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2024-10-02 47:24

第90回『我々は、ブレア・ウィッチ・プロジェクトに回帰する』

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昨今、映画、というジャンルに限らず、モキュメンタリー、フェイクドキュメンタリーというジャンルが【ホラー】として再燃しています。『フェイクドキュメンタリーQ』(21~)、『The Backrooms (Found Footage)』(22) 、『近畿地方のある場所について』(23)、テレビ東京の大森時生によるプロデュース作品『このテープもってないですか』(22~23)『イシナガキクエを探しています』などなど……。

ホラーというジャンルは、新しい技術の発展に追従してきた歴史があります。では現代のこの隆盛を作った元祖、というのは、99年、《行方不明になった学生たちが残したフィルムを遺族が再構成した映画》として公開された『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』ではないでしょうか。

今回は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』特集として、本作の再評価を試みます。90年代前半生まれの私たちのみていた光景、歴史から《モキュメンタリー、フェイクドキュメンタリーとは?》2024年に観る『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の価値についてなど、お話しています。


◆『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)

あらすじ:《1994年10月、モンゴメリー大学映画学科に在籍する三人の学生は、魔女伝説を題材としたドキュメンタリー映画を撮影するために、メリーランド州バーキッツビルのブラック・ヒルズの森に向かった。

しかし、撮影を続ける三人は、そのまま消息を絶った。警察による懸命な捜査が行われるものの、手掛かりが発見されないまま、やがて捜索は打ち切られてしまう……。

事件から1年後、彼らが撮影したものと思われるフィルムとビデオが、森の中で発見された。本作品は、事件を周知して謎が解かれることを遺族が望んだことから、彼らの残したフィルムを再構成して映画化したものである。》

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◇モキュメンタリー、ファウンドフッテージ、POV要素のあるホラー映画

『世界残酷物語』(61、イタリア)

『食人族』 (80、イタリア)

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』 (99、アメリカ)

『ノロイ』 (05、日本)

『パラノーマル・アクティヴィティ』 (07~11、アメリカ)

『REC/レック』 (07~14、スペイン)

『グレイヴ・エンカウンターズ』 (11~13、カナダ)

『フッテージ』 (12、アメリカ)

『V/H/S シンドローム』 (13~、アメリカ)

『ヴィジット』 (15、アメリカ)

『ブレア・ウィッチ』 (16、アメリカ)

『コンジアム』 (18、韓国)

『女神の継承』 (21、タイ・韓国合作)

『呪詛』 (2022、台湾)


◇日本の90年代ドキュメンタリー

原一男『ゆきゆきて、神軍』(87)、『全身小説家』(94)

森達也『A』(97)

平野勝之『由美香』(97)


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サマリー

『『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』』はモキュメンタリーやフェイク・ドキュメンタリーの先駆けであり、その影響を受けた新たなホラー作品が日本で再評価されています。また、この映画が異なる撮影手法やジャンルに与えた影響についても考察されています。このエピソードでは、『『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』』の影響やその後のホラー映画の流れについて考察されています。特に、POVやモキュメンタリー形式の作品がどのように進化してきたのか、そしてその中での新たな試みについて触れています。ホラー映画の進化やユーチューバーとの関係について探求されており、新しい技術がホラー映画の表現に与える影響や、個人の恐怖体験、ファウンドフッテージやモキュメンタリーの影響が考察されています。映画としての期待とドキュメンタリーとしての現実性という対立が探求され、視聴者の反応や評価の背景に迫っています。

