今日の質問はTikTokの方から来ました。TikTokネームお豆腐さんからの質問でございます。いつもありがとうございます。質問です。
牛さんの肥満とか餌をあげる際に気をつけていることはありますか?という質問が来ております。
ありがとうございます。
はい、そうですね、牛の太っている、痩せている、こういうところやっぱりね観察で大事ですね。栄養状態、そして牛の体調、これがね現れるのが、やっぱりそのね、太っている、痩せている。人間とここら辺は一緒なんですけども。
あとは餌をあげる際にね、気をつけていること、そりゃもう本当にいっぱいありますけども。
はい、今日はですね、この牛が太っている、痩せている、どっちが良いとかどっちが悪いとかね、特になかったりするんですが、太りすぎは本当に悪いですけどね。人間とこれも一緒です。
悪いですけども、病気の元になりますよね。悪いんですけども、どういうところをね気をつけているのか、そういうところをねちょっとまとめてきましたので、お答えしていこうかな、詳しくね、皆さんに知ってもらおうかなと思います。
お答えしていこうかなと思います。
はい、では今日もまとめたものを読んでいこうと思います。
牛はたくさん食べれば食べるほど健康でたくさん落ち血が出るんじゃない?と一般の消費者の皆さんは思われるかもしれません。
でもですね、実際の牛義はですね、痩せすぎてもダメですし、太りすぎてもダメです。
そしてもっと難しいのが、同じ牛でも分娩直後と妊娠の後期ではちょうどいい餌が全然違うというところです。
今日の結論を先に言うとですね、餌を見るときは何キロ食べたかより、その牛が今どんな体の状態でその餌をどう使っているのか、これを意識しているというところをね、お話していこうかなと思います。
ではまず、そもそも牛の肥満ってどうやって見るのか、ここをお話していこうと思います。
まず牛が太っているかどうか、人間なら体重計に乗るかと思います。
でも牛の場合はですね、単純に体重だけでは判断しにくいんですよね。
なぜならですね、大きい牛もいれば小さい牛もいるので、その牛の適正体重みたいなのはちょっと分かりにくいところもあったりします。
体重を測るのも大変ですしね。
妊娠していればですね、お腹にいる赤ちゃんの胎児の大きさもあります。
お腹の中にどれだけ餌が入っているかでも体重が変わってきます。
そこで落脳でよく使うのがですね、ボディーコンディションスコアというものがあります。
牛の体脂肪の蓄積具合をですね、腰とかお尻周りを見ながら評価していきます。
一般的な乳牛の方式では、1が非常に痩せている、5が非常に太っているという5段階評価で、0.25刻みなどで評価します。
ボディーコンディションスコアは単なる見た目ではなく、牛のエネルギー状態を間接的に見るための一つの指標になっているということですね。
なのでこの牛体重700キロだから太っているということではなく、その牛の骨盤周辺や腰の脂肪の付き方を見て判断するという感じですね。
お尻のちょうど枕というところがあるんですけど、そこのプニプニ具合に触ったときに骨が当たるのか、脂肪が当たるのかみたいなのも判断したりとかしますね。
続いて、牛は太っている方が安心ではないというところをお話していきます。
ここが人間から見ると少し意外かもしれません。
牛は多少ふっくらしている方が栄養状態が良さそうって見えますよね。
でも乳牛の場合太りすぎた状態で分娩を迎えることはむしろ避けたい、そういうところがあります。
特に問題なのは分娩の前後です。
英語ではトランジションピリオドと呼ばれる分娩前3週間から分娩後3週間ほどの時期です。
この時期は分娩が近づくにつれてエサの採食量が落ちやすいです。
ところが分娩すると今度は牛乳を作るためのエネルギー需要が一気に増えます。
つまり食べる量が落ちるのに必要なエネルギーは急増するというものすごく厳しい時期がこのトランジションピリオドという時期になります。
太った牛ほど分娩後に大きく痩せることがあるというところをお話していきます。
ここがポイントなんですけども分娩前に脂肪をたっぷり蓄えておけばですね、後から使えるからいいじゃないって思うかもしれません。
ところが肥満気味の牛では分娩前後のDMIつまり幹物摂取量が低くなりやすいことが知られています。
