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2020-08-30 17:20

004. カンボジアのアンコール遺跡〈後編〉

カンボジアのアンコール遺跡で学んだことをお話します.一番大切なのは遺跡,二番目が研究機材,三番目が我々研究者の身体という教訓です.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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おはようございます、いちです。
今日もお天気がいいので、外で録画と録音をしています。
昨日、長崎湖を見下ろす鍋冠山という山の展望台で、山の上で録画録音させてもらったんですけども、
ちょっと風が強くて、風のノイズが多少音声に乗ってしまって、
ポッドキャストで聞いてくださっている皆さんにはちょっと気になるかなと思って、
ローカットフィルターという風のノイズを軽減するフィルターをかけたんですけども、
そうすると今度は全体が薄っぺらくなっちゃうので、音楽を載せてみたんですね。
YouTube Music Libraryだったかな、オーディオライブラリだったかな、そこから一番必要な長さのある音楽をダウンロードして載せてみたんですけども、
なんかちょっとね、違う雰囲気になってしまって、すみません、反省しています。
すみませんね、こんな感じで録画録音が下手くそなままなんですけども、
こうやって黒歴史を刻んでいってるんですけども、
何十回か繰り返しているうちにだんだん上手になっていけばいいなと思って、
あえてこういうふうに晒しています。恥をしのんで公開をしています。
でもあと20回くらいあったら、カメラの前で踊っているかもしれないんですけどね。
なんでこんな風にして恥ずかしい歴史を公開しているかというと、
一応大学で学生さんたち、それから高校の生徒さんたち、お弟子さんたちに接する機会が多いんですけども、
皆さんにお伝えしているのは、我々先生って言うじゃないですか。
先生って先に生まれるって書くのは間違いなんですよ。
先に生去する、生去って死んじゃうって意味ね。
先に行くって書いて生って読みますから、先に行くから先生なんですね。
なのでこういうふうに、我々が先に打ち死にしていくから、
その屍を乗り越えて、かっこよく言うとね、我々を乗り越えていってほしいから、
あえてこういうふうに黒歴史を作っていっているんだと、そういうふうに思ってください。
今日お話しするのは、昨日カンボジアに着くまで就職活動をしていて、
カンボジアにたどり着いたというお話をしたんですけども、
これも黒歴史の一つかもしれないんですけど、なぜそもそも就職活動をしていたのかというとですね、
当時、今だんだん思い出してきたんですけども、郵政省の研究所に勤めてたんですよ。
もちろん任期はあったんですけども、その後任期の更新は決まってたんですけども、
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ただ現場でですね、意見が折り合わず、研究所の所長とお会いして、
すみません、もう僕無理です、辞めますみたいなことを申し上げたんですね。
研究所の所長も大変人格者でいらっしゃって、
いやいやいや、辞めることはないよと、
うちは窓際も長いからちょっと頭冷やしなさいみたいなことを言われて、
窓際長いってどういうことですかと、どこまで長いんですかと言ったら、
実は南極に郵便局長のポストが空いてると言われて、
郵政省だから郵便局もカバーしているわけですよね。
南極の昭和基地に郵便局長、郵便局はあるにはあるんですね、
郵便局長ってポストもあって、
おそらくは研究員の方か事務員の方が兼任されているポストだとは思うんですけども、
一応書類上郵便局長という職があると、
君行ってみんかねみたいなことで、
要するにちょっと頭冷やしてこいということだったと思うんですけど、
今考えればものすごく恩情あふれるご提案だったかなと思うんですけども、
ちょっと南極もあれだなと思って、
それで恩師に相談しに行って、
気がついたらカンボジア南大門に飛ばされる、
飛ばされたらよくないですね、行くというようなことがあったわけですね。
カンボジアカンボジアでもものすごく勉強になりました。
多分南極行ってたらカンボジアには行けなかったと思うんですけども、
ものすごくいい勉強させてもらいました。
何事も勉強ですよね。
カンボジアに着いて東大チームと合流させてもらって、
ピックアップトラックに機材を乗っけて、調査機材ですね。
現地にアンコール遺跡に入っていくんですけども、
カンボジアって内陸国なんですけども、川が大きな川ね、
メコン川って川が流れていて、やっぱり寒気と雨気があって、
雨気になると水浸しになるんですね、周りが。
アンコール遺跡も水浸しになります。
そうすると何がいけないかっていうと、
かつて大人地雷が国中にばら撒かれたことがあって、
除去しても除去しても雨気になるたびに上流から流れてくるのか、
