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2021-05-22 15:38

035. シュレーディンガー博士と猫

ニュースレター『STEAM NEWS』からシュレーディンガー博士の話題をお届けしました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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いちです。おはようございます。今朝は土曜日でして、大学に来たんですけども、建物の入り口が閉まっていて入れなかったので、こうやって外でおしゃべりをしています。
キャンパスの中で、人間よりも猫の方が多い状態で、今こうやって猫ちゃんとおしゃべりをしています。
今日なんですけども、金曜日、昨日ですね、朝7時にニュースレターを送らせていただきました。
テーマは、エルビン・シュレディンガー博士の功績もなんですけども、彼の人生、女性に彩られた私生活について、つらつらと書かせていただきました。
なかなかすごい人生なんですけども、今日は少しシュレディンガー博士の話をさせていただこうと思っています。
特に今録画開始したところ、録画録音開始したところでノーアイディアなんですけども、シュレディンガー博士を書くためにめちゃくちゃ調べました、彼について。
そんなに昔の方ではなくて、お生まれは1800年代後半、19世紀後半なんですけども、20世紀を生きた方なので、生の証言であるとか写真とかがふんだんに残ってらっしゃる方なので
アルベルト・アインシュタインとかとも、僕の大好きなアルベルトと仲が良かったということで
その時代の方です。証言もたくさん残っています。ずっと調べていったんですね。写真も残っている限りは見ていて、すごく親近感を覚えた方なので、今日はつとつととそんな方のお話をしていければと思っているんですけども
シュレディンガー博士、学問的な業績としては僕は大きく二つあると思っていて、一つはもちろん量子力学の中でも特に波動力学といわれる、あるいは波動方程式の発見といわれる部分ですね
シュレディンガー博士が発見したものはシュレディンガー方程式と呼ばれていまして、大学で物理なんかをやられると、ひょっとしたら古い先生なんかシュレディンガー温度っていうね
温度をご存知かもしれないです。あれ2000年頃ですかね、流行ったんですよね。ネットで検索してもらうと出てくるかもしれません。シュレディンガー方程式を見つけられたシュレディンガー博士
どんな方程式かというと、非常に小さな粒子ですね、例えば電子が従う方程式だったりするわけですね。なぜ電子の振る舞いを知るための方程式が必要かというと
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電子というのはイメージとしては粒々だと思うんですけど、非常に小さいので波としての性質が出てくるという非常に奇妙な性質を持っているわけですね。物というのは非常に小さい
原子レベルの小ささになると波としての性質を持つんじゃないか、これを言い始めたのはフランスのドブロイという科学者です
ドブロイさんもものすごく面白い方で、もともとは歴史学を志していたんですね。ところが多分学生時代なんですけども物理学に転校して博士論文を書くんですね
非常に小さなものには波としての性質と、それがもちろん物としての性質と両方あるよということを博士論文で書かれるんですが、それを受け取った教授がこれ意味がわからないというので
アルベルト・アインシュタインに博士論文を送るんですね。これちょっと読んでみてと意味わかんないから、これが博士に相当するのかどうか
ドブロイに博士論文を出していいのかどうか、アルベルトくんどう思う?って送ったんですね。アルベルトはアルベルトと呼ばせてもらいますけども非常に茶目系のある人で
これは博士論文じゃないね、これはノーベル賞だねって言って、確かにドブロイはノーベル賞を取るんですけども
そのぐらい価値のある研究をドブロイされるんですけど、それにインスパイアされて、当然ドブロイの物質派、物質並と書いて物質派という考え方なんですけども
非常に小さなものには粒子としての性質と並としての性質と両方あるという話を受けて
その電子の動き、実は波以外のもの、物質に関しては当時知られていた法則というのはニュートンの運動法則です
ニュートンの運動法則で、未来というのも非常に短い時間ですけども
条件が全てわかっていれば、少し先の未来というのはその条件から導くことができる、天気予報と一緒ですね
大気圧であるとか、空気中の水分量であるとか、あらゆる場所のあらゆる条件がわかっていれば
例えば1時間後の天気が予想できる、といったことが非常にミクロの世界でも言えるんじゃないかと思われていたんですけども
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そのニュートンの運動法則によるとどうも予想ができない
じゃあどういう法則が支配しているのかと考えられたのが、シュレディンガーのシュレディンガー法定式ということになります
そのシュレディンガーさんの法定式の解釈をめぐって、いろいろ対立したりとかもします
シュレディンガーさんが、シュレディンガー博士が見つけた法定式というのは何がわかるかというと、未来の確率がわかるんですね
確定的なことはいいじゃなくて、これこれが起こる確率がこのぐらいありますよということしかわからない
それに対して確率しかわからない、確率しか予測できないというのは本当に確率しかないのか
あるいは本当は決まっていて、我々がそれが無知で知ることができないだけなのかという対立が続きます
その中でシュレディンガー博士はどちらかというと、我々が知る能力がないだけじゃないかという立場に立たれて
シュレディンガーの猫という有名な試行実験をすることになります
ここら辺もニュースレターで詳しく書かせていただいているので、そちらを見ていただきたいと思うんですけれども
簡単に言うと、放射性元素、放射能を持って放射する能力を持っている原子というのは
何秒後にある確率で放射線を放出するという確率しかわからないんですね
