女性マジシャンの現状
奇術積読宣言 ON AIR どうも、奇術愛好家のしゅうたです。このポッドキャストは、手品が好きすぎて、本心のほど積んでいる私しゅうたが、手品を趣味とする愛好家向けに、マジックに関するヨタ話をするポッドキャストです。
スポーティファのお気に入りの方は、番組フォローをお忘れなく。フォローするだけで、番組のサポートにつながりますので、ご協力よろしくお願いします。
今回のテーマは、マジックにおけるジェンダーバイアスです。
ジェンダーバイアスという、なかなかにセンシティブな話題を扱いますのです。
ただ、以前から扱いたいテーマだなぁと思っていたので、今回、これに関して興味深い記事と論文を見つけたので、そちらを紹介しがてら、話ができたらなぁと思っています。
このポッドキャストの分析、アナリシスを見ると、リスナーの9割以上が男性なんですよね。
一部女性が聞いてくださっているようですが、だからこそ扱いたいという話もあります。
センシティブな話題だからこそ、最初にしっかりお伝えしておこうかなと思うんですが、私は、割とリベラルな考えの持ち主です。
リベラルというのは、個人の自由を尊重したり、個性を重んずる、いわゆる自由主義と呼ばれるようなリベラリズムと言われていますが、そっちの考え寄りだと思います。
この番組では、そういったトーンになりすぎないように事実をお伝えしようと思っていますが、こういったセンシティブなテーマになるときに、どうしてもそっちの立場で発言をしてしまうことが多いかなと思います。
なるべくバイアスを排除して、事実と意見をしっかり分けて話そうと思うんですが、その点は最初にご理解いただければと思います。
割と保守的な方とかは聞いていると、何やねんこいつって思うかもしれないんですが、そういったことは聞かないというのがいいかなと思います。
あとは、一旦説明のために、今回はLGBTQとかそこら辺のテーマについては特に扱わないことにします。
本来はここについても、触れてしかるべきのテーマだとは思うんですが、日本ですと、特に魔法使いアキットさんというマジシャンの方が、トランスジェンダーを告白なさったりしていて、
ちょっと注目されているようなテーマでもあるんですが、今回紹介するところはそこがメインではありません。
その点もご了承ください。
あとは、説明の都合上、これはあまり私も好きな表現ではないんですが、
女性マジシャンとか男性マジシャンみたいな、マジシャンの頭に女性だ男性だみたいな性別の分ける発言をくっつけるということは、
説明のためということで、ご了承いただければなと。
使わざるを得ないかなと思いますので、ご了承いただければなと。
思っております。
今回、なんでこのテーマを扱うことにしたかと言いますと、
2023年の年末に、ニューヨークタイムズ、アメリカの一大新聞社ですけれども、ニューヨークタイムズ、まさに女性マジシャンに関する記事がありました。
タイトルは、Being a woman in magic may be the hardest trick of all.
