主人公とアストロファージ
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、本好きな人たちがふらっと集まり、みんなが友達になれる喫茶店をコンセプトに、店員たちが気ままに、ゆるーく話してまいります。
9月30日、第65回の配信です。トライアントナッシーでお送りいたします。
はい、今も娘はまだ起きておりまして、状況変わっておりませんので、このまま…
娘ちゃん、ごめんね。
ちょっとバタバタした収録になるかもしれませんが、何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
今回は前回お伝えしました通り、2つのSF作品、3対2とプロジェクト・ヘイル・メアリーを対比させながら話していきたいと思っています。
63回の一人ごと回が3対2、64回がプロジェクト・ヘイル・メアリーの紹介になっているので、各本の詳しい内容やあらすじが気になる方はそちらを聞いてください。
では、冒頭ではありますが、私が思うヘイル・メアリーの推しポイントを3つご紹介したいと思います。
この入り、ちょっと3体の時と同じにしてみたんですけど。
一緒だね。
そうそうそう、わかってると思うけどソライアンは。
はい、じゃあいきますよ。
1、分子生物学的要素は個人的にツボ。
2、ストラット女子がかっこいい。
3、侵略対象ではなく共闘の構図になっているのがポイント。
はい、ソライアンとしてはどの推しポイントから聞きたいですか?
1から行く、1から。
ちょっと、なんでそういう雑な返ししてんの。
だってここで3からとか言ったらびっくりしちゃうよ。
その頃って言ったら3から説明するよ。
その頃から行くんだ。
でも1からお願いします。
はい、わかりました。じゃあまずは1から行きたいと思いまーす。
はい、おさらいのために超ざっくりなあらすじ紹介をしますと、
プロジェクトヘイルメアリーはアストロファージという地球外生命体であり、
微生物でもあるこの生物の影響で
太陽光が少なくなってこのままだと氷河期に突入してしまう
っていう地球を救うプロジェクトのお話です。
相当やばいっていうね。相当やばいってことだけが。
相当やばい世界設定の中で
この物語の問題の源であり
人類にとって初めて出会った地球外生命体アストロファージ
そいつと一番初めに相対するというか出会って
かつそいつは一体なのか、どういう微生物なのかっていうのを解き明かしていくのが
主人公の役割なんですよね。
主人公はこれをね、解き明かしていくんですよ。
地球は研究の最前線は主人公離れていたんですけど
おっかなびっくりしながら
結構科学者としての知的好奇心みたいなのが強いタイプだなと私は思っていて
こういうのに突き動かされて実験していくっていうのが
前半すごく描写されていて
何を隠そうってもったいつけて言うけど
もったいつけてないけど
大学時代に先行が結構分子生物学とか
細胞生物学っていう分野が含まれるところをやってたので
微生物の研究ってね、楽しいんですよ。楽しいっていうのは
対象がシンプルだからさ
明らかになったことが原理原則になっていることに結びつきやすいっていうところが
すごいわかりやすくて私は好きだったんだよね。
これってさ
微生物って臓器が少ないっていうか器官が少ないっていうことだから
シンプルでわかりやすいっていうのってさ
例えばさ人間だとさ
なんか調子悪いんだよなぁみたいなときにさ
結構ありとあらゆるこう
なんていう原因とかがあって
それがやっぱり一人一人でやっぱり全然違ったりするから
解明するのすごい複雑っていうかなんか
なんとかの定理とかなんとかの
合理みたいな感じになりにくいっていうか
でもそういうことが
微生物の研究だと
もっとシンプルにできるっていうイメージなのかな
まさにそらやんが人間と対比させてくれたのがわかりやすいなって思ってて
微生物より人間の方が
もちろん私たちさ病気になってすぐその病気にやられてたらさ死んじゃうわけじゃん
なんかなんだろうとかって思うと
向上性というかさ
体を元に戻そうと修復する力とかもさ
他の臓器が補ってくれたりとか
どっかがやられてても他のところが頑張ってくれたりとかっていうのって
ある程度さ高等生物とかさ
微生物は本当に少ない器官しか持ってないからさ
ちょっとなんか他の部分で致命的な物質とかいられたらすぐ死んじゃうみたいなことが起こるけど
そういうことが人間だと起こらないよねっていうのはそういう
向上性が働いているからで
そういう意味でなんかアストロファージもさ
ぶっちゃけ細胞壊されたらすぐ死んじゃうしとか
もちろんそういう単細胞生物としての特徴を持ちつつ
でもある特徴があってその特徴のおかげでいろんなこともできるし
でも地球を滅亡に追いやるようなこともするしみたいなところがさ