幹物というのはエサから水分を除いた本当に栄養になる部分ですね。
食べる量が落ちてでも牛乳を作らなければいけない。
すると牛はですね自分の体脂肪をどんどん分解してエネルギーとして使います。
牛が自分の貯金を下ろしてお乳を出しているというような感じですかね。
多少の体脂肪動員は正常なんですけども問題はですね一気に大量に下ろすことです。
そうなると血糖質とか脂肪管などの代謝トラブルにつながるリスクが高くなるということです。
病気になりやすくなってしまうということですね。
なので太ってるイコールエネルギーの余裕があるから安全とは限らないということですね。
じゃあボディーコンディションスコアいくつが正解なのかというところですね。
ここはですね一つの数字だけを絶対値にしない方がいいということですね。
品種や仕様体系評価法品流ステージでも考え方が違います。
最近の資料ペンステートエクステンションという資料があるんですけどもそちらの整理では
分泌時は概ねボディーコンディション3.0から3.5程度が適正域として紹介され
3.5を超える肥満気味の牛では
接種量の低下や代謝病のリスクが高まる可能性が指摘されています。
ただですね現場でより重視したいのは
一点の数字よりこれの変化ですねボディーコンディションスコアの変化です。
3.25だった牛が短期間で2.5まで落ちた。
これはねちょっと注意した方がいいかなと思います。
逆に貧乳後期の乳量が下がってきたのに餌のエネルギーが高いままで
3.25から3.5、3.5から3.75と太ってくるこれも気になってきます。
なのでボディーコンディションスコアは写真ではなく動画として見る点じゃなくて線というのは大事ですね。
つまりその牛がどう変化しているかを見るイメージですね。
続いて文弁直後の牛は太らせないより食べてもらうというのは大事というのをお話していきます。
そして餌の管理で大事なのは牛のステージによって考え方を変えることです。
まず文弁直後、この時期の牛に太らせたくないから餌を減らそうなんてことは基本的には考えません。
むしろどうやって幹物摂取量を落とさないかというのはこちらが重要です。
入量が急激に増えていくので牛が必要としているエネルギーを餌だけでは十分に補えない時期があります。
なので食べやすい餌だったり新鮮な餌だったり十分な水だったり、牛が餌場へ行きやすい環境だったり初熱ストレスを減らしたり
こういうところまで全部含めて食べてもらう管理をしていくということですね。
文弁前後のこういう時期は幹物摂取量の低下をできるだけ抑えることが健康管理上の重要な目標とされています。
逆に貧乳後期を太らせないというところですね。
ところが同じ餌を一年中ずっと与えればいいかというとそうではありません。
入量は文弁後に増えてピークを迎えてその後徐々に下がっていきます。
入量が下がれば牛乳を作るために必要なエネルギーも減っていきます。
でも餌だけずっと高エネルギーのままだったらどうなるのか。
余ったエネルギーが体脂肪として蓄積されていきます。
つまり太っていくということですね。
実際乳牛の過肥は入量が低下してきた貧乳後期に必要量に対してエネルギー供給が多いままになっていることなどから起きやすいとされています。
なので入量だけではなくボディーコンディションも一緒に見るということが大事かなというところですね。
じゃあ貧乳期にダイエットさせればいいということでもないという話していきます。
そこでじゃあ太ってしまったら貧乳期に餌を減らして痩せさせればいいと思いますよね。
これもあまり理想的ではありません。
貧乳期というのは次の文弁に向けて牛の体を整える時期です。
この時期は大きく太らせる時期でも大きく痩せさせる時期でもなくできるだけ適正なボディーコンディションスコアを維持する時期ですね。
太るのも痩せるのもあまり数字を動かさないのがすごい大事ですね。
貧乳期にボディーコンディションを大きく増減させないことが推奨されています。
つまり太ってから治すよりその前の貧乳後期から太らせすぎないここが重要ですね。
そして餌は量だけでは見ないというところも大事です。
餌をあげる時に何を気をつけていますかという質問の一つですけども
単純に今日20キロ食べただけではありません。
20キロ食べただけでは見ません。
見るのは貫物でどれだけ食べたかです。
