例えば子牛なら、哺乳ロボットというのがうちにあるんですけど、哺乳ロボットを教えたらすぐ覚える子もいればですね、何回連れて行ってもなかなか覚えない、よくわかんないやつがいます。
大人の牛でもですね、人が近づくとすぐ動く牛や、全然動かない牛。
作牛になると神経質になる牛だったり、初めて見るものにすぐ近づく牛だったり、逆に警戒する牛、かなり違っていきます。
これは単なる楽能化の感覚ではなくてですね、動物行動学でしっかりと定義されています。
牛にもですね、比較的安定した行動傾向があって、キシツというものですね、あとはコーピングスタイルというストレスへの対処傾向として研究されています。
ストレスへの反応にも答え差があるということですね。
つまりこの牛は言うことを聞かないで終わらせるのではなくてですね、この答えは何に対してどう反応する傾向があるのだろうか、と考えた方が牛を理解しやすくなります。
作牛ロボットを覚えない牛もですね、実際に研究されています。
うちでもね、哺乳ロボットを使っているので、ここに来たらミルク飲めるよーって言ってですね、牛さんに教えるわけです。
哺乳ロボットのところにお尻を押し込んでですね、乳首はここだよーって言って、
スイーツ課題の時は普段飲ませている哺乳瓶のやつをチュッチュッと吸わせて、ここでミルク飲めるんだと思わせてから哺乳ロボットを覚わせるみたいな感じでやってるんですけど、
これ1回で覚える子もいるんですけど、本当になんで覚えんのみたいな、全然覚えなくて結局哺乳ロボットに入らないみたいな牛さんもやっぱりいます。
これ面白いことにですね、これは研究で確認されているんですよね。
講師を調べた研究では、探索的な活発な個体と人や物への反応が強い個体など、性格的な特徴と採食行動との関連が報告されています。
さらに自動哺乳機への哺乳ロボットですね、適用についても個体差があります。
2019年の研究では、学習が遅いと分類された子牛ほど、離乳時期が遅くなる関連が示されました。
お父ちゃんを離れ飲まなくなる離乳っていうね、お父ちゃんを卒業していく、それが遅くなる関連が示されたと。
そして2026年に発表された461頭の講師を対象とした研究でも、哺乳ロボットを自力で利用できるようになるまでには差があって、平均のトレーニング期間は約3.5日でした。
なので覚えないイコール頭が悪い、これは変な牛だとは簡単には言えなくて、体調かもしれないですし、怖がりなのかもしれないですし、新しい環境への適応が遅いっていうそういう個体かもしれません。
あるいはその子にとってこちらの教え方が合っていないという可能性もあります。そうじゃねえよっていう教え方違うよってことですね。
心を開かない牛を牛の言葉に翻訳してみます。今回の質問には心理的なことで心を開けなくなった牛という表現があります。
ここを少し理解してですね、その牛が人間や環境に対して回避、警戒、恐怖反応を示していると考えます。
牛は過去の経験から学習します。人に追い立てられたり、滑った経験だったり、痛い処置をされたり、知らない場所へ連れて行かれた、こうした経験によってその後のハンドリングへの反応が変わる可能性があります。
逆に若い頃から穏やかなハンドリングに慣らすことで、人への恐怖やストレスを軽減できることも研究されています。
なのでこの牛は人間が嫌いと人格化するより、人間が近づくことと嫌な経験が結びついていないかと考えるようにしています。
毎回人間が来たらね、なんか注射打たれるとか、毎回人間が来たらロープで縛られるみたいな経験をしちゃうと、やっぱり恐怖心ができちゃうよっていうことですよね。
牛が動かないときにですね、力で動かす前に見るものがまずあります。
ついついやりがちです。動け!動けて!って言って蹴ったりとかね、引っ張ったりとか。
これ毎日の仕事でね、あったりするんですよ。ラグの場ではもう日常茶飯事です。
あっちに行ってほしいな、こっちに来てほしいなって言ってこうやっても動かない。
2人で、3人でやっても全然全く動かないみたいな、あるんですよね。
ここで人間側がイライラしてですね、声を大きくしたりとか、叩いたりとかすると逆効果になることがあります。
牛にはですね、フライトゾーンという逃避領域と呼ばれる考え方があります。
テリトリーみたいな感じですね。人間も知らない人が半径3メーターくらいに来たら、知らない人が来たな、だけど
それが1メーターくらいになると怖いなって思うじゃないですか。
あれがフライトゾーンというか、牛にとってのフライトゾーンですね。