もともと埋まってたものの場所が変わっちゃうのかわからないんですけども、
雨気になるたびに大人地雷がセットし直されちゃうらしいんですね。
寒気になると、まず最初に観光地なんかは大人地雷を除去しないといけない。
除去って言っても危なかしいのでわざと爆発させていくんですよ。
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ドラムかなんかを転がしててバシバシ、わざと爆発させていくんですね。
大人地雷っていうのは爆発力って人間を殺すまではないように設定されてるんですよ。
なぜかっていうと敵の兵士を一人殺しちゃうと敵が一人減るだけなんですけども、
足を吹っ飛ばすぐらいだとその兵士を助けるために、
3人とか5人とかが前線からいなくなるわけで効率がいいんですね。
なので非人道的兵器ということで国際条約では禁止されてるんですけども、
大人地雷というのは禁止されてるんですけども、
日本も大人地雷っていうのはかつては装備してたそうなんですけども、
現在は使ってないそうです。
そういうのがあちこちばらまかれちゃう。
だから一応換気始まったときに除去はしてるんだけども、
まだ残ってるかもしれないから人が歩いたところ以外は絶対歩くなと。
急にお腹痛くなったから草陰でとか森の中でとか間違ってもそんなことするなと。
絶対大人地雷があるかもしれないからということを言われました。
そういうのちょっとビクビクしながらではあるんですけども、
密閉機能調査をやっていきました。
今我々がエジプトで使っている機材と原理的には同じなんですが、
20年弱前なので機材非常に大型で重くて高価でした。
今ドローンに積んでたりとか、
それからiPad Proの背中にカメラの横についてたりとかするんですけども、
タイムオブフライトカメラっていう距離を測るカメラがあるんですね。
3次元の形が分かるんですよ。
それが1個30キロか40キロぐらいする重さがあって、
それをまた足場組んで高いところまで持って上がるんですね。
現地で大人時代に気をつけろっていうのと、
すごく注意されたのが遺跡を壊すなって当たり前ですよね。
カンボジアの国宝ですから絶対壊すなと言われたんですけども、
それで遺跡を調査するときに一番大事なのが遺跡だと。
絶対壊すなと。
2番目が機材だ。これ高い。3000万すると。
故障したらまた日本に送り返さないといけないから調査できなくなるんで、
2番目が機材。3番目がお前の命。
というのは僕だけじゃなくて学生さん全員に言われてました。
実際に何度かそういう場面があってですね、
遺跡が重い機材に登っていくと、
体重と機材の合わせは100キロ超えるんで、
ちょっとグラッとくることがあるんですよ。
特に石組みの遺跡なので、グラッとくることがあるんですね。
落ちると思ったときに、まず遺跡壊すわけにはいかないから、
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自分が落ちるか機材が落ちるかして遺跡守らないといけない。
でも2番目機材だから自分が落ちるしかない。
というので何回か落ちました。東大の学生さんも何回か落ちてました。
シェムリアップという街、アンコウリ石から一番近い街なんですけども、
当時病院がなくて落っこちてどうしても晴れてきちゃったりすると、
クローマという布がマフラーより大きいスカーフみたいな感じですかね、
お土産物で有名なんですけども、色とりどりのクローマというのがあるんですけども、
それを買ってきて包帯代わりにぐるぐる巻いて安静にしているというようなことをやっていました。
だいたい皆さん若くて一晩寝ていると治るということがありました。
あと僕単独で行ったので情報を知らなかったんですけども、
一応予防接種だけは受けていったかな。
ハショウ風とA型肝炎と狂犬病は受けていったんですけども、
どうもセキリ菌がやっぱりいるみたいでお腹に来るらしかったんですよ。
僕は現地の人と同じものを食べていれば病気にもならないという勝手な信念があって、
同じものを食べて同じ水を飲んでいたんですけども、
現地の方が小さいお子さんが水で亡くなっちゃって、調査中に不幸なことで亡くなってしまって、
どうも水らしいということでその日以来テッドボトルに入っている水を飲むようになったんですけども、
カンボジアはレッドブルもあるしビールもあるし、
メコンミスキーというお酒もあって地酒もあって、
メコンミスキーは日本でいうとみりんと全く変わらない味だったんですけども、
そんな感じで飲み物はなんとかなりました。
レッドブルが結構あって、レッドブルでマジックポイント回復と呼んでました。
ヒットポイント回復は、カンボジアって隣がタイでしょ。
タイでマッサージ勉強してきたマッサージ師さんがたくさんいて、
しかも安くて2日に1回ぐらいマッサージを受けて、
やっぱり機材が重いんで体がバリバリになるんですよね。
それでマッサージを受けてヒットポイント回復って呼んでました。
食事はめちゃくちゃうまかったです。