モキュメンタリーの再燃
今回は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』というホラー映画を特集させていただくんですけれども、
こちらの映画がですね、ジャンルで言うとモキュメンタリー、フェイク・ドキュメンタリーと言われるようなジャンルの先駆け的な作品になってるんですけど、
今回この作品を選ばせてもらった理由として、モキュメンタリーっていうのが主にここ最近だと日本でかなり再燃し始めてるなという印象がありまして、
うーん、間違いないと思います。
プロデューサーのね、大森時生さん関連、「このテープもってないですか?」とか、「イシナガキクエを探しています」とか、
YouTubeとかにも出てて書籍化もした「フェイク・ドキュメンタリーQ」とか、本で言うと「近畿地方のある場所について」とかね。
うーん、そうね。大森さんはテレビ東京のプロデューサーやね。
そうですね、はい。
言ったら若い人が、僕世代とかてらだぐらいの世代、今20代、30代の人の新しい尖った才能のある人っていうのが、なんかこうホラーとかそういった表現に集中してる感じがあるっていう。
ホラーとかそういうに隣接するジャンルで面白いことをする人が増えているのかなっていう、そういうアウトプットがたくさん、
大森さんとか中心にいろいろ出てるよねっていうのはあるよね。YouTubeしかやり、テレビしかやりっていうところだね。
そうですね。例えば日本の白石晃士監督の『ノロイ』とか、今めちゃめちゃ再評価されてますし、
モキュメンタリーっていう言葉がホラー好きの中では、もう当たり前のようにみんな言ってるような状態だと思うんですけど。
そうね。定着したかなっていう。だからまだ10年前だと、ホワキンフェニックスのモキュメンタリーの映画とかあったと思うんですけど、
あんまりちゃんとこういうジャンルなんだっていう説明をしないとまだ伝わってなかったような印象があって、当時とかね。
そうね。それが本当のことだと勘違いしたりとかして、ちょっと炎上するみたいなのもありましたからね、当時。
そうそうそうそう。この10年とかで。どこまで浸透してるのかっていうのはわかんないけど、YouTubeとかその辺を中心に展開してるっていうのもあって、
1ジャンルとして認知度はかなり上がったんじゃないかなとは思ったりするね。
そうなんですよ。そういう話になった時に、モキュメンタリーの言ったら元祖みたいな扱いで、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」っていうものにたどり着く人っていうのもかなり多くなってきてるみたいでして。
ただ、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を元祖として見てみたはいいものの、なんか怖くなかったとか面白くなかったとか、なんかそういうレビューもね、僕結構多いなというふうに思ってまして。
ね。
あの映画のレビューサイトのフィルマークスとかだと、5点中2.9ポイントしかないんですよね、スコアが。
あー、低いね。
かなり低くて、好き嫌いというのは当然あると思うんですけど、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、僕大好きな作品なんですけど、こういう視点から見てみると、とても優れた映画なんじゃないかみたいなことを今回ちょっとどうしても言いたくて選ばせていただいたという流れになってます。
確かになー。難しいよね。やっぱその元祖は元祖であるっていうだけになってしまうことっていうのも、いくらでもあるし。
そうね。元祖が最も優れているというわけでは当然ないかもしれないんですけど、僕の中ではモクメンタリーというジャンルにおいては、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を超えるということ自体が難しいんじゃないかなっていうちょっと一個の物差しがありまして、後々語っていければなと思っておりまして。
今、2024年に見ても、こういう風な見方をすれば価値があるよねと。こういう面白さがあるよねっていう話。再評価だよね。そういうことをしていきたいなということですね。
そうですね。だからかなり時代に追従しているホラーでもあるので、新しいことをたくさんやってるジャンルでもあるし、ホラー映画として単純に怖い怖くないっていう視点以上に、こういう新しいことをやってみましたよみたいなのをみんなが発表してるようなジャンルでもあるなって今回思って。
そうね。90年代って結構日本だとドキュメンタリーブームみたいな、森達也「A」とか原一男「全身小説家」とかね。フィルム時代からあるんだけど、90年代に一つそのリアルと本当にこんな人がいるんかみたいな境界線みたいなんとか、そういう想像力のもとにたぶん90年代の時に、それこそホラーとかのジャンルではVシネっていうものがあって、
そういう中で出てきてる。白石晃士監督のこともその辺の流れから出てきてると思うけど、まだ見たことのない映像が撮れてしまうんじゃないか。しかもそれはもしかしたらカメラみたいなのが、今家庭にみんな配られてる中に何かが映ってしまうんじゃないかみたいな、そういう想像力。
実際それがオウム心理教っていう内部だったり、奥崎健三という狂った人物でありとかね。アダルトビデオのジャンルとかでも平野勝之さんとかの林由美香さんとの不倫自転車旅行を撮ったビデオがあったりとか、そういうものが全部あったりとかしてて。
僕の感覚で言うと、フジテレビの奇跡体験アンビリーバボーとかって、やっぱりその心霊コーナーとか、もしくはあれも97年とかに始まってて、そういう海外からの怖い映像とか流れてたから、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』見て、ああ、あの辺の時の空気の一番、見れなかったけど一番怖いものみたいな。
そうですね。僕らからするとかなり懐かしい要素もあるっていう。
あるし、質感にしてもね、映像の。そういう中で改めて見た僕らっていうのもあるし、今の若い子たちが見てどうかっていうのはあると思うけど。
そうね。そのビデオカメラっていうものをそもそも多分今あんまりみんな持ってないと思うんですけど。
ああ、そうか。だからスマホの時代になったもんね。
家にやっぱビデオカメラっていうものがあった世代でもあるし、ビデオカメラの画質の荒さみたいなもんとか、そういったものも多分、わかる。あの巻き戻しの時のさ、ちょっとこうガーっていう白いスジの感じとか、そういう質感とかがわかるけど、今後どんどんたぶんわからない世代にはなっていくんやろうなっていう。
その辺で言うと、俺らが体験してる最後の世代、、もうちょっと下ぐらいまであんのかな。
そうね。そんな感じでですね、ジャンルとしてかなり確立し始めてきてるものではあると思うんですけど、この『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、先ほどからモキュメンタリーっていう話はしてるんですけど、ちらほら出てるそのPOVという言葉であったりとか、ファウンド・フッテージとか、
撮影手法の分析
