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スピーカー 1
はい、ということでゲストに松下弁護士を呼んでですね、法律とマジックの問題についてですね、語っております。今回で3回目になりますけれども、ここからはですね、結構一問一答形式で、この事例アウト、セーフみたいなところですね、時間がいる限り話していければなと思います。
1回目のところでも話したんですけれども、法的にOK、NGみたいな話を、もちろんグレーのところもあるんですけれども、話をしていきます。ただこれが法律にOKだから別にやっていいよねとか、そういう立場ではないですし、やっぱり倫理的に良くないこと、あるいはマジック業界全体にとってですね、不利益をもたらすようなことっていうのは全然あると思っているので、決してここで法律的にOKだからやってもいいよっていうメッセージじゃないということはちょっと改めてですね、
リスナーの皆さんにご理解いただければなと思います。もし炎上したらこのエピソード消します。すぐ消すんで。なので皆さんですね、その点ご了承いただいて聞いていただければなと思います。
マジックの海賊版販売に関する問題
スピーカー 1
ということで1問目なんですけれども、これはもうよくある海賊版の話なんですが、コピー商品を正規品と偽って販売する行為ですね。これもいくつかケースあると思うんですけど、1つ目じゃあパッケージを丸々コピーしているような場合ってどうですか。
スピーカー 2
これはわかりやすいケースで、中身は本物かどうかといったら置いといても、パッケージコピーっていうのが著作権侵害になる可能性が高いですよね。あとそのパッケージにですね、会社の店員用産の商標とかがついていると商標権侵害になる可能性もあるので、著作権と商標権っていう意味でなかなかリスクがあるのかなというふうには思います。
スピーカー 1
これじゃあパッケージは違う?わざわざオリジナルのものを海賊版のショップが作ったりした場合はどうなるんですか。
スピーカー 2
それだと著作権侵害とか商標権侵害っていうのは言いにくいって話になってきますね。
スピーカー 1
そうするとそれは騙されたってことで詐欺とかにならないですか。
スピーカー 2
そうですね。その中身が違うと。正規品じゃなくてコピー商品だってなってくると、要は本物だと書いてあるから買ったのに実は偽物だったってなってくると、詐欺罪っていう予知は理論的にはあるかなと思うんですけど、
ただ最初の方でも第一回ですかね話しましたけれども、そもそも何が本物なのかと。要はマジックが法的に守られてないとすると正規って何なのみたいな。正規品って何なのっていう問題があるので、なかなか詐欺罪っていうのもなかなか簡単ではないなというふうには思います。
スピーカー 1
自分の会社の中ではこれは正規品なんだみたいな話とかされちゃうとなかなか悩ましいなっていうふうには思いますね。
よくあるファッションブランドとかって正規品、パクリ、海賊版みたいなのよくあるじゃないですか。あれは彼らはどうやって自分のものを守ってるんですか。
スピーカー 2
ファッションに関してもなかなか悩ましくて。
スピーカー 1
これもやっぱ悩ましいんだ。
スピーカー 2
悩ましいですね。著作物とかもありますし、不協法の携帯魔法っていう。
ちょっとわからないのでやめておきましょうか。
スピーカー 1
マジック業界に問われず、そこら辺はグレーになっているから、それこそ海賊版が、マジックもそうだし、ファッションブランドもいろいろあるのが規制しきれてないみたいな状況があるってことですね。
スピーカー 2
ただファッションとかだと見た目に特徴があることが、形に特徴があることが多いので、結構知財を使いやすいこともあるんですけれども、
マジックの道具って見た目に特徴ない、無くしてるじゃないですか。
スピーカー 1
むしろ無くしてるからね。
スピーカー 2
そうなってくると、そういうことがしにくいよねっていうところはありますよね。
スピーカー 1
それもあって相性悪いんですね、法律と。
そうだと思いますね。
なるほど。ありがとうございます。
マジックのコピー商品に関する問題
スピーカー 1
じゃあ次ちょっと質問なんですけれども、解説がダウンロードになっていて、解説動画はこちらのURLからどうぞみたいなのがあるじゃないですか。
コピー商品、中身はコピー商品だけど、解説は正規品のURLをつけて販売するっぽい。
これよくメルカリとかで目立ってるんですけど、これは。
スピーカー 2
これは動画が誰でも見える、多分YouTubeとかに載ってるようなものだとすると、
それをリンク先をつけて送るだけあると特に問題ないという風にはなるとは思います。
スピーカー 1
パスワード入れて自社のサイトとかに載っけてるとか結構多いと思うんですけど。
スピーカー 2
それだとパスワード入れてなってくると、おそらくなんですけれども、
最初に正規品を買って動画のURLを知った時点がどこかであると思うんですけど、
その時に多くの場合は第三者にパスワードを教えないとか、そういう取り決めをしてるはずなんですよね。
じゃなきゃ意味ないですからね。
それには違反してるってことになるとは思うんですけれども、
スピーカー 1
ただコピー商品を買わされた人が自分の利益が侵害されたかっていうとなかなか難しいのかなっていう感じはします。
じゃあその映像をダウンロードして、例えば別のとこにアップして、このURLを渡すことは?
