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2022-06-15 34:12

第5回『すれ違うこと、ショート・プログラム』

今回はあだち充『ショート・プログラム』特集!
シャークくん曰く、「自分の人格形成に大きく影響されている」というあだち充先生の漫画作品。
『タッチ』『みゆき』『ラフ』『H2』『クロスゲーム』…数々の傑作長編作品を世に送り出しているあだち充先生ですが、短編にも素晴らしい作品を数多く描かれています。
そんな傑作短編を編んだ作品集が『ショート・プログラム』シリーズ。
今回は88年に発売された第一作を中心に、『あだち充先生の描いているものとは何か』ということ、現代にも通じるエバーグリーンな魅力について、語りました。
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00:00
今回は、足立美鶴先生の短編集、ショート・プログラムについて話していく特集ということで、やっていきたいなと思っております。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
この番組、心の砂地は、様々な文化や日常の気づきをヒントに考え続けることで、言葉の記憶装置を目指す教養バラエティ番組です。
私、シャークくんです。
はい、そして私が寺田です。よろしくお願いします。
ということで、今回も始まります。心の砂地。
見た瞬間、ランディ・サヴェージみたいになってますね。
あんまおらんけどね。派手さの引き出しにランディ・サヴェージしますね。
ランディ・サヴェージみたいだな。
やっぱ天竜とランディ・サヴェージの試合も見るよね。
いや、見ることがない。
心の砂地。シャーク。
僕にとって足立光っていうのは、漫画家という名前を意識した初めての作家と言ってもいいかなと思いますし。
えー、じゃあ結構小さい頃から読んでるってこと?
読んでるね。僕サンデーを初めに読んでたんやけど、
コロコロコミックとか小学1年生とかは読んでた記憶があるんやけど、
そこから移行して、ジャンプかサンデーかマガジンかどれかを読み出して、
撮っていいってことになったんよ。うちの家としてね。毎週買ってもいいよということになって。
確かね、単行本とかで先に足立光の漫画には触れてたんだったかな。
確かね、その足立光の漫画がやってるっていうことで、
当時H2が本当最後終わったぐらいだったかな。
サンデー読み出したらもうH2終わってたぐらいだったと思うんだけど、
それで足立光が載ってるからってことでサンデーをね、
取り出したっていうのがあったぐらい、
僕の人格形成とかに大きく影響している漫画家と言っても過言ではないかなっていうぐらい
思い入れがある漫画家さんですね。
今回初めて読んだんですけど、マジで野球と恋愛のイメージしかなかったんで、
短編集とか読んで、こういう話書くんやみたいな印象が変わりましたね。
やっぱりタッチというメガヒットがあって、
10年周期ぐらいで野球の漫画を書いてるんだよな。
だからタッチが80年代にあって、90年代にH2があって、
また10年後にクロスゲームがあって、今はミックスっていうのを書いてるみたいなさ。
定期的に野球漫画を書いてて、どれもやっぱりそれが代表作にはなってるんだけど、
間々では野球じゃない漫画っていうのを書いてて、
それはそれですごく味があって実は良かったりするんだけど、
03:03
今回のショートプログラムは言ったらその非野球の足立光っていう感じの漫画。
やっぱり短編なんでね、多いかなっていう印象だね。
なぜタッチでなくH2でなくクロスゲームでなくこの短編集なのかっていうところなんやけど、
このショートプログラム1作目を読んだ時に、漫画ってこういうことなんやってことをすごい理解したっていうか、
小学生とか当時だったけども、
その漫画の真髄みたいなものをすごい感じたっていうところもこのショートプログラムに教えてもらったことがいっぱいあって、
だからどっかでやっぱ話したいなぁとは思ってたんだねっていうところですね。
週刊連載とかだとさ、やっぱりどうしてもこのページの最後に盛り上がりが来てとかさ、
そういう独特の周期で単行本が出来上がっていくけど、