餌の水分はどうか繊維は足りているかエネルギーはどうかタンパク質はどうかさらにどんな速度で消化されるかここまで考えていきます。
同じ10キロの餌でも水分50%なら貫物は5キロ水分70%なら貫物は3キロ
つまり見た目の餌と餌の重さと実際に牛が摂っている栄養の量が違うということですね。
なので現物量だけで判断しないということですね。
貫物で考えるこれはかなり重要だなというところですね。
いっぱい食べているようですけども栄養にはなっていないというパターンもあるということですね。
さらに面白いのがですね選び食いというのを牛はやっちゃいます。
英語ではフィードソーティングと言います。
牛は出された餌を全部均等に食べているとは限りません。
例えば細かい配合飼料ばかり先に食べて長い素飼料を残すと
そうするとですね計算上繊維も澱粉も完璧な餌を作ったと思っていても
実際に牛の口の中に入った栄養バランスは違います。
乳牛の混ぜご飯みたいな餌があるTMRというものがあるんですけども
日本語では完全混合飼料というものがあります。
これ長い素飼料を得り残すことで発酵しやすい耐えやすい果物を予定以上に取り
有効な繊維を予定以下しか食べれないケースがあることが研究されています。
これはルーメンペイハーや乳成分にも影響しています。
なので思想に何を入れたかよりも牛が実際に何を食べたかここを見る必要があります。
なので現場では思想を見るだけでも情報があります。
朝、昨日の餌がどう残っているか。長い草だけ残っていないか。
特定の牛だけ先に配合飼料を食べていないか。
食べる勢いはどうか。
餌寄せすると食べに来るのか。
搬送しているか。
糞の状態はどうか。
そこから乳量や乳脂肪、乳蛋白、そしてボディーコンディション、全部をつなげていきます。
つまり飼料設計表だけで牛を飼うことはできないということですね。
最終的には牛と思想を見ないとわからないということ。
ここは前回お話した餌の話ともつながっていくかなと思います。
続いて肥満の牛だけ餌を減らすのは簡単ではないという話です。
もう一つ一般の方には意外かもしれない話です。
例えば牛群の中に一頭だけ太っている牛がいたとします。
じゃあその牛だけ餌を半分にすればいいじゃんと思いますよね。
でも群で飼っている乳牛ではですね、群れで飼っている乳牛ではそんな簡単ではありません。
同じ餌場からいろんな牛が食べに行きます。
乳量40キロ出している牛と20キロの牛、分娩したばかりの牛や妊娠後期の牛、必要な栄養量が全部違います。
なので本来は似た栄養要求量の牛をグループに分けるという管理が有効です。
ただ小さな牧場では牛群を細かく分ければ分けるほど、餌を何種類も作らなければいけなくなります。
場所もいりますし動力も増えますし。
なので栄養学上の理想と牧場で実際にできる管理の間でバランスを取る必要があります。
川上牧場で意識しているのは、乳量を出すためにとにかく餌を増やすという考え方にしないことです。
牛がちゃんと食べているか、幹物摂取量はどうか、乳量はどうか、乳脂肪、乳タンパクはどうか、痩せてきているかな、太ってきていないかな、そこを見ながら調整していきます。
特に乳量が落ちてきた牛は注意ですね。
以前と同じ高エネルギーの餌を食べ続けているのに、知事として外へ出すエネルギーは減っている。
そうすると体に戻りやすくなります。
なのでよく食べているから健康ではなく、食べた栄養がどこへ行っているかまで見る必要があります。
もう一つ大切なのは、太った牛を見て、全部餌を食べ過ぎたからと決めつけないことです。
例えば繁殖が遅れて貧乳期間が長くなったり、乳量が下がったり、それでも餌を食べていると太りやすくなることがあります。
つまり繁殖管理の問題がボディーコンディションスコアに現れることもあります。
貧乳後期の肥満にはエネルギーの摂取方だけではなく、分泌間隔の延長なども関係しているとされています。
なのでボディーコンディションスコアを見ることは、ただ牛の太り具合を見るだけではなく、
餌、乳量、繁殖、健康のゼロを発見する指標にもなるようですね。
そして牧場全体で考えるときに気をつけたいのが平均値です。
例えば牛群のボディーコンディションスコアが3.25だったとは思うかと思いますが、
でも実際には半分が2.5で半分が3.75だったら、平均だけ見れば3.25くらいになります。
