TALENT TALK。才能が見つかれば、仕事も人生もうまくいく。この番組では、一人一人に秘められた才能を見つけ、その才能を生かして、自分らしい仕事や人生を作っていくためのヒントを発信していきます。
こんにちは、パーソナリティを務めます株式会社タレント代表の高鎮子と佐野隆史です。
野村 同じくパーソナリティを務めます音声プロデューサーの野村隆史です。TALENT TALKシーズン2第44回です。よろしくお願いします。
前回は中途採用の方に活躍してもらうにはというテーマでお話ししてきましたね。
野村 そうですね。やっぱりでも、新しく入ってきていただいた方々が、本当に早期離職にならないというのがまず第一条件だと思いますし、そしてその人が楽しく働いて長くいてくれる、そして活躍してくれるためにやって考えたときに、間違いなく上司のサポートって必須だし、でも意外とそこはおろそかにしがちだから、ちゃんと考えなきゃなっていうのを考えさせられますし、上司のサポートにはいろんな種類があるんだなというのを最後の議論でね、お話しさせていただきましたね。
そうですね。いやもう今、この2020年代の世界はもう一昔前と決定的に違うのは人手不足ですからね。
野村 そうなんです。
だからやっぱりご縁があった方は一人残らず組織に馴染んでいただくっていうのがもう企業の責任になっていると思いますね。
野村 そうですね。やっぱり人的資本経営という言葉が生まれて、そしてそれが当たり前になって、この活躍が当たり前、組織のためには個人に対して投資をしていこうという考え方になっているのはもうその流れもあるのかなというふうに感じますよね。
そうですね。ではでは今日のテーマを教えてもらってもいいですか?
本日は組織内での情報が俗人化せずに広がりやすくなるためにはというテーマです。
これもね、語れますよこのテーマは。いいテーマいいテーマ。
ありがとうございます。俗人化ってどうですか?なんか気にされますか?もしくは俗人化してしまった時どうしますか?
これはね、すごい面白くて、もう結構これ1時間喋れる話なんですけど。
そんな話せるテーマですか?
はい話せるテーマ。まず私がやっている仕事って、編集者、プロデューサーというのが、いわゆるプロフェッショナルとしての職業なんですけど、その仕事ってめっちゃ俗人化するんですよ。
なんでかっていうと、結構人脈に紐づいた仕事で、編集者もプロデューサーも。だから例えばなんですけど、ある出版社にいた編集者が、その他の出版社に移籍するじゃないですか。
移籍すると、その編集者と仲がいい著者の方もみんな他の編集者から本が出るんですよね。もちろんちょっと厳密に言うとグレーな部分もあるんですけど、連絡先とかも全部その向こうに行くんで。
だから組織の中にはそのナレッジが残んないみたいなことが結構平気で起きるんですよ。逆に言うと個人からするとポータブルっていうかスキルがポータブルなんですよね。持ち運びしやすいっていう感じ。
で、一方で今私はそのちっちゃい会社を運営する立場として、その俗人化をどういうふうにして抑えるかっていうことを頭を使ってるわけなんですよね。
で、やっぱりなかなかまだそれぞれのメンバーの方が独自で取ってきた人脈っていうのがそこまで多くないんで、そういったことは起きてはないんですけど、この先その会社が成長してくると、いろんなメディア企業が直面したそういった壁に絶対ぶつかるだろうなと思って。
はい。
ここすごい微妙な話で、情報ぐらいだったらまだ向こうに行っちゃったかみたいな話になるんですけど、クライアント企業さんとかがまるっと行っちゃうとちょっとなみたいなことはあったりするんですよね。
すごいもどかしい気持ちで、いろんな感情が生まれてきそうです。
そうそう、いろんな感情が生まれてくると思うんですよ。自分の心に多分黒いものが生まれてくるだろうなって感じもしていて、そうなっちゃったんですよ。まだその幸いにもそんな事例は一個もないんですけど。
はいはいはい。
だからどうなんだろうな、どこまでは自由にやってくださいっていう風にして、とはいえどっから先は線を引こうよみたいな話。
これはだからひょっとしたらいる間は別にそんなことやる必要がなくて、じゃあ別の道に行きましょうっていう風になった時に、つまり相手が辞めるっていう風になった時に、こっから先はこれは会社であったことなんで、残していってねみたいな風にやるべきなのかなとかね、そんなことをぐるぐる考えたりはしますね。
あのよく独立される時に、それって税理士事務所とか会計事務所とかでよくあり得ることを僕はよくお話し聞いたりするんですけど、お客様が固定でついたりするじゃないですか。
そうですね。
で、業務委託にして手数料でちょうどいい中間地点を見つけるみたいな画期作をしてる会社さんはすごい多いなってイメージがあって、
