1. 心の砂地#
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2023-04-24 49:52

第35回前編「ゴスのためのレッスン」

「どうして自分はこのなかにいないのだろう。(中略)楠本さんの漫画に登場するひとになりたい。かめのちゃんではなく、カノンでもなく、ナジでもなく、Kでもなく、わたしがわたしとして登場したかった。ありふれた日常を離れて、かっこよく耽美に生きたかった。」

『線と言葉 楠本まきの仕事』《君は僕じゃないし 僕は君じゃない:三角みづ紀》より引用


「彼女の作品は、それを通じて、少数派を自認する少女同士が繋がるための隠れた護符のようなものだった。まだゴスロリもヴィジュアル系もバンギャという言葉もない頃である。」

『線と言葉 楠本まきの仕事』《楠本まき論 解放と連帯のメディアとしての少女漫画:藪前知子》より引用


今回のエピソードシリーズ(第35回)では、楠本まき先生の『致死量ドーリス』という作品を取り上げて語っていきたいと思います。

前編、と題された本エピソードについては、「90年代生まれの私がどのようにして本作にたどり着いたのか?」という出発点から、ゼロ年代育ちの自分が、10代の時に出会った映画『下妻物語』、『KERA』など、青文字系雑誌に代表されるようなカルチャーについて、自身の経験と今回行ったアンケートを参考に語っています。


【今回のエピソード収録につきまして、アンケートに協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。】


◽️エピソードのための音楽 The Cure『Japanese Whispers』(1983)⁠

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◆第35回前編の⁠⁠⁠用語集、詳しい解説、補足のnoteはこちら⁠。⁠⁠

https://note.com/lnt91/n/n81a2c305895d


《イベント告知》

ネオ五条楽園×心の砂地

『天使だったなら』

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【日時】5月20日(土)

OPEN

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会場 APOCシアター@千歳船橋

通常チケット ⁠⁠¥2,000⁠⁠ 限定Tシャツ付きチケット ⁠⁠¥4,000⁠⁠

(2023年4月21日収録) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 番組Twitter:https://twitter.com/kokosuna 感想など、ツイートしていただける場合のハッシュタグは#kokosuna でお願いします! ここすなリンク集→ https://lit.link/kokosuna 番組感想、お便りは kokoronosuna@gmail.com  ⁠⁠⁠⁠もしくはこちらのフォームまで!⁠⁠⁠⁠ 2023 artwork:⁠⁠⁠⁠セキヤ@urosiita⁠⁠⁠⁠