短編ってなると一つ一つに物語性があったりとか、
そういうものの創作能力の高さみたいなのを触れるっていうのは結構短編集ならではかもしれないですね。
そうだね。私につる先生も後で説明しますけども、
少女漫画、少女漫画誌で書いてた時期っていうのもあって、
その時期にいわゆる24年組、萩生本であり大島由美子であり竹宮桂子でありっていう人の出てきた様、
攻めた短編を発表してた時期っていうのを横で見てたっていうのもあって、
なんかそこの影響みたいなのを足立みつる先生なりにミックスしてるところっていうのがこのショートプログラムに特に入ってるっていうところもあってね。
だから後に少女漫画とかの短編をすごく好きになる自分としても、
そこのエッセンスみたいなのは多分ここのショートプログラムで感じてるっていうところがあんねんな、僕にとっては。
最近JO1が主演でAmazonプライムでドラマ化みたいな感じがあったりするんですけども、
それはそれで結構楽しく僕は見たんだけど、
この足立みつるの原作に触れてほしいなと思ってそこに興味を持ってもらい、
なんて素晴らしい作品集なんだっていうことを伝えたいなということで、
今日は喋っていきたいなと思っております。
よろしくお願いします。
足立みつる先生のざっと紹介をしたいなと思います。
はい。
足立みつる先生、1951年群馬県伊勢崎市にて4人兄弟の末っ子として生まれる。
67年、16歳の時にコム、手塚治虫が火の鳥を乗せるために作った雑誌ですね。
ガロとかに対抗して。
初投稿した虫戸少年が佳作2位に入選。
69年、18歳の時にお兄さんが漫画家だったんですね。
で、兄足立勤さんって方だったんですけど、
06:00
兄の手配で長島真嗣のアシスタントに内定していたため上京。
しかし長島真嗣の失踪によりアシスタントは勤めることなく、
コムの紹介で違う石井さみ先生のアシスタントになるというところで
キャリアがスタートするというところですね。
70年の19歳の時に小学館からデビューしてて、
初めは原作付きのものを中心に発表するっていうキャリアなんだけども、
60年代を超えてから70年代っていうのは、
ガロとかもあるし、梶原一騎の時代っていうのがあって、
熱血だよね。巨人の星とかさ。野球で言うと。
あの濃い顔のね、感じだったでしょ。
明日の女王でありっていう時代で、
だから足立光先生の今のものを知ってる人からすると、
真反対の方向の時代にデビューしてるんだよね。
っていうのもあって、コンスタントに作品を発表されてはいる。
画力もあるし、すごいしっかりした作品なんだけど、
熱血みたいなものを描いてるけども、
たぶん足立光先生の持ってるものとしては相性が良くなかったっていうか。
絵柄は今の感じなんですか?
いや、もう全然当時の劇画にかなり寄せた絵柄で描いてる。
ちょいちょい気の抜けた感じみたいなものを描いてはいるんだけどね。
75年に発表した作品を最後に、
三礼から同じ小学館の少女コミックの方に行けって言われて、
そっちの少女漫画に移って、そこで作品を発表していくっていう時期だね。
これがさっき喋った24年組の横にいた時期って言ってるところだね。
70年代半ばぐらいからいたと。
なるほどね。
で、78年。だから3年間少女コミックを中心に発表しててから、
週刊少年サンデー増刊で9というココヤキを題材にしたものが連載開始します。
第1話は結構まだ熱血っぽい感じを引きずってるんだけども、
好きなように描いたっていう第2話。
これちょっとラブコメっぽいような面白くした第2話からすごいヒットして、
そこからはもうずっと人気作家として、
途中いろいろ描ける時もあるんだけども、
今に至るまでサンデーの看板作家として描き続けてるっていう先生ですね。
すごいな。ほんまにでも若い頃からずっと漫画描き続けてる人なんですね。
そう考えたら。
ただ、いわゆるデビューからの10年間ぐらい。
この9描くまでの10年間ぐらいまでは結構下積みっていうか、
時代が劇画の時代みたいな、熱血の時代ってところは正直なかなかヒットできずに。
80年代に差し掛かる、80年代の軽さみたいなところに乗っていったっていう感じだよね。
確かに80年代の空気に合いそうやな、足立美鶴。
09:01
っていうか、80年代のポップなものっていうのを足立美鶴が作ったと言っても過言ではないと思う。
