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聞いてかじってくすぐられ、おいでおいで劇場へ!
キキカジ劇場!
言葉にしにくい舞台芸術やアートに関わる人にスポットを当てるポッドキャスト番組、キキカジ劇場!
案内役は、劇場が大好きなHarukoです。
第1回目のゲストは、私が大好きなアーティストをお招きしました。
第2回目のゲストは、シアターカンパニー小心ズの主催、ヤノミさんです。
ヤノミさん、本日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
お招きありがとうございます。
嬉しい。
実はですね、私がヤノミさんに出会ったのは、もう10年以上前なのですが、
15年くらいかもね。
そうですね。ただ、じっくり2人で話したり、なんていう機会はなかったので、
ちょっといろいろ聞けると思って、とても楽しみにしています。
こちらこそです。
ではですね、まず私の方からシアターカンパニー小心ズとヤノミさんのプロフィールをご紹介させていただきます。
シアターカンパニー小心ズは、2005年結成。
全く新しいフィジカルコメディの作、演出、プロデュースを手掛けていらっしゃいます。
現在までに7カ国、27都市で公演を行い、多くの賞を受賞されています。
演劇のジャンルや人種、年齢、そしてハンディキャップのあるなしも超えて、
幅広い層の観客に届く、自由で表現豊かな作品を作り続けていらっしゃいます。
主催のヤノミさんは、実はあのシルク・ド・ソレイユの正式登録アーティストでもいらっしゃる。
これについては後々掘っていきたいと思うんですけども、ちょっと気になると思うんですが。
無言劇ですとか、スタンドアップコメディ、人形劇からバイリンガル司会まで、
日本だけでなく世界中に驚きと幸せを運ぶ、生まれながらのコメディエンヌでいらっしゃいます。
またNHKEテレのですね、ムジカ・ピッコリーの絵のご出演や、
現在は100秒でわかる名作劇場、NHKEテレビットワールドの中の番組なんですが、
そちらで声優としても活躍されていらっしゃいます。
で、一番初めにですね、最近あのハッピーなニュースが。
そうでした。
ということで、ちょっとそちらをご紹介させていただきたいんですが、
先月ぐらいですね、3月28日から29日に杉並区の久賀山会館で上演されましたソロ人形劇、
ハッピー・ゴー・ラッキーが第21回杉並演劇祭で、なんと大賞も受賞されました。
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ありがとうございました。
おめでとうございまーす。
本当におめでとうございます。
私もこのニュースを聞いてとても飛び上がるほど喜んでしまったんですが、
なんかそのハッピー・ゴー・ラッキーは私も拝見したんですけれども、
4つの作品、すべてソロ人形劇の作品からなる上演だったんですけれども、
特に何か今回の公演で印象に残っていることとかってありますか?
そうですね、すごく小さい規模の作品なので、
その舞台上にもテーブルが本当に小さなテーブル1つですべての人形劇がそこで行われるし、
私が手が2本しかないものですから、人形がね。
1体の人形、または最大でも2つしか同時には使えないので、すごく小さい規模でやりました。
なんですけど、私はお客さんを巻き込むのがもともと大好きなので、
やっぱりみんなとやっていくインタラクションっていうんですけど、客いじりとも言いますが、
直接即興で人形とお客さんがやり取りするシーンがあるので、そこはやっぱり面白かったですね。毎回違って。
印象に残っているのが、赤い頭巾をかぶった女の子の。
あれは毎回秀逸だったんではないかなと。
私の見ていた回もすごい大盛り上がりでしたね。
面白かったですね。
お客さんによって物語の先が変わっていくっていうのが何回も見たくなるような作品でしたよね。
ありがとうございます。
またぜひ東京でもやっていただきたいなと思います。
で、プロフィールのところでいろんな作品があるっていうふうにご紹介したんですが、
代表的な作品をいくつか、どんな作品なのかっていうのをちょっと紹介していただいてもいいですか。
一番初めにソロ作品として作ったのが、ミスシャックリの幸せな一日というタイトルで、
シャックリしかしないキズジンのお話なんですけれども、こちらは無言劇です。
ミスシャックリが朝起きてから夜眠るまでのとある一日を描いたものなんですけれども、
これが一番世界中いろんな国に今まで持っていった作品です。
その言葉は使わないので、どの国にも行きやすいっていうことと、
またクラウニングって言ったりクラウンって言ったりもするんですけど、
その同家子のような要素も、もちろん全部コメディなんですけど、私がやるのは。
なのでその小さい子供から大人まで、そして外国人でもどんな人種でも、
どんな文化的な背景の人でも、割とわかっていただける作品です。
無言劇っていうことですけれども、全く声を発しないっていうこと?