2023 spring op theme:⁠⁠@k5_y4⁠⁠ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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今回は、楠本まき『致死量ドーリス』特集のための、ゴスのためのレッスン。
どうしようかな。 耽美のためのレッスン。ゴスのためのレッスン。
そんな感じで、前編としてですね。 楠本まき先生の『致死量ドーリス』という漫画作品を語る前に、
僕がどういうふうにこの作品に出会ったのかっていうのと、 楠本まき先生の作家性みたいなことを語ろうと思ったら、やっぱりゴシック…
まあゴスって言っておこうか。ゴスと耽美性みたいなっていうのを、伝道師みたいな人だと思ってたの、楠本まきさんがね。
で、僕は全然リアルタイムではなくて、『致死量ドーリス』も全然後に読んだし、大学生の頃とかだから2010年代に読んだし。
楠本まき先生の『KISSxxx』っていう、まあ一番知られてる売れてる作品も、矢沢あい先生の元ネタ研究として大学生の時に同じく2010年代に読んだみたいな感じで。
なんかこう、僕が中学生とかぐらいの時って結構こういうゴスっぽいもん、耽美っぽいもんって流行の一つではあったなっていうのがなんとなく頭の中にあって。
えー、中学生ぐらい?2000年代中盤ぐらい?
2004年から2006年、まあ高校生ぐらいまであったかも。2009年までかな。だからゼロ年代半ばから後半ぐらいまでか。
へー、それ全然知らなかったですね、僕は。
うん。もちろんでかいのは矢沢あい『NANA』とパラダイスキスだと思うんすよ。
あ、そっか。矢沢あいでそういう要素が入ってるもんね。
まあ、てらださんもパラキスは読んでるからわかると思うけど、中身としてはさ、パラのあのルックの感じ?服がめちゃめちゃ書いてあってみたいな、あの感じからさ、まあブランド、まあ『NANA』にはビビアン・ウエスト・ウッドっていうブランドの名前もよく出てくるんだけど、
なんかそういったもんからそういうパンクでありゴスでありみたいな感じのもんが流行ってたなーっていう感覚ってすごいあんのよ。
なるほどねー。まあでもそういうファッションを実際にするにはちょっと早いよね、たぶん中高って。
うん。憧れだね。憧れのパンク、憧れのゴスみたいな感じですよ。
あーなるほどねー。そっか。大学生とかになったらそういうファッションするぞみたいな。
っていう感覚が多分あったっていうことを、楠本まき先生の作品を読むときに、
あ、矢沢あいが見てたような原型みたいなもんって、この楠本まき先生なんだって僕は思ったのね。この『致死量ドーリス』であり『KISSxxx』を読んだときに。
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で、あそっか、俺が知らんかっただけで、あのクラスの一部とかにいた子とか、
うちの姉ちゃんとかの友達とかにいたゴスで決まってるような真っ黒の服を着た耽美趣味のお兄さんお姉さんとかは、
そっか、楠本まきにたどり着いてたんだって勝手に思ってたの。当然読んでると思ってたんよ。
うん。で、その辺を改めて調査しようと思って。で、調査してみた結果みたいなのもちょっと今回発表していきたいなと思ってて。
もうそれは実際にアンケートをインタビューとかをしたってことですか?
あ、そうそうそう。インタビューをね、今回の配信に合わせていろいろしてきたんですよ。
このインタビューで今まだ名前出してないんだけど、一つキーワードなのは、その『NANA』パラの影響みたいなんと、
映画下妻物語とか、まあちょっと言ったらなんとなく黒いゴスロリって言葉が流行りだしたぐらいのね。
はいはい。
バンギャっていう言葉とか。まあそういった言葉が流行りだした後の、まあ『NANA』パラに象徴されるようなゴスロリパンクみたいなもんをひっくるめて紹介してた、「KERA」って雑誌があったのよ。
はー、そんなんがあったんよ。
うん。まあいわゆる青文字系雑誌の一つではあったんだけど、僕が見てた頃は、それこそ下妻物語の2人。
深田京子であり土安奈とかが表紙になって、本当に下妻物語の流れを汲んだ格好をそのまましてたりとか。
で中身もそういう人たちが、まあストリートスナップとかが載ってて、載ってたなーっていうイメージがあって。
うーん、そういうのを見たことがあったんですね。シャークさんも。
「KERA」自体よってことかな。まあ姉ちゃんが飼ってたわけじゃないんだけど、たまーに家にあったんだよな、「KERA」とかジッパーとかキューティーとかは。
でまあ普通にいわゆる赤文字系のキャンキャンとかそっちもあったんだけどね。
貴重な経験ですねそれは。
うん。でまあそういう子もいたし、でクラスでそっち系の子が「KERA」を読んでたっていうのも覚えてんね。
うーん、なるほどね。そうか。雑誌持ってきたりしてたね。
そうそう。そういえば「KERA」を読んでたなー、ああいう子はみたいな。
その、まあ読む雑誌によってその子のアイデンティティーみたいなのが決まってた時代でもあったと思ってて。
でこれは多分僕の世代ぐらいが最後だと思う。
そうですね、ちょっと僕の時代はあんまりそういうのはなかったですね。
ファッション雑誌を学校に持ってくるっていうこと自体がほぼほぼ見たことないですね、僕の世代は。
まあちょっとエリアとかね、よるかもしれないけど。
そうそう、地域差もあるし、そのもちろん行ってる高校にもあるし、
今回まあ寺田とかより年下の子とかも結構読んでたっていう回答はまあ割とあって。
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へー、あ、そう。じゃあ僕の知らない世界ですね、本当に。
寺田はそうやろうなっていう感じやから、寺田なんやけど。
まあね、特に男兄弟だからそういうのが全くなかったしね。
いやし言ったら進学後継やん、行ってるやん、その高校とかはさ。
そうですね、どっちかというと。
スーパーサイエンスハイスクール行ってるし。
それ言ったらちょっとバカっぽいねんけど。
うーん、おったんやと思うけどな、なんかその、そこのやっぱ中学校とかの空気とかもいろいろあるからな。
それこそ本当に地域差とかいろいろあるとは思うんやけどな。
うーん、まあでもあの、赤市でたまに電車乗ってたら神戸とか大阪行きのJRでこういうゴシックっぽいファッションの人は結構見たので、