スピーカー 2
それは正規の映像をダウンロードしてアップロードになるので、
これは著作権の複製と公衆送信っていうのが重なってるので、著作権侵害になるとは思いますね。
スピーカー 1
ありがとうございます。
ちょっとこれ話しすぎるとやっぱあれですね、犯罪者の手助けしてる感じになりそう。
そうですね、なかなか悩ましい。
悩ましいな、なるほどね。
じゃあ次行こうかな。
このポッドギャストで特定のショップの名前と商品名を出して、
このショップは法化してると判断される可能性が非常に高いと僕が言ってしまう行為。
これはどうなりますか?
スピーカー 2
これはですね、虚偽の事実じゃなくて、かつ名誉毀損にもならないよっていうことであれば、
理屈の上では問題ないんですけれども、
実際はやっぱですね、違法かどうかってかなり微妙なことが多いんですよね。
我々専門家からしても微妙だし、いざ裁判所とかに持ってってもどっちに転ぶかわからないってこと結構あるので、
なのでそこまでリスクを犯す必要があるのかっていうところは考える必要があるかなとは思いますね。
それでも言いたいならもうそれは表現の自由だみたいな話になってきちゃうんですけれども、
リスクがあるってところは踏まえなきゃいけないですね。
スピーカー 1
ある程度リスナー、しかもマジック関係者のリスナーがいて、かつ私が本当かどうかわからないような話をここでしちゃうと、
名誉毀損にもならない可能性っていうのは全然あるよね。
スピーカー 2
しかもここで言うと結構影響力が、しゅーたさんの影響力強いかもしれない。
スピーカー 1
いやいや、そんなことないです。
スピーカー 2
売り上げがガクンと減っちゃうみたいな話になるとね。
スピーカー 1
逆に影響力強いんだったら、ぜひスポンサー誰かついてください。
スポンサーでどっかのショップついていただいたら、私そういう話するんじゃ。
スポンサーで思い出して、これ超余談ですけど、海外のYouTuberでマジックの本をずっとレビューしてる人がいて、
そこはマジックのフル本屋がスポンサーについてて、
お金出してるのか現物渡されてるのかわかんないんだけど、スポンサーついてマジックレビューやってて。
スピーカー 2
確かにでもマジック道具のレビューって結構欲しいですよね。
スピーカー 1
みんな欲しい。
欲しいですよね。
スピーカー 2
それがまた種明かしになっちゃったから難しい問題はあるんですけど。
スピーカー 1
種明かしの話すると、このポッドキャストであのマジックの種こんな感じなんでみたいな概要を説明しちゃうのは別に違法じゃないってなっちゃうわけですよね。
違法じゃないですよね。
そこはやっぱり難しいなと思う。なるべく種に触れずに喋るようにしてるんですけど。
限界がある部分ももちろんあるんで。
ありがとうございます。
じゃあ次ですね。
マジックの情報の流出や翻案に関する問題
スピーカー 1
サクサクいきましょう。
物理的な本、物理本をスキャンして電子書籍として権利を持ってない人が販売する行為。
スピーカー 2
まあ分かりやすいアウトロードですね。
これは著作権の複製権と公衆送信権っていうのを侵害してる。
スピーカー 1
公衆送信権ね。
じゃあこれは本は分かりやすいですけども、
例えば動画、さっきのURLの話ありましたけど動画で最近活躍してるのが多くて、
その動画の解説を文字起こししましたと。
それをテキストにして、ワードとかで編集して、印刷して、その説明書を販売する行為っていうのはどうなんですか。
スピーカー 2
要するにその文章は変わってないけれども形式が変わったっていうことだと思うんですけども、
これも複製になりますね。
だから今の例で言うと、文字起こしして売るだと複製権と公衆送信権、譲渡権とかありますけれども、
いずれにせよ著作権侵害になると思いますね。
なるほど。
スピーカー 1
じゃあ次はこれまたよくショップである話だと思うんですけれども、
海外、アメリカにしましょうか。
アメリカで作られたマジック道具の説明書、これ結構英語じゃないですか。
これを特に許可取らず日本語の説明書とか補足原稿みたいなのを付けて販売する行為ですね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