そっちがむしろ。
一番象徴的なのがミユキっていう作品で、
これが同じミユキという名前の女の子がっていう話なのよ。
特に努力をするわけでもない主人公がなぜかモテるっていう話。
これはもう明らかに、今のいわゆる萌え系。
なんでかモテてしまうみたいなさ。
自分の妹とかいう話っていうのとかも、
そういった方を作った男1人女2人っていう方で、
なぜかモテてしまうみたいなさ。
特に努力してない主人公がなぜかモテてしまうっていう話を作ったっていうのも、
足立美鶴先生が80年代にヒットする要因となったっていう感じとも言えると思うんだけどね。
確かにそう考えるとサンデーで書いてるっていうので、
サンデーでそういう漫画結構多かったじゃないですか。
そういうラブコミ系。
そういう原理もすごい理解できるな。
そこは絶対に足立美鶴が作った土壌で、
あと横でサンデーでは高橋るみ子が出てくるっていうタイミングがあって、
9と高橋るみ子のうるせえ奴らの第1巻っていうのが出たタイミングが同じだったと言われてて。
ここで多分時代変わる瞬間っていうかね。
そういう70年代的な重さ、熱血さみたいなのが、
ここで80年代の空気に切り替わりますよっていうのを、
足立美鶴と高橋るみ子が作ったと言っても過言じゃないかなとは思ってますね。
いいタイミングでね。
〜音楽〜
今回のですね、兄弟作ショートプログラムですけども。
ショートプログラムシリーズとして3巻分。
基本的にはその長編作品が有名だと思うんだけど、その間々に短編作品を書かれていて、その辺をまとめていった短編集っていうふうに、ショートプログラムシリーズっていうのがあるっていうふうに理解していただければなと思うんですけども。
これなんでこんな長編書いてる人が、そんな3作とかになるぐらい短編をちょくちょくね、書いてるかっていうと、
担当編集の人っていうのが、離れてサンデーにいたのが違う雑誌に行ったりみたいなのが小学館内であったりするやんか。
で、そういった歴代編集の人と、やっぱり足立光先生っていうのはずっと付き合いが長いらしくて、今はサンデーじゃなくて、
例えばビッグコミックにいるけどとか、ヤングサンデーにいるけど、その担当編集の人が足立光っていう名前を使いたいから、ちょっと書いてくださいって頼むみたいなさ。
12:04
で、言われたら書いてるっていうのが実情らしいのね。
すごいね。じゃあ、うちの雑誌でも書いてよう的な感じで、短編をちょいちょい書いてたってことね。
そうそう。
そんな感じでこんなすごいクオリティのもの書けるの。
長編作品やりながらね。
今日はちょっと1作目のショートプログラムを中心に喋っていきたいんだけど、
1作目はタッチの後半と、その後チャオでやってたスローステップと同時にやってたラフっていう漫画を書いてるときに書いた短編集っていうのが、
一発目のショートプログラムには集まってますね。
だから時代で言うと85年から88年に書かれた短編っていうのがまとまってます。
なるほどなるほど。そうか。じゃあタッチとか書いてた時期と被ってる時期だよ。
うん。まあでもだいぶ後半だけどね。タッチ86年に終わっちゃうんで、だから本当最後のニッタとの試合とかを書いてるときに書いてるって感じかな。被ってるのは。
なるほど。
まあ一部だけどね。で、ショートプログラム2は88年から94年の作品がまとまっているので、虹色唐辛子とかH2を書いてるときに書かれた作品たち。
で、ショートプログラム3は98年から2007年。長期連載作で言うと、いつもみそらかつクロスゲームを書いてるときの短編集ということですね。
っていう感じで、長編書いてる横でこういうのを書いてたんだなっていうことが見えるかなとは思います。
この辺、ノートに載せておくのでその辺見ながら聞いていただけると面白いかなと思っております。
はい。
で、僕は足立光三郎の長編も全て読んでいるぐらいフリークなんですけれども、寺田くんは今回初めて足立光三郎に触れるということだったと思うんですけども。
はい。
どんな印象だった?ショートプログラムを初めて読んで。
いやでもね、実は第一の印象としては、絵上手っていうところだったんですよね。
いや上手いよな。
いやあんまり知らなくて、どういう絵を描くかっていうのを知らなくて。