まあ流行ってはいたんだと。
ああそうやんな、うーん。
さすがにそれぐらいは寺田さんの司会にも入ってるぐらいの割合ではいた。
なんでなんかそういう、ちょっと初めに、楠本まき先生の紹介をして、
楠本まき先生の作品の内部みたいなところとか、地資料同率についての評論っていうのは後編の方でしようと思っていて、
今回はその前段としてね、
ゴスのためのレッスンっていうことを、
こんなんだったなーっていうのを証言として残しつつ、いろいろ話していきたいなと思っております。
この番組、心のすなじは、様々な文化や日常の築きをヒントに考え続けることで、
言葉の規約装置を目指す教養バラエティ番組です。
私、シャア君です。
はい、そして私が寺田です。よろしくお願いします。
ということで、本日も始まります。
心のすなじ。
楠本まき先生の紹介をしたいと思うんですけども、82年、16歳の時に週刊マーガレット漫画スクールで入賞、84年週刊マーガレットでデビュー。
マーガレットって、別冊マーガレットと週刊マーガレットとはあるんやけど、
別冊マーガレットのほうが、紡木たくとか、いくえみ綾とかが出たほうね。
はいはい。
くらもちふさこ、とかが出てる。だから別冊マーガレットのほうが少女漫画史としては結構重要とされてる感じが多いかな。
面白い少女漫画みたいなほうがあるっていう感じで。
で、週刊マーガレットももちろん岩館真理子さんとかはこっちで描いてたりもするし、もちろんこっちも少女漫画の王道の一つなんだけど、
09:05
『KISSxxx』っていう、楠本まき先生の大ヒット作なんだけどを、その週刊マーガレットで連載開始するんだけど、これが88年。
で、ちょうどその事情的に週刊マーガレットが各週の発行になって、マーガレットっていう名前になったんだけど、
その残り6週っていうタイミングだったらしくて、が始まるときが。
だからまあ、もう6週で終わるからっていうタイミングだったから、が始められたっていうところもあるらしくて。
あー、なるほどね。もう終わるから、そういうちょっと挑戦的なやつ載せてもいいでしょうみたいな。
そうそうそう、っていう空気もあったみたいで。
この辺は、去年「線と言葉 楠本まきの仕事」っていう、楠本まき先生の展覧会があったんだけど、
その時に合わせた書籍が出てて、その辺でそういう話があるんで、詳しくはそこを読んでみてほしいんだけど。
ってタイトルだけ言ってるんだけど、これってバンドやってる男の子と、バンドのボーカリストに恋する女の子の話なんだけど、
ざっくりめちゃめちゃ『NANA』やなっていう感じは、この説明だけするとそうなんだけど。
だから、もっとバンドのどうのこうのっていう話だと思ってて、僕はっていう漫画がもともとあってみたいな、バンドの。
で、すごい黒と白の細い線で描かれた美しい男、そしてパンクっぽい服装みたいな。
この時代的にはイギリスのニューウェーブとかがすごい流行ってる時代で、当時の、例えばここでキュアのラブキャッツがかかるとか、
こう、吹き出し横に書いてあったりとか、ライブハウスのシーンで。
結構具体名が出てくるんやね。
そうそうそうそう。主人公の子が部屋で一人でノイバーテン聴いてて、お姉さんに、
何こんな暗い音楽聴いてんのよみたいな。一人でノイバーテン聴いてんじゃないよみたいなツッコミがあるみたいな。
そこそこ僕の大好きな、テラードと僕も共通で好きなイギリスのニューウェーブの、ほんまリアルタイムの音楽を当時から紹介してて、
その雰囲気も漫画的にも落とし込んでるっていうすごい漫画ではあるんだけど。
なるほどね。じゃあそこら辺の音楽好きやったら、スッと入れるかもしれないですね。
もちろん。の登場人物のルックとかという漫画の雰囲気とかは、かなり初期のビジュアル系とか、
日本のいろんな音楽シーンにも実際に影響を与えたっていう感じの話はすごいいっぱいあって、
イメージアルバムとかも出てたりもするぐらい、すごい大ヒットした作品で。
これがマーガレットでやってたらヤバいなって感じで。
で、普通のマーガレットコミックスって、いわゆる普通の単行本サイズなんだけど、だけはA5版で出てて。
言ったらこれはまあ、岡崎京子以降の世界だからってことだと思うんだよね。
12:00
岡崎京子の漫画がA5版で出てたから、みんなA5版の漫画が一つのオシャレの何かっていうので、
他にもいろんな、内田春菊であり、いろんなA5版の漫画を出す女性作家さんっていうのが出てくるんだけど、
その流れにも、このは乗ったっていうことだと思うんだよね、マーガレットが。
なるほどね、サイズでちょっとジャンルというかさ、方向性がわかるっていうのも面白いですね。
うん、あるし、普通のマーガレットコミックスじゃねえぞっていう感じもあったんだろうね。
で実際、売れなかったら、1巻はとりあえずそれ出して、売れなかったら普通のやつ戻すとかも言われてたらしいんやけど、
実際もう1巻から爆跳ねでめっちゃ売れて、2巻で100万部売れてるというはね。
凄まじいですね。
デビュー3作目で、そんぐらい当ててるっていう伝説的な作品ですね。
一応の話はもうちょっとしとくと、主人公のカノンっていうバンドやってるボーカリストの方と、
そのカノンの相方みたいな感じで、ヒロインのカメノちゃんのお兄ちゃんのカニって言われてるやつがいるんやけど、
そのカニがスキンヘッドでサングラスみたいな、いわゆるライムスター宇多丸ルックみたいな。
そうね、思い浮かべると言ったらその人やけど。
スキンヘッドのサングラス、でも細いサングラスかな、色付きのグラサンみたいな。
ああ、オシャレサングラス。
その感じって、『NANA』のドラマーでヤスっていうキャラクターがいるんやけど、
スキンヘッドにサングラスなのね。
おお、かぶってるやん。
そうそう、だからヤスはのカニちゃんから取ってきてるみたいな話が、当時『NANA』を研究してたときにあって、
それで、なるほどなと思って読み始めたんやけど、
そのときはいろんな元ネタを、音楽にしろ映画にしろ見て、
ああ、これこういうことやったんやっていうのを楽しんでる面白い時期やったんやけど、
だから『NANA』的なもんをに期待して読んだら、
『KISSxxx』の88年から90年ぐらいっていう、完全にバブルがめちゃめちゃ盛り上がってる時期っていうのも多分あると思うんやけど、
あんまりの中身の無さにドギも抜かれて。
中身の無さ、ああそうなんや。