なるほど。
要は30%ぐらいのそのマージンは会社に支払っていただいて、70%ぐらいでクライアントさん引き継ぐっていうことでも進めてくださいっていうので、お互いに整理しましょうっていうケースもあるし、
最初に入る時に取り決めしといて、もうそれがない前提でこれ今回うちの会社入ってもらうことでいいですかって確認取ってから入ってもらって、
まあそれしょうがないよねって言ってもう完全にクライアントを持っていかないでもらうっていう形もあるし、結局期待値の擦り合わせなのかなと思ってて。
そうですよね。
最初にどういう設定をしてるかなのかなって思ったりしますよね。
確かにそうですね。本当はもうお互い気持ちよく別れた方がいいんで、そういう時は。
そうなんですよね。長期的に見たらなるべくお互いが嫌なことをしないようにするっていうのが一番で、その中でディスカッションして決めるっていうのが一番いい気がしてて、
無理に強引に自分の要望でクライアント引っ張っちゃうとか、そういうことしちゃうと多分人間関係が悪くなるんで、なんかそういうような感じなのかなと思いましたが、
今日は組織内での情報自体が俗人化せずに広がりやすくなるようにやったことなんですけど、
例えばですけど、具体的なノウハウがなかなかちゃんと人から人に伝わっていかないとか、プロフェッショナルからプロフェッショナルに伝わっていかなくて、周りの人たちが育たないとか、
ずっとそこで情報が留まってしまって、ノーションとかマニュアルとかに落とし込まれずにそのまま人に依存してしまってる、みたいな状態のことをここで指すのかなと思うんですけれども、
今回ご紹介したい論文が、研究開発組織における知識提供と内発的モチベーションっていうものなんですけども、
これは北陸先端科学技術大学院大学っていうところの堀江さんはじめ何名かの研究者たちが出した論文なんですが、
簡単に言うとですね、研究開発組織の中で働いている人たちがどんな状態になると組織内での情報共有が円滑にされるようになるのかっていうものを調査したもので、
398人対象で、そこの中の研究開発従事者で大抵35歳くらいの方々対象にした研究なんですけど、結構面白い結果がありまして、
結論ですね、内発的モチベーションっていうふうに、要は積極的にこれ楽しいからやるんだっていうような状態が高まっていくと、
俗人化がされずに積極的に情報共有が進んでいくっていうことが示されたもので。
そうなんですか。そういう話だったんですか。
そういう話だったんですよね。
へえそうなんですか。面白いですね。
はいはい。
内発的同期付けは自立性だけじゃなくて有能さと関係性、この3つが揃って上がっていくっていう話もあったので、
はい。
内発的同期付けをちゃんと分解したことなかったなと思いまして。
うんうんうん。
で、説明するとですね、有能さは自分の環境や活動にちゃんと効果的に活躍できてるっていう状態。
はい。
要はちゃんと自分が効果を出してるなっていう感覚を感じている状態で、関係性は支援して支援されるという信頼関係がある状態を示してるんですけど、
なるほど、なるほどね、はいはい。
確かに支援して信頼される人間関係とか信頼関係だったら貢献しようって思いますよ。
そうですね。内発的同期付けを高めるためにはまずは自己決定ができる状態であると。
それからその人がちゃんと自分として活躍している実感があるっていう状態ですね。
そして最後は、これは上司かもしれないし同僚かもしれないんですけど、支援し支援される関係性がちゃんと作れてるっていう、その3つってことですね。
そういうことですね。
大事ですね、いずれも。
でもこれ3つとも解決策あるなと思ってまして。
はいはいはい。
会社さんざん研修内容とかいろいろ考えてきてるんですけど、
あの研修内容これ適用させたら内発的同期付けもっと上がるんだとか、
改めてこれ今回整理されたなっていう論文でした。
そうですね。
結構気になるのは、ここから先雑談なんですけど、
職種によってやりやすいやりにくいとかあんのかなとかは気になりましたね。
その変数はあるでしょうね。
なんかわかんないですけど、見込みのお客さんの数が限られていて、
営業パーソンがたくさんいるみたいな状態だと、基本取り合いになるじゃないですか。
そうですね。
しかも営業成績で評価が比較されるみたいな世界だと取り合いになるから、
その時にこれが働くのかとか。
でもそれで言うと多分、内発的同期付けの関係性を悪くしているビジネスモデルだからじゃないですか。
そういうことですね。
そこを手を入れなきゃいけないってことですかね。
そうです。競争意識を持たせると促進化してしまうかもしれないっていうことですよね。
そういうことですね。
なるほどね。面白いですね。
競争意識を持たせないと勝てない領域もありますからね。
