きりで会いたいけど。
徳永さんが帰って部屋が静かになると、俺はなんだか落ち着かなくて、冷蔵庫からビールを取り出してゴクゴクと喉を鳴らした。
こんな明るい時間に飲むのは珍しい。だけど、なんだか飲まずにはいられなかったんだ。
それは多分、今日の自分に自分が追いついていけてないから。
だっておかしいだろ。いつからだよ。
俺は自分に問いかけながらビールを飲み干し、ベッドに寝転んだ。
天ぷら屋に行くまでは、徳永さんを助けてあげたいと素直に思ってた。
けど、徳永さんと話しているうちに、なんだかもうたまらなくなって、徳永さんを抱きしめて。
いや、たまらないというのは助けたいって意味で、それなのに抱きしめてたらその、もっと抱きしめたいって気持ちになってて。
そ、そうだ。同情だ。多分、それでそんな気持ちに。
いや、いやいやいや、そうじゃない。じゃあなんでキスしたいとか思ったんだよ。
リアルにちょっと徳永さんを抱きたいとも思っていたじゃないか。
年上だぞ。人妻だぞ。お母さんだぞ。
そんな人と付き合ったことなんて今までなかったじゃないか。
じゃあ、ただの欲求不満なのか?
いやいやいや、確かに前の彼女と別れてからしばらく経つけど、それとはやっぱり違うような気がする。
あの安堵感。俺が包んでいるのに包まれているような居心地のいい感覚。
癒すつもりが癒されているような、甘えて欲しいのに甘えたくなるような、甘えさせてもらっているような、あの感じ。
24:14
そっか。そうだよな。やっぱり俺が、徳永さんに癒されてたんだ。ずっと癒されたいと思ってた。
だから俺は、どうしよう。俺、徳永さんのこと、やっぱ好きになってる。
君が泣かない。
25:03

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