すごく分かりやすい性質としてそれが本の中でも描かれてて
それってそういうのをどういう条件でそれが発生してとか
どういう条件下でこういうことが起こってとかって調べるのって
すごく人間だったらさ他の個人の人による個性によるさみたいなところで
あれそれって本当にそうやって言えるのってなっちゃうところが
まっすぐちゃんと言えるっていうのが好きなんだなって
そういう感じかな
いや面白いね
やっぱさこのアストロファージもさ
地球外生命体ってだけでまずめっちゃワクワクするんだけどさ
やっぱり主人公もオーソドックスなさ
いわゆるこう分子生物学的な実験とかも繰り返して
こういう性質があってっていうのを一から解明していくっていうのがさ
やっぱこう誰も知らない生命体をさ
生命体をさ一から解明していくなんてなかなかできないしさ
どんな研究分野の端くれだった身としてはこう
いいねいいな主人公ってちょっと羨ましかったっていう話ですよ
ストラットという強い女性
なるほどね
そういう話ですね
でまあなんかその3体とか3体2の話をちょっと対比として持ってくると
あちらはなんか結構物理学とか天体学か
なんかこう宇宙の天体はこういう風に動いてとかそういう要素が結構強くて
どっちがいいとかそういう話じゃなくて
個人的に私はこのヘイルメアリーの方が知っている知識もあって楽しめたっていう感じなんですね
なるほど
でもさ今回今の話でさ分子生物学についてさちょっと
ちょっと足を踏み入れられたからみんなわかったってことだよね
だからヘイルメアリーをもっと楽しめるってことだよね
そういやそうだよみんなこういうそういうとこが楽しいんだよ分子生物学は
主人公の試行実験をするっていうその人間性みたいなところと
分子生物学の研究アプローチというかプロセスみたいなものの
うまく噛み合ってすごい作品に没入しやすい状況を作ってくださってるってことだよね作者が
確かに私個人がすごい楽しめたっていう話をしちゃったんだけど
確かにそらやの言う通りで分子生物学的要素をすごいちゃんと噛み砕いてわかりやすくはしてくれてるので
なんかそういう
いやでもやっぱ分子生物学を専攻したナッシーからのコメントを受けてなお入りやすくなったんじゃないかなと思ってたよね
言うてさやっぱり大学の研究ってさ
特に今はこう社会の役に立ちますかみたいなところとかさ
予算の話がめっちゃあるじゃないですかあるじゃないですかあるんですよ
ありますね
だからさそういう時にいくらさこう未知の冒険未知の研究に身を乗り出したいって言っても
いやでもそれ国から予算おりますかねみたいなさ
そうなるところをそうじゃなくもう国だけじゃないもう地球規模のプロジェクトとして
未知の研究ができるっていうことのねワクワクさみたいなところがね
それはねなんかこのナッシーのこのなんだろう羨ましいと思っている感情が
いろんな天田の人に伝わるように言ってみた
いやそうなんですよもう羨ましい羨ましいとね
その羨ましい環境を作り出してくれるのが2番目の推しのストラット女子の話になるんですけど
いいですねいい繋がり方してる
いい繋がり方してるでしょ
いい繋がり方してる
プロジェクトヘイリメアリーの主人公は男性なんですけど
そんな彼に指示を出してプロジェクトを遂行する最高責任者
トップですねトップの人はストラットっていう名前の女性なんですね
この人すごいんですよもう国の軍隊も動かせるし
どんな国家組織からでも人材を引き抜いてこれるし
もうプロジェクト
やばいね
ヘイリメアリープロジェクトのためにもう引いては地球の未来のために
というこの目的のためにね
どんな大がかりなこともやってのけて
かつ目的のために生じる圧力とかも全然気にしないみたいな
そういう強さを持ってるっていうこのストラットさんが
主人公にはいこれ研究しなさいみたいな感じで
なんか言ってくっていうのがこう
過去のシーン繰り返しのシーンとかで出てくるんですよね
でまぁ3体とかでも
通り3体2ですね3体2でもこの主人公を
3体2でもそういう国を救うプロジェクトみたいなのが動くって話をしたと思うんですけど
その指名するトップの人は女性だったりして
老人が3体が主人公なんですけど
これを真剣にプロジェクトに向かわせるために
結構強行手段を取ったりするっていうところが
ストラット女子と
この3体の女の人は重なるなぁとか思いながら
読んでいたっていう感じもあります
こうね小説の中だからこそ出てくる
やばいやばいというか
まあでも強い女の人っていうね
イメージの人なんだけど
フルドーザーのような
そうそうそうそう
目的のためなら手段は選びませんみたいな
タイプのね
いい人なんですけど
このストラット女子と主人公とのやり取りの中で
好きなシーンがあるから
ちょっとこの話もしていい?