本当に話らしい話は一応あるんだけど、
なんていうかな、矢沢あいってたくさん読んだやん、俺らも。
たくさん読んだけど、もう話がすげえこもってる人やん。
ストーリーテリングの人やん、基本的には。
まあ話の起伏はものすごいよね、ラブコメもあるし、泣けるとこもあるしみたいな。
うん、話が面白い人やん。
そうね。
そこの根幹もにあるんかなと思ったら、そこは矢沢あいの要素で、
だからルック的なところとか、雰囲気の感じとかは持ってきてるところはあると思うんだけど、
これで終わり?みたいなさ。
あまりの中身の無さに、そのドライな感じに衝撃を受けて。
15:02
なるほどね。
まあそっか、でもインパクト、見た目のインパクトがまずガーって入ってくるから。
オシャレでもないんか。
まあ何やろ、デザインとかの方向のオシャレっていう感じ?
うん、そうだね。
とかにやられるっていうのはあるんやろうな。
むしろなんか中身がない方がやられそうじゃない?
変にこう、エンタメに寄せすぎてるとさ、ちょっとっていうのあるから。
うん。
あんまりこの言葉使うとあれだけど、エンタメとアートっていう二項対立の線みたいなのがあるとするならば、
まあ完全にエンタメをやろうとは思ってないね。
やりたいことだけやっておこうって感じが、俺はするね。
ああ、なるほどね。
今読むと。
うん。
まあ実験的なこともやってるし、なんてドライな漫画なんだと思って。
こんなんでやってしまったらやられるに決まってるわなみたいなのは本当に思った。
なるほどね。
なんかでもそれをやりたいことをやってバーンって受けてるっていうのがめちゃくちゃかっこいいよね。
うん。
で、これもまたちょっと脱線するんやけど、
丸尾末広先生がさ、あの少女椿とか。
うん。
が、僕の漫画はずっと若い子が書い続けてくれてるみたいな話をしてたん、インタビューでしてて、昔。
うん、わかりますね、確かに。
まあ俺ら世代とかはビレバンで、うわ、表紙見て一回うわってなって引くけど、なんかちょっと気になるから買ってしまって、やっぱ開いたらうわってなるみたいな。
うんうん。
そういう経験をしてるところもあるし、なんかその丸尾先生が言ってたのはずっと10代とか20代の新しいお客さんが来て、まあどっかで僕のことは忘れちゃうんだけど、またでもまた新しい世代の子がずっと入ってくれるから一定の需要があるから書き続けられてんだよみたいな話をしてて、そういう一定の集団の中で絶対に刺さる1人みたいなのが多分いたりとかしていて。
うん。
そういう人が集まったら100万部売れるみたいな現象だと思うんだよね、がそんだけ売れたっていうのも。
なるほどね、まあ何十人に1人でも日本で見たらいっぱいいますからね。
うん。
だからその本当に、それあなただけのものだよっていう、そういうとこなんだろうなっていうふうに僕は楠本まき先生の漫画に触れたときに、そのやられちゃう魅力みたいなに思ってて。
確かにね、そういう感じはするよね。でもそ丸尾末広とかもそうだし、何やろうな、音楽とかで言ったらなんかこう、戸川純とかもそういう雰囲気の方なんかなと思うんやけど、
端美感みたいなものってあるよね、なんかこう一個の線みたいなやつがね、そこの系譜って感じは感じるんだけどね。
あると思うな。まあ俺ら世代だと古屋兎丸とかもそういうとこだったと思うし。
18:00
あーそうですね。
うん。
確かね、そこら辺、まあちょっと楠本まき先生がどういうところに影響を受けたのかっていうのは私はちょっとわかんないですけど、そういうのもありそうやなーって感じはしますよね。
うーん、するよな。で、俺はオープニングトークで言った通り、あ、そっかと。まあそれこそ、古屋兎丸の『ライチ光クラブ』とか流行ってたから、高校の時ぐらいか、あれって。
そういうのとかも大元ネタの一つで、楠本まきってその、それちょっと端美派の一つのでかい大作家なんだって思ってたんだけどね。
うんうん。
さっき紹介した、「線と言葉、楠本まきの仕事」っていう本が出てるんだけど、まあインタビューとかいろんな評論とか、実際の単行本作った時の、まあ想定の話とか、その想定のデザイナーの方とか、すごい楠本まき先生の仕事がいろいろ知れる素晴らしい本なんだけど。
うん。
そこに書いてある文章にやっぱり、批評文で似たような、あ、やっぱもうまさしくそうだな、まさしくそういう作家だよな、そういう漫画だよなって思うような文章があったので、それをちょっと引用させていただきたいんですけども。
うん。
まず、みすみみずきさんの、「君は僕じゃないし、僕は君じゃない。」という文章から引用します。
どうして自分はこの中にいないのだろう。楠本さんの漫画に登場する人になりたい。亀野ちゃんではなく、カノンでもなく、なじでもなく、けいでもなく、私が私として登場したかった。ありふれた日常を離れて、かっこよく耽美に行きたかった。
っていう文章が一つと、もう一つ、やぶまえとも子さんの文章で、楠本まきろん、解放と連帯のメディアとしての少女漫画という文章から引用です。
彼女の作品は、それを通じて少数派を自認する少女同士が繋がるための隠れた護符のようなものだった。
まだゴスロリもビジュアル系もバンギャという言葉もない頃である。っていう文章があるんだけど、この2つの文章めっちゃわかるなーって思ってんな。
なるほどね。
楠本さんの漫画に出たいみたいな。この日常から離れて耽美にこの世界の中に入りたい。私が登場したいっていうのと、憧れみたいなもんと、
その少数派を自認する少女同士っていうふうにこれは表記があるけど、少数派を自認する少女同士が繋がるための隠れた護符のようなものだったっていう、楠本まき先生の作品が。
っていうのが、まさしく、なんかそういうもんだよなーっていう感じがあって、ズバッとそこを言い当ててて、素晴らしい文章だなーと思ってんなー。
21:05
なるほどね。護符っていう表現がすごいですね。
でも確かにこう、精神的なもんとかファッションとかって名前とかが付いてないとなかなか難しいけど、
楠本まきが好きっていうこと、この漫画が好き、が好きっていうことで繋がれるじゃないですか。そこになんかこう1個の名前ができるというか、が好きっていう。
で、この護符っていう表現がめちゃめちゃいいと思うんよね。だから本当に、これも表現がちょっと難しいけど、まあ聖書っていうかさ、本当にこの身につけるお守りみたいなさ、
これがあるからみたいな、多分持ってる人にとってはすごい光ってる何かみたいな、お守りみたいな感じでずっと持っとける何かみたいなね。