でもそれは良い牛群ではないですよね。
なので平均だけではなく、痩せすぎた牛が何頭いるか、太りすぎた牛が何頭いるか、
どの貧乳ステージに偏っているかを見るということですね。
これは牛群検定でも飼料設計でも同じ考え方だと思います。
平均値だけでは問題が隠れることがあるということですね。
はい、ということで今日の質問いただきましたTikTokネームお豆腐さんの質問にお答えしてきましたけれども、
牛の肥満とか餌をあげる際に気をつけていることはありますかという質問の答えをまとめていきますと、
意識するのはまず体重だけではなくボディーコンディションスコアを見るということですね。
次に貧乳ステージを見て分娩直後なのか、貧乳再生期なのか、貧乳後期なのか、
そして食べている餌、貫物摂取量を見るということですね。
どれだけ餌を置いたかではなく、どれだけの栄養を食べたのか、
さらに選び食いをしているないかを確認するということですね。
そしてそこから乳量、乳成分、繁殖、体調、全部をつなげていくと、
つまり太ったから餌を減らすほど単純な話ではありませんということですね。
はい、今日一番覚えて帰ってもらいたいのは、
牛にたくさん餌を食べてもらうことと、牛を太らせることは別ということですね。
分娩直後の牛にはできるだけ食べてもらいたい。
でも乳量が落ちてきた牛に必要以上のエネルギーを与え続ければ、太りすぎる可能性があります。
そして太りすぎた状態で次の分娩を迎えると、今度は分娩の後に食べられなくなって、
急激に体脂肪を使い、代謝病のリスクを高めることがあるということですね。
なので、痩せさせない、太らせすぎない、そして急激に変化させない、
この真ん中をバランスよく狙っていくということですね。
牛の餌って、お腹いっぱい食べさせればいいという世界ではありません。
どれだけ食べたか、何を食べたか、いつ食べたか、どれだけお乳に変わったか、どれだけ体に残ったか、
そして次の分娩にどう繋げるか、そこまで全部繋がっています。
餌を見るというより、餌を食べた牛がその後どう変わったかを見るということですね。
これが一番大事なんじゃないかなと思います。
もし皆さんが牧場で牛を見る機会があったら、
大きい牛だ、これすごいだけじゃなくて、腰とかお尻のあたりを見ながら、
この牛は今、体にどれくらいエネルギーを貯めているんだろうと見てみると、
牛の見方がちょっと変わってくるんじゃないかなと思います。
ぜひ試してみていただけたらと思います。
ということで、今日の質問にお答えしてみました。
ありがとうございます。
ここからですね、私の大好きな遺伝改良、牛の品種改良とかの話にもつなげていくと、
牛が太りやすい、痩せやすいみたいなのも、これね、牛の血統情報でわかるんですよ。
ボディーコンディションスコアっていう遺伝情報があって、
もともと体質的にぽっちゃりしたような牛だったり、
痩せ方の小タイプみたいなキリッとしたような骨身があって、
綺麗な牛みたいなのがあったりして、
そういうのも遺伝情報から知っておくとですね、
この子太ってるから病気になりやすいなみたいなのがあったりしますけど、
太ってても全然病気にならない、それがその子の正常だったりみたいなケースもあったりするんで、
ここに餌の飼料設計、あと牛群検定の結果、乳成分、そして牛のボディーコンディション、
そして遺伝改良、遺伝情報ですね。
そこまで見るとね、牛ってめちゃめちゃ面白いと思います。
ありがとうございます。
そんなこと分かんないよって言う方、大丈夫です。
川上牧場のKindleも楽能未経験者のために、遺伝改良と飼料設計編こちら、発売しております。
こちらにボディーコンディションスコアなどの餌のお話もしておりますので、
ぜひこちらのほうもですね、Kindleのほうで購入できますので、読んでいただけたらと思います。
ということで、あとは川上牧場の作りましたアプリ、黒毛和牛の均衡ケースが分かるアプリですね。
和牛交配チェックというアプリを作りましたので、
ぜひ皆さんこちらのほうもですね、触ってみていただけたらと思います。
70名の方が触っていただいておりまして、どんどんどんどんデータが溜まってきておりますので、
ぜひもっともっと多くの方に触ってみてほしいなと思いますので、よろしくお願いしますということですね。