その辺りのいくつかのジャンルとか撮影手法っていう意味でも、かなり後の映画に影響を与えたっていうところがあるんで、この辺りを一応説明しておきたいなと思うんですけど、先ほどから言ってるそのモキュメンタリーとかフェイク・ドキュメンタリーっていうのは、フィクションをドキュメンタリー映像のように見せかけて演出するっていう表現手法のことをですね。
ホアキン・フェニックスのドキュメンタリーに話をしてましたけど、ホラー以外にも当然かなりあるジャンルで、松本人志とかも結構やってるなって僕は思ってるんですよ。
ドキュメンタリー作品とかにすごい影響を受けたんだと思うんだよね。
そうですね。有名なところで言うと、ガキ使の「我が、田中」。ココリコの田中が実は裏でめちゃめちゃ破天荒なことをしてるみたいなのは、あれはフェイク・ドキュメンタリーと言っても差し支えないんじゃないかなというお笑いの作品として、ジャンルとしてもあるけど、今はホラー映画としてかなり発展してるというところですね。
そうね。言ったら「働くおっさん」とかはガチなんだけど、手法としては近い感じはするよね。
そうですね。空気感がね、モキュメンタリーなんですよね。
モキュメンタリーっぽいけど。ある種、モキュメンタリーっちゃモキュメンタリーなのかな。森さんで言う「ドキュメンタリーは嘘をつく」っていう言葉に集約をされるというかね。ガチなんだけど、カメラ向けられて喋ったら、やっぱそこに演出は発生するみたいな。
そうですね。だから、ちょっと難しいところではあるんですけど。
ここってギリギリだよね、本当に。
そうね。どこからがっていうのは曖昧だと思います。もう一つがですね、ファウンドフッテージと呼ばれるものなんですけど、これはですね、モキュメンタリーの中にさらにジャンル分けした一種のジャンルになってまして、撮影者が行方不明とかになったんで埋もれてた映像っていう設定のフィクションの作品になってまして、ファウンドフッテージっていう言葉もモキュメンタリーと同じくらい最近よく使われてますね。
そうね。映画好きの人とかはフッテージって言葉は結構聞いたことあるかもしれないけど、言ったら本編に使われてない、編集されてない映像みたいなのをフッテージって言うんだよね。
そうですね。それを未編集の映像をフッテージって発見されるっていうのでファウンドっていうのをつけてファウンドフッテージと。
フッテージという言葉ですね。
最後が撮影手法としてPOVショットというビデオカメラとかで撮ってるような一人称視点での映像のことですね。撮影者がずっと見てる映像っていうのがカメラを通して映像化されてるわけなんで一人称視点として進んでいくっていう。
そうね。
これが結構酔いやすいんですよね、映像として。
そうね。でも今回やっぱりブレアウィッチちょっときつかったわ。
画質も悪いしね。だいたいPOVの作品って1時間半ぐらいなんですよ。なんで体力的にもこの辺りが限界なんかなという感じがして。
そうね。
ちょっと人によってはそもそもPOVが無理っていう人いるかもしれない。
確かにね。
そういうのが不快な人にとってはちょっときついっていうのもあるのよ、これが。
こういうの無理っていう人も多いから。
そうですね。というようなジャンルをはらんでるんですけど、そういう『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の影響にあるものもあればないものもあるんですけど、やっぱり僕らも1990年代生まれで、今に至るまで結構たくさんのホラー映画を見てきてると思うので。
ホラー映画の文化的影響
だからいい時期に生まれてるよね、俺らはね。
そうですね。
あんま判断がつききってない時にそういうVHSとかTSUTAYAとかがめっちゃまだまだあって、そういうものがなんかVHSで見ちゃうとか、友達の家で集まって見ちゃうみたいなので、そういうものがたくさんある時に結構見てるから。
そうね。体験としてね、やっぱサブスクで見るのを否定するわけじゃないけど、このビデオテープ借りてきてセットして見るっていう体験は良かったなと今になって思いますね。
「本当にあった呪いのビデオ」とかね、そういうものとかと一緒に並んでる、なんかもう真っ黒に赤のね、そういうホラーのコーナーが固まっててさ、もうそこ行くのも怖いみたいな、TSUTAYAの一角に。
いや懐かしいな、TSUTAYAのホラーコーナー。
そういうところにさ、中学生とか肝試しみたいな感じでちょっと意気がって友達と借りてみんなで見るみたいな、世代ですから私たちは。
そうですね。ホラーとかエロとかグロとかそういうものにちょっと触れるっていう場所でしたから。
良い時期に育ったなとは思います。今はね、本当に失われた光景だと思うからそれはね。
そうね。
やっぱりそういう僕ら世代なので、モキュメンタリーとかファンドフッテージ、POV要素のあるホラー映画っていうのをちょっと振り返りながら、シャークさんも見たものとかあると思うので。
いろいろありますよ。
その辺り振り返っていきたいなと思うんですけど。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が、言ったら1999年に放映されてからが、やっぱりいっぱいモキュメンタリーって出てるんですけど、これが一番元祖だと言ってしまうと語弊があって。
もちろん。
1980年にイタリアの映画で「食人族」っていうのがあるんですね。
傑作ですよ。
カルト的な人気を誇っている『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の20年近く前にモキュメンタリーでホラーなのかな。
食人族がこの後食人族ものみたいなものになっちゃうから、ちょっと違うジャンルに分配していくからさ。
そうですね。
当時からするとホラーの一つみたいな感じでも見れるのかな。それこそモキュメンタリー要素はあるしね。
食人族からの影響
そうですね。それこそイーライロスのグリーンインフェルノの元ネタなんですけど、ガッツリ元ネタなんですけど。
グリーンインフェルノ、というところに行きますから。
食人族を改めて見たんですけど、ちゃんとグローテスクやし、性暴力のシーンも相当あるし。
ありますし、動物は全部ガチ。
そうなんですよね。カメとか解体して食べるシーンがあるんですけど、そこは本当に殺して食べてるっていうのがあって。
そこら辺がやっぱりリアルかどうかっていうところで言うと、全部がフェイクなわけじゃないっていうところはあるのよね。
そうそうそう。食人族もさらに元ネタがあって、ヤコペッティという監督が60年代から70年代のイタリアにいるんですよね。
ヤコペッティの残酷物語とか、残酷な映画をドキュメンタリーとして撮ってるジャンルがあるんですよね。
そうなんですか。
うん。言ったらそれのパロディみたいな感じでもあるんですよ、食人族っていうのは。10何年越しの。
で、同じヤコペッティの残酷シリーズの音楽を作ってる人が、食人族にも音楽を同じ人が作ってたりとかしてて。
なるほど。じゃあちゃんと線で繋がってるという。
そうそうそう。で、当時ヤコペッティは本当にドキュメンタリーとして出してるんだけど、多くがそれこそ作りなんだよね、本当は。
フェイクだったり。
そうそうそう。で、なんかそういうのは、それこそ90年代とか悪趣味系とか、日本ではそういうモンド映画っていうジャンルで、イタリアで。