なんかそういう感じがあって、なんかその感じもすごくよくわかるし、次回改めて後編でね、作品のどうのこうのって話はしたいんだけど、もう楠本まき先生のこの文章、
引用した「線と言葉、楠本まきの仕事」でもそのあまりのこだわりのいろいろ載ってるから、デザインとかやってる人は絶対読んだ方がいい本だと思うんだけど、
本当に装丁とかに関して、もう半端ないね、こだわりが。 そうですね、まあ後半の方で語ると思うけど、資料通り読んだ時に、まあデザインが一番すさまじいなってやっぱ思いました。
いろんなものとか絵の配置とか、色使いとかっていうのが寸分の狂いもない感じがある。
なんかすごい単行本大切に取り扱いたい感が出てくるよな。ここまでやられると、みたいな。 そうですね。
だから本当に箱入りの単行本とか、ほんまいろんな印刷でできることすごいやってて。
多分だからそれは、楠本先生もそういうさ、少女同士が繋がるための隠れた護符みたいなものを届けてるっていう感覚があったんだと思うよ。
なるほどね、よりそういう感覚が湧くね、確かに。 そうそう、そういうもんだから、そういう大事にしてほしい、美しいものを作ろうみたいな感じがあったんだと僕は思ってて。
なんかそういう作家さんでね、本当に面白いなっていうのがあって。 心のすなじ。
心のすなじ。 でまぁ、楠本まき先生の作家性というか話みたいなのは、とりあえずここまでなんですけど、
何度も言ってるんですけど、僕が楠本まき先生に触れた時に、 あー、あの時中学生とか高校生とかの時に「KERA」読んでた子たちは、この人が言ったら神で、
24:03
そこから派生したもんとかを愛好してたんだなって思ってんな。 で、これはもう先に結果から言うと、これは間違いだった。
あ、そうですか。 うん、今回何人にアンケートできたかっていうと46人答えてくれたんですよ。
すごいっすね。 46人に「KERA」とか読んでたり、その言ったらゼロ年代の雑誌から広がるカルチャーみたいな、そこに関する話みたいなのを聞いてったんだけど、
その時期に、「KERA」とか読んでた時期、ゼロ年代に、楠本まきの漫画って読んでたかって言って、読んでたっていう人は40以上の人以外は一人もない。
あ、そう、じゃあそこはかなり顕著に世代感が出てるんだよね。 そう、世代感が出てるし、しかもその40超えた人たちにも、
楠本まきを読んでた層と「KERA」を読んでた層っていうのが被ってたかっていうと、そこはね、ある程度「KERA」自体が音楽的なもんを取り扱った雑誌だったから、
みんな雑誌を読む時代だったから、そこは被ってたとは思うけど、直でそこが繋がる感じでは多分ないよっていう。
なるほどね。 うーん、そうかみたいな、俺の見たて全然違ったんやなーっていうのが、今回のこのアンケートですごい思ったし。
真っ黒っていうのは共通してるけど、ロックっぽい感じっていうのと、もっと耽美っていう感じの人で、やっぱ層違ったみたいな話とかもあって。
なるほどねー。 まあなんかその、たぶん住み分けがあったっていうことだと思うんだよね、そこが。
で、たぶんそれはだんだんそういうのが、僕たちが「KERA」とかに出会った時期っていうのは、その辺がだんだんこう混ざり合ってた時期っていうか。
真っ黒やけど、それももうちょっとポップになったゴスみたいなもんで、例えば70年代とかにあったようなその耽美っぽいもの。
70年代、80年代の耽美っぽいものからはだいぶ、そこから影響はゼロじゃないし、大元が例えばそういうところもあるんだろうけど、
ポップに、パンクとかストリート化したもんみたいなもんを俺らは食らってるから、ちょっと違うんだよね、たぶんね、その辺がね。
なるほどねー。 うーん、なんかそこが結構面白いとこだなーって思ったねー。
確かにね。台本に「KERA」の表紙載ってますけど、確かに言われてみれば、言ったら楠本まき先生が書いてるような耽美さとかとはやっぱり全然違うというか派手ですよね。
ちょっと違うのよ。 うん、「KERA」の方が。
だから確かに意外とかぶらんのかもなーって思うような、その辺り。
時代ももちろん10年20年ずれてるからね。ただ、俺はそこが直結するもんだと思ってたんだよね、なんとなく。でもやっぱ違うんかーと思ってて。
僕ら世代の、それこそ楠本まき『KISSxxx』のような聖典って、『NANA』とパラキスはもちろんですよ。
27:07
矢沢あいっていうのはまず一つでかい、そういう黒っぽいものをざっくりとゴスっぽいものの入り口にもなってるし、もう一個僕の世代ででかいのは多分、映画下妻物語なんですけど。
うん、下妻物語ね。僕全然、あの存在は知ってたけど、周りで好きっていう人会ったことなかったから、今回初めて見ましたね。
トミー・ヘブンリーがエンディングテーマを歌ってるんやけど、トミーの存在も僕これで知ったし、それこそ「KERA」読んでる子とかは本当に下妻物語に浸水してたね。
あーそうなんや。
で、この2年後に嫌われ待つ子の一生でしょ、中島監督は。
だからなんかあの久々にこの下妻物語も俺10年ぶりぐらいに見たんやけど、今回に合わせて。
その、まあ、この映画のなんかエポックスさみたいなのはやっぱ変わらず、まあ見たことなかったしさ、本当にこういう、まあゴスロリって言葉が生まれるのもあったけど、
まあ僕みたいなすごい田舎の高校生にまで届いてるぐらいの、もちろんTSUTAYAでレンタルしたDVDで見てたから、見たのは多分2006年とかなのかな。
高校、中3か高1ぐらいだと思うんだけど。
うんうん、そうか。まあでも、まあ本当にシモツマ田舎の話やしさ、まあ東京も出てくる。
だから言ったらその、ほんまに地方でこういうファッションとか、まああとヤンキー文化とかもそうなってくるんかもしれんけど、そういったものにこうハマってた人らからしたらさ、
自分らやんみたいな感覚あったんかもしれないですね。 まさしく。
田園風景の中をロリータ服で歩くっていうルックは、かなり当時の地方のそういった魂を持った人々に刺さる何かがあったと思うよ。
やっぱ見直して何の中身もなかったしな。
その中身がないことが別に悪いって言ってるわけでは一切なくて、ルックだけあればいいっていう感じの態度みたいなのがすごい、あの時のゼロ年代っぽいなっていう感じがすごいあったのね。
だからフカキョンと土屋アンナがいろんな衣装でダラダラかっこいいルックで喋ってるだけでいいっていうさ。もう多分それだけでいいのよね。