動きとか表情とか、もちろんキャラクターのポップさみたいなのはあるんやけど、絵が上手いなってシンプルに最初思って。
うーん、絵上手いよね。
これはでも、俺も今回話すっていうことで改めて思った。
やっぱりね、足立光三郎先生の作品、それこそ朝倉南のキャラクター、植杉達也、植杉和也のキャラクターとかは、あの顔、なんとなくイメージはしてるやんか。
全部同じ顔やって言われてたりもするぐらい、デフォルメされてるやんか、ある程度さ、顔が。
足立光三郎のキャラクターって感じ。
だからその印象があると思うんやけど、実はね、すごいこう、写実的なようね、背景とかを描くっていうのが、実は足立光三郎先生の売りなんですよ。
15:09
いや、そうなんですよね。だからさ、カセットテープとか、そういう小物とか結構出てきたりするんですけど。
あとまあ喫茶店がよく出てきますけど、その内装とかさ。
さっきまあシャークさんが言ったように、写実的で雰囲気みたいなのが感じる作品だなっていうのを思いましたね。
そうだね。それこそ、そういった漫画に写実的な表現っていうのが出だしたのは70年代、60年代後半から70年代っていう、もう足立光三郎先生がデビューした時期なのね。
だからその辺はこう、影響というかさ、写実的な絵を描くんだみたいなところは、足立光三郎先生のいわゆる下積み時代から培ってきたものも何かもしれへんなっていうのは言えるね。
あーなるほど。その時代を経たからこそ持ってる武器ってことね。
そうだね。先に足立光三郎先生の作家性みたいなことを言っておきましょうか。
お願いします。
僕が思う足立光三郎っていうのは、まずはやっぱり行間っていうものの名手であると。
うん、確かにね。間の使い方とかすごいよね。
さっき言ってた、その繊細に描かれた風景で繋げていくというシーンの素晴らしさっていうのと、洗練された構図と、極端に少ないセリフっていうのが、やっぱり行間っていうものを漫画で表現するということに長けた先生だなというところがあって。
ここに僕はすごく食らってる。パンチラインみたいなの結構言うんだけど、パンチライン言われた後の受け手の表情をその後風景風景風景風景繋げていくっていう。
いやそうやな。
そこがね、何気ない。だからその人の視線とか、主観的なショットみたいなのもあるけどその風景が。全然関係ないさ。風景がパン、パン、パンって3コマ4コマとか繋がれていくよね。
あるね、そういうの。
吉永文先生も時間の作り方が上手いっていうことを話したことがあるんですけども、カットを割っていくみたいな感じがあって、そこがすごく時間を感じさせてくれるから、パンチラインがより響くという感じの、そういった行間の名詞であるということはまず言えるかなと思っております。
で、ストーリーところで言うと、内容としてはやっぱり青春ですよね。足立光先生が描いていることっていうのは。
そうですね。
ラブコメとも、ラブコメっていう言葉も足立光先生イコールとも言えるんだけども、青春とラブコメ。足立光先生が描いている青春やラブコメっていうのって何なのかなってずっと考えてたんやけど。
多分それは僕の解釈では、すれ違うことだと足立光先生は思ってるんじゃないのかなというふうなのが僕の解釈なんですね。
18:03
いや、そうやな確かに。実はみたいな、多いもんね感情がね、実は明かされるみたいなことが。
気持ちを伝えることが不器用な若者たちっていうのが描かれる。そこの若者たちが瞬間に選択をするということ。そしてその後の人生があるっていうことを切り取っているよね。
なるほど。
だから結構振り返るみたいな描写とかも多かったりとかで、やっぱ振り返るとこの時が大きな選択だったんだなっていう瞬間を切り取る名手なんですよ。足立光先生が描いてるのは。
すごく自分の気持ちとかを伝えることは不器用なキャラクターが多いんだけども、受け取るっていうことに関しては恐ろしく察しがいいんですよ、みんな。
受け止めることはできるけども、伝えることがなかなか不器用ですれ違っていくと。これが青春だよねっていうふうに足立光先生は描いてると思ってます、僕は。足立光先生の漫画とはそういうもんだと思ってます。
まあまあ、触ること、確かに。
そういったところが詰まった作品集がショートプログラマーなのかなっていうふうには思ってますね。