そっかそっか、言ってましたね。
そうそう言うんだけど、だからそこのヤコペッティがあって、で、食人族でバコーンっていって、
で、またアメリカとかに上陸して、こういうPOVとかモキュメンタリーって言われるものになるみたいな流れではあるかもしれないよね。
ホラー映画のトレンド
なるほどね。食人族に関しては、ファウンドフィッテージではあるんやけど、やっぱりテレビ番組として撮られてるっていう映像っていう側が強いので、
POVといえど、かなり見やすいかなというふうには思いますね。
そうね。だから、それこそアンビリーバボーとかの元ネタもこの辺にあるんだろうなっていう感じはする。
で、そういったジャンルが一応、、もっと元祖って言い方をするとそうなってて、食人族のDVDのジャケットとか、これが元祖『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』だみたいな。
それは言い過ぎだろって感じだよね。
そうそう。やっぱりそこはモキュメンタリーっていう線で繋がれてるという感じはするんですが、そっから結構大きく開いて『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』があって、
そこからですね、2000年代、ゼロ年代に入ったら、そんなに大きくヒットして目立ってるホラーっていうのは実は前半はなくて、2005年に白石晃士監督の「ノロイ」があるんですけど。
白石晃士監督って、そのブレアウィッチの流れとは全然違う場所にいる人。
そうね。もちろん見てただろうけど、日本のドキュメンタリーとか、そういう怖いビデオを作る人とかから出てくる人だから、、毛は違うよな。
そうですね。ずっとモキュメンタリー撮られ続けてるんですけど、ちょっと別の流れに。
そうね。
っていうのがありまして。なので、ヒットしたので言うと「パラノーマル・アクティビティ」とかなんですよね。
うーん。
そうね。こここんなに開いてたんやっていう感じが個人的にはしてるけど。
確かになあ。、あったんだろうけど、そんな轟くような作品は生まれてないっていうことなんかな、たぶんなあ。
だと思いますね。ちょっとそこまでは見つからなくて。
うーん。
で、「パラノーマル・アクティビティ」はね、僕もすごく映画の広告してたのを覚えてるぐらいなんで。
いやあ、もう衝撃でした。
アメリカの過程で撮られた不可解な映像みたいな感じで、紹介されてるものを映画として見てるみたいな。
うーん。
久々に見て思ったのは、エンタメをでもやろうとしてる映画やなって。
うん。
、普通に面白いからね。
そうね。僕知らなかったんですけど、スピルバーグがかなり絶賛したっていう話があって。
あ、そうそうそうそう。それもね、結構言われてたよ、当時。スピルバーグが一番評価した映画みたいな。
へえ。あ、そうなんですね。
で、結構ラストが賛否分かれるんですけど、ラストはスピルバーグの助言で変えたらしくて。
おー。
やっぱりその、ブレアウィッチとかと比べるとエンタメというか、客を楽しませたいんだっていう。
そうね。
で、スペインの映画で「REC」が。
「REC」、この2本ですよ、やっぱ。
いやあ、そうね。
これね、当時2chのコピペで「REC」がめっちゃ怖いみたいなの出回ってたと思います。
ああ、そうなんや。最近さ、X(Twitter)でモキュメンタリーホラーのランキングみたいな、いっぱいの人が投票して、定期的にあるじゃないですか、そういうの。
はいはいはい。
やってたら「REC」が1位だったんで、やっぱこのネットで強いんだね。
ネットで強い、当時絶対あったあった。コピペすごい回ってたもん。
なるほどね。普通に展開とか映像としてもめちゃくちゃちゃんとした映画なんで、面白いなと思いましたね。
はい。
で、こっから2010年代に入っていくんですけど、2011年にグレイブエンカウンターズ。
知らんな、この辺は。
現代のPOVホラーの展望
これは僕も言ってしまうと、ホラー番組を撮ろうという人たちが精神病棟に閉じ込められてしまうみたいな話なんですけど。廃墟の精神病棟に閉じ込められるって話なんですけど。
グレイブエンカウンターズはですね、かなり酔うと思います。普通に見たら。
ああ、なるほど。
僕の憶測にはなっちゃうんですけど、かなり人間の視線みたいなものを意識してて、めっちゃズームインズームアウトするんですよ。
あー、きついね。
普通の、例えばインタビュー映像ってずっと停電じゃないですか、基本的には。ズームインアウトしないじゃないですか。めっちゃするんですよ、この映画って。
意味なくするやつ。
そう。だから、人間の視線の動きみたいなのをまんまやってんじゃないかなと思ってて。
なるほどね。
それがかなり体力いる要因にもなっちゃってるんですけど。
なるほどなるほど。
あとその病院に閉じ込められるっていうシーンがですね、ほんとにめちゃくちゃ絶望感がある演出があるんで、ちょっとネタバレになっちゃうんで言わないんですけど、そこがほんと名シーンなんで、見る価値あるかなと。
ぜひおすすめです、こちらも。
で、2012年に「フッテージ」という映画がありまして、これは全編POVじゃないんですけど、屋根裏部屋から気持ち悪いビデオの入った段ボールが見つかるっていう、ちょっとミステリー要素のある作品なんですけど。
これは気持ち悪い、不可解な映像っていうところで言うと、トップレベルに怖いですね。
なるほどね。
貞子の呪いのビデオみたいな映像ってあるじゃないですか、気持ち悪い映像。
訳がわからない。
なんかああいうののトップオブトップっていう感じ。
えー、嫌やなー。絶対見んとこ。
それの正体がミステリー的にわかっていくっていうところも含めて、めちゃめちゃいい作品なんで。
ミステリー好きな人はオススメですね。
2013年にVHSというシリーズが始まりまして、初作がVHSシンドロームという作品なんですけど、POVの作品をオムニバス形式で4作品ぐらい入っているっていう作品なんですけど、
これの2作品目、VHSネクストレベルっていうのに、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の監督のエドバルド・サンチェスが撮っている作品が実は入ってて。
へー。
僕今回それ見たんですけど、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は全然作風が違うPOVで。
なるほど。十何年経ってるからね。
そうね。そもそもVHSシリーズ自体がみんなあの手この手で新しいPOVを撮ってるんですけど、エドバルド・サンチェスがやってるのは、
GoProつけた男の人がサイクリングしてたら、急にゾンビに襲われて、ゾンビ化しちゃうんですけどGoProは回ったままなんで、ゾンビ視点でのPOVになるっていう。
あー、いろいろ考えてんなー。
いや、面白いなと思って。めちゃくちゃ結構黒くて、ちょっとシュールなシーンもあるんですけど、そういう結構みんな新しいことをやってて、
東南アジアの信仰宗教施設に潜入するっていうPOV。
ちょっとね、「女神の継承」っぽい感じ。
うん、1ジャンルあるよな、そっちな。
そうそう。みんなめっちゃ新しいことやってるんですよ。
あー、なるほどねー。