翻訳をだから無断でやっているとも言える。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
これはどうですか。
スピーカー 2
これは翻訳は無断でやるっていう、これも著作権侵害になりますね。
例えばこれがゼロから、自分で説明書と補足の部分とかも自分でゼロから作るんだったらそれは別にいいんですけれども、
ベースにある英語を翻訳しちゃうとなるとこれは著作権の侵害になります。
この翻訳っていうのは、著作権法上は本案っていう言い方をするんですけど。
スピーカー 1
本案、翻訳の本に案で。
スピーカー 2
案文の案。
アイディアっていう意味での案。
スピーカー 1
プランの案ですね。
スピーカー 2
本案って翻訳の上位概念で。
日的利用を、著作物をちょっと変えて使うっていうのは基本的には全部本案です。
その中の一つが翻訳ですね。
そのままコピーするのが複製。
少しオリジナリティを加えて利用するのが本案っていうふうに分類されていて。
外国語に翻訳するっていうのも一応本案の一種というふうには整理されています。
スピーカー 1
これじゃあちょっと込み入った話になるんですけど、本読むじゃないですか。
マジックの本じゃなくて普通のビジネス本とか。
で、要約してそれをYouTubeとかブログで内容こうですっていうのって。
これもだから本案権を。
本案?
スピーカー 2
本案になるかっていう問題は出てきますと。
これやや雑な説明になってくるんですけれども。
少しオリジナリティを付け加えて利用するのが本案ってさっき言ったと思うんですけれども。
でもこれ元の作品の本質的な特徴を監督できる。
要は本質的特徴が残ってるっていうのが前提になるんですね。
それも残ってないんだったらこれただの別の作品なので本案じゃないわけ。
だから問題は元々の作品の本質的な特徴が残ってて、それにオリジナリティを付け加えたらそれは本案なんですけど。
今例に出てきた要約して動画にするときに元の特徴が出てないと。
これ特徴って言ったら表現上の特徴なんですけど。
それももう残ってないよということになってくると著作権法上は別に問題がないっていう整理になってます。
スピーカー 1
なるほどね。
だからもちろんどんくらい残ってるかっていうのが法的にはグレーのゾーンなのかもしれないんだけど。
なるほどそれは問題ないとなる可能性があると。
本の要約動画と著作権法
スピーカー 2
結構動画見てると本の要約動画とか見てると怪しいのはありますよね。
多いですけどただ内容は一緒だけど内容というかアイディアを保護するわけじゃないので著作権法で。
表現を保護してるので文章というか具体的な表現が変わってるんだったらセーフの可能性は十分あるかなと思います。
スピーカー 1
ありがとうございます。
ちょっと次なんですけどちょっと翻訳に関連してるんですけど英語の本がマジックの本があってその本の日本語版の翻訳をつけて
その英語の本そのものと日本語訳両方販売する行為。
つまり英語の本の著者は別に自分の本買ってもらってるんでちゃんと収入も入っていてっていう問題なんですけど。
無許可だった場合はどうなんですかっていうところですね。
スピーカー 2
無許可の場合は本案件の侵害になる可能性は高いですね。
これが簡易訳じゃなくて例えば省略とか部分的な訳だとこれさっき言った本質的特徴が残ってるかどうかっていう話になってきて
残ってないだったらいいんじゃないと。
残ってるんだったらそれはまだ本案件の侵害だとなってくるというふうになります。
だから結構その根本的なところとして考えなきゃいけないのは今の議論って
自分がやるときはっていう話なのかお店でやったのを買うときかっていうところを整理する人はあって
今の例だと自分の権利は侵害されてないんですよね。
要はアメリカの英語の本の作者の本案件が侵害されてるという状況になるんですけど
買った人が何か文句言えるかっていうと結構微妙な、要は第三者ですよね。
だからそこを言ったときにそれが何か意味があるかって言うとなかなか難しい。
スピーカー 1
法律上何か言える立場にはないような感じはしますね。
ありがとうございます。
じゃあちょっと次なんですけども、誰かが書いた本で解説されているマジックの作品を僕が演じましたと。
スピーカー 2
で、それを映像に撮って解説もつけて売りました。
これはどうなりますか。
これはですね、基本的には問題ないことになるかなというふうには思います。
