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2022-09-12 10:42

第596回 京極夏彦の小説について

先日配信されたヤイヤイラジオの最新回で京極夏彦の小説が取り上げられていました。

好きな作家なのに自分の番組では取り上げていなかったので、今回さくっとお話ししました。

で、また読み返したくなりましたよ。

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みなさんこんにちは。大葉です。
先日、ポッドキャストやいやいラジオを聞いてましたら、
自分も好きな作家、京極夏彦の作品を取り上げておりまして、
非常に楽しく聞くことができました。
考えてみれば、自分の番組で京極夏彦についてあまり喋ったことがない。
というか、ほぼほぼ喋ったことがなかったかなというふうに思いまして、
少しだけ記憶をですね、呼び起こして喋ってみたいと思います。
自分が京極夏彦の作品を初めて読んだのは、
たぶん1997年頃だったと思います。
この当時ですね、講談社の方から、
京極道シリーズ、あるいは百鬼夜行シリーズというね、
シリーズものが出てまして、
産めの夏、猛霊の箱、峡谷の夢、鉄鎖の檻、女郎雲のことわり。
自分が初めてその第一作目の産めの夏を読んだ時には、
この女郎雲のことわりまでが書店に並んでたと記憶してます。
出版された順番に1冊ずつ読んでいって、
そして1998年の春ですね、
仕事で東京に出張で行った時に、
羽田空港で書店の前を通った時にふと見ると、
新作のぬりぼとけの宴、宴の支度というね、本が並んでおりまして、
その時まだ北九州では並んでなくてですね、
紙の本というのは東京の販売日から大体2日ぐらい遅れて地方には来ますので、
ちょうどいいタイミングで東京に行きまして、
すぐゲットして仕事を終わらしてね、
東京から帰ってくる飛行機の中でずっと読みふけてたという記憶があります。
話戻しまして、その第一作目の産めの夏なんですけれども、
どうしてこの本を手に取ったかというところまではどうしても思い出せないんですけれども、
普通の本屋で見たのか、あるいはブックオフとかで見たのか、そこも定かではないんですが、
結構、いや相当ですね、京国夏飛行の本って分厚いんですね。
産めの夏も分厚いんですが、
実はこれ序の口で二作目以降どんどんどんどん分厚くなる一方でですね、
ほぼほぼ最終的には西方形みたいな感じになっていくんですけれども、
で、この第一作の産めの夏なんですけれども、
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これ読んだ時の感想としてはですね、
まず文章が非常に読みやすいな、少なくとも自分には非常に合っていると、
だからページ数が多くてもスルスルっと読めてしまう、
で非常にその文章のリズム、文体も気持ちいい、
という感じで、もう一冊目から本当に夢中になって読みふけりましたね。
で、京国夏飛行のこの作品、このシリーズは、
一応推理小説ミステリーでありながらも、いわゆる妖怪小説でもあるというね、
これ読んでいただかないとこの関係性っていうのは分からないと思うんですけれども、
ネタバレはできるだけしないようにしたいんですが、
とりあえずこの作品におけるトリックというか、オチというか、
ここの作り方っていうのは、
あ、こう来たのかという感じで、
これは難しいんですけれども、海外の古典的なミステリーで非常に、
タイトルを言えば誰でも知っているような有名な作品と、
若干コンセプトが似ているかなという感じはしました。
いや、全く同じというわけではなくて、方法がね、ちょっと似てるかなという感じで、
でも非常に面白いなと思って、続けて2作目の《猛竜の箱》というのを読んだんですが、
これは本当にショックが大きかったですね。
初めて読んだ時には、いや、こんな小説が世の中にあるのか、
こんな展開、こんなトリック、え、こういうことやっちゃっていいの?みたいなね、
いや、もうページをめくるたんびに衝撃が走るというね、
そんな感じの作品でしたね。
で、もう完全にその後どっぷりと疲りまして、
《峡谷の夢》、《鉄鎖の裏》、《ジョロウグモの理》、
特にこの《ジョロウグモの理》なんか、
もう冒頭の最初のページから一気に引きずり込まれるような、
この辺りのね、書き方上手いなぁと思うんですけれども、
ある登場人物のセリフから始まるこの《ジョロウグモの理》、
このオープニングにも本当に参りました。