これはもう評価的にはそんな高くないんですけど、新しいことやってるっていうシリーズで言うと、かなり随位一かなっていう感じが。
うん、なるほどなるほど。まだまだ見たことないチャレンジやってるやつがもういるよという、あれでもあるってことねー。
そうね。で、2015年に「ヴィジット」ですね。
はい、シャマラン。
これね、急に結構大物監督が出てくるんであれなんですけど。
やりたくなったんだろうなっていう、あれだよね。
そうね。低予算の名監督の映画ばっか見た末に僕もシャマランを今回見たんで、いや映画上手すぎーってなりました。
シャマランの映画は僕基本的には見るようにしてるんです。「ヴィジット」は映画館で見てますよ。
そうなんですか。僕ちょっと今回初めて見たんですけど。
うん、いやでもシャマランの映画の中でもいい作品の一本だなと思った覚えがありますね。
僕もめちゃくちゃ好きで、どっちかっていうとこう人怖系の話ではあるんですけど、圧倒的に見やすいし。
「ヴィジット」見てて思ったのは、カメラを回してることの説得性っていうのがちゃんとあるというか、
そのPOV作品にありがちなんですけど、なんでここでカメラ回してんのとか、なんでここ上手く撮れてんのみたいなのが、
ご都合主義的に撮ってるシーンっていうのが、「ヴィジット」に関してはちゃんとこう撮ってる理由があるというか、
その主人公の女の子が祖父母の家に行って、お母さんに見せるためにビデオを回してるっていうちゃんとしたことがあるので、
なんか本当にこう映画上手いなーっていう、そこにつけるんですけど。
一応言っとくと、M・ナイト・シャマランは「シックス・センス」でね、鮮烈なデビューをした監督でございます。
そうですね。最後の種明かしてきたとこもすごいし。
当時思ったのは、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」ショットみたいなのがやっぱ出現するじゃないですか。
その辺とかが、やっぱそのシャマランがそういうのを取り込んで、俺ならこうするよみたいな感じ?
でも映像はリッチでっていうのは、やっぱすごいなーって思った記憶が大満足で帰った覚えはありますね。
そうね。だからもう本当にいい映画見たいなら「ヴィジット」。
おすすめ。かなりおすすめ。配信もされてるしね。
はい。続きまして2016年に「ブレアウィッチ」、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の一応正当な続編という映画があるんですけど。
うーん、そんなんがあるんだね。
はい。実はありまして、僕はちょっとそんな見る必要はないかなと正直思うぐらいの。
はい。
特筆する点はないという。
そうですね。ただここら辺で結構時代の流れとして明確に変わってくる部分があって、
ネットに動画をアップロードしてそれを見たっていう話とかになってくるんですよね。
なるほど。ユーチューバーの時代になってるから。
そうそう。その2年後にあの韓国の「コンジアム」っていう映画があるんですけど、
そこからはもう完全にユーチューバーとか配信者っていう人たちに。
っていう時代になったんだなー。
なっていきますね。
だから、これが今の、それこそ日本の怖いYouTubeのチャンネルだったりとかの、
大元はこの辺から流れてくるよってことなんだろうな、多分。
そうですね。
はい。
ユーチューバーとホラー映画
で、やっぱりそれまで動画を回してる人っていうのはだいたい番組を撮ってる人とか、
あと映画研究部とかね、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』なんてまさにそうですけど、
そういう人たちが撮ってたっていうところから、
より動画を撮るっていうことが、
YouTubeとかの存在によってより身近なものになったことによって、
ユーチューバーっていうめちゃくちゃ都合のいい存在が出てきてくれるんで、
これ以降結構動画を撮る人たちっていうのは、
ユーチューバーっていう設定が圧倒的に多くなっていきますね。
そうね。で、なんかユーチューバーとかに対するその軽薄な奴らみたいなイメージとかもあって。
明らかな偏見というかね。
そうそう。だからそういう酷い目に合わしやすいみたいな。
会えばいいのにみたいな心理とかも乗ってるんだろうなみたいなとこは感じるかな。
そうね。「コンジアム」はまさにそういう感じやし。
あとこれ韓国の映画っていうのが結構多くて、
若い人たちが友達の家で集まってパーティー的にホラー映画見るっていう中で、
かなり「コンジアム」は選ばれてるみたいで。
へー、なるほど。
うん。「コンジアム」で怖い顔があるんですけど、
そこがですね、ネットで切り取られて、
ミーム的に使われてるっていうのを、
僕結構観測してます。
TikTokとか流しで見てたりすると。
そういうので。ミーム化してるってことね。
そうですね。だから結構ホラーアイコン化してきてるのかなという感じもありますね。
YouTuberっていうとこで言うと、
2022年の「呪詛」とかもYouTuber。
Netflixオリジナル。
そうですね。これはPOVじゃないですけど、
犬なき村とかもね、YouTuber出てきますし。
今後どんどんそういう設定が増えていくのかなという感じはしてますね。
するね。
ちょっと前後するんですけど、
2021年にタイと韓国合作で「女神の継承」をやってますね。
ナホンジンか。
そうですね。「コクソン」のナホンジンがやってまして。
傑作でしたね。
これは本当に傑作でしたね。
、でもあと映像の説得力としてはちょっとすごすぎたかな。
そうですね。
ちゃんとモキュメンタリーをやろうとしてるなっていう感じもあったし。
そうね。でもなんかチャチくないんだよな。それも。
そうね。
いい意味でのチャチさみたいなのが味だったりするとこもあるじゃない。
はいはいはいはい。
こういうもん。そういう風に見えるけど茶畜ないみたいな。
そうですね。
うんうんうん。
暗視カメラやったりローファイっぽい感じの映像にはなるけど、
全然やっぱちゃんと撮られてるから。
映画としての風格がすぐある。
そうですね。結構ここら辺で僕はモキュメンタリーとかPOV極まってきたんじゃないかという感じは。
これ今から2、3年前の話やから。
そうね。
最高到達点だろうなとは思ってしまうわな。
で、ちょっと正直言うと2023、2024あたりってまだそんなドカンと出てないっていうのもあるんで。
ほんと何で出るんかなっていうのは僕は結構今気になってるとこですね。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の魅力
映像、映画の力が強い韓国とか。
実は台湾だけど、それアジアから出てきてるから。
その辺から出てくるのかなっていう予想はあるけど。
またモダンホラーっぽいアメリカとかから出てくるのか。
それともまた戻ってイタリアとかヨーロッパから出てくるのかみたいなね。
そうね。
そういうのもあるかもしれないですけど。
ちょっとすごい今期待してて。
日本でもね、ぜひやってほしいですけどね。
でも大森さんとかはね、なんか決定打を、あんま興味がないかもしれへんけど、
やれるんだったら撮ってほしいですけどね。
いやこの辺りのデカいの残すんじゃないですか、そろそろという感じは。
そうね、若いしね。
