価値観の優先順位
プロジェクトデザインルーム第25回 社会的金融教育家の田内学さんをゲストにお招きしております。
パート3ということですか。よろしくお願いします。 いろんな情報が詰まっている本なんですけれども、僕もここに書いてあるクイズというか質問を自分の家族というか
13歳の中学1年生の息子に1個したいみたいですよ。これが非常にシンプルな問いで、お金、愛、仲間、どれがどういう優先度で大事ですかって聞いてみました。
昨日の夜電話して聞いてみました。したら、1位がお金でした。結構なんか30秒くらい考えて帰ってきた感じだったんで、そうかと。なんで、幸せになるためには生きていかなければいけないと。
そもそも死んだら幸せになれないと。生きるためにはお金が必要だから、そういう風なロジックで考えるとお金だと。
まずベースがそこだと。2番目は愛かなみたいな。えーとかつって。そこはあんまり追求しなかったんですけど、そんなこと言ってたりとか。
あとはこの勉強できてるのって誰のおかげですかみたいな。こんな問いもあったんで、同じ投げかけてみたんですけども。
うちも私立に通ってるっていうのもあるんですけど、お金出してくれてるから親かなみたいな。
で、その他におらぬかと。一応ちょっとそこで終わらせてもよかったんですけど、突っ込んでみたら、先生かな。
お、すごい。
そこはなかなか。
すぐ帰ってきました?
帰ってきました。っていうのがあって。結構これがね、本の中で言うと、結構それも発見だったなというか。
勉強できてるのって、そもそも先生がいないと成り立たないよねみたいなところに、いや効率だったとしても税金かなとか、そういうような回答する人が多いっていうのは、
考えもしなかったけど、でもそうか、そういう人多いんだみたいな実感はちょっとあってですね。そういうもんですか傾向として。
やっぱり世の中で、学校とかで聞くと、今の質問で言うと、はじめに親、しばらく考えて国とか、国民とか、納税者とかって言う。
しばらくしてからようやく先生とか。
一番身近にいる人ですけどね、なかなか考えようとするとそういうのが後に出てくるっていうのはなんかね、不思議というか。
やっぱりお金によって支えられてるっていう意識が強いので。
ちなみにね、お金、愛、仲間の優先度は、中学生ぐらいだと仲間が多いんですよね。仲間、お金、愛。
現代版アリとキリギリス
友達づけ楽しい時期ですもんね。
高校生ぐらいだとお金の方が先に来たり、あと学校にもよるんですよね。
アントレプレナー教育みたいにしてるみたいなところだと、仲間っていうのが結構多かったり。
これ別にどれが明確な正解とかっていうことはないんでしょうけど、質問してみたらそうだなとか。
大阪城建てたの誰だって言うと、やっぱり秀吉って出てくるんだけど、大工さんだよなみたいな。
そういう話もね、トンチが聞いてて面白い例え話だったんですけど。
このパートではですね、ちょっと一つ僕がこの書籍の中でも興味深く見てた、
この現代版アリトキリギリスっていうお伽話をアップデートした現代版の話をちょっと一つテーマに置きたいなと思っていて。
ちょっと僕が説明するより田口さんに語ってもらった方が分かりやすいかなと思うので。
アリトキリギリスが2025年にいたとしたら、どんな状況になってるんですか。
そういう話をこの本の中に書いたんですけど。
昔だったらというか、いわゆるイソップ童話、イソップ偶話の中だと、
冬ごもりをするのに食料を食べなきゃいけないよね。
せっせと夏の間に働く。
現代版だと、冬だろうと夏だろうと仕事があって働けるような状況で、
貨幣経済が発達しました。
だけど冬はどうも今年すごい寒いから、みんな冬ごもりして暮らそうぜと。
ほんともう何百年ぶりかに冬ごもりの支度を始めるわけですよ。
当然のように貨幣経済が発達してるから、お金貯めとけばいいやと。
冬ごもり資金200万円もんだっていうのが出てきて、
じゃあみんな200万円貯めるわけなんですよね。
ギリギリさんはいつものように彼は冬になったってそのとき働けばいいじゃんみたいな。
何が起きるかというと、実際冬になって寒波がやってきて、
じゃあ家の中で暖房かけてゆっくりと過ごそうと思ったら、電気が突然停電しちゃう。