心の同じ。
ショートプログラム本編の話をしたいんですけれども、ショートプログラム1から皆さんね、ぜひ手に取ってほしいと。なぜかというと、ショートプログラム1の一発目、「近況」という作品が入ってます。
これがとにかく素晴らしいんですよ。
これすごいね。
これが本当に、小学生当時の俺も、なんかすごいものを読んだなっていう感覚から始まって、どんどんこう、いろんな作品が出てくるんだけど、「近況」という傑作短編にやられて、読み進めていくというね。
でもこの近況、同窓会でジョナサンみたいなところに集まって、そこから帰るまでをね、描いてるんだけども。
本当に同窓会で、2人の男が話してるだけやねん、基本的には。
だけども、すごい展開があって、出た時には雨が雪に変わっていて、ちょっと積もってると。そこを歩いていくというね、ところまでっていう。雨が雪に変わって積もるまでの時間っていうのを描いてるんですけど。
そうね。時間の描き方も絶妙ですよね。現時点で恋愛感情とかした心じゃないっていうことにもなってるやんか。どこまで言い通されてるかわからん。だからこそ、いい話やなってすごい思いましたね。
21:03
同窓会マジック的な話では決してないっていうね。
かつてあった恋愛の話っていうのをしてるっていう話なんだけど、っていうところでね。
本当にいいんだよな。この伝説的な一発目、近況をぜひ読んでほしいので、まずはショートプログラム一発目をね。これを読んで、わかりませんってなったら、僕はなんも言えない。
これでもう凝縮されてるから、あらちみつるというものが。
これがわからんって言われたら、俺はもう、じゃあ君にはあらちみつるは無理だってなってしまう。
いやまあでもそれぐらい本当にすごい話よね、これは。
うん、これ本当に面白いし。他、てらずさん、1個良かったなってあるとしたら何かありますか?
あー、そうですね。僕が本当に個人的になんか、おーすごいなって思った話は、これ話の大筋がっていうわけじゃないんやけど、僕チェンジっていうね、真ん中ぐらいに入ってる話があるんですけど、
僕これさ、読んだ時に、なんかすごい告白の仕方って思った。
いやー、チェンジはいいよねー、これももうトップぐらいに好きだね、僕もねー。
これ、なんかどんどん最初読んでた印象からどんどん、あれ?なんか雰囲気変わってきたなってなってさ、最後この、こんな無表情で目も合わさずに、え、すごって、もう僕全然そんな恋愛漫画いっぱい読んでないからさ、こんな告白の仕方ありなん?みたいな。
これがあらちみつるですよ。
でね、もう最後、このセリフを言って終わるっていうパンチラインで終わりますから。
いやー、超最高なんだよなこれ。
これはね、ちょっと最後一番オチで殴られた感じがあったね、僕は。
僕たちね、あの心の砂地という、無印ココロの砂地シーズンで、少女漫画をずっと読んできたんですよ。僕が好きなんでね。
で、なんでこのシャープになって一発目でこれを撮ったかっていうと、やっぱすごくあらちみつるの少女漫画からの影響がすごく色濃く出てる短編集とも言えると思ってて。
あー、なるほど。
特にこのチェンジとかは、めちゃめちゃ少女漫画っぽいっちゃ、少女漫画っぽいんだよね。
そうかもしれない。
っていうので、少年漫画読まない、少女漫画しか読まないみたいな人にもオススメかなと思いますね。特にこのチェンジという短編。
あとこの動きがすごくコミカルで可愛らしいなっていう。
うん、可愛いよね。
これでもさ、読み返したらさ、ちょっと一つある種トリックみたいなものが入ってるんやけど、なんも嘘ついてないっていうことがわかるんですよね。
そうね。なるほどってなっていくよね。読み返すとね。
そうなんだよなー。このチェンジもですけども、いろんな短編が入ってるんだけども、足立光先生は、青春、それはすなわちすれ違うことだということを書いてるっていうことを僕は言ったんですけども、
24:13
話の展開として使われる筋というか、テーマみたいなもんで、誤配?誤って配達されるものっていうことがずっと描かれてるよね。
あー、そうね。
カセットテープであり、手紙であり、バースデーカードであり、とかさ。
こんなにすごい言葉が重要に動いていくんだけど、やっぱパンチラインがバンバン出てくるんだけど、