もちろん
このねプロジェクトに関する
ある重大な決断っていうのを求められたストラットが
主人公と会話するっていうシーンがあって
いろんなデータとか考えるリスクみたいなのを
考えていくと
決断をしなきゃなーみたいな話をしている
ストラットに対して
主人公は
でもあなたもう決断してますよね
って言われてしまうっていうのが
もうあなたの中で答えは決まっている話なんじゃないですか
って言われてしまうっていうシーンなんですよね
すごいここからは私の想像なんだけど
確かにストラットは結論を出してたんだろうなって思ってて
でもなんか今人とその結論に気が乗らなかったっていうところも
正直あるんだろうなーと思っていて
でも主人公が
まあそういうふうに
あなたもう決断してますよねって言ってくれたから
その主人公はしかも
自分の信頼する科学者で
その人も同じ結論になったから
やっぱりもうこの決断に
違和感がないって
表明してもらったこともあって
最後ストラットはこの決断に気持ちが乗っかったんじゃないかな
っていうのが分かったというか
そういうふうに私の中で解釈できたシーンで
決断の瞬間
私今まで説明してきたストラットさんは
粛々とこのプロジェクトに関する決断をしてきて
わりと冷徹なタイプっていうふうに紹介してきたんだけど
一方でこの部分の振る舞いみたいなところは
私もなんか共感できるというか
なんかそういうふうだったんだろうなーみたいなふうに
すごい人だなとか
強いリーダーだなみたいな
ふうに思ってたストラットさんが
自分にもそういう共感できる部分あるんだなーって
思えたシーンだから
やっぱストラットさん好きだなーって
思っちゃったっていう
ブルドーザーだけじゃない
ブルドーザーだけじゃない
ストラットさん大事な役割だからさ
彼女がいなかったらこのプロジェクト
ゴリゴリ進んでいかないんだけど
ゴリゴリ進んでいかないんだけど
そういう人でもやっぱ迷うし
でもそういう決断に誰かが乗っかってくれたら
やっぱそこは信じられるとか
そういうのもあるんだろうなって
思ったっていう話ですね
共闘の構図
いやー魅力的なキャラクターですね
これはまた
そうなんですよ
でもね
やっぱね
他にもいろいろ紹介したいキャラクターはいるけど
やっぱり謎に包まれてるところも楽しいと思うかな
3番の推しポイントに行きたいと思います
もう3番ですよ
侵略対象ではなく
共闘の構図になっているのがポイント
共闘というのは
共に戦うという字を書いて
共闘ですね
この3点目のポイントです
ここが私が一番3体と
対比させたかったところなんだけど
3体2の世界って
3体陣から見たら
地球は侵略対象なんだよね
母星はすごい過酷な環境で
それよりもすごい良い環境である地球に
早く移住したい
だから3体陣は
400年の時間も物ともせず
地球にめがけて
飛んでくるっていう話なんだよね
3体2って
でも一方で
プロジェクトヘルメアリーでは
アストロファージー以外の地球外生命体も
出てくるんですけど
要するに他の星の宇宙人も出てきて
同じように
他の星もアストロファージーに感染しちゃってるからさ
同じようにアストロファージーに困っている
だからこの問題解決に
一緒に取り組もうって
共闘する姿勢になります
面白い
そう面白いじゃん
前編で初めて宇宙人に会ったらどうする?
っていう話をしたと思うんだけど
宇宙でさ
もし宇宙人に会うってなったらさ
相手がどんなスタンスか分かんないし
めっちゃ考えるし怖いなって
私はこの時思ってしまったんだけど
やっぱその一番のポイント
一番思ってしまったのはなぜかって
やっぱ3体2の話がさ
頭の片隅にあってさ
しかももちろん
あとエイリアンの話もあるからさ
そうだよね
いわゆるSF映画って基本ね
いわゆるSF映画の前提って
宇宙人は侵略してくるみたいな
攻撃してくるみたいな
そういう頭だったからさ
ヘルメアリーだと単純に
宇宙人と接続できる?ワクワクドキドキ
みたいな主人公なんだよね結構
え?みたいな
本当に大丈夫なの?
