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ご当地ソング捜索隊ポッドキャスト、お番です。
この配信は日本のどこかを描いた歌い曲と、 その場所にまつわる話をお届けしていきます。
お相手は私、MC ワタンドです。 よろしくお願いいたします。
さあ、今回紹介する曲は村下光三さんの 松山行きフェリーという曲です。
この曲は松山行きという風に入っているんですけれども、
松山に行くやつなんで、舞台は広島なんです。
広島から愛媛県松山市まで行くという感じですね。
どうやらこの今ある松山行きフェリーは、 広島港を出発して、
呉港を経由して松山に向かう路線というところなので、 瀬戸内を渡って遠くに行ってしまうという船ですね。
船から出てくるというところもありますので、 まさに別れの歌というところにもなっています。
四国に帰っちゃうんでしょうね。
めちゃめちゃ未練ありそうな感じの雰囲気もあるんだけど、 忘れてほしいと訴えたりもするような中、
爽やかな曲調で、切ない気持ちと爽やかな瀬戸内の潮風と、 そんなところを感じさせてくれる曲です。
この船の別れというのもいいですよね。
ザ別れだなと僕思うんですよ。
学生の頃、北海道に帰る先輩を仙台港で見送ったんですよ。
夜の23時台とかにフェリーが出るんですよね。
フェリーの看板に先輩が立っていて、
声もなんか言ってるくらい聞こえるけど、 セリフの内容はわからないくらい遠くなんだけど、
お互い手を振って、ぼーっと暗闇の太平洋に向かって船が出てくるという中で、
船が見えなくなるまで見送っていたなという気がします。
この船の別れというのが、他の交通手段の別れと一線を隠すんですよ。
例えば、新幹線とかだったら、ホームまで行ったとしたら直前までお話ししてて、
バシャってしまって、ぺーって行っちゃって、 はい、おしまいって感じじゃないですか。
実際ははい、おしまいって感じじゃないけど。
飛行機とかにしても、東城口のところで、 じゃあねって言って別れて、
東城口の奥行ったらもう見えなくなるよね。
バスとかでもそうかな。
他の別れって結構、ここでおしまいっていうのが結構明確なのかなと思うんですよね。
一方で船の別れっていうのは、
看板で見え続けて、かつ船のスピードから考えると、
なかなか、いなくならないと言うと変だけど、
時間がかかるんですよね。完全に見えなくなるまで。
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それが非常に余韻があるというか、
じわじわ離れていくっていうのがね、
徐々に訴えてかけてくるなっていうのが思います。
そこの別れに時間がかかるっていうところと、
海を隔てるっていうところがでかいなと思うんですよ。
電車とか飛行機とか、
地続きだし、施設の中間があるんだけど、
船の港で見送ると、ぼーっといなくなって、
残ったのはもう海。
それだけ、もう隔てられたなっていう。
もうこの向こうに行っちゃったんだなっていうのを、
すごい感じるんですよね。
古来からね、別れの手段というか、
昔からの交通手段というと船だと思うんですよね。
馬に乗ったりとかあるけど、
遠くに行くというと船だったのかなと思うと、
かつ船でどっか行っちゃうっていうのは、
結構根性の別れっていうのも多かったんじゃないかなと思うんですよね、
昔は。
その気持ちだけはね、
いろんな交通手段が発達してきた今でも、
船の別れっていうのは、
1000年、2000年前と同じ別れの気持ちを味わってんだなっていう風に感じるので、
海の雄大さも含めて、
連綿と受け継がれてきた切なさを感じられる別れだなという風に思います。
船の別れソング、いいのがいっぱいあるかなと思いますので、
ぜひぜひ探してみてもらえたらなと思います。
そんなわけで、
港が隔てる強い別れの気持ち、
ぜひ感じ取ってくれればなという風に思います。
見ていただきましょう。
村下航造、松山行きフェリー。