なぜかというと働いてる人がすごい手薄というかギリギリがちょっとだけ働いてるだけなので、すぐ復旧できない。
ようやく復旧できたと思ったら今度はじゃあ食べ物どうしようか。
Uber Eatsでいいじゃん。
ところが配達するギリギリの数も少ないから、5時間待ちとかなわけですよ。
次の日とかになると、待ってられねえっていう金持ちありが、
配達料500円ぐらいのところ5000円払うとか言い始めてめちゃくちゃインフレしちゃう。
結局しょうがなく、冬ありはそのまま生活するんだけれども、
そうじゃない普通のありはまた仕事に戻っていくっていう話なんですね。
切ない。
一生懸命事前に勤勉に働いてお金を貯めてもインフレが起きてしまうっていうのが構造の話ですよね。
働く人いなくなったらそれはそういうことが起きちゃう。
これって実は僕らが老後に向けて2000万円問題を貯めてるのも似たような構図になっている。
未来の労働市場と経済
僕が子供の頃に聞かされたのって少子高齢化進んでて、
当時5人の現役世代が1人の老人を支えてます。
それが2人が1人を支えるような時代になると言われて。
まさに今2人が1人を支えてるんですよ。
これがこの後1.3人が1人を支えるぐらいきつくなっちゃう。
これって普通考えたら少ない人数で社会回さなきゃいけないから、
例えば何だろう、あんまり負担かけないように老人になったらしなきゃいけないとか、
働くにしても効率よく物とかを作っていかなきゃいけないようになるはずなんだけれど、
2000万円問題って言われちゃったから、これはお金を貯めれば働く人がいない。
減ったとて問題は解決するんじゃないかと。
要は逃げ切りKPIみたいなものになっちゃったわけですよね、2000万っていうのが。
2000万ってのはあくまでも今の物価水準が続いたらであって、
でもそうじゃないし、本当にみんな高齢者になって、
今までと同じように60歳だったら引退して働かないで過ごそうなんて思ってると、
もっと具体的なことを本で書いてましたけど。
そうですね、僕のメモでいくと、2000万円ありますと、
例えば椅子取りゲームみたいなことが起こって、椅子が10脚しかないと、
でも2000万円貯めた人が100人いますと、
でも椅子はそもそも10脚しかないから90人は座れませんよねとなっていったときに、
結局椅子の値段がめちゃくちゃ釣り上がっていって、
俺はじゃあ3000万出すよみたいな。
なってくると、めちゃくちゃ頑張って2000万貯めてきた人がもう何もできないっていうような状態になるので、
そもそも2000万円命題みたいなので、
勝利条件が2000万貯めることじゃなくて、椅子そのものの数を増やさないとみんながハッピーになれないよねっていう。
そうなんですよね。なのでまさに人手不足とかが起きていて、
老人ホームとかって簡単に入れなくなったりとかなってたりしますし、
あとこのままリクルートワークス研究所ってところとか、
あと朝日新聞とかがそういうシミュレーションしていて、
例えばさっきUberEatsの話しましたけれども、
なんか何でもかんでもネットで買えばいいじゃんって思うんだけれど、
そもそも地方とかによっては、地域によっては配達してくれる人確保できないっていう状況は遠からず来るでしょうとか、
道路とかそういったインフラが維持できないとか。
そうっすよね。なんかこの具体的なデータが載ってたらすごく面白かったんですけど、
2025年を基準にして2040年で労働人口が20%減る。
これ数にすると1100万人。結構なインパクトだなと思っていて、
すでに今起こっている現象で言うと、田舎でバスが来ないみたいな。
給料を上げたとしても雇えないみたいなことで、
すでに1万人以上運転手が不足してるみたいな。結構衝撃っすよね。
だってもう足りてないっていう状況。あと教員も2400人足りてない。いやエグい。
結構厳しい状況になりつつあるんですよ。
いろんなところで実はサービスとかのクオリティって低下していくだろうし、
ちょうどこの前、田園都市線で事故があったりしたじゃないですか。
なかなかああいう事故って、衝突事故ってスピード出しすぎとかではあったりしましたけれども、