でもその、例えばこう、それをうまく伝えるために、何かこう違う方法をね、直接向かい合って言うっていうことがなかなかないんですよ。
あー、確かにそうだな。言葉からですね。
向き合って言うんじゃないですか。
だからこう、録音した声であったりとか、書いた言葉であったりとかね、文通っていうのがもともとキーワードになって出てくる短編とかも出てきますけども、
そういったこう、気持ちを伝えるための違う手段みたいなのをね、使って表現するみたいなことをね、
やっぱ若者っていうのは気持ちを伝えるのが不器用であるというふうに思ってはるんだと思いますね。
いいよなー、この辺とかね。
あとやっぱ上がる系で言うと、僕はこれ何回読んでも泣いてしまうんですけど、やっぱテイクオフっていう短編があるんですけど、
あー、はいはい。
走り高富の話なんですけど、これマジでね、なんでこんなエモーションなんだろうこれ。
抜けのいい短編というかさ。
なんやろうな、不可解だったものがどんどんこう、スッキリしてる感じではあるよね。
走り高富の全国中継っていうのを男2人が見ていると。女子の走り高富選手をね。
で、その走り高富を見ながら話していくだけの話ではあるんだけど、すごいね、エモーショナルなんですよ。
あーそうやな、確かにこれあってないな。
あってない、だってテレビで見てるだけやから。
すごいわ。
で、時折入るそのテレビ、当時のブラウン管のテレビみたいなのが挿入されるんだけど、
そこの感じとかもね、すごく読み返してみると、わ、効いてるな、このテレビっていうのみたいなのもあるし。
そうねー。
あとやっぱ見開きでこのシーン持ってくるっていうのはすごいね、これは。
これ超エモーションでしょ、やっぱね。
走り高富オブウーンですけど、197っていう数字がドーンって出されるんですけど、ここでやっぱ毎回泣いちゃうんだよね。
197、電光掲示板に載った197っていう数字を見るだけで、うううって泣いてしまうっていうね、作品で。
27:01
これ僕の中でやっぱこう、This is Adachi Mitsuruですね、テイクオフも。
確かにな。
あとその、今日ちょっとAdachi先生のさ、そういう羊とかを聞いて納得いったのは、
紫っていう話のこのバイオレンスなシーン、容赦ないなーと思ってたけど、
やっぱそういう劇画の時代を越えたからこその描写なのかなっていうのはすごく納得できましたね。
あーそうだね。
まあ後に勝つっていうボクシング漫画を描いたりもするし、
結構Adachi先生自身はさっきこう、描いてたものと時代が合ってなかったんちゃうんかなみたいなことは言ったんだけど、
Adachi先生自身はやっぱ熱血漫画とかでも、それは10代の時に喰らってるから、
そういうのはもう大好きですよみたいなことはおっしゃってたりするんだけどね、インタビューで。
あーなるほどね。
あと今回はショートプログラムに絞って話しましたけど、2、3と時代が進んでいくにつれて、
特に3に入ってるやつとか結構暗い。
あー確かにな。1個めっちゃ暗いのあるよな。悲しい話のやつあるよな。
あーあれ天使のハンマーやと思われた。
そうそう、それですね。
これは時代の空気みたいなのと、Adachi先生自身がまあ10年になって、
40代になって50代になってっていうところでそれちょっと重厚感がある。
もう増えていくっていう。それは長編作品もそうなんだけど。
そうね、今日一応1メインではあるんですけど、一応2、3と、
あと短編集の冒険少年っていうのも課題だったので読んできてます。
僕はショートプログラム2のエースを潰せっていう話めちゃめちゃ好きでしたね。
さっき言った業館テイストと、あとやっぱコメディテイストの方もありますからAdachiMitsu先生。
そっちの感じのね。
これは全然ラブコメではないんだけども、めちゃめちゃ熱い話ですね、これは。
あと2だとやっぱ行くはるね、ラグビーの話。
ラグビーを見てて、やっぱこの見てるシリーズ。
ラグビーを見てる観客席にいる男と女たちがっていう話なんだけど。
昔を振り返ってきてよね。
このラグビー見てるものってさ、やっぱどうしても松東谷由実のノーサイドっていう傑作があるんですよ。
ラグビーを見ていたよ傑作っていうのは松東谷由実のノーサイドっていうのが超最高傑作としてあるんですよ。