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そうですね。シャックリもするし、歌は歌うんですよ。
歌を歌うときにスキャットっていいまして、パッパッパラッパラッパッパッとか、
歌詞のない音声だけで歌うのをやります。
いろんなクラシック音楽を使ったり、オリジナルのも使ったり、
いろんな歌と歩道具とあと身体表現で、
体の動きとか表情で物語を作っていくっていうスタイルです。
あともうどの国の方でも、言葉がわからなくても、
みんなが一緒に楽しめるっていうことなんですね。
あとは、ここ数年、もう5、6年くらいになりますけど、
スタンドアップコメディというジャンルもやってまして、
それはさっきの無言劇と全く逆で、60分間マイク1本でずっと喋って喋って笑わせていくというスタイルのコメディです。
60分間?すごい。
これはもちろん日本語、日本でやるときは日本語で、
今のところはアメリカに持って行ったことがあるんですけど、
そこでは英語で60分間やってます。
日本語でということと英語でということですけど、
やっぱり人を笑わせるってなると、笑わせ方っていうのも文化の違いで、
全く同じではないと思うんですけど。
そうですね、特にスタンドアップコメディは和芸なので、
お話で、おしゃべり芸なので、
もちろん言葉の選び方とか構成とか、
ネタの順番とか話の振っていく、振ってここで回収するとかもあるんですけど、
ただ私がやってるネタは、
新郎新婦の入場ですというタイトルで、
結婚式司会を実際に私が10年以上やってきた経験を踏まえて、
結婚式の面白い実話をお話しするんですね。
実話が元になってるんですね。
全部実話です。
なので、アメリカでやった時も、やっぱり家族の面白さとか、
結婚式ならではの特別な1日ならではの面白い話とかは、
割とユニバーサルに伝わるなという。
伝わるんですね。
ただ細かいネタは、
例えば日本には語習儀という習慣がありますけど、
その語習儀のことについては英語で改めて説明したりして、
それももう1個ネタになるんですね。
語習儀がないので、アメリカには。
ちょっと日本の文化障害にも入ってるような、
結果的にそうなってるってことですね。
それはもう馬鹿受けしてました。
語習儀。
一口3万円。最低でも3万円。
300ドル以上みたいなね。
それでまずみんな信用しなくて、
何言ってんだみたいになり、
いやいや本当だからって話をね。
最低3万、次は5万、その次は7万、
そして9万円は演技が悪いから、
その次は10万だね。
そしたらみんなクレイジー。
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日本人どうかしてる。
みたいな感じでね、受けてました。
なるほど。
今回大賞を取られた人形劇もやられるということですよね。
本当にいろんなジャンルの作品を作られて、
自分で演出して出演してっていうことなんですけど、
なんでこんないろんなことをやってらっしゃるんですかね。
最初は小心像をやり始めた場所が、
下北沢にある小さなバーだったんですけど、
イギリス人のオーナーがその場をやっていて、
ほぼ全く日本語を喋れなかったので、
お客さんももう半分以上は外国のお客さんだったので、
じゃあ無言劇にしようってなりまして、
当時別にあんまり脚本を書きたいという欲もなかったので、
何か面白いことがやりたいし、
そして外国人にも届けたい。
つまり無言でやればいいんだみたいな感じの、
ものすごくシンプルな考えで無言劇を。
じゃあ無言劇から始まったんですね、小心像は。
だけど歌は好きだから歌を入れようとかね。
やっぱり笑わせるのが好きだからコメディにしよう。
みたいな感じでいろいろ工夫して作っていきました。
で、だんだん海外とか行くようになったんですけど、
日本の友達も海外の友達もいろんなアーティスト仲間がいるんですけど、
ある時やっぱり何人かの友達が、
ヤノミちゃん喋ったら?って言ってくれて、
私普段すごいおしゃべりなので、
ヤノミちゃん喋っても面白いと思うから、
舞台でも喋ったらいいじゃん。
スタンドアップコメディとか?って言ってくれたんですよ。
で、うーんと思ってて、
それとまた別で、
私いろんな日常生活で面白いことがあると、
飲み屋で飲み仲間とかに話すわけですよね。
で、ある時すごい仲いい飲み仲間のおじさんたちがいるんですけど、
おじさんたちに、
今日あった面白かった話をしてたら、
もう床を転げ回って笑ってくれて、
アッハッハッハみたいになり、
ヤノミちゃんそれも舞台でやった方がいいよ絶対!ってなったんで、
あ、そう?と思って、
それでだんだんと、
セリフのあるものとか、
スタンドアップコメディとかを、
やってみようかなと思って、
やるようになりました。
周りからじゃあ、
和芸に関しては、
周りから押し上げられてっていう感じですね。
で、人形劇は?