そして牛の肩の付近、肩口の付近には移動方向を変える目安になるポイントオブバランスというところがあります。
人間がどこに立ってどの方向から近づくかによって、牛が前進するか、後退するか、こちらを見るかが変わります。
真正面から強く圧力をかけたり、真後ろの四角から突然近づいたりすると、牛を興奮させることがあります。
つまり、牛が言うことを聞かないのではなく、人間が牛の動き方を理解していない場合もあるということですね。
これは日々、落脳家は意識してほしいなと思います。
作牛の時だけ神経質な牛、こういうのもいますね。
普段はおとなしいんですけど、でも作牛になると落ち着かない。
足を上げたり、蹴ろうとしたり、見る顔を嫌がったり、こういう時もですね、この牛性格悪いなーって終わらせずにですね、
乳房やひずめに痛みがないかとか、作牛危機に問題がないか、真空圧が悪いとかね、そういうのがあったりするかもしれません。
あとは前絞りが、作牛主義が悪かったりとかね、そういうのがあったりするかもしれません。
あとは床が滑らないかとか、周囲で大きな音がしていないか、過去に作牛の時に嫌な経験がなかったか、原因を一つずつ潰していきます。
牛にとっては作牛が嫌いという抽象的な話ではなく、作牛という状況の時にですね、避けたい刺激が存在している可能性がある、そう考える方が改善につながります。
まあ、嫌な思いしているとトラウマになっているということですね。
それを取り除いていくことが大事と思います。
そこでロープで縛ったりとかですね、足引っ張ったりとか何かがんじがらめにしたりとかすると、逆効果ですね、もっと痛くなっちゃって、もっと怖くなっちゃうみたいなことがありますよね。
他にもですね、よくわからないやついますね。ウォーターカップとか水槽でべちゃべちゃ遊ぶやつ。
あと舌ベロベロして何か邪達って言うんですけど、ああいうので遊んでいるやついますね。
ウォーターカップを舌でいじったり、必要以上に水を出したりする牛がいます。
人間から見るとまた何でこんなことをしているんだって思うかと思いますけど、本当に遊びなのかは慎重に考えた方がいいです。
牛には探索行動があるということと、物をなめたり操作したいという行動があります。
一方、口を使う反復行動の中には、使用環境や採食行動の制限などと関連が研究されているものがあります。
環境エンミッチメントとしてブラシや操作できるものを与える研究も進んでいます。
回転ブラシとか、ああいうのでストレスが軽減されたり、
あとは使わなくなったホウキとか、ディッピングの容器とかを格子のストールとかに入れてたりすると、それで遊んで気が紛れたりとかして、ゆっくり休むようになるっていうのがあったりしますね。
川上牧場も部位ですね、海で落ちている部位を拾ってきて、それをロープで吊るして遊べるような機械、おもちゃを作ったりとかですね、
あとはディッピング材の空き容器とかを格子のストールの中に入れて、コロコロコロコロ転がせるようなおもちゃとして置いてたりします。
なのでウォーターカップを触っているだけでストレスだとも、遊んでいるだけとも断定できません。
ウォーターカップの飲水量は正常か、水量は十分か、他の牛もやっているか、
特定の一頭だけなのか、いつから始まったか、他に行動変化はないかというところをよく観察するのが大事かなと思います。
ここが今回一番伝えたところなんですけれども、牛を可愛がることを否定したいわけではないんですよね。
優しく扱うことは大切ですし、穏やかな人との接触が、牛と人との関係を改善することを示す研究もあります。
ただ愛情をもって接すれば、牛も気持ちをわかってくれるだけでは、牛を管理できないと思っています。
むしろ牛には人間の言葉が通じないからこそ、こちらが牛の行動を勉強する、これが楽能科の仕事かなと思っています。
例えば牛が動かない、頑固だなこいつ腹立つなーではなく、なぜ動かないのか、怖いのか足が痛いのか、床が滑るのか、人の立ち位置がおかしいのか、前に別の牛がいるとか障害物がないか、初めての場所とかね。
こうやって仮説を立てていくのが大事かなと思います。
そして重要なのが、いつもと違うというところがね、重要なところがあったりします。
さらに面白いのがですね、個体差は病気を見つけるヒントにもなるということです。
普通の牛を基準にするのではなく、その牛の普通を知ることが大事です。
いつも哺乳ロボットに5回来る子が、今日は2回しか来ていないとか、いつも人に寄ってくる牛がですね、今日は来ない、いつも真っ先に餌を食べる牛が今日は寝ている、
