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2025-05-05 06:34

「牛乳を飲んで助けて」はなぜ生まれたのか?酪農の“見えない構造”に迫る

この配信は、日本の酪農におけるいくつかの課題について解説しています。 生乳の価格だけが決定され、実際の需給調整や余剰負担が明確ではないという現状が説明されています。 また、飼料価格の高騰と乳価の固定による酪農家の赤字状況や、生産者が生産量を調整できない構造が、消費者に「牛乳を飲んで助けてほしい」と訴えかけざるを得ない背景にあることが述べられています。 最後に、コストに連動した価格設定や生産調整の仕組み作りなど、この構造的な問題を解決するためのいくつかの提案が提示されています。
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サマリー

日本の酪農が抱える課題には、価格交渉の不均衡やコストと価格のズレが影響を及ぼしています。生乳の需要と供給の仕組みを見直し、持続可能な関係を築く必要があると提起されています。

酪農の課題
はい。今回はですね、共有いただいた資料をもとに、日本の酪農が抱えているちょっと根深い課題について掘り下げていこうと思います。
はい。
価格交渉はまああるようなんですが、なぜかもっと牛乳を飲んでくださいっていう声が上がる。この裏にあるちょっと不思議な仕組みに迫りたいなと。
へー。この資料を読むとですね、単に値段が高いとか安いとか、そういう話だけじゃないのがよく見えてきますね。
うん。
生乳の需要と供給をどうするかとか、コストが上がった時にどうするかという、もっと根本的な?言ってしまえばその、昔ながらの仕組み自体が問われている感じがします。
なるほど。
価格は決まったとしても、じゃあ誰がどれだけ責任を持って引き受けるのかとか、余った分はどうなるの?っていう肝心なところが、なんかこう曖昧なまま進んでいるような。
いや、まず最初にええってなったのが、生乳の価格って年に1回決まるんですよね。
ええ、そうです。
なのに、誰がどれだけ買うかとか、余った時どうするの?っていうのはまた別の話ですと。これってなんか、時給は決まったけど何時間働けるかとか、仕事なかったらどうなるかちょっとわからないみたいな感じですか?
まあそれに近いかもしれませんね。だから例えば、学校が長期休みに入って給食がなくなると、牛乳の需要がガクッと落ちて。
ああ、はいはい。
その結果、行き場のない生乳が余ってしまって廃棄されるかもしれない、なんて話が毎年のように繰り返されるわけです。
うわあ、なるほど。その不安定さを、結局農家さんが直接引き受けてしまう、そういう構造になっていると。
そうなんです。で、さらに深刻だなと感じるのが、資料の2つ目の点にあったコストと価格のズレですね。
コストと価格のズレ。
はい。資料とか燃料の値段って、世界情勢なんかでそれこそ毎月のように変わるわけです。
そうですよね。最近特に。
でも、牛乳の価格、いわゆる乳価は年度末まで変わらない、固定されている。
この間のコスト高口頭で、資料にあると赤字経営の農家さんが全体の6割を超えてる、なんていう話も。
6割ですか?それは。
えー、これはもうどこか遠い話じゃなくて、まさにあなたの食卓の牛乳にも関わる問題なんですよ。
いや、そうですよね。それで結果的に農家さんが、牛乳をもっと飲んで助けてくださいって、私たち消費者に直接訴えかける、そういう流れになるわけですね。
そういうことになりますね。結局余ってしまった生乳の損失っていうのは、多くの場合、最終的に生産者である農家さんが負担することになる、という構造が見えてきます。
しかも、牛って毎日お乳を割かないといけないんですよね。
ええ、そうです。生き物ですから。
だから、じゃあ今日から生産量を減らしますとは、なかなか言えない。
言えないですよね。そこが集める側の団体、えっと、指定団体でしたっけ?
あ、そうです。指定生乳生産者団体。
ええ、その指定団体も、広い地域から牛乳を集めて、工場に運ぶっていう、そのインフラを維持するのが、まあ最優先事項になりがちで。
はい。
受給をうまく調整するところまでは、なかなか踏み込みにくい、というような指摘も資料にはありましたね。
ここにもやっぱり、昔からの力関係というか、構造的な課題が、ちょっと見え隠れするような気がします。
なるほど、なるほど。つまり、生産者側は、毎日咲かないと、牛が病気になるし困るっていう状況があるから、価格は決まっても、その受給変動のリスク負担みたいな面では、なかなか強い交渉がしにくいと。
ええ、そういう力関係の不均衡が背景にあるわけです。
メーカー側からすれば、まあ極端な話、農家さんが困る状況を知っているわけですから。
だから、価格依頼の交渉力っていうのが、実質的に生産者側にはあまりない。
その結果、困った挙句に、消費者にキャンペーンとかで助けてください、と呼びかけるしかなくなってしまう。
価格は決まるけど、そのリスク分とか利益配分も含めた、儲けの仕組みが決まっていないみたいな。
まさに、価格交渉という一点だけで、取引全体のリスクとか、あるいは利益が本当に公平に分配されているかというと、疑問符がつく。
持続可能な関係の構築
ここが、この資料が鋭く指摘している、硬直化してしまった構造の問題なんです。
昔ながらのやり方が、今の経済とかコストの変動にちょっと対応しきれていない。
ただ、この状況を何とか変えようっていう提案も、資料にはいくつか書かれていましたよね。
ええ、ありましたね。
例えば、コストの変動に合わせて、価格もちゃんと連動させる仕組みにするとか。
はいはい。
あるいは、生産量の調整と価格決定を、もっと一体的に運営していくとか。
あとは、農家さん自身が、ただ生乳を出すだけじゃなくて、付加価値の高い、例えばチーズとかヨーグルトとかを作って、直接販売するみたいな動きも。
ええ、そういう取り組みですね。
これって、やっぱり今のシステムだけじゃもう限界があるよと、変えていかないともう持続可能じゃないよっていう強いメッセージに聞こえますね。
そうですね。まとめると、まず価格を決める仕組みと、実際に日々変動するコストとか需要の実態との間に、大きなギャップ、ズレがあるということです。
はい。
で、そのズレが、結局業界全体の不安定さとか、あるいは負担の偏り、特に生産者への負担の偏りを生んでしまっている。
うーん。
資料が示唆しているように、このある種既得権益とも絡んでいるかもしれない構造自体に、やはり手を入れていかないと。
もっと柔軟に状況変化に対応できるような仕組みに変えていかない限り、一時的に牛乳飲みましょうって言っても、根本的な解決にはならないでしょうね。
そうですよね。
これは、生産者の方にとっても、そして我々消費者にとっても、より健全で持続可能な関係性をどう築くかという問題です。
もっと言えば、公正な取引とか市場の効率性っていう、より普遍的なテーマにもつながってくる話だと思います。
コスト連動とか、生産調整との一体化とか、農家さん自身による加工販売とか、構造を変えるヒントはいくつか示されていました。
これを踏まえて、最後に皆さんにちょっと考えてみていただきたいのは、牛乳をもっと飲もうっていうキャンペーンに応えることももちろん大事なんですけど、
それだけじゃなくて、この落納を取り巻く仕組み全体が、より持続可能で、そしてフェアなものになっていくために、私たち消費者に何かできる役割ってあるんでしょうか。
この点、ぜひ一度立ち止まって考えてみていただけると嬉しいです。
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