人形劇は、
例えばミスシャックリも、
小道具は全部私が手で作ってるんですね。
で、その小道具作るのは、
好きだなと思っていたところ、
ちょっとした人形みたいなものも、
今までも登場してるんだけど、
人形劇というものは、
ちゃんとはやってなかったんですよ。
それが、2018年に初めて、
飯田人形劇フェスタっていう、
日本の長野県の飯田市で、
もう今40年以上開催されている、
日本で最大の人形劇のお祭りに、
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別のカンパニーの裏方で参加したんですね。
その時に、いくつもの人形劇を、
本当に生で見て、
で、そのうち、
すごかったのが、
3つほどありまして、
それで、これは、
人形劇、面白い!
と思いまして、
ものすごく可能性があると思って、
いろんな表現の。
それで、人形劇を。
見るところから、
人形劇を入ったってことですね。
そうですね。
見て、衝撃を受けて、
自分もやりたいって思った。
簡単だね。
なんて言うんでしょうね。
すごいなと思うのが、
思ってやるまでが、
すごく近い。
短距離。
短距離で。
人って、私とかもそうなんですけど、
こういうことがやりたいなって思って、
でも、今の自分には、
これも足りないし、あれも足りないし、
だから、まず準備しなくっちゃって言って、
荷物を増やしたり、
身なりを整えたり、
技を身に付けたり、
しないとできないって、
まず、自分でハードルを置いちゃって、
なんかできないことが、
結構あるんですけど、
すごい近くて。
そうですね。すぐやっちゃいますね。
だから結構、
怒られたりはしますよ。もちろん。
ちょいちょい怒られますけど、
さっき話した、無言劇の方の、
例えば、クラウンとかも、
もちろん、世界中にいろんなプロの、
トップクラスのアーティストなどは、
ちゃんと学校に行って、
学校を卒業していたり、
あるいは、サーカス学校を出ていたり、
あるいは、師匠にちゃんとついて、
学んでいたり、
いろんな、それぞれ流派があったりね。
いろんな技術って、
そういうことじゃないですか。
だから、割とクラウン界でも、
すぐ怒られるし、
お前のバックグラウンドは、
いったい何なんだ、みたいになり、
私はもともと演劇をやってたんですけど、
演劇をやってました、
みたいな感じで、
林業劇の世界でもね、
一生懸命、
いろいろ勉強させていただいてますが、
ただその、
私がいつも思うのは、
例えばね、
人形劇をやっている時に、
プロとして、
子供たちが見に来てくれるとするじゃないですか、
そしたら、やってる側は絶対、
見てくれた子供たちが、
ちょっとでも人形劇を好きになって、
例えばお家で、
人形劇をして遊んでくれたら嬉しいね、
とか、ましてや、
その子らがいつか、
もっと嬉しいね、
みたいに思うじゃないですか、
その時に、
いちいち技術は問わないじゃないですか、
もうお家帰ってすぐ様、
物をね、ガラクタでも何でも、
何かを使って、
人形劇を、もし自発的にやり始めたら、
イエーイってなるじゃないですか、
私それでよ、と思って、
私そのように、
やってるんですぐ、
と思って、
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ほんとだ、見てすぐやってる、
そうなんです、
人形劇なのに、
日本ではまだクラウンって知られてないよね、
スタンドアップってまだまだ、
日本では馴染みがないよね、
人形劇って演劇の中でも、
まだまだマイナー扱いだよね、
ってなってるんですけど、
私すぐやってるから、
褒めて、と思ってますけどね、
でもまあまあ怒られますから、
基礎を踏んでないからね、
勝手にやってますから、
私は自分のことはいつも野良犬だと、
思っています、
だからちゃんとね、
やってらっしゃる方も必要だし、
伝統的にやってらっしゃる方も必要だし、
野良犬みたいな雑種みたいなのも必要だし、
いろんなタイプがいたらいいんじゃないかな、
って思っています、
はい、
ありがとうございます、
ただ真剣にはやってるんですよ、
知ってます、
聞いてる人もね、
本当にそうなんですよ、
今いろんなジャンルのものをやってらっしゃる、
っていう話を伺ったんですけど、
いろんなジャンルの中でも、
やっぱり共通していることがある、
そうなんですけれども、
共通していることは、
ズバリ何ですかね、
その名前がショーシンズっていう名前で、
私自身が昇進者なんですね、
誰も信じてくれないけど、