そうですね。
こんな感じでですね、ジャンルとしては振り返ってみたんですけど、
POVというジャンルね、ビデオカメラに付随してるジャンルだと思うんですけど、
最近だとスマホっていうものが流通したからこそ短いになったジャンルっていう見方もできると思うんですけど、
ホラー映画って結構そういう新しい技術の発展に追従するっていうのは、昔からよく言われてる話でして、
携帯電話っていうのが普及したから着信アリがヒットしたりとか。
もう大ヒットしましたから。
インターネットっていうものが出てきて、やっぱ黒沢清の「回路」とかね。
「回路」、傑作。世界で一番いい映画。
「近畿地方のある場所について」とかも一番最初はネットやからね、あれ。
動画についたコメントとか。
だからインターネットにホラーが介入していくみたいなことを、
もう本当に全く何の違和感もない時代になってきた。
でもなんかやっぱスマートフォンってすごいパーソナルなもんだけど、
みんながめちゃめちゃ何時間もいじってるもんで、
そこに怖いものを注入されるとか呪いをかけられるみたいなんて、
ビデオで見てた時よりもすごい感覚に訴えてくるところがあると思うね。
なるほどね。
例えばYouTubeの履歴とかでも、怖いものが残るのが嫌だっていう人結構いるのよ。
あー確かにな。
フィルマークスとかでも怖い映画見ても、つけるとなんか嫌だって言って、
つけないとかいう人も聞いたことがあって。
へー、すごい。
だからああいうものを履歴として残すだけでちょっと嫌な気分になる人っていうのは結構の人数いるんだよね。
だからやっぱスマートフォンとそういうホラー的なもの、
怖いものっていうのはすごい感覚に訴えるものとしては相性のいい時代に来たっていうのも、
今の時代の隆盛にも繋がるのかもしれないよね。
確かにな。
なんかもう自分の部屋に何かが入ってきたぐらいの恐怖感が。
いや全然あると思う。
あるんやろうなと思ってて。
確かにな、そういう恐怖に繋がってきてるわけですね、今。
うーん。
ちょっと長々と語ったんですけど、
次のパートでね、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の本編について語っていきたいなと思います。
心の砂地。
心の砂地。
では『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の簡単なあらすじだけ説明したいと思います。
1994年10月、モンゴメリー大学映画学科に在籍する3人の学生。
魔女伝説を題材としたドキュメンタリー映画を撮影するために、メリーランド州バーキッズビルのブラックヒルズの森に向かう。
しかしそのまま消息を絶った。
事件から1年後、彼らが撮影したものと思われるフィルムとビデオが森の中から発見された。
というドキュメンタリーになっております。
監督はですね、ダニエル・マイリックと、先ほどちょっと名前が出たエドバルド・サンチェスという2名の方なんですけど、
これ以降大きくヒットした作品は残していなくてですね。
へー、そうなんや。
俳優の人たちっていうのも、まんま本名で出演してて、
1人は一応確かまだ俳優を続けてらっしゃるんですけど、
そんな感じなので、あんまりこう直接的に後の何か映画に繋がっているということはないんですけど。
だから本当のインディーで、売った一発ってことやな。
そうですね。
同じように例えば、「SAW」の1作目が超低予算みたいな話あるじゃないですか。
はいはいはい。
あそこから出てきたじゃないですか、ジェームス・ワンとかはね。
その後本当に、DCの映画撮るようになるまで行く人と、
本当のインディーの一発バツーンって打って、どういう風に金が流れたのかとかは分からへんけども、
でもそういうドリームが。
ジャンルとしては作ったけど、作った人たち自体は作り続けるっていう結果ではなかったっていう。
何かっていうのもあるわなぁ。
という作品にはなってしまうんですけど、特集3にあたって見直していただいてるんですけども、
いかがでしたかね、ざっくりと。
んー、いやなんかなんとも言われへんねんなぁ。
直球で最高やったっていう感想には正直ならない映画かなというふうに思ってます。
し、2つあれカメラって。
ぐらいですかね。
16ミリのフィルムのカメラと、いわゆるその家庭用のカメラの2つがあると思うんだけど、
その16ミリで撮った時の映像はやっぱすごいいいなっていう。
うーん、そうですね。
すごいくっきりとした映像になって、それはすごいかっこいいなぁみたいな。
で、そのブレブレの持ってるビデオっていうのと、その対比みたいなのになってるから。
なんかその16ミリの映像はなんかパキッとして、やっぱ緊張感があるし。
そうですね。
やっぱそのBGMとかが大きくない分、ちょっとそういう切り替えとかで空気感を変えてるっていうところはただ感じられるかなというところですね。
いろいろ空っぽにして、当時に近い気持ちで見ようとしたけど、やっぱ緊張感はすごいありましたね。
なんか映るんちゃうんかみたいな。
シーンいろいろ知っちゃってるけど、その辺ちょっと無しで考えてみたら、ドキドキするし、
うっって、ちょっと見たくないなみたいな怖さはやっぱ全然感じたから。
そういう怖さの意味では、全然有効なのかなっていうふうには思ったかな。
確かにその回帰現象っていうものが何回かは起こるんですけど。
うーん。
なんかそういうシーンの嫌さっていうのは、圧倒的にやっぱ空気感は上手いなというふうに思いますよね。
やっぱものすごい生々しい感じはあるかな、だし、ああいうビデオカメラで映されたホームビデオとかも、実際自分が映ってるビデオとかも見たりとかしてるから、
その辺のなんか表紙みたいなのもあると思う。あるあるでもあるし。
あの質感が自分の昔の時代みたいな、もっとしかも怖いものが近かった時代と交互してるっていうところも含めて、その辺は思ってるところもあるかもしれないね。
そうね、僕らが知ってる質感でもあるというところがある。
僕結構その今回久々に見返した感想として、やっぱりその怖いシーンばっか僕覚えてたんですけど、
なんか想像以上に人間をしっかり映し続けてる映画でもあるなっていうのを改めて見てる。
ドキュメンタリーっぽい感じはするよね、本当に。
どうでもいいシーンとか割とあるじゃないですか、胸毛がどうこうみたいなシーンとか。
人間がどんどん追い詰められて、苛立っていくっていうところを結構しっかりと撮ってる映画やな。
そうね、いやなんかそれがどっちかというと主題にあるんだなって思ったけどね。
そうね、一番の肝っていうのはブレアウィッチっていう存在が不在であることっていうのが、
それをずっと追い詰められる人間だけを映して演出しきったっていうところが、
めちゃくちゃ意義のあることだなと僕は思ってるんですね。
映像に残すこともできない大きな存在になすことができないものっていうものの記録として、
めちゃくちゃリアルやなっていうのが一個あるんですけど。
そうね。だからなんかね、恋愛リアリティショーとか見てて、基本やっぱ揉めるやん。
はいはい、喧嘩しますよね。
そうそうそう、だからテラスハウスとか見てる時の嫌な感じとかの感覚にすごい近いんだなって思った。
いやーわかるなー。なんでそんなことするんっていうのを。