なかなか最近そういうのはなかったけれど、やっぱりああいうところにも、原因わかんないですよ。
だけど収縮度がまた低い人でも、そこに配置しなきゃいけないっていう状況が出てくるだろうし、
ただ単にあれは個人のヒューマンエラーとか組織の問題とかもちろんあるけれども、
そもそもそういう負担を減らしていかないと、だから厳省して多少混んでても我慢するとかってしていかないと、
いろんなところで負荷がかかっていくだろうなって。
ですよね。
なので結構この、僕たちの身の回りの仕事でいうと、このAIを取り扱う場面とかすごく多いんですけど、
そのAIに対するハレーションというか、仕事を奪われちゃうんじゃないかとか、
そういうようなことって、いや1100万人が15年でいなくなったとしても本当にそれ言えますかみたいなのはめちゃくちゃあるなと思って。
このAIも、ホワイトカラーとかその仕事とか減るかもしれないんですが、
AIをもっと使うってことは、例えばいろんな問題があって、電力をすごい使いますよね。
電力って日本って国内で賄えてないから外から買ってこなきゃいけない。
ってなると、じゃあAIを使うためには外貨を稼がなきゃいけない。
で、今なかなか日本って外に対して売るものがない。
例えばインバウンドとかで稼いでますってなると、
じゃあその分もっと稼ぐために、外貨稼ぐために、もしくは外貨稼げなかったらすごい円安になっちゃうから、
それはそれで困るわけですね。
外貨稼ぐとして、じゃあインバウンド頑張るってなると、そこですごい人手が必要になってくるので、
なんかAIができたら、普及したら、そもそも普及するのに時間かかるだろうし、
普及したとて、そういった問題が絡んでる、あるだろうし、
あとホワイトカラーしかっていう問題もあって。
そうですね。結構そこも興味深い話が書かれてたなと思っていて、
1980年代、円安がむしろ良かった時代みたいなことも、
円安が端的にただただ悪いっていうことじゃないんだなっていうのはなんかすごい理解ができてきたんですけども、
いわゆるメイドインジャパンっていうのがすごくもてはやされるような時代で、
もので言うとウォークマンとかが飛ぶように売れてました。
この輸出産業にとっては円安ってすごく追い風だし、
ウォークマンが他の競合製品よりもいいクオリティで安く売れるみたいな状況だったんで、
日本企業が売ることを追って、結果給料が上がっていったというようなことが、
なるほどなと思ったんですけど、
でもこの話ってウォークマンがあったから良かったんじゃないですかって話ですよね。
日本の労働市場と円安の影響
そういうイノベーティブな商品が日本で作れてたっていうことが大前提になっているので、
いまいまで言うと、おっしゃるように観光産業に人が行くこと自体は僕は別にいいと思うんですけど、
先端分野に対する人材供給が薄くなっていくと、
そこは本当にその通りで、
きついですよね。
きついんですよ。
だから、よく発展途上国とかで通貨が安くなると、結構きついって話は何かっていうと、
通貨が安くなると、肉体労働とか労働力が買われちゃうんですよね。
安く買われちゃう。
ある意味、いま日本って近くなりつつあって、
働く人が余ってる状況だったらいいんですけど、働きさえ足りないのにインバウンドってなると、
本当、観光産業以外のところの労働力を逼迫させちゃうってこともあったり、
あと円安になって海外の人たちが買ってるものって、観光だけじゃなくて、
例えば土地、マンションとかめっちゃ買ってるわけですよ、商業施設とか。
そうすると、それがもちろん今のマンションの高騰で僕らが買いにくくなっていくこともつながるし、
家賃として実は見えないところで仕上がってたりとか、そういうことも起きてる。
いや、そうですよね。
結局、インバウンドは頑張ってほしいけど、そもそも先生とか教員をやってた方が、
インバウンドやったほうがいいからって、寝こそぎ民宿やりますみたいなことになると、
そもそも人を育てていく人たちが手薄になってるみたいな状況がかなり今苦しいなと思うので。
効率化とイノベーションの重要性
これ、課題は今結構深まったかなと思うんですけど、どうすればいいんでしょうねっていう話をちょっと対話したくて、
田尾さん的には今何考えてますか?
