心的資本の重要性
へー、それから、社会資本。
友人関係とかネットワーク。
はいはい。
あとはもちろん、金融資本。つまり、お金や資産。
ですね。
ええ。さらに配信では、人が持っている時間も資本なんだと、まあ時間資本と呼んで、これを他の資本にどう投資していくかみたいな話もありました。
でも、今日のその世紀の大発見かも。
っていう本題はここからなんです。配信者は、これらに加えて、いやむしろこれらのもっと深い基盤として、これまで誰もちゃんと言ってこなかったもう一つの決定的に重要な資本があるんだと主張してるんですね。
それが、配信者が心的資本、心の資本と呼んでいるものですね。
うーん、心的資本。具体的にはそれはどういうものなんでしょう。なんかこう、幸福のOSみたいな感じですか?
ああ、まさにそんなイメージに近いかもしれないですね。配信者の説明によれば、これは主にその幼少期ですね、特に母親とか、まあ養育者との安定した関係性の中で育まれるものだと。
内的な安定感とか、人とうまくやっていく能力の本当に根本になる部分。良い内的対象関係とも言ってましたね。つまり、自分の中に安定したポジティブな人間関係のイメージを持てているかみたいな。
なるほど、なるほど。ということは、スキルとかお金、人的資本や金融資本が仮にちょっと少なくても、この心的資本、言ってみれば愛される力とか健全に甘えられる力みたいなものが豊かだと、自然と周りの人から好かれたり助けてもらえたりして、つまり社会資本を築きやすくなって、結果的に幸福につながりやすいと。いやー、この指摘はちょっと目から鱗が落ちる感じがしますね。
そうなんです。逆に、この心的資本が乏しい状態でスタートしてしまうと、その後の人生で、例えばスキルを身につけたり、人的資本、あるいは信頼できる人間関係を築いたり、社会資本をしようとしても、なんかこう見えない壁にぶつかりやすいと。人を心から信頼できなかったり、どうも関係が長続きしないとか、その背景にこの問題が存在している可能性があるわけですね。
そしてここがまた非常に示唆に富むというか、でも人によってはちょっと耳の痛い指摘かもしれないんですが、その心的資本が足りないっていう人に対して物質的な援助、例えばお金とか物を与えること、つまり金融資本を投入することでその不足を埋め合わせようとしても、それは効果がないどころか、むしろ本人の依存心みたいなものを強めてしまって、事態を悪化させる可能性すらあるという点。
- 配信者自身の弟さんの例も確か挙げてましたよね。
- ええ、それは非常に重要な視点だと思います。
配信者は金融資本から心的資本への直接的な変換というのは、ほぼ不可能だと考えているようですね。
最新のゲーム機とかスマホとかを与えても、それによって心の安定とか人を信じる力っていうのは直接的には育たないと。
- うーん、そうか。
罪悪感と優しさの違い
- むしろ、そういう利害関係のない純粋な人との繋がり、質の高い社会資本とでも言いますか、そういう中で心地よい関係性を繰り返し体験することによって、
好転的に、少しずつですけど育まれていく可能性はあるかもしれないとは示唆していました。
アドラー心理学でいう共同体感覚の話にもちょっと近いかもしれないですね。
- なるほど、その心地よい関係性というところで、もう一つ配信者がご自身の経験を振り返って深く掘り下げていたのが、優しさと罪悪感の違いという話でしたね。
相手を心配しているつもりが、いつの間にかこの人を見捨てたら自分が悪い人間のように思えてしまうという、その罪悪感から来る義務感みたいなものにすり替わっていないかと。
- そうですね、その罪悪感ベースの関わり方というのは結局、相手の自立を妨げるだけじゃなくて、実は援助している側の自分自身の心的資本もすり減らしてしまうんじゃないかという非常に鋭い自己分析でした。
一見優しさに見えてもその動機が罪悪感だったりすると、お互いにとってあまり健全ではない結果を招きかねないということですね。
- ということは、今日のこの配信内容から浮かび上がってくるのは、私たちの幸福感とか人生の成功みたいなものには、心的資本という目には見えないけれども非常に重要な土台があって、
しかもそれはお金や物では簡単には増やせない、非常にデリケートなものなんだということですね。
いや、これは本当にもしかしたら正規の大発見と言われるだけの重要な視点かもしれないですね。
- 本当に考えさせられる内容でした。
最後にこれを聞いてくださっているあなたにちょっと問いかけてみたいと思うんですが、
あなたご自身の心的資本というのは、これまでどのように育まれてきたというふうに感じますか?
そして今日の話をヒントにしていただいて、あなたの日々の人との関わりの中で、何があなたやあるいは相手の方の心的資本を本当に豊かにしていて、
何がもしかしたら良かれを思ってやっていることでも、実はそれを損なってしまっている可能性があるのか?
ちょっと立ち止まって考えてみるのはいかがでしょうか?