例えば田園の中をバーって走っていくとか、かっこをさせた二人をそういう田園風景の中で動かしたいっていう絵のイメージはあったと思うんだけど、もう多分それだけでいいっていう感じが、あの頃っぽいなっていう感じもすごいしたし。
小野不由美の「屍鬼」っていう小説があるんやけど、それを藤崎竜が漫画にしてるんやけど、その中にもめちゃめちゃロリータ服で田舎を歩くみたいなシーンがあるんだけど、あれとかって、あ、そうか下妻物語やったんやなーとかも思ったりとかしてて。
30:10
俺も当事者だからわかるけど、田舎の何もないとこにかっこいい格好とかして歩くっていうことの、魂だけを自分に持ってて戦うみたいな感覚っていうのが。
まあ下妻物語もまさにそういう感じやったもんね。一人で自分の好きなことを貫くっていう話やったし、なんか確かにな、すごいわかんねえな、なんか田舎で革ジャン着てる人とかさ、おるやん、一人で。やっぱこう目指すから。
なんかそういう人らのインパクトってあるし、強さもあるし。
うーん、そうねー。
なんかまあそんなんで、まあそんな下妻物語の話はそんなんがあるし、あと同時期、キャラとかにはあとネオビジュアル系ね、当時ネオビジュアル系って言われてたんですけど、ガゼット、ナイトメア、アリス・ナイン、シド、アン・カフェとかね、懐かしい名前しかないっていう。
まあでもさ、ナイトメアとかさ、あのデスノートの主題歌とかやってたしさ、結構流行ったよね。
うん、シドとかもそうやし、アン・カフェもアニメソング歌ってましたね。ダーカー・ザ・ブラッカー、二期のオープニングとか。だからここら辺はね、多分アニメから入っている人結構いるのよ。
そうそう、アニメの文化とも近いのよ、この辺って。
まあこう見た目のね、ポップ感とかも含めて、やっぱ入りやすいし、アニメから。
当時それこそ、「KERA」とか読んでる子はこの辺のなんか、この辺聴いてたなっていう印象もあるしな。そっちのビジュアル系好きっていう子もいたし、まあビジュアル系はそうじゃないけど、真っ黒みたいな子もいたなっていうとか。
その辺もまあいろいろ言われてみたら、そこでも進み分けあったなとかも思うんやけどね。
なるほどねー。
あとアニメとかで言うとさ、ロリータとかそういうフリフリのゴテゴテした感じっていう意味で言うと、ローゼンメイデンね、やっぱね。
ローゼンメイデンのアニメ版とかもその辺の、なんかそういうもんだったよなっていう感じがするし、まああとクランプの作品とかタネムラアニマの作品とかももちろんね、そういうゴテゴテした感じもあったし、
ルック的には、なんかそういうもちかしいとこあったなーとかも思ったりとかしてて。
そうですね。なんかそう流れてやっぱこう、原流は一緒なんやけど、そのゴスからのそのゴスロリとゴスパンクの方でかなり、何やろ、枝分かれしてきてるというか、2000年代まで入ると。
なんかあんま被ってない感じがするねんよな。
あー、まあだからあの、始末は物語で考えるとわかりやすいっていう。だから違うけど、一緒にいるってことよ。
あーまあ、あの、チアンナの方をゴスパンクとしてみたいなことですか。
うん、そうそうそうそう。っていう関係だと思うよ。なんかでも通じ合うとこがあるっていうか。
でそれこそ、「KERA」読んでる子って、いわゆる横のキューティーとかジッパーとかの子らとも仲良かったよ。
その、青文字系の子は青文字系の子で仲良かった感じがしたよ。俺の中では。
33:03
あー、なるほどね。
今回のアンケート聞いてると、やっぱそこはかなり一緒に読んでた子も多かった。
あの、ジッパーメインで読んでたけど、たまに「KERA」も買って呼んだっていう子とかもすごい多かったし。
なるほどね。
っていう感じがしたかな。うん。
友達なんやな、その辺りは。
うーん、っていう感じはあるかな。
なるほど。
うん。雑誌の「KERA」の、って98年にできてて、その前にフルーツっていう原宿のストリートスナップを主に撮ってる雑誌が先にあんのね。
で、「KERA」の方が後発っぽい感じっていうのがあって。で、これは複数名の人から同じ話を聞いてて、46人の中に5,6人言ってたらこれは真実なのではないかっていう見立てをしてるんやけど。
フルーツの方がやっぱ都会、原宿で都会的な感じがしてて。
うん。
「KERA」の方が、やっぱちょっとこう、こっちの関東の人たちの言い方で言うと北関東感っていうか。
言ったら地方のヤンキー層にも届く感じのイメージがあったって言ってた。
へー、そうなんや。そっか、北関東感。
うん。地方都市にも届く感じって言ってて。
確かに、俺もクラスで思い返してみると一番オシャレな子はフルーツとかを主に読んでたのよ。
うーん。
そうそう。だからそういう住み分けみたいなのもあったし、まあちょっと違うかみたいな。
で、僕その「KERA」が国立国会図書館にある分は大体全部読んだんやけど。
うん。
中身が思ってるより、さっきの話から続いてるけど、もっと、なんかもっと真っ黒だった覚えがあったんやけど。
思ってるより、それこそメロコアっぽいもんつーか、そのポップパンク的な文脈とめっちゃ近かったよな。
へー、じゃあなんかダウナーな感じじゃないってことか。
そうそう、意外とそうでもなかってん。なんかもっと俺はダウナーな印象があったんやけど。
例えばマイケミとか、マイケミカルロマンスね、とかサム41とか、まあ当時のそれこそポップパンク系のガイタレみたいなの載ってたりとか。
うーん。
あと日本人とかだと、まあ当時ちょっとロック系の歌手、黒い服着たロックっぽいテイストのJ-POP歌手みたいな、
一人の女性の歌手みたいなっていろいろ言われてたんやけど、そういう人が載ってたりとか。
あの第五スターダストだったときに第五が載ってたりとかしてて。
懐かしすぎる。
うーん。
なるほど。そっか、そういう感じの格好やったもんね、なんかウィッシュやってたことね。
そうそうそう、とか、あの王健もずっとコラム、バンドマンの恋人になる方法っていうコラムを連載してたりするんやけど。
ファンギャム系ですね、まあ説得性あるよね王健は、そういうことやると。
そうそうそう、だからなんか、思ってるより結構パンクっぽい、ちょっと思ってるよりストリートやなーみたいな感じはすごいしてて。
36:00
ただなんか、あの宣伝、映画宣伝とかで取材受けてる女優とかが、まあ栗山千明さんとか加穂さんとかが出てきてたんやけど、俺が読んだゴーでは。