やっぱりそれって、まずはそのいろんなところで効率化進めることは、効率化を図っていく。
本当なんかいろんな、印鑑一つにとっても結構大きい会社とかだったら、いまだに請求書に印鑑をさなきゃいけないとか。
やってます。
あるじゃないですか。そういうところだけじゃなくて、本当なんだろう。
これまでは基本的に仕事をどう増やすかを考えてたんだけれど、これからは人が余ってる状況だったらそれでいいと思うんですよ。
これからは人をどう効率よく使うかって考えたときには、どう仕事を減らすか、無駄な仕事を減らすか。
昔は仕事を頼む側が威張ってた時代だけど、消費者も。
でもこれからは簡単にサービス受け入れない。
これって同じようなことが14世紀ぐらいのペスト後のヨーロッパでも同じように起きたんですけども、
やっぱりそれって働いてくれる人がいるから自分たちの生活が成り立ってるよね。
じゃあ無駄な仕事を頼むのはなるべく減らそうとかっていう心がけないと厳しい。
そうっすよね。だからなんかそれを、例えば超身近な事例で言うともうカスハラとかも最悪なわけですよね。
最悪最悪最悪。
もうそれをカスハラ対応をAIがやってるぐらいだったらまだむしろデータが溜まっていいなみたいな感じがあるけど、
本当に人を裂いてる場合じゃないよねとか、
生き方のマナーみたいなことすら本当に一時我慢じゃないなと思ってて、
例えばガムを吐き捨てる。それ拾わなきゃいけない人がいてそれが仕事になっちゃうとかってやってる場合じゃないみたいなこととかありますよね。
本当に自分の領域というか、その道路も実は僕らが誰かが手入れしてくれてると思って誰かが管理してくれてるっていうのも、
そういう他人事ではなくて自分事として自分たちが使っている道路なんだから、
さっきガムの話にしても、ちゃんと自分たちで良くしていかないと誰も気にかけてくれなくなっちゃうって、
人手が足りなくなるってそういうことだったりするので。
そうですよね。やっぱりそこまで理解した上で、お前道にガム捨てんなよって言うのと、
ただただお前マナーが悪いからみたいなことで言うと、
思春期の真ん中の方でただただ反発したいみたいな、それがむしろかっこいいみたいなことにもなりかねない部分だから、
やっぱりそこに対する教育はすごく必要だなと思いますし、もう一つ出てきたお話で言うと、
本当にイノベーションは連発していかないときついですよね。
効率的、効果的、創造的みたいないろんな分野があると思うんですけど、
割と僕らの元にはいかに創造的にあれるかみたいな相談がたくさん来るんですけど、
まだまだ効率化の観点での事業開発とか、どんどん起きていってほしいですね。
まさに投資っていうのはそういうところに投資のお金が向かうべきで、
下手すると今投資頑張るみたいな新しい政権どうなるかわからないですけど、
それが設備を新しく買ったら、設備を買うってことで需要が増えるというか、
それだけを目指しているかのようにちょっと心配になるんですけど、
そうじゃなくて、その設備を導入して、ちゃんとその設備を導入することによって自分たちの仕事を減らしていけるというか、
効率よくしていくっていうようなことにお金を使わないと、その設備を作るものもまた、
誰か人が存在しているわけで、消費が伸びないから設備投資頑張りましょうの設備投資っていうのは、
単に何か必要ないものを購入するではなく。
そうですよね。やっぱりそういった新しい発明であるとか、
そういった高度なイノベーションにつながる投資も掃除にやっていかないといけないですよね。
でも本当に中で語られていることの中で、投資をしたいと結構自分の身の回りとかベンチャーキャピタルとか見てても、
投資したいっていう今、機運がやっぱり高くはなってきてる。
でも、自分の人生をかけてでも、これをやり遂げたいんだ、だから投資してくれっていう人がいないと、
じゃあ道路を作るかみたいな、そういう流れになってくると思うので。
道路を作るかって言わないと、政府が。
別に作らなくていいものを作らざるを得ない。
要は手を挙げて、自分がリスク取ってこんなことをやりたいんだっていう人の数がそもそも増えていかないと、
公共事業的なことに支柱がかかっていったりとか、
そうですよね。
するんだろうなと思ったときに、何かをやりたいっていう人がいかに増やせるかみたいなこととか。
そこにおいてはお金ってものすごくいいツールになるんだよっていうことを理解してくれる人が増えてほしいなってすごく。
その投資っていうシステムを通じてお金集めれるんだよっていうことですね。
そうなんですよね。
っていうようなことをちょっと思いながら、次は最後のパートに移っていきたいなというふうに思います。
はい、ありがとうございます。