で、先ほどお話ししました、羽田空港でゲットした、
《ぬりぼとけの宴》、《宴の支度》。
で、実はこれ全公平になりまして、
この同じ年の9月ですから半年後に出版された、
《ぬりぼとけの宴》、《宴の支度》、この2部作になるんですけれども、
2部作とはいえ結構構成が違っててですね、
これ強引な例えかもしれませんけれども、
この宴の支度がアベンジャーズインフィニティーオーならば、
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《宴の支度》はアベンジャーズエンドゲームだと。
こういう例えがね、本当にいいのかどうか自分でもよくわかんないんですけれども、
単純な全公平でこう分けたという感じではなくて、
かなり物語の骨格自体が異なる感じで作られているというね。
当然これ意識してそういう作品にしたんじゃないかと思いますけれども、
ある種シリーズの総決算的な、
大長平になった《ぬりぼとけの宴》、
これである種自分的にはもう一つのピークを見てしまったなと。
この後ですね、シリーズは続くんですけれども、
個人的にはちょっとテンションが下がっちゃったかなという感じで、
このシリーズ長編作品としては2006年に出版されました。
《邪魅の雫》。
ここで一旦終了というか、
その後短編とか中編とかスピンオフ的な話は出ているんですけれども、
シリーズ長編のこの本編というのは今も止まっていると。
一応次回作のタイトルだけはずっと前から発表されているんですけれども、
これが果たして本当にいつの日か出るのか出ないのか、
タイトルを発表しているぐらいですから、
いつか出るんじゃないかと期待はしているんですけれども、
どうなりますか。
でもだいぶ間が空いたので、
次の新刊が出る時には過去作を読み返したいなと思うんですけれども、
何せ分厚いから読み返すのもひと苦労かなという気がします。
このシリーズは非常にユニークなキャラクターがたくさん出てくるんですが、
そしてそのキャラクター同士の会話というか絡みも非常に、
ある種漫才的に笑っちゃうところもあるんですけれども、
自分が一番好きなキャラクターは、
多分好きな人多いと思うんですけれども、
エノキズ・レイジロウという探偵です。
本人が自分は探偵だと言い切るぐらい探偵なんですけれども、
ただしこのシリーズにおいては、
探偵は事件を解決しません。
どちらかというと、事件自体をこっぱみじんに破壊していくというね、
もう破壊者みたいなもんなんですけれども、
非常に強烈なキャラクターで、
超イケメンで、実家がすごい貴族の金持ちで、
本人もね、確か東大でだったと思うんですけれども、非常に頭もいいと。
でももう性格は無茶苦茶で、もう口も悪いし、
そして何よりとんでもないのが、
人の記憶を見ることができるという特殊能力を持っているという、
いやいやいや、探偵がですよ、超能力を持っているって、
これってもうミステリーの世界においては禁じてというか、
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もう絶対やっちゃいけないことじゃないかと思うんですけれども、
まあこのね、エノキズ・レイジロウのこの記憶を見るという超能力が、
果たして作品内でどのように活かされるのか、
あるいは活かされてないのかというところをですね、
ぜひ楽しんで読んでいただきたいなと思います。
本当にかなり分厚い作品が多くて、
特に文庫本でいうと、いろいろその分厚さが目立つわけなんですけれども、
3冊とか4冊に分かれた分冊文庫版というのも出てますし、
もちろん電子書籍も出てますので、
読みやすい形で一度手に取っていただいて、
お読みいただければいいなと思います。
最初の方に言いましたけれども、このシリーズ、
ミステリーであり、なおかつ妖怪小説というね。
もちろんこの京国夏彦自身が非常に妖怪が好き、
特に水木しげるの大ファンで、
少し前に出版された水木しげる全集ですね。
それについてはもう本人が作家活動をそっちのけで、
編集作業に没頭したというぐらい水木しげるの大ファンの人ですから、
彼が描くその妖怪小説、ミステリーというのがね、
どういった作りになっているのかというのもぜひ、
楽しんでいただければと思います。
はい、そういったわけで今回は、
作家京国夏彦の作品について、
ほんのさわりの部分だけお話しさせていただきました。
それではまた。
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