そうそうそう、それがもっと本当に怖いものに向かってて、
現代のホラーとパーソナルな恐怖
山里亮太もコメントしてくれない状態の映像っていうのを見てるっていう、だからストイックさですよ。
うん、いやそうですよね。
さっしーが「いやーこれは!」とか言ってくれへんから、そのエグさ?みたいな、エグさだけがあるっていう。
神視点でさ、コメントしてくれる人がいないからね。
いないから、だからそこは恋愛リアリティショーという、そういう嫌なものの果実を、
俺らはリアルなものを見て好きかって言ってるみたいなところに慣れてしまってる我々からすると、
やっぱもうそんなもんじゃないよっていうエグさだけでくるから、だからそれに現代の人は耐えられない、たぶん。
あーそれはね、僕もあれと思った。普通になんか苛立っちゃうんじゃないかっていうストレスとして。
せめてそのストレスは後で解消してくれたり、何かこう落としどころをつけてくれたら、
現代の人は、あーって納得がしたいからやっぱ見終わった後に。
それを1個も回答しないから、星1とかにしちゃうんだと思う。
あーでもね、それはとても最近ある傾向やなと思ってて、
なんか結局何だったの?みたいなことで低評価がね、圧倒的に多くて。
いやそれをつかみ切れるのは、映画だからオチがあり、解明があるっていうのは映画の都合であって、
ドキュメンタリーに求められる要素ではないっていうところでもあって、
これがね、ちょっと難しいところで、ブレアウィッチを僕が評価したいっていうポイントとそのまま繋がってるところなんですけど、
ファウンドフッテージとかモキュメンタリーっていうのは、映画として放映される前提では撮られてないもののはずなんですね、設定上は。
でも、映画として放映されるっていう矛盾を抱えてるわけなんですよ。
そうねー。
だから、映画を見ようと思ってみんな見るわけなんですよ。
最終的に理由が解明されたりとか、そういうカタルシス的なものがあるっていうものを期待するけど、
それは全部映画に求められているものであって、ファウンドフッテージがそれを持ってるっていうのはむしろリアリティがないんじゃないかっていう視点なんですね、僕は。
そうねー。
極端なことを言ってる自覚はあるんですけど、一個の視点の話。
「ヴィジット」めっちゃ面白いけど、映画としての風格がありすぎるがゆえに、この並びで見たらちょっと違和感あるなっていう感じはするんだよね。
うん、そうです。
昨今もそうなんですけど、モキュメンタリーをドキュメンタリーやと思って見てる人ゼロ人じゃないですか。
ね、よほどのビリーバーじゃないとない。
でもいるとは思う。
ゼロじゃないと思うけどね。
ただもう、こんだけモキュメンタリーホラーというものがもう20年以上撮られ続けてる中で、やっぱりみんなモキュメンタリーとして見てるっていう要素があって、
さっき言ったブレアウィッチを他の作品がこの一点においては超えられないっていうのは、これをリアリティを持って見ることができるかどうかっていうところで、
モキュメンタリーっていうものとして、こんだけ一番最初にやったから、やっぱ信じてた人たちがめちゃくちゃいたわけじゃないですか。
ほとんどガチンコだと思っていった人がいるという話ですからね。
で、こんだけ全く何の展開みたいなものもないホラーっていうものが出されるというのが、モキュメンタリーとしてはこれほど正解なことないんじゃないかなと思ってて。
当時見てた人とかに、今度『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』話するんですよとかで話聞いてたんやけど、考察ものだと思って受け止めたっていう人が多くて。
あー、なるほどね。
この感覚ちょっとわからんと思うんだけど、なんかその問いみたいなもんで出されてるから、前半のおばちゃんとかが喋ってたことがああで、そういうふうなんちゃうんかみたいな感じで、
結構こういう作品なんだって思ったけど、納得というか、自分たちの中でもっと謎があるもんだと思って、こうなんじゃないか、こうなんじゃないかみたいな感じで、
一つの考察系映画みたいな感じで消費された部分があるんだなっていうことは、複数人の人がそういうことを言ってたから。
なるほど。ブレアウィッチの伝説ってかなり作り込まれてるんですよね。最初のインタビューからして。
そういうふうに、今ジャンルとして確立されて受け止め方みたいなのがある程度受け身ができるような状態だからそう見れるけど、っていうところだよね。
それこそドキュメンタリーとして真っ正面から受け身ができなかったから、その人たちなりの受け身がそういう考察、謎があるんじゃないかって。
それはエヴァンゲリオンとか見たときと一緒だと思う。アスカが首絞められてるの見て「気持ち悪い」って言って「終」って。どういうこと?それをどう受け止めるかっていうのがあると、やっぱその考察みたいな。
回答の正解を探しちゃうっていうね。っていうのは。
モヤモヤするところを消化したいっていう人間の本能的なところもある。
でもそれはそれで真正面な回答者、鑑賞者として自分の存在というか映画に対してどういうふうに向き合うかっていうことがあったってことだとは思うんだけど。
そうね。だから何が正しくて何が間違いみたいな話では当然なくて。やっぱりファウンドフッテージ、モキュメンタリーっていうホラーのジャンルとして、結局生でこのまま見ることが一番怖くねっていう視点もあるよっていうことが僕は言いたいんですよね。
視聴者の反応と考察
なるほどね。でも難しいんだと思うなあ。
そうだよなあ。
で、なんかちょっと思うのは、すごく真面目だし、分かろうとしたいし、モキュメンタリーって分かってても、たぶん怒ってる人とか分かんなかったって本気で言える人って本気でドキュメンタリーとして入っちゃってんのよ、たぶん。
ああ、本気で見てるからこそ分かんなかったって言って切れてる。
だからこれが本物のドキュメンタリーじゃないというのは分かっていても、でもそういう体で映像が作られてる以上、じゃあなんかの落とし所があるよねっていうふうに映像に見せられちゃうと、そういうふうに頭の中に入っちゃうんだと思うよ。
だからそういうピュアな人の方が多いんだと思う。
で、それはこれだけ、今のもっと高度なモキュメンタリーとかそういうものが出てきた時代でも、その感覚がたぶん変わんないんだと思うんだよね。
だからたぶん怒っちゃうし、普通に、「いえいえいえ、こっからって言うけど、なんじゃこれ?」ってなっちゃうし。
でも最近のモキュメンタリー的なものは、エンタメとしての強度はやっぱいろんなものが出た、先の上に立った作品だから、2020、20何年経った後の作品だから、その辺の落とし所じゃないけど、強度みたいなのは、もっとやっぱ強くなっちゃってるから、そっちでは満足できるとか。
というのはやっぱあるから、難しいとこだな、そういう古典と向き合う姿勢っていうのが、特にこういう特殊なジャンルのものとしては。
その絵もね、とてもわかるんですけど、僕が実は今回ブレアウィッチやろうと思ったきっかけの一個あるものとして、フェイク・ドキュメンタリーQっていうYouTubeでやってるシリーズがあるんですけど、
これね、かなり投げっぱなしなんですよね、ブレアウィッチとかに近くて、全く解明されないまま終わるんですよ、基本的には。それがめちゃめちゃちゃんと評価されてるんですよ、っていうのがあって、