どういうことかというと、
マジックの世界で女性であるということは、あらゆるトリックの中でも最も難しいもののうちの一つだという、そういった見出しで記事が書かれていました。
どんな記事だったかというと、リンクちゃんと貼っておきますので、見れる方は読んでいただきたいんですけれども、
記事の中では、ステージマジシャンのうち、まず女性は8%ぐらいしかいないと。
人数だけで見ると、まずこの分野における男女格差って結構すごいよねと。
あとは、ちょうどアメリカ's Got Talentですね。アメリカのタレント番組ですけれども、アナディ・グズマンという若い女性マジシャン、しかも白人じゃない方ですね。
が、アメリカ's Got Talentで2位になったんですよね。前のシーズンで、2023年の。
その彼女も登場していて、インタビューされてたりするんですけれども、そういったこともあってですね、たぶんこの記事が書かれたんじゃないかなと思います。
で、このアナディ・グズマンさんはですね、カードのフラリッシュとかもすごい得意な、本当にお上手な方で、僕も一回生で見たことあるんですけれども、
ということもあってですね、やっぱり実際番組の中でも、なんでマジシャンって女性少ないの?みたいな質問が番組の中でもされていて、
彼女は、私はマジック憧れたけどロールモデルがいませんでした。自分が参考にする、目指したい先輩みたいなのがいなかった、ロールモデルって言いますけれども、
それがいなかったということを番組の中でも発言していますから、やはりそれだけ、アメリカでは特にね、そういった状況だと。
日本を見てもかなり少ない方ですよね、とは思います。歴史的に見ると、本当に著名な女性マジシャンいますよ。
直近であれば、2代目の引田転校さんとかもそうですし、転活とかもですね、小曲祭転活とかも女性マジシャンなんですけれども、
今の現代になってくると、どうしてもですね、本当にそれは一部の活躍した方ですから、絶対数で言うとどうしてもマイノリティ側ですよね。
また、記事の中ではですね、ニコール・カルドッサ、多分発音そんな感じだと思うんですけども、
ジェンダーバイアスの研究
というですね、黒人の女性マジシャンの紹介もありました。しかもですね、彼女どちらかというと、恋マジックがメインらしくて、
私も確認したのが、インスタグラムがですね、フォロワー6.7万人ということで、かなりいるんですけれども、
彼女も自分の、彼女の発言では、女性であってね、黒人、まあ有色人種ですよね、いわゆるね。であることは、やっぱり見られる目が、
お客さんからね、見られる目が異なる。マジックをやる人っていうのは、白人の男性っていうようなイメージが見る側にもあるんじゃねーの、というような話をしていましたね。
ちなみにこのカルドーサさんっていうのは、34歳、記事書かれた時点で34歳なんですけども、大学とかね、いろんなところを回りながら、
全米ツアーみたいなのもしていて、どうやらそれは彼女の前にですね、1900年代にちゃんと、黒人の女性マジシャン、ちゃんといたんですね、
エレン・アームストロングさんという方がいらっしゃったみたいなんですけども、その方にリスペクトを込めながら、全米ツアーみたいなのもやったということでした。
でね、そんな話をしているんですけども、じゃあ、さっきニコールさんが言った、お客さんがね、
白人男性がマジックするものだと思っている、みたいなのって本当なんだろうか、みたいな、問いは厳密には多分違う問いだと思うんですけれども、
似たような問いから発生した論文、学術論文がございまして、心理学系ですね。
これも紹介されていました。記事の中では、すごいざっくりとしか紹介されていないんですけども、一応ちょっと調べてみてですね、
あんまり心理学、別に得意分野というか専門ではないので、統計的な書類だとかね、そこら辺は少しが危ういんですけども、
アブストラクトとかですね、中の実験の手法みたいなのをちょっと読んでみましたので、ちょっとそこについて紹介したいと思います。
まずその論文のタイトルなんですけれども、
Are women perceived as worse magicians than men?
