00:00
(♪ BGM)
(♪ BGM)
山の間の沼のほどりに
人の腹から生まれたカッパがいたんだと
そのカッパは学校を卒業した後
山の中をふらふら歩いてだったら
ちっちゃっこい沼を見つけて
そこで暮らしてだったんだと
カッパがそこで暮らすようになったのはわけがあって
その沼の底にトックリを見つけたんだと
そのトックリは
酒を飲んでも飲んでも沸いてくる不思議なトックリで
カッパはそのトックリを片手に
きゅうりや水草なんかを食べながら
沼の中を浮かんだり沈んだりしながら暮らしてたんだと
その沼で暮らすようになって
しばらく経った春の日に
カッパは沼のほどりから自分を呼ぶ声に気づいたんだと
こんなところで何してたのす?
顔を上げたら
やったら足が長くて胸のでっけえ
顔はそこそこの女子が
タバコを吸いながらこっちを見てらったの
いかにも仕事帰りのキャリアウーマンって感じで
パンツスタイルが決まってらったつもんな
気持ちよさそうだ
そんな風に女子が言うから
水の中で酒好んでなもの
気持ちよさすよ
そうカッパが返すと
いいこと
そう言って
女子は長い足でスタスタと歩いて行ったつもんな
それから何日かぐれして
まだその女子が来たんだと
その日はスカートだったつもんな
カッパさんきゅうり食ってらったべこの間
差し入れだ
そう言って
女子はしゃがみ込んで
きゅうりを沼の水で洗って
カッパにほれ
そう言って上出してきたんだと
その一部始終を見てなったカッパは
ただただエロいなと思ってなったつもんな
03:02
そしたら女子は靴を脱いで
靴下も脱いで
裸足になったんだと
そして
足でパチャパチャと水を跳ねさせてたつもんな
おめさん仕事は?とカッパが聞くと
今日は休みだものと女子は言ったつ
水まだ冷たくねか?
そうカッパが言うと
んなことねえよ
気持ちいい?
そう女子は言ったと
女子は体冷やしたなんね
足拭いで崩したはげ風邪ひくぞ
わかってな
そう言いながら
女子はスカートをたくし上げて
沼に足入れて立ってなったつ
思ったより水あったけよ
そう言って女子は笑ったつ
だけどもすぐに
やっぱり寒くなってきた
そう言って沼から上がったの
そしてタバコを取り出すと
火をつけながら
酒こけろじゃ
って言ったつもんな
昼から酒飲むのか?
とカッパは言ったとも
カッパさんも飲んでらじゃ
そう言われたら
返すことは願った
さっききゅうりけだべ
あれと酒交換するべ
それでたりには
タバコの交換すっぺ
そう言って女子は
新しいタバコを一本
さしだしてきたつもんな
カッパはタバコなんて
吸ったことはなかったと思う
見栄を張りてがったのど
まだ女子のでっけえ胸を
おんがんでいたかったから
わかったって答えで
おちょこに酒こそそいで
さしだしたつ
そして生まれて初めて
タバコを吸って
そったにまずいもんではねえな
と思ったつもんな
それから女子は
ちょくちょくさし入れ持って
沼に来て
カッパと一緒に
酒こ飲むようになったと
休みの日には
昼前ぐらいからいすわって
午前さままで
二人で過ごすこともあったつ
話も合うし馬も合う
カッパもそれくれえ女ごと
一緒にいておもせがったつもんな
カッパはあるときに
06:02
酔った勢いでぶっこんでみたつもんな
おめさん実はどうへむだべ
普段キャリアウーマンみたいな
カッコでつかつかと
現れる女ごが
実はそうだったら
ギャップあっても
もせえないぐらいの
気持ちで言ったとも
女ごも酔った勢いだったのが
親息をうれしそうに
なんでわかったのって
全力でくずいちゃうんだぞ
俺小見えでかなりどえすなのつ