が、「KERA」に来たんでっていうので、そのゴス系のファッションをしたりとか、いうページとかもあったりとかしてて。
まあなんかイメージとしてはまあもちろん、その感じは残ってはいるっていう感じかな。
なるほどねー、まあ栗山千明とかめちゃくちゃ似合いそうやけどな、確かに。
うーん、それこそ俺の当時の記憶で言うと、やっぱこの時って、まあキルビルとか栗山千明が出た後だから、象徴の一つではあったよ、栗山千明って。そういう子たちがみんな好きって言ってたもん。
あーまあそうか、黒髪でこのロングでバシーンみたいな。
そうそうそう。でもやっぱりキルビルのね、あのイメージとかあったし。
だから後にリンゴに曲書いてもらうやん。
はいはいはい、あったな。
なんかそこもすごくよくわかる流れっていうか。で、まあ今名前出したけど、この辺一帯の子はみんなリンゴも大好きだったよ、もちろん。
そっかー、なるほどね。
この辺の青文字系の雑誌って漫画が載ってるんやけど、まあ中村あすみっ子ののけものと花嫁っていうのも、いくはら国彦、少女革命撃破のいくにさんが原作で中村先生が絵描いてるっていう、最高でしかない漫画もやってたし。
まあもちろん球体関節人形についてのコラムとかもあったりとか。
そういう耽美ーのためのレッスン感は一応残ってたのが、キラーにはあった、そのピストルズとかクラッシュとか初期パンクのコラムとかも載ってたりとか。
ピストルズのグラビア載ってたりとかもしてたから、まあなんかそういうThis is 耽美ーへのレッスン入り口のための雑誌みたいな見立ては一応あってはいたかなっていう感じがしたかな。
そんな感じですね。
例えばその球体関節人形とかって、またもうちょっと都会のサブカルにイメージがあるんだけど。
そういうのも同居してて読んでるもんなんやな、地方の人らは。
まあでも1ページとか2ページとかよ、それは。
うん、いやまあでもそういうのさ、ちっちゃい子でやっぱ見たことあるから、都会に来て、例えば中野のブロードウェイとか行ったときにハマるとかありそうやなと思って。
あるあるある。だから一応やっぱそのゴスのためのレッスンにはなってたと思うね。
そう、最後にこのインタビューの内容3つ。
主に、まあいろいろ人によって変えて聞いてるんやけど、3つインタビューしてて今回。
キャラとか雑誌とか、まあゴスについてみたいな感じのインタビューなんだけど。
まあ1つが、ゼロ年代はゴスっぽいものが流行っていたという感覚はありましたか。
2つ目が、当時の雑誌の影響力について。
雑誌に載っているブランドの服もしくは似たような格好をプチプラなどでしたりしていましたか。
39:06
で3つ目が、まあさっき言ってたけど、『NANA』パラはもちろん、同時期にクスモトマキオオカサキ教皇『NANA』ナンキリコなどのA5版の漫画を読んだなという記憶はありますでしょうか。
これ雑誌読んでた時期にね。
っていうふうに聞いてたら、まず1つ目、ゼロ年代はゴスっぽいものが流行っていたという感覚はありましたか。
これほとんどの人が、流行ってたなっていう感じのことを言ってる。
で特に、やっぱり僕の認識と一緒で、03年から06、0『NANA』ぐらいまでは、やっぱり流行ってた。
めっちゃ多かったっていうよりは、それぞれいたっていう感じの回答をしてくれてる人が多くって。
あー、なんかわかります。
これは僕同い年の子が答えてくれたところをちょっと1個紹介するんですけど、
1つの層として、いたという印象。
フォークローとかボフェミアンファッションが主流で、同世代の子はキャンキャン系、エビちゃん全盛期、モリガール系、その他という分かれ方だったと思う。
そしてその他にゴスロリやパンクが入ってた感じ。
もうこの感覚めっちゃわかる。
ちょっとこれ答えいろいろ書いてくれてるんで、それはノートに載せとくんで、よかったら見てみてください。
でちょっと年下の子だと、実は言ってなかったんですけど、キャリーも「KERA」ーの表紙とかやってんのよ。
てかキャリーは「KERA」ーのストリートスナップで初登場してんのよ。
へー、そうなんや。まあまあ、青文字系。
そうそう、そっちのジッパーとかにも出てたんだけどもちろん。
で、やっぱキャリーが表紙やってたような時期で、中学生の時に「KERA」ー読んでたって子が、一つ面白いあれがあったのが、小学生の時に黒魔女さんが通るという青い鳥文庫でゴスロリに興味を持ち、ゴスロリワイブリアー、「KERA」ーを立ち読みしてたっていう話があって、これは次世代下の子なんだけど。
むしろ僕こっちはわかりますね。
これわかるんよ。
赤と黒っぽい、確かゴスロリっぽい格好した女の子じゃなかった?
多分合ってると思う。
ストーリーまでは把握してないけど、その青い鳥文庫のとこで平積みですごい売れてたって印象がある、この小説は。
そうそう、そこでちょっと興味持って、雑誌見るとキャリーとかが出てきたした時で「KERA」ー読んでたみたいな話。これはちょっと世代の下の子なんですけど。
次。当時の雑誌の影響力について、雑誌に載っているブランドの服もしか似たような格好をしていましたか?
これ聞きたかったのが、言ったら、あの時、黒い服を着てた人達っていうのはやっぱ雑誌の影響家とかだったのかな?って言って。
それは実際に載ってるブランドの服だったんかな?それかプチブランドなんかとかでやってたんかな?とか。
42:01
で、「KERA」ーだけ読んでると、それなりに高い服しか載ってないからさ、もちろん。
だから、これを実際にどういう風に需要してたんだろうってことが気になって聞いてみたって感じなんだけど。
なるほど。
うん。これね、マジで買ってたっていう人の方が少なかったね。
ああ、やっぱ難しいか。
うん。やっぱ経済的な事情ですね。中学生には高かったので、お年玉もらった後とかセール期間しか買ってなかったっていうのとか。
うん。
服はもう本当に高くて、そもそも店舗に行くのも勇気がいるから行けなかったっていうのもあるし、
なんでやや化粧とかヘアアレンジのコーナーみたいなのがあるから、そこを頼りにしてそういうのは真似できるからっていう、そこをやってたみたいな。
この回答もめっちゃ多かったよな。そういう化粧とか髪型だけはやってたみたいな。
なるほど。それは家でもできるもんね。やっぱ店に行くってハードル高いよな、絶対。そういうファッションの店入るっていうのはね。
そうそうそう。で、なんか答えてくれてる全般的にやっぱ今もちょっと憧れの一つはあるみたいな。やっぱゴスっぽいもんとかって。