確実に放射するかどうかわからないんですね
例えば1秒後に50%の確率で放射線を放出しているか放射していないかどっちかですよと
それを知るためには観測しないといけない
その1秒待って放射されたかどうかというのを観測しないといけない
じゃあもし観測しなかったらどうなるのか
箱に閉じ込めていて人間が見ることができない場合に
それは放射されたのかされていないのかということを
シュレディンが博士は言ってですね
じゃあもしその箱の中に猫がいたら猫は生きているのか死んでいるのかというようなことを言われたわけです
もともとは物質が波通しの性質を持つので
ニュースレターには書かなかったんですけれども
電子ですね非常に狭いスリットが2本あったときに
どちらを通ったかわからないという現象が起こります
僕がね読んだ中で一番わかりやすいなと思ったのはリチャード・ファインマン博士の説明
ファインマン物理学であったりとかあとQEDという本も書かれていて
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日本語訳があるかどうかちょっと思い出せないんですけども
QEDという本も非常にわかりやすい本でした
ファインマン博士の
そこらへん読んでいただくと確率しかわからないということはどういうことかというのが書かれています
そのシュレディンが博士
それが僕の中では功績の半分でまだ半分なんですよ
それだけノベル賞を取った先生なんですけども
それはまだ半分で
後に分子生物学というような新しい分野ですね
シュレディンが博士はお一人ではないんですけども
決定的な立ち上げの役割を果たされます
分子生物学
どんな学問かというと
人間というのは細胞からできていますよね
細胞の中には細胞核というのがあって
核の中に遺伝子が収まっているわけですね
この遺伝子というものもやっぱり物質なので
原子が組み合わさって分子になっているはずなんですね
シュレディンが博士がそれを発表された1944年だったと思うんですけども
まだ遺伝物質が何かというのは決定的な証拠がなかったんです
染色体だろうということは分かっていたんですけども
染色体の中に入っているDNAが遺伝物質だということは
当時は知られていませんでした
ところが遺伝物質といえども分子であるはずなので
原子でできているはずなので
シュレディンが博士の非常に小さな物理世界のご専門の立場からですね
遺伝子というのは 遺伝物質というのは
こういう物理的性質を持っているはずだということを突き詰めていかれます
非周期性結晶というような言葉を使われているんですけども
まずそれは結晶であると
物理的には結晶であるということですね
結晶というのは原子が規則的に並んだものなんですけども
それが非周期的な結晶である
どういうことかというと
遺伝情報を伝える以上
周期的な結晶 例えば
食塩ですね NACLなんかは周期的結晶 周期性結晶なんですよね
NACL NACLと並んでいる
遺伝情報を伝えるということは
何か情報を持っていないといけないので
周期が NACLの例でいうと
ナトリウム塩素ですよね
ナトリウム塩素 ナトリウム塩素じゃなくて
ナトリウムナトリウムナトリウム塩素 ナトリウム塩素塩素みたいな
例えばですよ もっと複雑なんですけども
実際にはそうやって情報を持っているはずだと
なおかつ結晶構造は一つの分子でないといけないので
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巨大な結晶であるはずだと
なおかつ人間の体温が37度 動物はもうちょっと高いですかね
38度ぐらいあるかもしれないですけども
それに対して物理的には非常に高温なんですね
絶対温度でいうと310ケルビンという非常に高温で
ということは当時ブラウン運動というものが知られていて
分子というのが分子同士がお互い叩くんですね
分子が熱で運動しているので分子を叩くんです 壊すんですよね
その熱運動に耐えられる結晶構造でなければならないということで
あるいは壊れているかもしれないんだけども
自分で複製であったり修復であったりという機能が
そういう性質があるだろうと
自己複製する分子であろうというようなことを述べておられます
まだ原子レベルで遺伝物質を見るということができなかった時代
むしろシュレディンガ博士が物質と生命と本を書かれるんですが
その本を読んだワトソンとクリック 両博士がですね
後にDNAという物質の構造を見つけると
それが1951年ですかね ちょっと後になってからということなので
その方がきっかけになって遺伝物質というものが特定されて
遺伝物質は特定されていたんですけども 遺伝物質 DNAの構造が決定されたということになります
そのDNAの構造決定に関してはロザリンドという女性が実質発見していたんですけども
彼女は早く亡くなったこともあったのと それが女性であったということもあって
学術会からしばらく評価を受けることができなくて ノーベル賞も受賞できなくて
ワトソンとクリックの方は受賞するんですけども
ロザリンドは非常に若くして 37歳で亡くなってたということはあったんですけども
評価を受けられなかったということで
ちょっと科学史の汚点になっています 彼女はちゃんと評価しなかったということは
20世紀初頭までは非常に能力があったんだけれども 評価されなかった女性の科学史には
たくさんいらっしゃいます その中の一人なんですけども
再評価しようという動きは当然現在はあります
そういったこともニュースレターに書かせていただきました
全然シュレディンガー博士の私生活について このトークの中でお話ししてなかったんですけども
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それはまたニュースレターで読んでいただくということで ぜひお読みになってください
今日はこのあたりで失礼しようと思います 聞いてくださってありがとうございました
見てくださってありがとうございました
しまっている長崎大学からお送りしました 市でした
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