そうですね。
面白い。ビジネスモデルとの関係性とかが出てきて、工夫する余地がすごいたくさんありますね。
今野村さんがおっしゃったような状態もあると思いますし、
それこそ出版業界だったりとか、広告業界だったりとか、
1クライアントに1担当者がしっかりとくっついて並走していくモデルに関してはかなり難しいというか、
独占欲とかも働いてきたりするじゃないですか。
独立精神が高い方とかがね、その俗人性を共有せずに自分だけを強くしていって抜けていくみたいなものもあったりするので。
そうなんですよね。
まあ、編集者もその傾向あるし、特にその傾向強いのは記者は結構この傾向は強くて、
まあ基本的にこれはそのいろんな意味があるんですけど、自分が独占したいかっていう意味だけではないんですけど、
ネタ元を隠すんですよね基本的には。
だからどうやってこの記事を書いたんですかっていう風に同僚ですらわからないみたいなことが起きるんですよね。
そうですよね。面白いネタはやっぱりなかなかたくさん落ちてるものじゃないから独占するしかないですからね。
もちろんドキツイことを言ってくれた取材源を守るっていう意味もあるんですけど、
結構そこのカルチャーはやっぱり種種ごとにあるんだろうなっていうのは思いましたね。
確かに。そういう変数は俗人性を排除できない要因になったりすると思うので、
今回はたまたまこの研究開発系の組織だったから、こういうことがわかったっていう傾向があったのかなと思ったりするので、
研究だったらそこまで独占しなくてもいいのかもしれないのか、この業界のことはあんまり詳しくないんですけど。
でも結構私がこの話聞いて面白かったのは、私が結構この俗人性を排除するソリューションとして考えていたのは、
俗人性を排除して、つまりその個人がいろんな人に情報を共有した方がその人にとってもいいよっていう状態を作るっていうのが私が考えたソリューションだったんですよ。
例えばなんですけど、超簡単なところで言うと、マニュアル作ったら評価するみたいな話ですね。
あなた自身が成果を上げるってことだけじゃなくて、みんなで成果を上げれるようにした行動に対してちゃんと評価するっていうのは、
俗人性を排除して情報共有することのインセンティブがあるっていう感じじゃないですか。
そっちをパッと考えたんですけど、今日の話はもっと面白いなと思って。
もちろんインセンティブでそういうふうに促すってこともできるのかもしれないけど、それは論文には書いてないですけどね。
それよりももうちょっと仕事に対する前向きな状態っていうんですかね。
それを作った方が効くっていうのが結構今日の論文で感じたことですね。
確かに、でも前向きな状態があるからリスクよりも楽しさを取れるようになるのかもしれないなと思いましたね。
でもその時に沼田さんのおっしゃる通り、僕もそこ関係してたんだって結構新しい発見で。
そう結構面白いですねこれ。
毎回こうやって論文持ってこさせてもらってるんですけれども、論文を読むたびに新しい視点がたくさん生まれて、
こういうことかもしれないっていう発見と、そして新しいソリューションが生まれていく。
やっぱりその原理がわかれば新しいソリューションとやり方が生まれてくるっていうのは面白いなと思っていまして、
改めて組織でどうやってモチベーションが上がるんだろうとか、自分の会社でも実験してみたいなというふうに思いましたね。
そうですね。
はい。
いやいや、これは近々クロニクルも考えなきゃいけないことだなというふうに今思ってますね。
タレントでも日々工夫していきたいなと思いました。
そうですね。
はい、ということで今日のテーマは組織内での情報が俗人化せずに広がりやすくなるにはというテーマでしたね。
はい。
研究開発組織はどうなんでしょうね。私は研究開発組織にはいたことないんですけど、
でもなんとなくやっぱり専門性が高いから全体でシェアするっていうよりも個人にとじるインセンティブが生じちゃうのかなとも思ったんですよね。
うーん。
で、その中で俗人化しないためにはやっぱり内発的同期付けが必要っていう話なのかなと解釈しました。
そうですね。その中でもやっぱりその内発的同期付けって重要ですし、研究者たちが楽しいっていう状態が結果的にでもやっぱり共有したいっていうことになってきたりとか。
そうですね。
あとは大丈夫だっていう信頼関係があるからっていうのもありますよね。
そうですね。この人はなんか横取りとかしないだろうみたいなそういう話ですね。
そういうことですよね。
はい。ということで面白いお話でした。
では続きは次回いきたいと思います。
タレントーク。才能が見つかれば仕事も人生もうまくいく。
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