ちょっと今の流れでは難しいと思う、
首をかしげていらっしゃいましたが、
例えば子供の頃は、
本当に私、
野犬みたいだったらしくて、
野生の犬みたいだったらしくて、
もう知らない人とか、
お客さんとかが雇用物なら、
本当に近寄らなかったし、
人見知りで、
何歳とか、
お名前はとか言われるのも、
もうダメなぐらい、
あの子のことは、
いないものと扱ってくださいって、
うちの母親が言ってたらしいんですよ。
なので、私は昇進者なんですけど、
昇進者っていうのは、
要するに、どうでもいい小さなこととか、
ささやかなことにも、
心がビクビクビクって、
いっぱい動く人のことなんじゃないかな、
と思っているので、
他の人が、
どうでもいいようなこととか、
ささいなことの中に、
驚きとか、美しさとか、
喜びとか、
笑いとか、
そういうものがあるっていうのが、
昇進図の作品のコンセプトに、
いつもなっています。
だから、あんまりこう、
大きな大きなゴージャスな、
ドラマチックな出来事とかではなくて、
ミスシャックリでもやってますけど、
歯を磨く、
毎日やってる、
どうでもいいようなことの中に、
新しい発見とかが、
あるといいなと、
思ってやってます。
本当に、
繊細。
繊細なんですよね。
だから、
一言で、
何か言えない、
パントマイムとか、
マジックとか、
そういう風に言えないところが、
もどかしくもあり、
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ものすごく魅力だけど、
本当に見てもらったら、
いや、
だから本当に、
くだらないことの中に、
価値がある、みたいなね。
小さな小さなことが、
実は人生を、
幸せにしたりするじゃないですか。
そういうことが、
舞台で出来ると、
いいなと思うんですよね。
本当に思います。
だからちょっと、
いつも笑わせていきたいし、
あとやっぱり、
昇進図の長年のお客様とかは、
いつも笑うんだけど、
必ず何か泣いちゃうんだよねっていう。
それは、もちろん泣かせようとしてとか、
お涙頂戴のシーンではなくて、
こっちはずっと笑わせようとしてるんですけど、
笑ってるはずなんだけど、
何でか知らないけど、
ちょっと何か泣けちゃうんでね、
みたいなことをおっしゃるので、
それは多分心が響いてるってことなんじゃないかな、
と思うんですよね。
ちょっと感性の部分で、
ちょっと懐かしいとか、
いつも自分も日常で見ている景色だったり、
まあね、歯とか毎日磨くじゃないですか。
磨きますね。
舞台の面白さとか生の面白さって、
全部は教えてくれないところが、
面白いなと思うんですよね。
何か委ねられる。
観客にこちらの解釈とか、
想像力とかに委ねて、
信頼されて、
見て理解したり、
自分の思い出を気づいたら
投影してしまったりして、
ほろってしたり、
キュンってしたり、
あははったよねってなったり、
するんだろうなと思って、
生の同じ空間にいるから、
余計繊細に小さな動きとか、
ため息一つとかで、
響くものがあるっていうのが、
すごく舞台の面白いところで、
素敵なところだなと思うので、
本当に矢野美さんの作品っていうのは、
そういうところは、
繊細に繊細に作られているので、
だけど、わはははって言ったり、
子供がなんとかってツッコミ入れたりとか、
する場面もあったり、
本当に幅が広くて、
豊かだなというふうに思って、
私は大好きです。
ありがとうございます。
そうですね。そんなところで、
今日は矢野美さんの創作についてとか、
作品紹介していただいたり、
第一回目ということで、
ただ次回ですね。
次回があるんですね。
次回があるんですよ。
これね、全然聞きたいことは聞けてないんです。
ありがとうございます。
次回はですね、
2007年から矢野美さんが参加し続けている、
北米、アメリカ、カナダの
不倫次演劇祭というものについて、
たっぷり伺いたいと思います。
本日の放送を聞いて、
気になっていただいた方は、
ぜひですね、
NHK eテレの
21:01
100秒でわかる名作劇場っていうのは、
YouTubeでも見ていただくことができますので、
ぜひチェックしてみてください。
ききかじ劇場、本日のゲストは、
シアターカンパニー小新津主催の矢野美さん。
案内役は、劇場大好きの春子でした。
矢野美さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
次回もぜひ聞いてくださいね。
さよなら。
さよなら。
バイバイ。