あとはですね、哺乳ロボットの研究でも、病気になる前後の採植行動の変化を疾病検出に利用できる可能性が研究されています。
これからはセンサーやAIが発達すると、牛の気持ちを読むというより、一頭一頭の普段の行動パターンを学習して、ズレを検出するという技術がさらに重要になると思います。
これはかなり現実的な牛とのコミュニケーションかなと思います。
はい、ということで今日の質問、ポポネームコルトマルテスさんの質問にお答えしていきましたけれども、今回の質問、気持ちが通わない牛とどう向き合いますかという質問ですけれども、
答えはね、皆さんがちょっと求めていたものとは、コルトマルテスさんが求めていたものとは違うかもしれませんが、
僕はですね、最初から気持ちが通じることを前提にしないというのが大事だと思っています。
その代わりに、牛の視野というものがどうなのか、牛の行動はどうやって動くのか、
牛の生理ですね、生理現象を知る、過去の経験を考える、その牛自身の普段の行動を覚える、
そしてなぜこの牛は今この行動をしたんだろうと考え続ける、こういうことが牛と向き合うことじゃないかなと思います。
人間の気持ちを牛に理解してもらうことではなく、人間側が牛という動物を理解しようと続けることなんだかなと思います。
もしかすると、心が通じたと感じる瞬間も、その積み重ねの結果なのかもしれませんということですね。
皆さんも動物と暮らした経験があれば、正確だと思っていたけれど、実は理由のある行動だったという経験はありますか?
今回も面白い質問、コルトマルテスさんが来ていただきました質問にお答えしてきました。
ありがとうございます。
特に人間の勘違いとか思い違いとか、いい解釈で受け止めているというところが多分にあるんじゃないかなと思っていたりします。
僕はですよ、他の楽能科さんがどうってことは全然ないんです。
こうしたほしい、ああしたほうがいいみたいなことも全くなくて、僕はそういう風にやっているというだけなんですけども。
朝のテレビで、今日のワンコみたいなのがあるじゃないですか。
この子の変な癖があるんですみたいな。
餌をやるときにくるくる回転するとか、この子はこのおもちゃが大好きだみたいなことを言って喜んでいる投稿とかあったりするんですけど、
あれも1回目にやったときに飼い主がめっちゃ喜んでくれていたから、それを続けているだけかもしれない。
いい解釈。この子、好きな絵じゃないんですよね。
あなたが喜んでいるのは喜んでいるだけかもしれない。そういうことです。
牛さんも怖いのも、以前そういうときに光の影が天気で牛舎に入るときに、影がいい具合になって見にくかったとか、
あとは大きい音がしたとか、あとはバサバサするものが遠くに見えるとか、
あとは強い牛が前にいるとか、こっち見ているとか、そういうのがいろいろ原因があるんですよね。
それを1回経験するとそこから動かなくなったりしますので、そういう経験が最初のときに大事だったりするかなと思います。
僕は研修生に教えているのも、僕が管理しやすい牛だけじゃなくて、他の人が管理しやすい牛をしていかないといけないというのがあって、
なので僕は子牛のときにいい子いい子したりとかしないんですよね。
子牛のときに研修生とかがいい子いい子していたら、大人になったときに乗り潰されるよって言って、怪我されられるよって言って伝えるんですけども。
全然全然いいんですよ。やることは全然いいんですけど。
なので牛との距離感というのをめちゃめちゃ大事にしていますね。
牛が人間と相対したときに、人間が一歩牛に近づいたときに、牛が一歩下がるみたいな。
そういう関係性ですね。
興味津々で近づいてくる牛さんが、握り拳をグッと握って、ペロペロって舐めてきて、握り拳を急にパッと開いたときに、ちょっとビクッと後ろに下がる。
それをびっくりせずに、ペロペロと舐めてくるやつは、あんまりちょっと僕は飼いにくい牛だなと思ったりします。
そういう細かいところですね。
質問がいただいたので答えましたけど、僕はこうしているという話だけですね。
ぜひ、いろんな方の参考になればなと思います。
ということで、今日はこんな感じで終わっていこうかなと思いますけども、
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はい、ということで今日はこれで終わります。
お仕事の方、学校の方、いってらっしゃい。みんな牛乳飲んでね。バイバーイ。
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