っていうのはですね、さっき言った通りマジックの種と言いますか
どういうマジックかっていうのもあるかもしれないですけど
一般的なというかカードマジックを何かのルーティンを思ったときに
それ自体は著作権というか何らかの知的財産で保護されるようなものではない可能性が高いので
それを自分で演じて解説したとしてもそれは別に問題ないよということになるとは思います。
例外的な保護される場合っていうのは例えばステージマジックの中でも
リングとかで多いかもしれないですけど
結構舞踊みたいな、ダンスみたいになってきていると
そのダンスの振付って著作権、著作物として保護されることがある。
ちょっと限定的なので全部保護されるって思われると誤解があるんですけれども
限定的ではあるけれども舞踊って保護されることがあるので
そうなってくるとその動きを丸パクリしたらそれは著作権侵害ってなる可能性があるよねっていうのと
あとセリフにですね特徴があるというようなマジックのときに
それをそのまま、本に解説されているセリフをそのまま述べるとか
スピーカー 1
いうと著作権侵害って言える可能性は高いのかなと思います。
スピーカー 2
セリフに特徴があるマジックってどういうのがあるのっていうと
ちょっとタイトル忘れちゃったんですけど
フォーナイトメアーズの結婚式バージョンとかある
スピーカー 1
はいはい、僕大好きなやつだ
スピーカー 2
あれ結構セリフがなんか
スピーカー 1
セリフがむしろ価値みたいな
スピーカー 2
っていう感じでしたよね
で、あれがですね一つの例になるのかもなっていう風には
スピーカー 1
なるほど
スピーカー 2
一応その著作物的にどういう基準があるのかっていうと難しいんですけど
感覚的な話として言うと
俳句って575じゃないですか
で、俳句が著作物であることって一応
日本の中では争いがないんですよね
基本的には俳句でできている作品は全部著作物だと思われているので
17文字以上あれば最低限保護の余地は出てくる
逆に17文字を切ってくるとハードルが高い
スピーカー 1
これは一つの目安というか
スピーカー 2
目安として
目安ですけど、ああそうかというぐらいになるんですけど
スピーカー 1
面白い
なるほど
今ちょっと出たフォーナイトメアズのやつは
フォーナイトメアズの天陽さんのロープマジックですけれども
魔法修行という札誌で第10号に発表されていますけれども
ということでちょっと補足でございました
ちょっと種明かしのところの質問になるんですけれども
さっきの秘密報じ契約をしていたという前提で
例えばね
前提なんですけども
あるときにマジックをしていたんですが
手錠の種がばれてしまいましたと
なるほど
ただそれはばらしちゃいけないという契約を結んでいたとき
どうなるんですか
スピーカー 2
これはその事前に締結をしていた契約次第ではあるんですよね
要は種明かしって何なのみたいな話になってきて
おそらくその種明かしをしませんというだけだと
種明かしをするってその積極的な行為だけなのかなという気はするので
間違えて見えちゃったよっていうことだと
この契約違反にはならないんじゃないかなという気はします
私が以前そういった相談をマジッククリエイターの方から受けたときには
この秘密報じ契約の中では種明かしをしませんだけじゃなくて
種明かしの定義の中で一見してその原理がばれるような
演技を行った場合を含むとか
そういうちょっとガチガチに決めたことはあります
それでも結構どうかなってことはあるんですけど
ないよりはマシかなということでやったことはあります
スピーカー 1
なるほどね面白いですねありがとうございます
では3回目はここまでとなります
今回は一問一答形式で本案など実際にありそうなケースについて回答していただきました
本当にありがとうございました
繰り返しになりますけれどもあくまで現時点の法律の解釈に基づいているということと
決して理理的に許されざる行為を推奨しているわけじゃないということは
ご理解いただければなと思います
何か気になることがあればぜひXとかそういったところで
ご連絡いただければと思っております
次回は引き続き一問一答でぶつけていきたいと思いますけれども
今回よりもサクサクと多様なテーマで質問をぶつけていきたいと思います
それでは第4回でお会いしましょうバイバイ