まあこれはノーサイドの歌詞見てください。
みなさん検索してみてください。
ノーサイドクラスだね、行くはるは。
ぜひともね、見てほしいなと思います。
あとは、冒険少年はノスタルジーみたいなね、短編では色濃く出てるところがあって。
そういった作品がまとまってるっていう感覚があるかな、冒険少年は特に。
これはこれで結構好きなんだけどね。
30:02
なんていうかちょっと切ない気持ちになる短編集。
なんかその世にも奇妙な物語的なさ、ちょっとホラーな雰囲気のやつもあるし。
長編でも実はいつも見そらっていう作品でもそういったことも挑戦してたりするんだけどね。
ちょいちょいそういうことも書いてます。
そんなところですかね、足立美鶴先生の。
そうですね、ぜひ読んでいただきたいですね、これは。
寺田さんが足立美鶴を読むことはなかなかなさそうな感じがしたんやけどさ。
あんまサンデー感ないやん、寺田さんって。
ないね。サンデーはダレンシャンが漫画化したやつだけ読んだね。
そっか、サンデー。コナンも高橋留美子もないもんな。
マジで読んでないね。
寺田さんの感じないよね。
俺なんかそのサンデー読んでて最後読んだんやけど、やっぱコナンってもう死ぬほどセリフ多いのよ。
あー、なんかそういうイメージがある。
真っ黒やね。たまにコナンの前後に足立美鶴の作品あると、やっぱこの背景しかないから。
対照的な漫画やなーって思ってた。
あ、そうなんや。
とか、名前だけ出してますけど、高橋留美子もずっとサンデーの看板の隣の人っていうのもあるから。
高橋留美子と照らし合わせるとまた面白かったりするんだけどね。
高橋留美子の短編って結構尖ってんのよね。
あー、そうなんや。ちょっと読んでみたいな。
面白いっすよ。高橋留美子の短編って。
ちょっとサンデーに触れる1年にしてみたいな、じゃあ。
みんな好きなのは人魚シリーズっていうね。不老不死の話みたいなのが出てくるんですけどね。
へー、あ、そうなん。短編集ってこと?それ。
短編集で人魚シリーズっていうのがあるんで、それとかやっぱ傑作、ルーミックワールドへの批判みたいなののアンサーと言われてるんですけどね。
ルーミックワールドっていうの?高橋留美子の。
ルーミックワールドって言われてるんですよ。で、そういったタイトルの短編集とかも出してるんだけど、言ったら終わりなき日常っすよね。
あー、そういうことか。
うん。で、よく言うのが、押井守のビューティフルドリーマー問題っていうのがあって、押井守はそこを批判してるわけよ。
あ、あれそういう観点での?
そうそうそう。
ループものね。
うん。で、それのアンサーが人魚シリーズって言われてるんだよ。
あー、そう。それをセットで見なあかんな。
だからこう、不老不死の人たちの話っていうのを書いたんだよ、高橋留美子は。
あー、そういうことか。
うん。
なるほどね。
そういうことか。まあそういう話もね、またぜひできたらいいなと思っております。
はい。まあ今回はあらじみずりでしたがね、心の隣は引き続きお便りをお待ちしております。
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33:04
アップルポッドキャストへのレビュー評価も絶賛募集中です。
ぜひともよろしくお願いします。
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また本編で出てきたこういう名刺などはノートに応募集がありますのでそちらもご覧ください。
ノートのURLも各配信サービスのエピソードの詳細にございます。
ということで今回も聞いていただきましてありがとうございました。
ありがとうございました。
足立光先生、ショートプログラム、ぜひともね。
できたらね、僕はやっぱこれ何版って言うんですか?
英語版か。
大きいやつね。
英語版のショートプログラムを見つけて買うのが一番いいと思う。
背景がどんどんどんときてっていうこのじんわり味わうためにはやっぱ英語版がベスト。
なので一番読むのは英語版のものがいいかなと思っております。
ぜひとも手に取ってみてください。
それでは皆様ごきげんよう。
34:12

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