だから見たらわかるよ
でカッパは見えをはったつ
ええカッパさんに
俺のこと見透かされてそうだ
で女ごは体を隠すそぶりはするども
顔は全然嫌がってなかったつもんな
カッパは女ごがそんなに
自分に心をひらいでくれてるように
思えるのがすごくうれしかったぞ
でも同じぐれ怖かったんだぞ
勘違いすんな
人間様がカッパなんかを
好きになるわけがねえ
今まで散々失敗してきたでねえか
そう言って
自分のことをさましてたぞ
カッパもタバコを吸うのに慣れた
夏の近くのある夜のことだった
火かしてけろじゃ
そうカッパが女ごに言ったぞ
そしたらば女ごが火をついたタバコを
口にくわえで
んっ
顔を突き出したぞ
カッパはこったな関節キスみたいなことを
していんだべか
そう思って内心どぎまいしながら
女ごのタバコから火をうずしてもらったぞ
な
何言っていいかわかんなかったから
黙ってタバコを吸ってだったぞ
したらば女ごが笑って
みりょくねんなべかって
きくともなしに言ったんだぞ
カッパは
なことねえべ
ぜっていモデルべさおめえさんなら
って言ったぞ
そしたら女ごは怒った口調になって
そったな意味で言ったんでね
こんなときにそったなこと言われたら
一番傷つくべさ
カッパは女ごの言ってることの意味がよくわかんなくて
黙ってだったら
女ごはスカートをたくし上げて
沼の中にどんどんと入っていったぞ
09:03
カッパは
深いところもあるから気をつけろと
大声をあげたども
聞こえたんだかどうなんだか
返事は願った
したらば
ざぶんと大きな水をどがして
女ごの姿が見えなくなったぞ
カッパは大変だと思って
恐る恐る沼の中を泳いでったら
少しして女ごが顔を出したぞ
そして女ごは
やっぱりこの沼って結構あったけえね
そう言ってにこっと笑ったぞもな
カッパはなんだかもうたまんなくなって
手を引っ張って一緒に泳いだんだぞ
二人ともいっぺん笑ったぞ
泳ぎ疲れで
草むらに寝転んだら
女ごは体中びしょぬれで
服も乱れてしまってらすもな
それでもカッパを見ながら
じっと動かないでいたんだぞ
女ごはカッパさんが
オラの胸ばっかり見るだったの気づいてたよ
って少し笑ったぞ
少し間があって
カッパは女ごはオラの背中を押してくれたんだ
そう気づいたぞもな
だから泣けなしの勇気出して
オラオメのこと好きだって言ったぞもな
女ごもオラも好きだよ
って答えてくれたんだぞ
カッパは好きな人に好きだって言ってもらえて
すごく嬉しかったぞ
でもやっぱり怖かったぞ
オラみたいなカッパが
この人を幸せにできるんだべが
やっぱりすぐ他の人間に
なびいてしまうんでねべが
そう思うとたずももただ願ったぞ
カッパはSでもMでもなく
EDだったんだぞ
嬉しいけど声
声くて声くてしかだね
オラみたいなもんに好きだって
言ってしまっていいのか
女ごはいいよって
一言だけ言って笑ったぞ
焦らないでゆっくりやってるべし
そう言ってカッパの背中に手を回して
12:00
ぎゅっとくっついたんだぞ
虫の声とカエルの声がうるせがったぞ
カッパは次の日から
酒のつきないとっくりの酒を
それを売った金で
沼の近くに安くて小さなひらやおかりで
女ごと一緒に暮らし始めたぞな
ところが引っ越しが終わって
よし今日は祝杯だぞ
とっくりを探したぞも
一個ずつ出てこねえ
引っ越しの時に我らが
いやいや朝まで大事にとってらった
そんなやりとりがあって
とっくりはこの女ごに会うために
沼の神様が一時任せてくれなんだと
思ったんだぞ
そして沼の方向に向かって
手を合わせて頭を下げたんだと
どんどはれ
♪~