ということで、何ですかね、訳すと、女性って男よりも悪いマジシャンだっていうふうに、
自覚されちゃうんですか?っていうタイトルですね。
この研究の結論は、マジック、お客さん側にやっぱりジェンダーバイスあるよと、
男性マジシャンの方が女性マジシャンよりも印象的に、インプレッシブって英語でしたけども、
これ印象的にって私言ってますけども、インプレッシブに見られるよということが研究で示されたということなんですね。
女性マジシャンにおけるロールモデルの重要性
これ私何を言ってここから読み取れるのかとか、ここからの学び、テイクアウェイ何なんだっていうのをちょっと考えたんですけど、
じゃあ女性マジシャンがマジックをやるのを諦めるとかっていうのはちゃんちゃらおかしい話だと思っていて、
これね、何らかの形でやっぱりこのバイアスっていうのを解きほぐしていかないのかなとは思いましたね。
解きほぐしていかなきゃいけないんだろうなっていうのは思ってますね。
かつてはやっぱりこの研究で、もちろんね、多分この研究がヨーロッパ圏の研究なので、
観客側にもそのバイアスが、観客持ってるバイアスじゃなくて人種とかね、そういったバイアス多分あったりするので、
必ずしもこのアジアとか日本で適用されるかは分かりませんよ、分かりませんけれども、
少なくともこのヨーロッパの観客層にはおそらくジェンダーバイアスをお客さんが持っているということがデータで示されたということですから、
まじく見るときにですね、僕バイアス持っちゃってるなっていう、まず自覚することがね、もしかしたら大事なのかななんて思っています。
それは私の意見ですよ。今のは私の意見です。これは論文に書いている話ではありません。
なんですが、中身についてちょっと話したいと思います。
2019年の論文で心理学のですね、サイクロジカルブルテンみたいな名前の雑誌に掲載したものらしいんですけども、
著者が4名います。1人がパスカル・ガイガックスさん、多分そういうふうに読むと思うんですけれども、
これはスイスのフリブル大学という大学の学者さんですね。
で、もう1人がセリル・トーマス、これ聞いたことある方いらっしゃると思うんですけども、和紙マジックで有名な人ですね。
ドクター・セリル・トーマス、セロとスペル一緒なんですけど、ドクター・セリル・トーマスさん。
で、彼はですね、この論文執筆時はユニバーシティブ・パリスって書いてあるんで、多分フランスのパリの大学で研究なさっていた。
今ね、どうやら違う大学にいるらしいんですけれども、パリ大学で研究して、セリル・トーマス。
あとアンドレ・ディ、ちょっと待って、これ僕読めません。アンドレ・ディ・ディルジーンかな、ちょっとわかんないですけど、これもフランスにいる大学の人。
で、もう1人がグスタフ・クーンですね。
マジック評価における男女差
これはサイコロジー・オブ・マジックっていう、バリシング・インクから出ている本を書いたサイコロジーの心理学の学者さんですけど、
彼はロンドン拠点にしている大学の学者さんです。
この4人で書かれた論文ということで、じゃあどういう実験がされたんだっていう話なんですが、
まずですね、被験者、マジックを見る人がいるわけですけれども、参加者の半分には今からマジックの映像を見せますと。
なんですけれども、これはナタリーが演じてます。
ナタリーっていうのは女性の名前ですから、女性が演じてますよっていうふうに半分に言います。
残りの半分にはニコラス、男性ですね。男性が演じてますよっていうふうに伝えるんですね。
で、同じ映像を見てもらいます。
全く同じ14個のトリック、マジックトリックをクロスアップマジックですね。
近距離型のマジックをやっている映像を見せたと。
で、これ手袋をしてマジックやってもらった映像のシーンですね。
かつ、手袋をして、長袖して、手元しか映していない映像。
なので、映像だけ見て、これやってるのは男だなとか、これやってるのは女だなみたいなのは、
肌とか手を見て判断することはできないということで、手袋してやった映像を見てもらったということでした。
で、その後、アンケートに答えてもらってですね、マジックどうだったみたいな評価をお客さんにしてもらうわけなんですけれども、
ここで有意な差があったということでした。
で、このアンケート、質問の中身なんですけども、1個目がHow good was the trick?
トリック、どれくらい良かったと。
で、2個目がHow impressive was the trick?
トリック、どれくらい印象的だったという質問ですね。
これ全部で7段階評価をしてもらうというものだったそうです。
で、ここでですね、差が出ていて、女性が、ナタリーが演じた方を見た半数の方が、
ニコラスの男が演じたと伝えられた層よりも、トリックの評価をですね、否定的、良くなかったと。
かつ、インプレッシブ、レスインプレッシブですね。
印象的でなかったという評価にしたということでしたね。
これをね、どう捉えるかは、ちょっと冒頭、僕が話した通りではあるんですけども、
ここに関する、これはあくまでね、実験の結果ですから、そういったものがあったと。
ただですね、あることをすると、この男女差というものが減ったらしいんですよ。
これ何かというと、これまた別の参加者を呼んで、同じような実験をやったんですけども、
質問に、Did you guess the magic trick?