え、じゃあ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』いけるやん、って思ってて僕は。それを需要するようになってきてるんや、今もキュメンタリーが一周回って。じゃあぜひこの視点で『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』もう一回お願いします、みたいな気分でちょっと選んだとこがあって。
だから、もう本当に好き嫌いだけの話になってくるかもしれないですけど、なんか今もしそれが需要できるんやったら、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』多分おいしいとこ食べれますよ、というか。
トロの部分がちゃんとわかりますよっていう。ちょっとそれがね、言いたってしゃーなかったっていうのはありますね。
わかるわかる。それは多分あるし、そういう評価ができてっていう人はもちろんチャレンジしてほしいし、とは思うよね。で、そういう今わざわざ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の擁護に立つ人が別においしくないから、別に立たへん。
だからてらだみたいな、つきもんしか立たへんから。だからノイズしか入ってこないみたいな、思わないみたいな。24年前に傑作って言われたの、草wwwみたいな感じになっちゃうみたいなんだから、もったいないはもったいないし。俺も見て、ああ面白いなと思う分もあったし。
でもなんかどうなんだろうな。ラストに行くまでが、やっぱフェイク・ドキュメンタリー級とかも、エンタメの強度が乗っけからはちょっと違うんじゃないかというのはあるんじゃない?
ああ、エンタメの強度っていうのは。やっぱ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』にはそのドキュメンタリーとしての強度みたいのはあると思うね。ちゃんとはじめから設定がしっかりしてて。はいはい。
格にあるのはもう人間が揉めていってすごい高ストレスがかかるっていうところっていうのもあるけど、フェイク・ドキュメンタリー級はもうちょっとなんかね、面白い、おいしいところがやっぱ前半に用意されてる感覚が僕結構あって。
どっちかっていうと作りとしては白石浩二監督よりやと思うんですよね、明らかに。そうそうそうそう。で、そこにやっぱたどり着けなくても、そこのじんわりした感覚を味わえってことねって多分納得できる、そこまでのそのエンタメおいしい度みたいな。
たぶんおやつがなんか用意されててから、マイナスのとこまで落ちきらへんみたいなとこも多分あんのかなみたいな。だから、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、やっぱその高ストレスでみたいなのも尖りすぎていて、だから今の現代人からすると、もう前半でもうちょっと心が置いていかれてしまって。
はいはいはい。っていうところが多分あるんだろうな。そこで引っかかる人の話されたらもうちょっとどうしようもないんですけど。そうね、そういう人もたくさんいると思うし。あくまで一視点の話なんで。それは、なんかその辺も含めて言ってあげた方がいいんかなみたいな。これから見る人に対してはね。
そうですね。本当に今ジャンルが多岐に渡ってるので、これとこれが並べたらこれ一緒なんでこれいけませんみたいな単純な話では当然ないとは思ってるんですけど。もちろんもちろん。繋がってる部分ありますよっていうのはやっぱどうしても。
うーん、そうね。やっぱ衝撃だし、面白いしっていうのは、なんかそのノイズに負けて見ないとか、前半でやめちゃうとかやっぱすごいもったいないやんか。
そうですね。
だからそこは、ひと推ししたいよな。
そうですね。見る価値はある映像だと僕は思ってるので、あえて映画とは言いませんけど。
うーん、だからどういうふうに提示してあげた方がいいんかなっていうところだよな。
そうですね。だから、こういうものが世に出せたのってやっぱ低予算だからっていうのは絶対あるんですよね。無名の監督が低予算だから出せたっていうのもあって。
だからなんかこれが映画の枠に入ってること自体が、たぶんいろんなこの良くない受け身が取りにくくなってる一番の原因だと思ってて。
そうやなー。
一番怖いのはこれがネットにポッて上がってることだと思うんですよ。
そうね。だからほんまにYouTubeにトンって、これのリンクだけポンって置いてあるみたいなのが一番怖いもんね。今だったら。
うーん、そうですね。そうなんですよね。だからなんかなんともこうやっぱり、そこに道しるべを立てることがやっぱ難しく。
ジャンルとしての評価
なおかつ見たとしても、そのストレスに耐えれるのかというところは確かに今言われてあるのかなっていうのは思いましたね。
今回話して改めて、なんかそんな単純な映像ではないなっていうのをちょっと分からされたというか。
それはもうそうよ。
僕はなんか『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が好きやからちょっと麻痺してる部分があったんかなっていうね。
この難しいねんな、このジャンルものってやっぱ数見るやん。それこそ今回も数見てるやん。
だからなんかね、すごい好きな人とちょっと興味ある人の立場が思ったより離れちゃうみたいな。
僕はその見慣れてる状態で見ちゃってるっていうのもあると思います。
っていうのもあるんよなぁ。難しいよなぁ、だからその辺。
そうね。ただちょっと今回どうしてもやっておきたかったんで。
モキュメンタリーっていうジャンルは本当好きな人が多いんで、手出すのが本当に怖かったんですけど、ちょっとどうしてもやっておきたかったんで、今回第2シーズンの僕の特集は最終回ということで。
頑張って触れさせていただきました。
なんかさ、誰も立たないところに立つみたいなところって、俺やっぱすごい大事なことだと思ったで。
これ日本でもさ、18億とか興行収入あるのに、今フィルマークスでそれなりの評価がついて2.9みたいな。
で、そこに立つやついないんかっていうのはさ、やっぱ思うから。大事やと思うし。
そうですね。
ちょっとやっぱ、なのやろうな。だから僕今回これを残しておきたいなみたいな気分がすごかったのかもしれないです。
いや、絶対それはあると思う。
そうですね。こういうこと言ってる奴がいましたよっていうのをどうしても残しておきたいし、それを議論できたっていうのをめちゃくちゃよかったなっていう感じがしました。
というわけで、ぜひちょっと興味のある方はブリアービッチプロジェクトを今一度見てみてください。
リスナーへの呼びかけ
ユーネクストとフールで見放題。アマプラでレンタルで見れるという状態ですね。
というわけで、心の砂地は引き続きお便りをお待ちしております。
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お願いします。
はい、ということで今回聞いていただきましてありがとうございました。
それでは皆様ごきげんよう。
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