相手がどういうつもりなのか
ちょっと分かんなくない?大丈夫?みたいな
心配でたまらなかったんですよ
ほんと
ほんとそういう感じだったんですけど
結果的に
共通で悩んでいるアストロファージュがあって
共闘のスタンスでいけたから
やっぱ良かったなって思いつつ
やっぱりどっちの場合もあるよなとか
3対2も実はこういう展開に
もしタイミングが違ったらさ
なってたのかなとか
コミュニケーションの重要性
いろいろ考えてしまって
逆もしかりだよね
逆にヘルメアリーも
もしかしたら侵略対象になっちゃったかもしれないんだよね
そうそうそうそう
アストロファージュないわみたいな
進めるわみたいな感じになったら
地球に行くわってなるかもしれない
アストロファージュの解決法を持っているから
お前の星を起こせよみたいなさ
悪いやつかもしれないじゃん
なんかそう
いろいろなことを考えちゃうんだけど
やっぱ初めて会った異星人と
どういう関係結べるんだろうなーって
だからソラヤに聞いてみたくて
一緒に酒を飲もうはちょっと想定外だった
ああそうか酒も飲めるかもしれないな
でもやっぱ私はさ
私もやっぱメッセージの印象めっちゃ強いから
酒を飲みたいと思いつつも
それは難しいだろうっていうのは
メッセージを見てすごい感じている部分も
ちなみにメッセージはどっちなの?
どっちっていうかこの分類の
難しいなー
そこでは分類できない感じなんだね
そうねちょっとね
ネタバレになってしまうところもあるから
ちょっと非常にうまく言えないんだけど
そうね
少なくとも相手もコミュニケーションを
取りたがってはいたんだよね
なるほどね
意思疎通はしたかったんだよね
意思疎通はしたかったんだけど
意思疎通の方法
意思疎通の方法があまりにも違いすぎて
紙芝居とかでちょっと話にならないみたいな
へー
分かり合うための映画って感じだったよね
なるほどね
そうだよねコミュニケーションの方法もさ
本当にだからさ
できるのかみたいな
お互いのコミュニケーション
結構ここもさ
ヘイルメイリーの肝になってくるじゃん
どうやってコミュニケーションを取るか
みたいなところはさ
すごい試行錯誤があって
でなんとかできて
できるから
逆にその一緒に戦えるというか
意思がさ分かるからさ
だからあなたアストロファージー
やっぱ困ってるんですよね
みたいなことが分かったから
じゃあ一緒に頑張ろうって
コミュニケーション取れないと何も始まらない
って話に最後落ち着いちゃうこれ
なるほどね
なるほど
でもまあ
SFってそこをうまく
どの構図に持っていくかと
コミュニケーションをどうするかと
すごいなんかいろんなパターンがやっぱ
組めるんだなーとか
確かに
そう私はもうすごい
3対2の頭で読んでたから
えっこんな感じに
なってくの?っていうのが
すごいヘイルメイリーは楽しかったですっていう
なんかすごいネタバレしちゃった感あるけど
そうじゃない
まだ半分ぐらいしかネタバレしてないから
皆さん絶対読んでくださいみたいな
絶対読んでください
ごめん言い方がきつかったけど
面白いですよこの本は
っていうことが伝わると
いいなと思ってます
なんかやっぱちょっと
SF小説楽しいな
と思ってるので
いやだってこういう切り口で楽しめるSF小説もあるよ
っていうお便りも
ぜひお待ちしているので
はい
じゃあこんな感じで
いやでも2冊紹介できて楽しかったです
はい
暑い夏休みだね
暑い夏休みでしたよ
次はソラヤンの本だったよね
そうです
私もちょっと来週は私
すごい熱く語りたい本があって
しかもなんか
急に降ってきて
急に熱が上がってきて
急に語りたいみたいな
マスタミコトさんの
カゴいっぱいに詰め込んでっていう
小説が
すごいよかったので
この熱が冷めないうちに
しゃべりたいなと思っておりますので
来週も暑いです
いやこれからも暑くなってきます
まだ夏です
さくろはまだ暑く盛り上がっておりますので
はいここまでで
トークテーマは終了ですが
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