つまり、あなたはマジックの種分かりましたか?というね。
トリックの秘密、分かりましたか?当てられますか?という質問を加えたんですって。
そしたら、1問目と2問目、さっきのHow good was the trick?とHow impressive was the trick?との相関性があったみたいで、
つまり、種分かりましたか?って質問を聞くと、確かに分かんなかったなと。
だから、別に男であろうと女であろうと、マジシャンが関係ないなということで、
つまり、さっきのこの男女差ですね。
マジシャンの男女差による評価の差が減ったらしいんですよね。
マジックに関する種の考え
つまり、これは種を考えさせることによって、ジェンダーバイアスが若干緩和されるという結論なんですよね。
これもまたどう捉えるかですよね。
この種分かったみたいな、要は挑戦的な態度になるっていうのは、
またこれはパフォーマーとしてはなかなか難しい、悩ましいところもあるなと思いまして、
これはあくまで一つの実験で研究ですから、これを全て真に受ける必要はないんですけれども、
いずれにせよ、そういった研究をなさったということです。
ちょっとさっき話しましたけども、これヨーロッパでの研究で、
テジナを見た人たちにも人種的な偏りもあるでしょうし、
それがどれほど排除されるか、日本でやったらまた違う結果が出る可能性は全然あると思うし、
そこら辺は全部取り入れるのではなくて、まゆつば程度に聞いていただければと思うんですけれども、
ただやっぱりうっすらと、マジックを見る側、お客さん側ってやっぱりバイアスを持っているんだろうなと思っていたのが一つ、
可視化されているのは、なかなか興味深い話だなと思って、この論文を見ておりました。
ということで、ちょっと論文というとどうしても難しそうな話になりそうなところを、
なるべく噛み砕いて話をしたというか、一応私が理解できた範囲の話をしたつもりです。
数を繰り返しますけど、これファクトなので、こういった研究があったよということで、
一部私の解釈もお伝えしましたけれども、
そういった研究があったよということでした。
ということで、日本の男女差、人数も、マジシャンの人数とかも、
あんまり私は最近どういう状況なのか、把握しきってはいないんですけれども、
やはりどうしても人数でいうと女性の方が少ないと。
マジックサークルを、私が大学に行った時も、女性がすごく少ない。
東大ってもともと学生の時点で、マジック部じゃなくて、
東大という大学自体が女性少ないというのはあるんですけど、
一応マジックサークル自体はインカレサークルで、どこの大学からも来ていいので、
それでも自由なはずなんですけれども、それでもやっぱり女性が少ないという問題というか、
事象自体はありましたので、やっぱり選ぶ人少ないんだろうなと。
もちろんキャリアとして、プロとして選ぶ人は少ないし、
もっと言うと趣味として選ぶ人もなかなか少ないんじゃないのかなというのは、
肌感として感じたいところですよね。
ここら辺はですね、やっぱりより新しい方々、多様な考え、
バックグラウンドを持っている方々が業界に入ってくることによって、
新しいマジックが思いつくかもしれないし、
新しいパフォーマンスの形を提供してくださるかもしれないし、
ということをすごくまず期待するわけですね。
女性らしさというつもりは一切なくて、
前提、まず業界に多様な人が入ってくるのが超大事だよねと思っているので、
そういった意味ではですね、やっぱり女性マジシャンというのが増えていくというのは、
前提、結構いいことなんじゃないの?というのは私は思っています。
これは私の意見ね。リベラルだと言った通りでそんな感じの意見じゃないですか。
なので、そんなことを思ったりします。
ということで、今回はなかなかセンシティブな話題だったんですけれども、
こんな研究があるよ、こんな記事があったよということです。
詳細は概要欄にリンクを貼っておきますので、興味ある方はぜひそちらもご覧ください。
それではまたお会いしましょう。バイバイ。