タイ料理って辛いの多いじゃないですか。
カンボジアは辛くないんですよ。
ただ食材とか作り方とかもタイ料理とすごく似てて、
辛くないタイ料理をイメージしてもらうと近いのかなと思うんですけども、
食材も今どうかわかんないですけど、
薪で調理してますからすごく香ばしくて、
ニワトリをよく食べるんですけども、
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ニワトリも肉なんて食べないですよ。内臓を食べるんですよ。
内臓がめちゃくちゃおいしくて、肉は猫にあげるって言って、
猫もたぶん内臓の方が欲しかったと思うんですけど、
渋々鶏肉を食べていたようです。
お店、レストランとか入ると猫いっぱいいて、
持って帰れ持って帰れって言われるんですけど、
さすがに猫ちゃん連れて帰るわけにはいかないので、
猫ちゃんは置いて帰りましたけど、めちゃくちゃおいしかったですね。
お昼はハンコウ理石の中でやっているレストランというか屋台ですね。
動かない屋台みたいなものなんですけども、
そこで毎日食べてたんですけども、
そこも観光地なので英語メニューが置いてあるんですけども、
チキンとかビーフとかが、ビーフはあんまりおいしくないんです。
たぶん濃厚牛が最後の方向で占められているんじゃないかと思うんですけど、
下の方にレモングラスというのがあって、
日本で飾り付けとかにかわいらしいレモングラスが入っていることがあるじゃないですか、お鍋とか。
そんなのを想像していたら、レモングラスを頼んだら、
笹みたいに結構太いレモングラスがポンと入っていて、
出された以上食うかと思ってガジガジ噛んだら、
後で知ったんですけど、レモングラスって神経毒なんですね。
その晩見事にバッドトリップして、極彩色の色が見えて、
人間の目ってね、三原色でレッド、グリーン、ブルー、またはバイオレット、RGB、またはRGBと言われているんですけども、
グリーンって人間の目って見れないんですよ。
見れないというのは正確に言うと、グリーンに反応するL細胞というC細胞があるんですけども、
緑だけを刺激するということはできなくて、
必ず赤に反応するM細胞というのも同時に刺激を受けちゃうので、
逆ですね、ごめんなさい。赤がL細胞で、緑がM細胞ですね。
とにかく緑だけを刺激するということはできないんですけども、
脳内の反応で緑が見えているから、本当に極彩色なんですよ。見たことない緑が見えるんですよ。
いわゆるサイケデリックという色ですよね。
汗だらだらかいてたが、多分麻薬とかでバッドトリップしてもこの色が見えると思うんですけども、
普段調査でクメールの神々の彫像、レリーフを見ているので、アプサラダンスって踊っているんですよ。
クメールの神々降りてきて極彩色で、異国の音楽でアプサラダンスで、
もうこの場で死ぬんだっていう、さよならって感じだったんですけど、
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たまたま分量がそこまで多くなかったのが、3時間か4時間ぐらいで抜けて何とか平常に戻ったんですけども、
そんな経験もさせてもらって、それで例えば色彩学の話とかするときに、
実は人間というのはこのピュアなグリーンというのは見ることができないんだけども、
薬物中毒とかで見ることができると言われてますというときにこの話をさせてもらったりとか、
京都の平等院、法堂って当時は極彩色に塗られていたんですね。
今のお寺の、日本のお寺のちょっと錆びたイメージと違って、
当時は中国から大量に顔料を輸入して極彩色を塗っていて、
たぶんこういう世界を表現したかったんだろうなということも身をもって体験したんですね。
東大の池内先生の調査なんですけども、今我々がピラミッドでやっているのと原理的には同じで、
距離が分かるカメラ、何種類か組み合わせて、それから上空からですね、
当時ドローンがなかったんですけども、バルーンを使って上空からカメラで撮影をしていったりとか、
人間が入れないところをロボットを使って計測したりとか、非常に先進的なことをやられていました。
バルーンに関しても、ヘリウムで膨らまそうとしたら、
カンボジアの方から、我が国にヘリウムはないと言われて、ベトナムから輸入したりとかですね、
観光機球ってあるんですけどね、あの観光機球なんだったら水素に決まってるじゃないかって言われて、
いやーって思ったこともあったりしたんですけども、そんなことも色々体験させてもらった1ヶ月でした。
当時の写真がちょうどデジタルに仕掛けた時期で、僕はまだフィルム使ってたので、
あんまりちょっと資料残ってないんですけども、またゆくゆくはブログとかツイッターでアップしていこうかなと思っています。
すいません、今日はまた長々とエジプトと関係ない話をしちゃったんですけども、
ここまでにしたいと思います。
それではまた次のフォトキャスト、次の動画でお会いしましょう。
では。
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