へえ。
いつか例えば大学生になったらやろうかなーとかやりたいなーみたいな。思ってたけど結局やってないし、でもやっぱ憧れの何かだったなーみたいな感じの回答がすごく多かったねー。
なるほどねー。そうか。
まあじゃあなんかそういう話とか聞いてたらさ、ますますあの下妻物語の深き音とかがああいうファッション自分でこう貫いてるって言うとかっこいいなってより思いそうやな。
周り気にせずに自分のファッションやってますっていうことがさ。
そうそう。深き音もなんかそのわけわからん方法で金は作ってるから。やっぱそういう方法で金作らんと手に入らへんブランドみたいな感じがあるよね。
そうやな、確かにそっかそっか。その辺はちょっとコメディ調でごまかされてたけど、やっぱ難しいもんな。ほんまに欲しい服買うのって。
そうそうそう。もちろんね。これは俺の同世代ぐらいの人が答えてくれてるから、上の人らとか言ったら、もうちょっとお金に余裕あった層がどうなんかっていうのは、ちょっとその辺の人たちの回答が少ないんで、そこはもうちょっと掘り替えがあるなぁとは思うんだよね。
当時流行ってた時に20代前半とか30代ぐらいだったら変えるわけやんか。だからその辺はちょっと気にはなるね。
そうですね。ちなみにこれ、そのアンケートの46人の方は、東京とか地方とかっていうのはなんか偏りがあったりするんですか?
それもね、言うの忘れてた。ありがたい質問ですね。それで、変えたって子はほぼ都会に住んでないと無理。
あーやっぱそうね。まぁ店自体がね、都会にあるもんね。
そうそうそう。だし、頑張って買ってたっていう子もいるんだけど、なんとか都会に出れるぐらいのエリアの子っていうか、まぁちょっと電車に乗りついたらいける子じゃないと無理で、やっぱ地方にいた子はもうそもそも周りにもやっぱ少なかったしっていうのは、そもそもそうっていう。
45:16
店舗に行くのが無理だし。で、今みたいにネットも発達してないから、まぁその通販で買うみたいなのもあったんだけど、やっぱそこも全然ハードルがあるからっていう地方差もめちゃめちゃ感じたなぁ。
はー、なるほどね。面白いですね。
そうそう。で、あとその、そもそもいわゆるスナップをメインにしてる、ストリートスナップをメインにしてる雑誌って結構地方によってそれぞれあったりするね。
あ、そんなローカルのもんとかある?
そうそう、あんのよ。地方のか、それぞれそういうスナップ系は雑誌があるから、そっちをメインに読んでて、そっち系のキャラとかが、ジッパーとかがあんま置いてないっていうのもあんねん、地方だと。
あーなるほど、そういうことか。
そうそうそう。だから、わざわざ都会行った時におっきい本屋さんで買ってたっていう子もいたりとか。だから、そもそもなかったから赤文字系、そっち王道の方を読んでたっていう子も、結構地方の子はそういう回答も多かったりとかしてて。
うーん、ゼロ年代はやっぱ全然地方差あるなぁ。当時俺の田舎でもゴスの子おったけど相当選ばれし存在だったよなみたいな。
かなり強い意志で情報を持ち、どこかに出て行き、買ってたんだなっていうのがすごいなーって改めて思ったりしたな。
強い意志と努力がないとできないですよね、やっぱ地方では。
うーん。
でもなんかそう抱えたら、ナガとかファラとかそういう漫画ってさ、田舎でも都会でもやっぱ置かれるものやから、そういうものの力って強いな。
そうそう、だから矢沢あいが撒いたなんか一つの種が、そういう先、そういういろんな感じで表出していったっていうのが面白いねー。
うーん。
うーん、そうなのよ。
でまぁ最後、まぁちょっと初めにも答えちゃったんだけど、『NANA』、ファラはもちろん同時期に、クスモトマキ、岡崎教皇、『NANA』ナンケリコなどのご飯の漫画を読んだなという記憶はありますでしょうか。
で、これは本当に、さっきも言ったようにクスモトマキ読んでたっていう人は40オーバー以上いなかったんだよ。
うーん、それは40オーバーだとリアルタイムで読んでるぐらい、ん?もうちょい下?
うん、とか、うん、リアルタイムよりはちょっと下だったし、まぁリアルタイムで読んでたっていう方もいらっしゃったんだけど、
うん。
そうね、あの資料通り数の時に読んだみたいな人が多かったかな。
はぁー、そうなんや。
うーん、逆に岡崎教皇、『NANA』ナンケリコはみんな読んでんのよ。
ふふふふ、まぁそうやろうな正直、僕ら世代でもめっちゃ読んでるもん。
いや俺、俺はこの岡崎教皇、『NANA』ナンケリコを語らないのってそりゃね、読んでるし別に語る必要ないやろっていう感覚やな。
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うーん、みんな通ってるよな正直。
そうそうそうそう、でも、俺ここまでタイムレスに読んでるんかっていうところに衝撃を受けて、あと庵野文彦もいるわ。
あー、そうね。
そう、だから、今回僕はあれって何やったんかなとか、素通りしたようなものを改めてしっかり語りたいって思ってるから、
うん。
草本真貴の作品を選んで語ろうと思ったのは間違ってないと思って、やっぱセンスいいなと思った自分で。
なるほど、まだこう、世代を越えて広がってないものをやっぱりこう、特集して伝導していかなければという。
そうそう、ここをなんかさ、いろんな質問でさ、みんな、「あ、いやそうだったんやそうだったんや。」って知らんことや知らんことやみたいなばっかりだけどさ、
急にその漫画の話で見たてになると急にズバーンって当たってしまってさ、「あ、そこはそうなんかい。」みたいな。
なるほど、あ、でもめちゃめちゃ面白いですねそれは、貴重な資料ですね。
あとちょっとね、ざっくりしか紹介したいんで、その答えてくれたやつはちょっとバンマン載せるもあれなんで、
こんな話があったよーみたいなのを予約したいろんな話をバババッと載せておくんで、よかったらこれノート見ていただければなと思います。
はい。
ということでですね、今回は、前編、ゴスのためのレッスン1ということでですね、
チシレオドーリス・クスモトマキ特集の前編としてお届けいたしました。
はい。
次回はですね、後編として、クスモトマキ先生の作品のザザッと紹介、そしてチシレオドーリスについてですね、評論していきたいなと思っております。
はい。
それでは皆様、ごきげんよう。
49:52

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